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ダイン 監獄都市編
何だこいつ……!?
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「なあ、さっきから黙ってるけど何か気になる事があるのか?」
「……いえ、何でもありません。それよりもさっさとここから抜け出しましょう」
「ああ、やっと外に出られるのか……」
「ギギィッ(良かったな)」
ミイネの先導の元、ダイン達は移動を開始する。この地下道から地上へ繋がる抜け道を知っているのは彼女だけのため、彼女から離れない様に全員が後を付いていく。ランタンの灯りで照らしながら先頭をミイネは歩いていると、不意に彼女は何かに気付いたように前方に視線を向けた。
「……変ですね、何か臭いません?」
「えっ?そうか?」
「臭う?」
「ギギィッ……スンスンッ」
前方の通路から臭いを感じ取ったというミイネの言葉にダインと情報屋は不思議に思うが、ゴブが前に出て鼻を嗅ぐ。人間よりも嗅覚に優れるゴブリンの彼ならばミイネの感じ取った臭いも分かるかと思われたが、唐突にゴブは鼻を抑えて奇声を上げる。
「ギィアアアアッ!?」
「ゴブさん!?どうしたんですか!?」
「おい、大丈夫か!?」
「な、何なんだよ!?」
ゴブは鼻を抑えて後ろに倒れ込むと、慌ててミイネが抱き上げる。ゴブは鼻を抑えながらも前方を指差し、必死に首を振った。その様子を見て只事ではないと気付いたミイネは二人に振り返り、警戒するように指示を出す。
ダインは咄嗟に杖を構えると、情報屋の男は怯えるように後ろに隠れ、ミイネもゴブを支えながらも腰に隠していた短剣を取り出す。やがて前方の通路から足音が響き、何者かがこちらに近付いていた。
「うっ……何だよ、この臭い!?」
「これは……血の臭いですね、しかもかなりきつい」
「ギギィッ……!!」
「こ、この臭い……まさか!?あいつか!?」
前方の通路から強烈な血の臭いが漂い、流石のダインも気づくと情報屋の男の方は怯えた表情を浮かべる。彼はどうやら臭いの正体に心当たりがあるらしく、やがてランタンの光に照らされる範囲に全身が血に染まった男の囚人が姿を現す。
「ぐううっ……ああああっ!!」
「な、何だ!?」
「ひいいっ!?こ、こいつだ!!俺が見たのはこいつだ!!」
「まさか……アンデッド!?」
「ギギィッ!?」
暗闇の中から姿を現したのは若い男性の囚人であり、正気を保っていないのか奇声を上げ、全身に血を浴びていた。最初は怪我人かと思われたが、彼自身は怪我を負っている様子は見られず、身に付けている血は全て返り血だと全員が気づく。
全身に血を浴びた男はダイン達に視線を向けると、口元をにやけさせ、両腕を広げる。この時に両手の爪が刃物の様に研ぎ澄まされ、更に口元の犬歯の部分が異様に発達していた。その様子を見てミイネは驚愕の表情を浮かべた。
「アンデッドじゃない……まさか、吸血鬼!?」
「吸血鬼!?」
「そ、そんな馬鹿なっ!?」
「ギギィッ……!!」
吸血鬼という言葉にダインは驚き、情報屋の男は信じられない表情を浮かべた。血を全身に浴びている事から最初はアンデッドの類かと思われたが、通常のアンデッドは死体を蘇らせる事から肉体が腐敗化している。しかし、ダイン達の前に現れた男は肉体は腐っている様子はない。
「うがぁっ!!」
「うわっ!?」
「ダインさん!?」
「ひ、ひいいっ!!」
ダインに目掛けて吸血鬼と思われる男は爪を振りかざすと、ダインの右腕の服の袖が引き裂かれ、その様子を見ていた情報屋の男は悲鳴を上げて逃げ去る。一方でミイネの方はダインが攻撃を受けたのかと思ったが、ここでダインの右腕が黒色化している事に気付く。
「があっ……!?」
「あ、危なっ……危うく腕が切り落とされる所だったぞ!?」
「大丈夫なんですか!?」
「ギギィッ!!」
咄嗟に攻撃を受ける寸前にダインは「黒腕」を発動させたことにより、鋼鉄の刃のように鋭い吸血鬼の男の爪を防ぐ。影魔法で覆い込んだ肉体はいかなる物理攻撃も通さず、仮に一流の剣士が名刀で切りかかろうと損傷を与える事は出来ない。
咄嗟に黒腕で吸血鬼の攻撃を防いだダインは改めて距離を取ると、吸血鬼の男はダインの腕を切り落とせなかった事に戸惑う様子を見せ、その姿を見てミイネは確信を抱く。
「こいつ、どうやら完全な吸血鬼ではないようですね。恐らくは眷属でしょう」
「け、眷属?どういう意味だ?」
「吸血鬼の中には自分の血を他者に与え、吸血鬼の能力の一部を目覚めさせて僕にする能力を持つ個体も存在します。吸血鬼の力を受け継いだ人間は血を与えてくれた存在の命令に従いますが、上手く適合しなければ理性を失い、本能のままに暴れます。つまり、こいつは吸血鬼のなりそこないという事になりますね」
「何だよそれ!?くそっ、誰がこんな真似を……」
「この状態ではもう普通の人間に戻る事は出来ないでしょう。上手く適合すれば本当の吸血鬼にもなれたかもしれませんが……」
「がああああっ!!」
