不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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魔人編

ダインと死人将の関係

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「貴様はバルトロス王国の呪術師の家系……ならば自分の家の当主の事を知らぬはずがあるまい」
「ぐああっ……!?」
「その呪われし聖痕の元々の所有者は誰か、本当に何も聞かされておらんのか!?」


ダインは右腕から侵食する聖痕の紋様に視線を向け、激痛を耐え凌ぎながらも改めて死人将を名乗る老人を見つめる。よくよく観察すると確かに自分の肉親であり、同時に恨みを抱いた相手と若干似ている事に気付く。


「お前はまさか……!?」
「そう、お前が頭に思い描いた男の兄……と言えば分かるな?」
「くそ爺の……兄貴だと!?」


ブラクの言葉にダインは信じられない表情を浮かべ、ここで真実が発覚する。ダインは元々は王国貴族の出身であり、その家の当主を務めていた「オウネン」の兄だと語る。それは即ち、ダインの先祖が七魔将の一人である事が発覚した。

オウネンの兄を語るブラクは忌々し気な表情を浮かべ、かつて自分の弟との確執を思い出す。オウネンはダインに宿った闇の聖痕に視線を向け、元々は自分の身体に宿っていた聖痕が弟の子孫に受け継がれている事に彼は許せなかった。


「ああ、思い出すだけでも憎い……オウネンめ!!よくも儂から全てを奪ったな!!地位も、力も、聖痕も!!全て奴に奪われた!!」
「ど、どういう意味だ……!?」
「言葉通りだ……儂は奴に裏切られ、全てを失ったのだ!!許せん、憎い憎い憎い……!!」
「ブラク、目的を見失うな!!」


実の弟でありながら自分を裏切り、何もかもを奪い去ったオウネンに対してブラクは怒りを抱き、その感情に反応するかのように彼の全身から闇属性の魔力が溢れる。そんな彼にガイアは注意すると、黙って聞いていた他の者達も動き出す。


「事情はよく分かりませんが……貴方達を倒せば七魔将の復活は阻止できるようですね」
「ぶっ飛ばしてやる!!」
「よくもレナを……それと、ダインを解放しなさい!!」


レミア、ハルナ、シズネの3人がブラクとガイアの元へ向かい、ガイアの相手はハルナが行おうとした。彼女は最初から本気で挑むために紫色の電流を迸らせ、最高速度で仕掛けようとした時、ここでブラクは全身に纏っていた闇属性の魔力を変化させ、まるでダインの「シャドウマン」を想像させる魔力で構成した巨人を作り出す。


『ウオオオオッ!!』
「な、何だ!?」
「これは……まさか、魔鎧術!?」
「なんて禍々しい魔力なの……」


ブラクは全身を包み込むほどの漆黒の巨人を作り出す。恐ろしいのはこの巨人の正体が闇属性の魔力のみで構成された存在であり、ダインの影人形と異なる点は物理攻撃も行える点である。

漆黒の巨人は両腕を広げると、迫りくるレミアやシズネを捕まえようとした。二人は咄嗟に腕を躱す事には成功したが、魔力で構成された肉体なので自由自在に形状を変化で斬るらしく、腕を伸ばして二人を執拗に追い詰めた。


『ニガサンゾォッ!!』
「くっ!?」
「おのれ……いい加減にしなさい!!」


レミアはエクスカリバーを振りかざすと、聖属性の魔力を宿らせて巨人の腕を切り裂く。相性的には聖属性の攻撃ならば闇属性の魔力に対抗できるが、腕を切り落とされても漆黒の巨人は止まらず、すぐに腕を再生されてしまう。


『ムダダ……キサマゴトキ、ワレニハカナワン!!』
「なっ!?そんな……」
「下がりなさい!!」


聖剣の一撃を受けてもすぐに再生した巨人に対し、ここでマリアが動き出す。彼女は両手を重ねると魔法陣が誕生し、威力に特化した砲撃魔法で巨人を消し飛ばそうとした。だが、この時にガイアが動くと彼女よりも一足先に先ほどの火炎の吐息を放つ。


「させぬわぁっ!!」
「くっ……邪魔よっ!!」


放たれた火炎に対してマリアは風の聖痕を発動させると、右腕を振り払う動作だけで突風を発生させ、火炎を吹き飛ばす。ガイアは強烈な風圧を受けて吹き飛び、派手に壁に衝突した。レナの祖母であり、マリアの母親であるハヅキと同様にマリアも風の聖痕の力を早くも使いこなそうとしていた。

純粋な森人族であるマリアは風属性の適性が高く、風の聖痕との相性はレナよりもいいのか、彼女はすぐに聖痕の使い方を理解した。今まで以上に風属性の魔法が強化されている事に気付いたマリアは驚いた表情を浮かべるが、すぐに笑みを浮かべて右腕を伸ばす。


「この感覚……悪く無いわね。さあ、私の甥に手を出した罰よ。細切れにしてあげるわ!!」
「うわっ!?」
「ま、マリア様!?」


マリアは拳を握りしめると、漆黒の巨人の内部に存在するはずのブラクに向けて掌を広げる。その直後、ブラクの周囲に竜巻が発生すると、漆黒の巨人を飲み込み、言葉通りに強烈な風圧が刃の如く襲い掛かる。巨人の全身に無数の風の斬撃が襲い掛かり、まるでミキサーに放り込まれたかのように巨人の身体が崩れていく。
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