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魔人編
決別
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「よせ、ブラク……アルドラの言う通りだ。魔王様はもういない、ならば七魔将も解散するべきだろう」
「ま、魔人将……それは本気で言っているのか?」
「仕えるべき主が消えた、ならば我々はもう自由だ。何者にも縛られず、行動すればいい」
「それは……七魔将を解散させるという意味か?」
ラストの言葉にオウガは反応すると、その言葉に他の3人も目を見張り、ラストは黙って頷く。世界を支配するために作り出された組織、その頂点に立つべき存在が消えた今となっては七魔将など過去の称号だと断言する。
「七魔将は解散だ。そもそも魔眼将が裏切った時点で我々は七魔将ではなくなった……これからはそれぞれが自由に過ごすと良い」
「え~?本当にいいのぉっ?やったぁっ……なら、私は外の世界で楽しんでくるわね~」
「ま、待たんか!!何処へ行く気だ!?」
アルドラはラストの言葉を聞くと一目散に翼を広げ、天井に向けて飛び上がると彼女は闇の中に溶け込むように消え去る。その光景を見たブラクは止めようとするが、それに対して牙狼将のガオウが引き留めた。
「死人将……いや、ブラク殿。良いではないですか、奴はそもそも七魔将でありながら自由勝手な行動で輪を乱す魔女……いない方が平和でしょう」
「しかし……」
「くどいぞ、もう我々は仲間同士ではない……これからは自由にさせてもらう」
「鬼人将!!まさか、お主も行かれるつもりか!?」
その場を立ち去ろうとするオウガを見てブラクは慌てて引き留めようとするが、そんな彼に対してオウガは鋭い視線を向けた。その瞳に睨みつけられるだけで数々の修羅場を潜り抜けてきたブラクやガオウでさえも恐怖を抱く。
鬼人将と呼ばれたオウガは七魔将の中でも魔人将と双璧を為す程の「戦闘」に優れた存在であり、実際にこの二人が揃えって戦えば魔王をも上回る戦力と化す。オウガは七魔将を統括するラストに匹敵する強さを誇り、同時に彼に強い対抗心を抱いていた。
「魔人将、いや……ラストよ。必ず俺はお前を越える、それを忘れるな」
「ああ、覚えておこう……また、会おう」
「…………」
ラストの言葉に対してオウガは黙って広間を立ち去り、その様子を残された3人は見送る。これで七魔将は半分を切ってしまい、残されたブラクはラストが何を考えているのかを問う。
「魔人将……いや、ラスト殿!!貴方は何を考えておられるのですか!?」
「何を考えているか……ならば逆に聞くが、お前は何を思って我々を復活させた?」
「それは……もうこの世にはおられない魔王様の意思を継ぎ、我々がこの世界の支配者となるべく行動を開始するのです!!そのための準備は既に終えております!!」
「……ほう、つまりお前は魔王様の意思を継ぎ、この世界を支配したいというのか?」
ブラクの言葉にラストは鋭い視線を向け、オウガにも勝るとも劣らぬ迫力でブラクに問い質す。その圧迫感だけでもブラクは冷や汗を流し、それでも言い返す。彼がこの時代に生き延びた理由、それは魔王への忠義を果たすためである。
「貴方が何と言われようと、儂は魔王様の意思を継いでこの世界を再び魔王軍の支配下に収めるつもりです。もう、邪魔者となる勇者を召喚する術はこの時代には残っておりません」
「勇者が……召喚されない?それは本当の話なのですか?」
「嘘ではない、もう勇者を召喚するのに必要な儀式はもう何処の国も行えないのだ。現に我々が復活するまでの数百年の間、勇者が召喚されたという記録はない。もうこの時代には勇者を呼び出す手段はなくなったのだ!!」
かつて魔王軍を壊滅にまで追い込んだ存在、それこそが「勇者」であった。勇者は世界の危機を迎える度に世界の何処かの国で召喚され、窮地を救ってきた。しかし、勇者召喚を行っていたバルトロス帝国は滅び、ヨツバ王国の前に存在したエルフ王国と呼ばれる国も滅びた。
現在は両国ともバルトロス王国とヨツバ王国と改名して国は保たれているが、肝心の勇者を召喚する技術は最初に国が崩壊した時に完全に失われる。勇者が残した遺跡などはまだ残っているが、勇者を召喚する方法はもう何処の国にも残っていない。
「勇者が存在しない以上、我々を妨げる存在はおりません。今こそ、七魔将同士で力を合わせて世界を支配する時が来たのです」
「……ラスト殿はどうお考えですか?」
「ふむ……」
ブラクの言葉を聞き終えたラストは腕を組み、彼としては魔王がもう存在しない以上、世界を支配する理由はない。だが、このまま黙ってこの世界に順応し、生きていくつもりはない。魔王に従った日から魔人将であるラストは自分達の存在を世界に存在する全ての人間が受け入れるはずがないと判断し、彼はこの「人が支配する世界」を崩壊させるために戦い続けてきた。
「いいだろう、ではお前の計画を聞かせて貰おうか。その後に判断しよう」
「おおっ……その言葉、待っておりましたぞ」
「ラスト殿、魔王様が亡き今は僕の主人に相応しいのは貴方様だけです……どうか、今後ともお仕えさせてください」
「好きにしろ、それもまた自由だ」
ガオウはラストに忠誠を誓い、ブラクもラストに自分の考えた計画を託す。ブラク自身は自分の力をよく理解しており、到底ラストには及ばない。ならば彼に全てを託し、自分には果たせない目的をラストに代わりに頼む。それしか方法はなかった――
※次回からはレナ以外のキャラクター視点から物語が始まります。最初の主人公は……皆が大好きなあの男です!!
