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弱肉強食の島編
喧嘩を売るなら相手を選べ
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『たくっ……まずは腕輪を見つけない限りはどうしようも出来ないか』
『そういう事ですね。その腕輪を力ずくで破壊するのは無理だと思ってください』
『しばらくは魔法無しで戦うしかないか……まあ、何とかなるかな』
魔法が使えなくともレナは多数の技能を身に付けており、ここまでは特に問題なく戦えていた。しかし、魔法を封じられては色々と不便であり、何よりも大陸に戻った後は七魔将との戦いは避けられない。そう考えると腕輪はどうしても外す必要があった。
『とりあえずは今日の所はしっかり休んでください。私も色々と調べておきますからね』
『調べる?』
『七魔将の動向や他の皆さんの情報も集めておきますよ。まあ、レナさんも今日は色々とあって疲れたでしょう。ゆっくりと休んで明日に供えてください』
『それもそうか……分かった、それならおやすみなさい』
『おやすみなさい』
アイリスと交信を切るとレナは宴の席に戻ろうとしたが、不意に違和感を感じる。何処からか視線を感じたレナは気配感知を発動させるが、反応はない。どうやら巧みに気配を隠しているらしく、恐らくは気配遮断の技能を身に付けた何者かが近くに隠れている様子だった。
(誰だ?)
姿や気配は見えないが剣鬼であるレナの感覚は鋭く、気配感知が当てにならないので魔力感知に切り替えて隠れている人物を探す。魔力感知によると相手が隠れているのはレナの後方に存在する建物に隠れているらしく、更に詳しい位置を探るために「心眼」を発動させた。
久々に心眼を発動させたレナは視覚以外の五感を極限にまで高め、相手の正確な位置を探り当てる。相手はどうやら建物の窓から様子を伺っており、何やら掲げている様子だった。それを確認したレナは即座に縮地を発動させ、場所を移動する。
「なっ!?消えた……!?」
縮地を発動したレナは10メートルほど離れた場所に一瞬で移動を行うと、建物の窓の方から声が聞こえ、その声には聞き覚えがあった。それは先ほどの決闘でレナに敗北したバルカンであり、彼の手元には弓矢が握りしめられていた。
どうやらレナに奇襲を仕掛ける様子だったらしいが、唐突にレナが消えたせいで動揺のあまりに口走り、姿を晒してしまう。そんな彼に対してレナは足元に落ちている小石を拾い上げると、バルカンの位置を確認して全力で放り込む。
「ふんっ!!」
「うぎゃっ!?」
投擲の技能を生かしてレナは石を投げ込むと、窓から身を乗り出して外に出ようとしていたバルカンの顔面に的中し、鼻血を噴き出しながらバルカンは建物の中に倒れ込む。それを見たレナは何事もなかったように立ち去ろうとすると、建物の中から騒がしい音が聞こえ、鼻を抑えながらバルカンが姿を現す。
「ま、待て!!この、卑怯者!!」
「誰が卑怯者だ。先に仕掛けようとしたのはお前だろ……」
自分は不意打ちを仕掛けようとしたくせにレナに先に攻撃されて激高したバルカンは姿を隠すのを止め、外に出ると弓矢を構える。その様子を見てレナは呆れた表情を浮かべるが、バルカンは矢を構えた。
「うるさい!!お前さえいなければアンジュもサーシャもあのおっぱい女も俺の物だ!!ここで殺してやる!!」
「おっぱい女って……ハルナに聞かれたらぶっ殺されるぞ!!」
「ふん、あんな女に俺が負けるか!!」
ハルナの実力を知らないバルカンはレナの言葉を聞いても信じず、矢を番えた状態で構える。そんな彼を見てレナは拳を握りしめると、ここで彼を懲らしめるために動こうとした。
「さっき負けた癖にまだやる気?」
「俺は負けていない!!勝負はまだ終わっていない、負けを認めない限りは負けじゃない!!」
「そういう考え方ね……なら、今度は敗北を認めるまで痛めつけるぞ」
「うっ!?な、何だ……!?」
試しにレナは「威圧」の能力を発動させて睨みつけると、その彼の迫力にバルカンは震え上がり、まるでレナが急に巨大化したように彼には見えた。普段は滅多に使わない能力なのだが、格下相手には十分な効果があった。
威圧の効果でレナは気迫だけでバルカンを圧倒すると、バルカンは身体が震えてまともに動けず、そんな彼に対してレナは背負っていた退魔刀を引き抜く。武器を手にしたレナを見て半狂乱に陥ったバルカンは矢を放つ。
「う、うわぁああっ!?」
「――遅いっ!!」
放たれた矢をレナは紙一重で回避すると、目元を紅色に光らせながら接近し、退魔刀を放つ。その結果、バルカンが手にしていた弓矢は切り裂かれ、彼は腰を抜かして倒れ込む。魔法を封じられても剣鬼の能力までは封じられず、目元を元の色に戻したレナは退魔刀の刃をバルカンの首筋に向けると淡々と告げた。
「喧嘩を売るなら相手を選べ……もしもハルナだったらここでぶっ飛ばされてたぞ」
「う、ああっ……」
バルカンはレナの言葉に顔を引きつらせ、その姿を見てレナは退魔刀を背負うと黙って立ち去る。その後姿にバルカンは何も出来ず、項垂れる事しか出来なかった――
※こうして技能が活躍する場面を見ると最初の頃を思い出します。
『そういう事ですね。その腕輪を力ずくで破壊するのは無理だと思ってください』
『しばらくは魔法無しで戦うしかないか……まあ、何とかなるかな』
魔法が使えなくともレナは多数の技能を身に付けており、ここまでは特に問題なく戦えていた。しかし、魔法を封じられては色々と不便であり、何よりも大陸に戻った後は七魔将との戦いは避けられない。そう考えると腕輪はどうしても外す必要があった。
『とりあえずは今日の所はしっかり休んでください。私も色々と調べておきますからね』
『調べる?』
『七魔将の動向や他の皆さんの情報も集めておきますよ。まあ、レナさんも今日は色々とあって疲れたでしょう。ゆっくりと休んで明日に供えてください』
『それもそうか……分かった、それならおやすみなさい』
『おやすみなさい』
アイリスと交信を切るとレナは宴の席に戻ろうとしたが、不意に違和感を感じる。何処からか視線を感じたレナは気配感知を発動させるが、反応はない。どうやら巧みに気配を隠しているらしく、恐らくは気配遮断の技能を身に付けた何者かが近くに隠れている様子だった。
(誰だ?)
