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世界の異変編
とある少年
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「マリア様がそう簡単に捕まるとは思えん。ヨツバ王国の時とは違うのだ……だが、ここまで姿を見せないとなると何か事故に巻き込まれた可能性は高い」
「マリアだけじゃない、レナやシズネやゴウライの奴まで一緒だったんだろう?それに七魔将とやらも未だに出てくる様子がないじゃないかい」
「うむ、今は考えても仕方あるまい。現在の戦力だけでなんとかせねば……」
「あの……よろしいですか?」
会議中に話に割り込んだのは表向きはこの冒険都市の守護を任されているアルトという名前の警備隊長であった。アルトは冒険者と共にこの街を守護しているが、実質的に冒険者と比べれば都市の警備兵の実力は低い。それでも彼なりに全力を尽くしている。
この状況下ではアルトは他の冒険者の指示に従うしかなく、いつも会議の際には黙って彼等が決めた作戦に従っていただけだった。しかし、今回ばかりはアルトも口を挟まずにはいられない事態に陥った。
「どうしたんだい、珍しく口を開いたね」
「何か気になる事があるのか?」
「いえ、その……実は街を見回り中に僕はある少年と出会いました」
「少年……?」
こんな時にアルトは何を言い出すのかと全員が訝し気な表情を浮かべたが、アルトも決してふざけているわけではなく、その少年との出会いを話す。
「夜中に見回りを行っている最中、僕は少年が夜道を歩いているのに気付きました。こんな時間に何をしているのかと思って近付こうとしたところ……消えてしまったんです」
「消えた?どういう意味だい、それは……」
「文字通りに消えたのです。目の前から一瞬にして……」
「……隠密や気配遮断のスキルを使ったか、それとも高速移動か、または転移魔法で消えたとでも言い張るつもりか?」
「ただの見間違いではないのか?」
アルトの話を聞かされた3人は疑問を抱き、彼が見たという少年が何なのだと思ったが、アルトは少年の手にしていた物と、顔を見た時に信じられない顔をしていたという。
「僕は年に何度か王都へ定期報告のために訪れるのですが、その少年は王城に赴いた時に見かけた事があったんです」
「王城?何で王城に子供がいるんだい?」
「まさか……王妃に仕えていたという子供達か!?」
「馬鹿な……」
かつてレナ達と対峙した王妃には有力貴族の子供達を自分の元で育て上げ、優秀な暗殺者集団へと育て上げた。子供達は王妃のためならば命を賭けて戦う程の強い意志を持ち、彼女もそんな子供達の事を愛していた。しかし、王妃の死後に子供達は本当の両親に引き取られたはずだった。
カゲマルの調査によると王妃の死後は彼等は復讐も考えず、まるで廃人のようになってしまった者もいる。それでもレナの妹達のように立ち直り、少しずつではあるが感情を取り戻そうとしていた。しかし、アルトが発見した子供は確かに王妃にとっては息子同然の存在ではある。
「いえ、僕が見つけたのは……王妃様の息子、つまりはこの国の第二王子様になられるはずだった御方です」
「……何だと!?」
「馬鹿な……第二王子という事は、レナの義弟かい!?」
「あの王子が……生きていたのか!?」
王妃には実子が存在し、本来であればこの国の「第二王子」として生きていくはずだった子供がいた。レナがいなければ彼こそが第一王子としてこの国を継承するはずだった少年をアルトはこの冒険都市で見かけたという。
――生前の王妃は前王との間に子供が存在し、その子供を王位継承者にするために彼女はレナの命を狙い、その義理の姉であるナオとも対立した。だが、王妃は決して自分の息子の事を愛してはおらず、彼女は生まれのせいで血の繋がった存在を決して信用しない。
王妃となる前、つまりは旧帝国の支配者の娘として生まれた彼女は幼少期の頃から自分の兄妹と競い合う生活を送らされた。実の兄妹を相手に命を賭けて戦わされた事も有り、最終的には彼女は前支配者を出し抜き、組織の実権を握った時には彼女の傍には肉親などいなかった。
イレアビトは生まれた時から肉親と憎み合い、戦い合う運命だった。そのせいで彼女は血の繋がりを重視せず、実の子よりも血の繋がりがない子を愛し、カゲマルが子供を誘拐した時さえも何も手を打たなかった。子供には何も罪がないと判断したカゲマルは彼を逃がし、その後の子供の行方は消息不明のはずである。
「その話、本当なのか?お前の見間違いではないのか?」
「いいえ、決して見間違いではありません!!あの子は間違いなく、王妃様の息子です!!顔を見たのは一度だけですが、確かに覚えています!!」
「でも、王妃の息子はかなり若いんだろ?年齢は……何歳ぐらいだっけ?」
「……6歳か7歳だったはずだ。そんな子供が一人で生きていけるはずがない」
レナが10才の時に生まれた子供であるため、イレアビトの子は相当に若い。しかもカゲマルと別れた時は5才ぐらいの時である。
※本日はコミカライズ版の更新予定日です!!
