不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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魔人編

死人将

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「マリア様!!」
「っ!?」


カゲマルの言葉にマリアは咄嗟に振り返ると、そこには自分の背後の空間にレナの「空間魔法」と酷似した歪みが存在した。レナの場合は円形の黒色の穴が誕生するのに対し、マリアの背後に出現した空間の歪みは「亀裂」を想像させ、その場所から細長い腕が飛び出す。

枯れ木のように痩せ細った老人のような腕が空間の歪みから出現すると、結界を張っているマリアの背中を狙う。それを目撃したカゲマルは即座に動き、彼はマリアに触れようとした腕を切り裂く。


「抜刀!!」
『ぐうっ!?』


マリアに触れる寸前にカゲマルの攻撃が間に合い、どうにか彼女に触れる前に腕を切り裂く事には成功した。しかし、切り裂かれた腕は地面に落ちると空間の亀裂が消え去り、一瞬だけ内部から人の声のような音が聞こえた。


「な、何だ!?何処から現れたんだ!?」
「まさか……今の感覚、レナの空間魔法と同じだ!!これも闇属性の魔法だ!!」
「なんだと!?」


右腕を抑えながらダインは答えると、その言葉に他の者達は驚く。空間魔法を扱えるのは支援魔術師ぐらいでしかもレナのように熟練度を高めて高レベルに至った人間にしか扱えないはずである。闇魔導士や死霊使い、あるいは呪術師であろうと空間魔法は扱えないが、敵は間違いなく異空間に繋がる「亀裂」の内部から攻撃を仕掛けてきた。

やがて火炎の吐息を吐き出していたガイアが攻撃を中断すると、彼の傍の空間に亀裂が誕生し、やがて一人の老人が姿を現す。どうやら人間と思われるが相当に年老いており、枯れ木の様に痩せ細った手足だった。その男の顔を見てソルは驚愕の声を上げる。


「貴様は……まさか、あの時の!?」
『……やはり、貴様も生きていたか』
「ちょっと、知り合いなの?」


ソルが老人の顔を見て驚いた声を上げると、そんな彼に対して老人は忌々し気な表情を浮かべ、切り落とされた腕を抑えながらも睨みつける。その様子を見たソルは信じられない表情を浮かべながら答えた。


「奴は……俺が石像にされる前、七魔将に封魔札を施す前に邪魔をしてきた男だ!!」
「何ですって……!?」
「ちょ、ちょっと待てよ!!それって数百年前の話だろ!?なら、この爺さんは何歳なんだよ!!」


ダイン達はソルの言葉を聞いて驚愕し、冷静に考えればソルの言葉が事実ならばあり得ない話で合った。少なくともソルが封印されたのは300年も前の話であり、その当時に存在した人間が生きているはずがない。老人の見た目はエルフではなく、不自然なまでに痩せ細ってはいるが人間だと思われた。

老人はソルの言葉を聞いて鼻で笑い、彼の隣に立っているガイアの肩を掴んでどうにか立ち尽くす。少し力を込めて押しただけで枯れ木のようにへし折れそうな弱々しさを感じさせる老人だが、異様な威圧感を放っていた。その様子を見てソルは何者なのかを尋ねる。


「貴様、いったい誰だ!!300年前、どうして七魔将の封印を妨げた!!」
「……貴様等に我が同胞を傷つけさせるわけにはいかん。貴様さえいなければ、儂はメドゥーサの奴を殺し、仲間達を解放できたというに……!!」
「何だと!?どういう意味だ!?」
「まさか……こいつも魔族なのか!?」


老人の言葉を聞いてソルは驚き、老人によればソルがいなければ彼は当の昔にメドゥーサを倒し、同胞と呼んでいる魔族たちを救える事を伝える。その反応からハルナは彼が魔族なのかと驚くが、それに対して老人は高らかに笑い声を上げる。


「教えてやろう……儂こそが死人将のブラク!!そしてここにいるのが竜人将ガイアじゃ!!」
「ブラクに……ガイアだと!?」
「ふんっ……ブラク、そんな事よりも回収は出来たのか?」


自分達が七魔将である事を明かしたブラクの言葉にダイン達は驚愕する中、ブラクに肩を貸しているガイアは彼に尋ねる。すると、ブラクは笑みを浮かべて左手を伸ばすと空間に亀裂が走った。その亀裂の内部から彼はダインの杖を取り出し、それを見たダインは焦った声を上げた。


「そ、その杖は僕の……返せ、このくそ爺!!」
「……闇の聖痕をまともに扱う事も出来ぬ小童が、儂に逆らうか?」
「何だと!?このっ……うああっ!?」
「ダイン!?」
「そんな、またかよ!!」


ブラクはダインを睨みつけると、彼から奪った杖を翳す。その瞬間、ダインの内部の闇の聖痕が再び腕全体に広がり、やがて胴体の方にも回ろうとした。ダインの闇の聖痕を暴走させているのはブラクである事に間違いなく、どうしてこんな事が出来るのかとレミアは驚く。


「貴方は何者です!!何故、聖痕の所有者でもないのに聖痕を……!?」
「痴れた事よ……その聖痕は元々、儂の物……そしてその小僧と儂は血縁関係にある!!」
「なっ!?そ、そんな馬鹿なっ……」
「嘘ではない、お前は何も聞いておらんのか?」


ダインはブラクの言葉を聞いて信じられない表情を浮かべるが、ブラクはダインと自分が血の繋がりがある事を確信し、それを証明するように彼に受け継がれた闇の聖痕を操る。
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