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真・闘技祭 本選編
あどけない寝顔
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「――レナ、まだ寝てる」
「呑気な奴だな……これから決勝戦なのに」
「試合が終わってからずっと眠ってるそうだ」
「そう……なら、私の試合は見られていないのね」
医療室にてレナの仲間達は集まり、ベッドの上に眠りこけるレナの様子を伺う。準決勝を終えてからずっと眠っており、子供の様にあどけない寝顔だった。忘れがちではあるが、まだレナは16才の少年であり、この世界の人間の基準では成人だが、森人族の基準ではまだまだ子供である。
「酷い奴だな、シズネがあんなに頑張って戦っていたのに眠りこけてみないなんて……」
「……むしろ、見たくなかったのじゃないかしら」
「どういう意味だ?」
「忘れたの?さっきの試合で私が勝っていれば、決勝戦で戦うのは私だったのよ」
シズネの言葉にダイン達は驚いた表情を浮かべ、眠っているレナの手をシズネは握りしめると、何処か憑き物が落ちたような表情をしていた。試合に負けた事は悔しいが、同時に全力を出し切って満足している自分がいる事に気付いていた。
「父の仇を討てなかったのは悔しいけど、私は全力を出し切れたわ……もしも、決勝戦に勝ち残っていたとしてもはっきり言って私は本気で戦う事は出来なかったでしょうね」
「ど、どうしてだよ?仲間を傷つけるのは嫌だからか?」
「いいえ……想い人を相手に本気で戦うなんて私には無理よ」
「シズネ……」
遂に他の人間の前でも隠さずにレナに好意がある事をシズネが伝えると、そんな彼女にコトミンは微笑み、レナの逆の腕を掴む。
「シズネ、レナに力を貸す」
「力を貸す?どういう意味かしら?」
「私達の力でレナを癒す」
「癒す?私にそんな力は……」
「大丈夫、出来る」
コトミンはシズネと共いレナの掌を掴み、今回は水も無しで回復魔法を発動させる。その様子を見てシズネも戸惑いながらも掌を握りしめると、彼女の中の水の聖痕が発動して二人の掌に青色の光が輝く。
掌を通してレナの体内に二人分の魔力が送り込まれ、徐々に疲労状態だったレナの肉体が回復しているのか、より安らいだ表情を浮かべる。その様子をダインは黙って見ていたが、ぽつりと呟く。
「え?でも、精霊薬を飲めば……」
「ダイン、無粋だぞ」
「そういう所があるからモテないんですよ」
「うわっ!?い、何時の間にいたんだリーリス!?」
「今はイリアですよ」
「私もいますよ~」
医療室にはイリアの姿が存在し、その後ろにはホネミンも経っていた。唐突に現れた二人にダインは驚くが、続々と扉の方から他の者達も現れた。
「レナたん、いる!?励ましに来たよ!!」
「レナちゃん、決勝戦頑張ってね!!」
「レナ、よくここまで勝ち残ったね!!あとはあのゴウライをぶっ飛ばして黒虎の名前を世界中に広めな!!」
「3人とも静かに入りなさい。他に休んでいる人がいたらどうするの?それとバル、レナはうちのギルドにも所属しているのよ」
「ティナたちまで……」
特等席で応援していたティナ達も駆けつけ、横たわっているレナの元へ急ぐ。更には天井からもハンゾウとカゲマルが現れ、部屋の中に降り立つ。
「レナ殿、拙者の里の秘伝の薬を持って来たでござる!!これを飲めば一気に回復するでござる!!」
「いや、どうやらその必要はないようだな」
「ハンゾウにカゲマルまで!?」
「おい、レナ!!起きてるか!?あたしに勝ったんだから、あんな鎧女に負けるなよ!!」
「ハルナも!?」
派手に扉を吹き飛ばしながら若干怒った風にハルナも入り込み、部屋の中に存在する者たちを見て驚くが、そんなハルナの後ろから氷雨に所属する剣聖たちも姿を現す。
「坊主、起きてるか?」
『……何だ、もう先客がいたのか』
「レナ様、頑張ってください!!必ず勝ってくださいね!!」
「…………」
「いや、ロウガ!!お前も何か言えよ!!」
「騒がしいですね」
「……うるさい奴等だ」
剣聖であるシュン、ハヤテ、ジャンヌ、ロウガも訪問し、更にその後ろからは六聖将であるホムラとツバサも続く。本来は対立関係にある二人だが、自分を打ち破った者に関しては思う所があるらしく、赴いてきたらしい。
ツバサはベッドに横たわるレノに視線を向け、ホムラはシズネの方を一瞥すると、何も言わずにレノを見下ろす。そんな二人に対して周囲の者は押し黙ると、ホムラが口を開く。
「ゴウライの事を頼む……私ではあいつを救えなかった」
「えっ?」
「……じゃあな、もう会う事もないだろう」
ホムラは眠っているレナに言葉を伝えると、彼女は立ち去る。その様子をツバサはため息を吐きながら見送り、彼女はレナの額に掌を押し当てると瞼を閉じる。その行為の意図が読めずに周囲の者は戸惑うが、すぐにマリアは何かを勘付いたようにツバサの元へ向かう。
「……聖痕を感じているのね」
「ええ、試合で戦った時から違和感はありました。やはりというべきか、この子の身体には風の聖痕は適合していないようです」
「えっ!?どういう意味だよ!?」