「マリアだけじゃない、レナやシズネやゴウライの奴まで一緒だったんだろう?それに七魔将とやらも未だに出てくる様子がないじゃないかい」
「うむ、今は考えても仕方あるまい。現在の戦力だけでなんとかせねば……」
「あの……よろしいですか?」
会議中に話に割り込んだのは表向きはこの冒険都市の守護を任されているアルトという名前の警備隊長であった。アルトは冒険者と共にこの街を守護しているが、実質的に冒険者と比べれば都市の警備兵の実力は低い。それでも彼なりに全力を尽くしている。
この状況下ではアルトは他の冒険者の指示に従うしかなく、いつも会議の際には黙って彼等が決めた作戦に従っていただけだった。しかし、今回ばかりはアルトも口を挟まずにはいられない事態に陥った。
「どうしたんだい、珍しく口を開いたね」
「何か気になる事があるのか?」
「いえ、その……実は街を見回り中に僕はある少年と出会いました」
「少年……?」
こんな時にアルトは何を言い出すのかと全員が訝し気な表情を浮かべたが、アルトも決してふざけているわけではなく、その少年との出会いを話す。
「夜中に見回りを行っている最中、僕は少年が夜道を歩いているのに気付きました。こんな時間に何をしているのかと思って近付こうとしたところ……消えてしまったんです」
「消えた?どういう意味だい、それは……」
「文字通りに消えたのです。目の前から一瞬にして……」
「……隠密や気配遮断のスキルを使ったか、それとも高速移動か、または転移魔法で消えたとでも言い張るつもりか?」
「ただの見間違いではないのか?」
アルトの話を聞かされた3人は疑問を抱き、彼が見たという少年が何なのだと思ったが、アルトは少年の手にしていた物と、顔を見た時に信じられない顔をしていたという。
「僕は年に何度か王都へ定期報告のために訪れるのですが、その少年は王城に赴いた時に見かけた事があったんです」
「王城?何で王城に子供がいるんだい?」
「まさか……王妃に仕えていたという子供達か!?」
「馬鹿な……」
かつてレナ達と対峙した王妃には有力貴族の子供達を自分の元で育て上げ、優秀な暗殺者集団へと育て上げた。子供達は王妃のためならば命を賭けて戦う程の強い意志を持ち、彼女もそんな子供達の事を愛していた。しかし、王妃の死後に子供達は本当の両親に引き取られたはずだった。
カゲマルの調査によると王妃の死後は彼等は復讐も考えず、まるで廃人のようになってしまった者もいる。それでもレナの妹達のように立ち直り、少しずつではあるが感情を取り戻そうとしていた。しかし、アルトが発見した子供は確かに王妃にとっては息子同然の存在ではある。
「いえ、僕が見つけたのは……王妃様の息子、つまりはこの国の第二王子様になられるはずだった御方です」
「……何だと!?」
「馬鹿な……第二王子という事は、レナの義弟かい!?」
「あの王子が……生きていたのか!?」
王妃には実子が存在し、本来であればこの国の「第二王子」として生きていくはずだった子供がいた。レナがいなければ彼こそが第一王子としてこの国を継承するはずだった少年をアルトはこの冒険都市で見かけたという。
――生前の王妃は前王との間に子供が存在し、その子供を王位継承者にするために彼女はレナの命を狙い、その義理の姉であるナオとも対立した。だが、王妃は決して自分の息子の事を愛してはおらず、彼女は生まれのせいで血の繋がった存在を決して信用しない。
王妃となる前、つまりは旧帝国の支配者の娘として生まれた彼女は幼少期の頃から自分の兄妹と競い合う生活を送らされた。実の兄妹を相手に命を賭けて戦わされた事も有り、最終的には彼女は前支配者を出し抜き、組織の実権を握った時には彼女の傍には肉親などいなかった。
イレアビトは生まれた時から肉親と憎み合い、戦い合う運命だった。そのせいで彼女は血の繋がりを重視せず、実の子よりも血の繋がりがない子を愛し、カゲマルが子供を誘拐した時さえも何も手を打たなかった。子供には何も罪がないと判断したカゲマルは彼を逃がし、その後の子供の行方は消息不明のはずである。
「その話、本当なのか?お前の見間違いではないのか?」
「いいえ、決して見間違いではありません!!あの子は間違いなく、王妃様の息子です!!顔を見たのは一度だけですが、確かに覚えています!!」
「でも、王妃の息子はかなり若いんだろ?年齢は……何歳ぐらいだっけ?」
「……6歳か7歳だったはずだ。そんな子供が一人で生きていけるはずがない」
レナが10才の時に生まれた子供であるため、イレアビトの子は相当に若い。しかもカゲマルと別れた時は5才ぐらいの時である。
※本日はコミカライズ版の更新予定日です!!
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