不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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ダイン 監獄都市編

これからどうすればいいんだよ……

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「……事情は分かりませんが、ダインさんは今は他の囚人から狙われている立場です。もしも捕まえれば殺されるのは間違いありませんね」
「何でだよ!?僕が何をしたんだよ!?」
「ガルルを懲罰房に送り込んだせいじゃないですかね」
「く、くそぉっ……あの野郎、何処まで僕に迷惑を掛ければ気が済むんだ!!」


事の発端は自分にちょっかいをかけてきたガルルをダインが罠に嵌めて懲罰房に送り込んだのが原因であり、現在の状況はガルルが引き起こしたといっても過言ではない。やり返そうにもガルルは未だに懲罰房に閉じ込められており、この状況下では手を出せない。

現時点ではこの場に存在する者は除いた囚人全員がダインの敵に回ったと考えるのが妥当であり、もしも彼等に捕まれば命はない。実際に手配書には殺しても構わないと記述されており、その内容をみてミイネは眉をしかめる。


「こんな物を張り出しているのに看守の兵士が何も言わない所、どうやら看守とも裏で取引されたのかもしれませんね。そんな事が出来るとしたら……三巨頭の二人しか考えられません」
「確か……ギルと、グシャスだっけ?そいつらがなんで僕を狙ってるんだよ」
「ふむ……もしかしたらガルルとやらがその二人に何か裏取引を持ちかけたのではないか?」
「有り得ますね。というより、そう考えるのが妥当です」


ドルトンの言葉にミイネは賛同し、今回の出来事は三巨頭同士が手を組んだとしか考えられなかった。つまり、現在のダインは監獄都市の3つの派閥に狙われている立場となり、しかも囚人区の管理を行う看守すらも彼等の行動を黙認していた。


「想像以上に最悪の事態ですね……まさか三巨頭全員を敵に回すなんて想像もしてませんでしたよ」
「おいおい、これからどうするんだよ」
「何か良い方法はないのか?」
「ううっ……くっそ、何かむかついてきたぞ!!」


普段のダインならば大勢の命を狙われる立場になれば怯えて動けないかもしれないが、今の彼の傍にはレナやゴンゾウのような心強い仲間は存在せず、自分の身は自分で守られなけばならない。それにガルルが今回の一件に関わっていると知ると、ダインは無性に腹が立つ。


(あのくそ野郎……絶対に許さないからな!!必ず僕の手でぶっ飛ばしてやる!!)


自分を追い込んだガルルに対してはダインは怒りを抱き、どんな目に遭おうと彼だけは許さないと誓う。ガルルの方もダインに対して強い敵対心を抱いており、お互いに相手に明確な敵意を抱く。

だが、今は一刻も早く避難しなければならず、ゴブが時間を稼いでいる間にダインは安全な場所に逃げなければならない。ミイネはその場所に心当たりがあるそうだが、現在の状況では迂闊に動く事は出来なかった。


「とりあえず、ダインさんはその目立つ服を着替える必要がありますね」
「そういえば若いのは囚人服ではないのう」
「そんな黒い服だと目立って仕方ないぞ?」
「いや、そういわれても……僕、替えの服なんて持ってないぞ?」


現在のダインは囚人服ではなく、ここに飛ばされた時に身に付けていた衣服を身に付けていた。デザインはレナが愛用する「退魔のローブ」と似ているが、ダインの場合は黒色を基調にしており、明るい場所だとかなり目立つ。


「仕方ありませんね、ダインさんの服を調達しましょう。緊急事態なのでそこいらにいる囚人から服を奪いましょう」
「おう、そういう事なら俺の出番だ!!待ってろ、すぐに調達してくるからな!!」


ミイネはダインを捜索している囚人から衣服を拝借する事を提案すると、すぐにマサルが動き出す。彼は腕っぷしが強く、油断さえしなければ並大抵の囚人に負ける事はない。衣服の調達はマサルに任せると、ミイネは次にドルトンに視線を向けた。


「それと杖の方も目立ちますし、少し細工をしましょう」
「細工?何をするつもりだよ?」
「杖なんて持って歩いてたら怪しまれるでしょう。でも、掃除の時に使うあれを利用すれば上手く誤魔化せますよ。ねえ、ドルトンさん?」
「ん?ああ、なるほど……そういう事ならすぐに持ってこよう」


ミイネの言葉にドルトンは頷くと、彼は部屋から立ち去る。こんな時に何処へ行くのかとダインは驚いたが、彼は戻ってくるとその手には箒が握りしめられていた。


「ほれ、持って来たぞ。若いのは運が良かったな、儂が今日は宿舎内の清掃の仕事をしていて……」
「えっ……ど、どういう意味?」
「見ての通りですよ。これを使ってダインさんの杖を偽装します」


ドルトンが持ち帰ってきた箒をミイネは手にすると、彼女はダインが持っている杖を指差し、早速準備に取り掛かった――





――しばらくすると、ダインはマサルが他の囚人から回収(強奪)した囚人服を着こみ、更に箒を分解して柄の部分をダインが所持していた杖と入れ替えると、清掃の仕事を行う囚人のふりをする。


「ううっ……どうして僕がこんな目に」
「我慢して下さいよ、僕達だって付き合ってるんですから」
「よし、1階までは降りてこれたな……今のところ、気づかれている様子はなさそうだ」
「うむ、この調子ならうまく逃げ切れるかもしれんな」


ダイン以外の面子も掃除用具を抱えた状態で移動を行い、他の囚人達に気付かれないように注意しながら進む。ちなみにダインの元来ていた衣服は教室の中に隠しておき、もしも戻る機会があれば後で回収するつもりだった。
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