不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭 本選編

勝者こそが絶対

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「その求婚、受けてやってもいいぞ」
「ホムラ!?貴様、正気か!?」
「マジっすか、ホムラの姐さん!?」


ホムラの発言にエリナとクレナイが驚愕の声を上げ、他の者達も騒ぎ出す。ヨシテルの提案に対して一番意外な人物が承諾した事に誰もが動揺するが、ホムラは更に言葉を続けた。


「勘違いするな、この女男が言っているのは優勝すれば求婚を申し出るという話だろう。つまり、優勝しなければ求婚を受ける理由はなくなるわけだ。有り得ない事だが、お前がもしも優勝した時は……結婚も考えてやる
「……なるほど、そういう条件であるのならば私も引き受けましょう。万が一にもヨシテル将軍が優勝すれば私も求婚の件は前向きに考えさせていただきます」
「御二人とも、本気ですか!?」


優勝する事を条件にホムラとツバサはヨシテルの求婚を引き受けても良いという姿勢を見せると、ヨシテルはその言葉に満足したのか最後に反対を示すレミアに声をかける。


「レミア将軍、御二人は私の条件を引き受けてくれました。貴女はどうしますか?」
「くっ……!!」
「引き受けろ、レミアとやら……要はこの男を優勝させなければいいだけの話だ」
「その通りですね、要するに試合でこの男を打ち負かせばいいだけの話です」


自分こそが優勝する事を確信しているかのようにホムラとツバサはヨシテルが優勝した場合は求婚を受けるという条件を呑むと、残されたレミアとしては断りにくい。ここで断れば自分が優勝する自信がないという事を公衆の面前で晒すような事に等しい。

レミアとしても闘技祭に出場した時点で自分こそが優勝するという強い意志を抱いている。バルトロス王国のため、忠誠を誓うナオのためにも彼女は負けられない。そんな考えを抱くレミアだからこそ、弱気な面を見せるわけにはいかなかった。


「いいでしょう!!その条件、引き受けます!!もしもヨシテル将軍が優勝した場合に限り、私は貴方の妻となる事を誓います!!」
「……分かりました。ではナオ女王、デブリ国王、御三方の許可を得ました。問題はありませんね?」
「え、ええっ……」
「まあ、本人たちがそれでいいというのならば……」


ヨシテルは笑みを浮かべるとナオとデブリも反対する事は出来ず、当人同士が納得しているのならばこれ以上は口出せない。だが、ここでダインはレナにこっそりと耳打ちする。


「あのさ……今の話、ホムラもツバサもはっきりと結婚するとは言ってないよな?」
「うん、言ってないよね。どっちも結婚するとは断言していないように聞こえたよ」
「あれ、絶対に御二人とも結婚する気ないっすね」


二人の会話にエリナも口を挟み、よくよく考えるとホムラの場合は「結婚を考える」ツバサの場合は「前向きに検討する」とだけしか言っていない。つまり、結婚をはっきりと承諾したわけではない。

だが、その事実に気付いていないレミアの方は公衆の面前でヨシテルが優勝すれば自分は結婚すると誓ってしまった。つまり、他の二人と違ってもう言い逃れは出来ない。追い込められたせいで冷静な判断力を失っていたレミアの痛恨のミスだといえる。


『え~……色々と大変な事になりましたが、選手紹介はこれにて終了とさせていただきます。では、選手の皆さんは特別控室の方へ移動してください』


こうして予想外の騒ぎは起きてしまったが、本選に出場する全ての選手の紹介を終えると、選手達は運営側の係員の案内の元、特別控室に案内された――





――闘技場の特別控室は観客席の最前列の席の下の階に存在し、位置的には試合場を取り囲む壁の一部をガラスのように薄く透明な水晶壁へと作り変え、その壁越しに選手達は試合場の光景を確認出来た。いってみれば選手専用の特別な観客席と言え、試合の様子を実際に目にする事が出来る。

前回の闘技祭の際は選手一人一人に個室が用意されていたが、今回の場合は闘技場には選手が宿泊する施設は存在せず、試合の際も特別控室にて待機するように命じられている。つまり、これから戦い合う選手同士を全員同じ部屋で待機させる事に等しい。


「……いや、おかしいだろ!!なんでこれから戦うかもしれない奴等と一緒に同じ場所で待機させるんだよ!?こんな場所で安心できるわけないだろ!?今すぐにでも逃げ出したい気持ちに駆られるんだけど!!」
「落ち着きなよダイン……気持ちは分かるけどさ」
「そうそう、そんなに気を張り詰めていたら試合の時にへばるぞ?」


大人数が収納できる広間とはいえ、これから戦う者同士が集まっているのでダインの様に気の弱い選手は落ち着かず、そわそわと不安を隠せずに周囲を見渡す。特別控室にはベンチも用意されており、レナ達は一番端の席に座っていた。

控室にはそれぞれの国の選手たちが集まり、国ごとに分かれて座っていた。別にそのような決まりがあるわけではないのだが、やはり同じ国同士の者の方が信頼できるのだろう。実際にバルトロス王国組も一か所に集まり、その中にハルナも混じっていた。彼女はベンチに横たわってレナに膝枕をしてもらい、試合場の様子を伺う。
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