「ま、魔人将……それは本気で言っているのか?」
「仕えるべき主が消えた、ならば我々はもう自由だ。何者にも縛られず、行動すればいい」
「それは……七魔将を解散させるという意味か?」
ラストの言葉にオウガは反応すると、その言葉に他の3人も目を見張り、ラストは黙って頷く。世界を支配するために作り出された組織、その頂点に立つべき存在が消えた今となっては七魔将など過去の称号だと断言する。
「七魔将は解散だ。そもそも魔眼将が裏切った時点で我々は七魔将ではなくなった……これからはそれぞれが自由に過ごすと良い」
「え~?本当にいいのぉっ?やったぁっ……なら、私は外の世界で楽しんでくるわね~」
「ま、待たんか!!何処へ行く気だ!?」
アルドラはラストの言葉を聞くと一目散に翼を広げ、天井に向けて飛び上がると彼女は闇の中に溶け込むように消え去る。その光景を見たブラクは止めようとするが、それに対して牙狼将のガオウが引き留めた。
「死人将……いや、ブラク殿。良いではないですか、奴はそもそも七魔将でありながら自由勝手な行動で輪を乱す魔女……いない方が平和でしょう」
「しかし……」
「くどいぞ、もう我々は仲間同士ではない……これからは自由にさせてもらう」
「鬼人将!!まさか、お主も行かれるつもりか!?」
その場を立ち去ろうとするオウガを見てブラクは慌てて引き留めようとするが、そんな彼に対してオウガは鋭い視線を向けた。その瞳に睨みつけられるだけで数々の修羅場を潜り抜けてきたブラクやガオウでさえも恐怖を抱く。
鬼人将と呼ばれたオウガは七魔将の中でも魔人将と双璧を為す程の「戦闘」に優れた存在であり、実際にこの二人が揃えって戦えば魔王をも上回る戦力と化す。オウガは七魔将を統括するラストに匹敵する強さを誇り、同時に彼に強い対抗心を抱いていた。
「魔人将、いや……ラストよ。必ず俺はお前を越える、それを忘れるな」
「ああ、覚えておこう……また、会おう」
「…………」
ラストの言葉に対してオウガは黙って広間を立ち去り、その様子を残された3人は見送る。これで七魔将は半分を切ってしまい、残されたブラクはラストが何を考えているのかを問う。
「魔人将……いや、ラスト殿!!貴方は何を考えておられるのですか!?」
「何を考えているか……ならば逆に聞くが、お前は何を思って我々を復活させた?」
「それは……もうこの世にはおられない魔王様の意思を継ぎ、我々がこの世界の支配者となるべく行動を開始するのです!!そのための準備は既に終えております!!」
「……ほう、つまりお前は魔王様の意思を継ぎ、この世界を支配したいというのか?」
ブラクの言葉にラストは鋭い視線を向け、オウガにも勝るとも劣らぬ迫力でブラクに問い質す。その圧迫感だけでもブラクは冷や汗を流し、それでも言い返す。彼がこの時代に生き延びた理由、それは魔王への忠義を果たすためである。
「貴方が何と言われようと、儂は魔王様の意思を継いでこの世界を再び魔王軍の支配下に収めるつもりです。もう、邪魔者となる勇者を召喚する術はこの時代には残っておりません」
「勇者が……召喚されない?それは本当の話なのですか?」
「嘘ではない、もう勇者を召喚するのに必要な儀式はもう何処の国も行えないのだ。現に我々が復活するまでの数百年の間、勇者が召喚されたという記録はない。もうこの時代には勇者を呼び出す手段はなくなったのだ!!」
かつて魔王軍を壊滅にまで追い込んだ存在、それこそが「勇者」であった。勇者は世界の危機を迎える度に世界の何処かの国で召喚され、窮地を救ってきた。しかし、勇者召喚を行っていたバルトロス帝国は滅び、ヨツバ王国の前に存在したエルフ王国と呼ばれる国も滅びた。
現在は両国ともバルトロス王国とヨツバ王国と改名して国は保たれているが、肝心の勇者を召喚する技術は最初に国が崩壊した時に完全に失われる。勇者が残した遺跡などはまだ残っているが、勇者を召喚する方法はもう何処の国にも残っていない。
「勇者が存在しない以上、我々を妨げる存在はおりません。今こそ、七魔将同士で力を合わせて世界を支配する時が来たのです」
「……ラスト殿はどうお考えですか?」
「ふむ……」
ブラクの言葉を聞き終えたラストは腕を組み、彼としては魔王がもう存在しない以上、世界を支配する理由はない。だが、このまま黙ってこの世界に順応し、生きていくつもりはない。魔王に従った日から魔人将であるラストは自分達の存在を世界に存在する全ての人間が受け入れるはずがないと判断し、彼はこの「人が支配する世界」を崩壊させるために戦い続けてきた。
「いいだろう、ではお前の計画を聞かせて貰おうか。その後に判断しよう」
「おおっ……その言葉、待っておりましたぞ」
「ラスト殿、魔王様が亡き今は僕の主人に相応しいのは貴方様だけです……どうか、今後ともお仕えさせてください」
「好きにしろ、それもまた自由だ」
ガオウはラストに忠誠を誓い、ブラクもラストに自分の考えた計画を託す。ブラク自身は自分の力をよく理解しており、到底ラストには及ばない。ならば彼に全てを託し、自分には果たせない目的をラストに代わりに頼む。それしか方法はなかった――
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