姿や気配は見えないが剣鬼であるレナの感覚は鋭く、気配感知が当てにならないので魔力感知に切り替えて隠れている人物を探す。魔力感知によると相手が隠れているのはレナの後方に存在する建物に隠れているらしく、更に詳しい位置を探るために「心眼」を発動させた。
久々に心眼を発動させたレナは視覚以外の五感を極限にまで高め、相手の正確な位置を探り当てる。相手はどうやら建物の窓から様子を伺っており、何やら掲げている様子だった。それを確認したレナは即座に縮地を発動させ、場所を移動する。
「なっ!?消えた……!?」
縮地を発動したレナは10メートルほど離れた場所に一瞬で移動を行うと、建物の窓の方から声が聞こえ、その声には聞き覚えがあった。それは先ほどの決闘でレナに敗北したバルカンであり、彼の手元には弓矢が握りしめられていた。
どうやらレナに奇襲を仕掛ける様子だったらしいが、唐突にレナが消えたせいで動揺のあまりに口走り、姿を晒してしまう。そんな彼に対してレナは足元に落ちている小石を拾い上げると、バルカンの位置を確認して全力で放り込む。
「ふんっ!!」
「うぎゃっ!?」
投擲の技能を生かしてレナは石を投げ込むと、窓から身を乗り出して外に出ようとしていたバルカンの顔面に的中し、鼻血を噴き出しながらバルカンは建物の中に倒れ込む。それを見たレナは何事もなかったように立ち去ろうとすると、建物の中から騒がしい音が聞こえ、鼻を抑えながらバルカンが姿を現す。
「ま、待て!!この、卑怯者!!」
「誰が卑怯者だ。先に仕掛けようとしたのはお前だろ……」
自分は不意打ちを仕掛けようとしたくせにレナに先に攻撃されて激高したバルカンは姿を隠すのを止め、外に出ると弓矢を構える。その様子を見てレナは呆れた表情を浮かべるが、バルカンは矢を構えた。
「うるさい!!お前さえいなければアンジュもサーシャもあのおっぱい女も俺の物だ!!ここで殺してやる!!」
「おっぱい女って……ハルナに聞かれたらぶっ殺されるぞ!!」
「ふん、あんな女に俺が負けるか!!」
ハルナの実力を知らないバルカンはレナの言葉を聞いても信じず、矢を番えた状態で構える。そんな彼を見てレナは拳を握りしめると、ここで彼を懲らしめるために動こうとした。
「さっき負けた癖にまだやる気?」
「俺は負けていない!!勝負はまだ終わっていない、負けを認めない限りは負けじゃない!!」
「そういう考え方ね……なら、今度は敗北を認めるまで痛めつけるぞ」
「うっ!?な、何だ……!?」
試しにレナは「威圧」の能力を発動させて睨みつけると、その彼の迫力にバルカンは震え上がり、まるでレナが急に巨大化したように彼には見えた。普段は滅多に使わない能力なのだが、格下相手には十分な効果があった。
威圧の効果でレナは気迫だけでバルカンを圧倒すると、バルカンは身体が震えてまともに動けず、そんな彼に対してレナは背負っていた退魔刀を引き抜く。武器を手にしたレナを見て半狂乱に陥ったバルカンは矢を放つ。
「う、うわぁああっ!?」
「――遅いっ!!」
放たれた矢をレナは紙一重で回避すると、目元を紅色に光らせながら接近し、退魔刀を放つ。その結果、バルカンが手にしていた弓矢は切り裂かれ、彼は腰を抜かして倒れ込む。魔法を封じられても剣鬼の能力までは封じられず、目元を元の色に戻したレナは退魔刀の刃をバルカンの首筋に向けると淡々と告げた。
「喧嘩を売るなら相手を選べ……もしもハルナだったらここでぶっ飛ばされてたぞ」
「う、ああっ……」
バルカンはレナの言葉に顔を引きつらせ、その姿を見てレナは退魔刀を背負うと黙って立ち去る。その後姿にバルカンは何も出来ず、項垂れる事しか出来なかった――
※こうして技能が活躍する場面を見ると最初の頃を思い出します。
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