風の聖痕がレナの身体に適合していないという言葉にダインは驚き、他の者達も気になってツバサに顔を向けると、彼女はマリアに振り返る。マリアが頷くのを確認すると説明を行う。
「呑気な奴だな……これから決勝戦なのに」
「試合が終わってからずっと眠ってるそうだ」
「そう……なら、私の試合は見られていないのね」
医療室にてレナの仲間達は集まり、ベッドの上に眠りこけるレナの様子を伺う。準決勝を終えてからずっと眠っており、子供の様にあどけない寝顔だった。忘れがちではあるが、まだレナは16才の少年であり、この世界の人間の基準では成人だが、森人族の基準ではまだまだ子供である。
「酷い奴だな、シズネがあんなに頑張って戦っていたのに眠りこけてみないなんて……」
「……むしろ、見たくなかったのじゃないかしら」
「どういう意味だ?」
「忘れたの?さっきの試合で私が勝っていれば、決勝戦で戦うのは私だったのよ」
シズネの言葉にダイン達は驚いた表情を浮かべ、眠っているレナの手をシズネは握りしめると、何処か憑き物が落ちたような表情をしていた。試合に負けた事は悔しいが、同時に全力を出し切って満足している自分がいる事に気付いていた。
「父の仇を討てなかったのは悔しいけど、私は全力を出し切れたわ……もしも、決勝戦に勝ち残っていたとしてもはっきり言って私は本気で戦う事は出来なかったでしょうね」
「ど、どうしてだよ?仲間を傷つけるのは嫌だからか?」
「いいえ……想い人を相手に本気で戦うなんて私には無理よ」
「シズネ……」
遂に他の人間の前でも隠さずにレナに好意がある事をシズネが伝えると、そんな彼女にコトミンは微笑み、レナの逆の腕を掴む。
「シズネ、レナに力を貸す」
「力を貸す?どういう意味かしら?」
「私達の力でレナを癒す」
「癒す?私にそんな力は……」
「大丈夫、出来る」
コトミンはシズネと共いレナの掌を掴み、今回は水も無しで回復魔法を発動させる。その様子を見てシズネも戸惑いながらも掌を握りしめると、彼女の中の水の聖痕が発動して二人の掌に青色の光が輝く。
掌を通してレナの体内に二人分の魔力が送り込まれ、徐々に疲労状態だったレナの肉体が回復しているのか、より安らいだ表情を浮かべる。その様子をダインは黙って見ていたが、ぽつりと呟く。
「え?でも、精霊薬を飲めば……」
「ダイン、無粋だぞ」
「そういう所があるからモテないんですよ」
「うわっ!?い、何時の間にいたんだリーリス!?」
「今はイリアですよ」
「私もいますよ~」
医療室にはイリアの姿が存在し、その後ろにはホネミンも経っていた。唐突に現れた二人にダインは驚くが、続々と扉の方から他の者達も現れた。
「レナたん、いる!?励ましに来たよ!!」
「レナちゃん、決勝戦頑張ってね!!」
「レナ、よくここまで勝ち残ったね!!あとはあのゴウライをぶっ飛ばして黒虎の名前を世界中に広めな!!」
「3人とも静かに入りなさい。他に休んでいる人がいたらどうするの?それとバル、レナはうちのギルドにも所属しているのよ」
「ティナたちまで……」
特等席で応援していたティナ達も駆けつけ、横たわっているレナの元へ急ぐ。更には天井からもハンゾウとカゲマルが現れ、部屋の中に降り立つ。
「レナ殿、拙者の里の秘伝の薬を持って来たでござる!!これを飲めば一気に回復するでござる!!」
「いや、どうやらその必要はないようだな」
「ハンゾウにカゲマルまで!?」
「おい、レナ!!起きてるか!?あたしに勝ったんだから、あんな鎧女に負けるなよ!!」
「ハルナも!?」
派手に扉を吹き飛ばしながら若干怒った風にハルナも入り込み、部屋の中に存在する者たちを見て驚くが、そんなハルナの後ろから氷雨に所属する剣聖たちも姿を現す。
「坊主、起きてるか?」
『……何だ、もう先客がいたのか』
「レナ様、頑張ってください!!必ず勝ってくださいね!!」
「…………」
「いや、ロウガ!!お前も何か言えよ!!」
「騒がしいですね」
「……うるさい奴等だ」
剣聖であるシュン、ハヤテ、ジャンヌ、ロウガも訪問し、更にその後ろからは六聖将であるホムラとツバサも続く。本来は対立関係にある二人だが、自分を打ち破った者に関しては思う所があるらしく、赴いてきたらしい。
ツバサはベッドに横たわるレノに視線を向け、ホムラはシズネの方を一瞥すると、何も言わずにレノを見下ろす。そんな二人に対して周囲の者は押し黙ると、ホムラが口を開く。
「ゴウライの事を頼む……私ではあいつを救えなかった」
「えっ?」
「……じゃあな、もう会う事もないだろう」
ホムラは眠っているレナに言葉を伝えると、彼女は立ち去る。その様子をツバサはため息を吐きながら見送り、彼女はレナの額に掌を押し当てると瞼を閉じる。その行為の意図が読めずに周囲の者は戸惑うが、すぐにマリアは何かを勘付いたようにツバサの元へ向かう。
「……聖痕を感じているのね」
「ええ、試合で戦った時から違和感はありました。やはりというべきか、この子の身体には風の聖痕は適合していないようです」
「えっ!?どういう意味だよ!?」
風の聖痕がレナの身体に適合していないという言葉にダインは驚き、他の者達も気になってツバサに顔を向けると、彼女はマリアに振り返る。マリアが頷くのを確認すると説明を行う。
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