男の囚人は奇声を上げながらも両手の爪を更に伸ばし、今度は左右から腕を振りかざす。その攻撃に対してダインは慌てて後ろに下がるが、この際に鼻を抑えたゴブが吸血鬼に目掛けて体当たりを仕掛ける。
「……いえ、何でもありません。それよりもさっさとここから抜け出しましょう」
「ああ、やっと外に出られるのか……」
「ギギィッ(良かったな)」
ミイネの先導の元、ダイン達は移動を開始する。この地下道から地上へ繋がる抜け道を知っているのは彼女だけのため、彼女から離れない様に全員が後を付いていく。ランタンの灯りで照らしながら先頭をミイネは歩いていると、不意に彼女は何かに気付いたように前方に視線を向けた。
「……変ですね、何か臭いません?」
「えっ?そうか?」
「臭う?」
「ギギィッ……スンスンッ」
前方の通路から臭いを感じ取ったというミイネの言葉にダインと情報屋は不思議に思うが、ゴブが前に出て鼻を嗅ぐ。人間よりも嗅覚に優れるゴブリンの彼ならばミイネの感じ取った臭いも分かるかと思われたが、唐突にゴブは鼻を抑えて奇声を上げる。
「ギィアアアアッ!?」
「ゴブさん!?どうしたんですか!?」
「おい、大丈夫か!?」
「な、何なんだよ!?」
ゴブは鼻を抑えて後ろに倒れ込むと、慌ててミイネが抱き上げる。ゴブは鼻を抑えながらも前方を指差し、必死に首を振った。その様子を見て只事ではないと気付いたミイネは二人に振り返り、警戒するように指示を出す。
ダインは咄嗟に杖を構えると、情報屋の男は怯えるように後ろに隠れ、ミイネもゴブを支えながらも腰に隠していた短剣を取り出す。やがて前方の通路から足音が響き、何者かがこちらに近付いていた。
「うっ……何だよ、この臭い!?」
「これは……血の臭いですね、しかもかなりきつい」
「ギギィッ……!!」
「こ、この臭い……まさか!?あいつか!?」
前方の通路から強烈な血の臭いが漂い、流石のダインも気づくと情報屋の男の方は怯えた表情を浮かべる。彼はどうやら臭いの正体に心当たりがあるらしく、やがてランタンの光に照らされる範囲に全身が血に染まった男の囚人が姿を現す。
「ぐううっ……ああああっ!!」
「な、何だ!?」
「ひいいっ!?こ、こいつだ!!俺が見たのはこいつだ!!」
「まさか……アンデッド!?」
「ギギィッ!?」
暗闇の中から姿を現したのは若い男性の囚人であり、正気を保っていないのか奇声を上げ、全身に血を浴びていた。最初は怪我人かと思われたが、彼自身は怪我を負っている様子は見られず、身に付けている血は全て返り血だと全員が気づく。
全身に血を浴びた男はダイン達に視線を向けると、口元をにやけさせ、両腕を広げる。この時に両手の爪が刃物の様に研ぎ澄まされ、更に口元の犬歯の部分が異様に発達していた。その様子を見てミイネは驚愕の表情を浮かべた。
「アンデッドじゃない……まさか、吸血鬼!?」
「吸血鬼!?」
「そ、そんな馬鹿なっ!?」
「ギギィッ……!!」
吸血鬼という言葉にダインは驚き、情報屋の男は信じられない表情を浮かべた。血を全身に浴びている事から最初はアンデッドの類かと思われたが、通常のアンデッドは死体を蘇らせる事から肉体が腐敗化している。しかし、ダイン達の前に現れた男は肉体は腐っている様子はない。
「うがぁっ!!」
「うわっ!?」
「ダインさん!?」
「ひ、ひいいっ!!」
ダインに目掛けて吸血鬼と思われる男は爪を振りかざすと、ダインの右腕の服の袖が引き裂かれ、その様子を見ていた情報屋の男は悲鳴を上げて逃げ去る。一方でミイネの方はダインが攻撃を受けたのかと思ったが、ここでダインの右腕が黒色化している事に気付く。
「があっ……!?」
「あ、危なっ……危うく腕が切り落とされる所だったぞ!?」
「大丈夫なんですか!?」
「ギギィッ!!」
咄嗟に攻撃を受ける寸前にダインは「黒腕」を発動させたことにより、鋼鉄の刃のように鋭い吸血鬼の男の爪を防ぐ。影魔法で覆い込んだ肉体はいかなる物理攻撃も通さず、仮に一流の剣士が名刀で切りかかろうと損傷を与える事は出来ない。
咄嗟に黒腕で吸血鬼の攻撃を防いだダインは改めて距離を取ると、吸血鬼の男はダインの腕を切り落とせなかった事に戸惑う様子を見せ、その姿を見てミイネは確信を抱く。
「こいつ、どうやら完全な吸血鬼ではないようですね。恐らくは眷属でしょう」
「け、眷属?どういう意味だ?」
「吸血鬼の中には自分の血を他者に与え、吸血鬼の能力の一部を目覚めさせて僕にする能力を持つ個体も存在します。吸血鬼の力を受け継いだ人間は血を与えてくれた存在の命令に従いますが、上手く適合しなければ理性を失い、本能のままに暴れます。つまり、こいつは吸血鬼のなりそこないという事になりますね」
「何だよそれ!?くそっ、誰がこんな真似を……」
「この状態ではもう普通の人間に戻る事は出来ないでしょう。上手く適合すれば本当の吸血鬼にもなれたかもしれませんが……」
「がああああっ!!」
男の囚人は奇声を上げながらも両手の爪を更に伸ばし、今度は左右から腕を振りかざす。その攻撃に対してダインは慌てて後ろに下がるが、この際に鼻を抑えたゴブが吸血鬼に目掛けて体当たりを仕掛ける。
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