不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,286 / 2,091
弱肉強食の島編

黒牛将

しおりを挟む
「いてぇっ……魔法無しだとやっぱりきついな」
「て、てめえっ……俺の攻撃を止めやがったな!?」
「す、凄い!!」
「あの牛男の攻撃を止めたぞ!?」
「流石は戦士長達が連れてきた男だ!!」


レナの攻撃によってミノタウロスは攻撃を中断し、互いに睨み合う。この時に助けられた形となった女戦士達はレナの強さに驚くが、ここでミノタウロスの方はレナを見て疑問を抱く。


「ん?何だお前、その肌の色は……それによく見るとお前、男か?」
「男だよ」
「はっ!!こいつは驚きだな、ダークエルフの男は軟弱な野郎しかいないと思っていたがこいつは久々に楽しめそうだ!!」


ミノタウロスはレナの格好を見て褐色肌ではない事、男性である事に驚いた様子だが、すぐに気を取り直して戦斧を上段に構える。今度はミノタウロスの方が仕掛け、レナに向けて戦斧を叩き込む。


「うおらぁっ!!」
「くっ!?」


受け流そうとしたレナだったが、思いのほかに強烈な速度と一撃を受けて踏み止まる。地面に亀裂が走り、並の人間ならば耐え切れずに押し潰されていただろう。だが、魔法が扱えなくてもレナの身体能力ならば耐えられなくはない。

生粋の魔術師の職業として生まれたレナの身体能力は、戦士や格闘家などの系統の職業の人間と比べればは彼等よりも身体能力は劣る。しかし、子供の頃から身体を鍛え上げ、更に数多の技能を身に付けたレナからすれば耐え切れない一撃ではない。


「おらぁっ!!」
「うおっ!?」


一度ならず二度までも自分の攻撃を弾き返したレナにミノタウロスは驚愕の表情を浮かべ、冷や汗を流す。まさか自分を相手にこんな小さくて弱そうな少年に力で押し返されるなど思いもしなかった。


「くっ……思ったよりもやりやがるな、気に入ったぜ!!」
「そいつはどうも……そろそろここでお互いに名乗らない?」
「はっ、いいだろう。俺の名前はギュウカク!!黒牛将のギュウカクだ!!」
「ギュウカク……案外美味しそうな名前だな」


ギュウカクと名乗ったミノタウロスに対してレナは退魔刀を両手で構え、今回の相手は二刀流では分が悪い。退魔刀のみで対処する事を決めると、ここでギュウカクがレナの名前を尋ねる。


「さあ、俺の名前は言ったぞ!!今度はお前の番だ!!」
「……レナだ」
「レナ?聞いた事もない名前だな……役職はなんだ?それぐらいの強さならダークエルフの戦士長か?」
「生憎と役職なんて……いや、一応は冒険者かな?」
「ボウケンシャ?何だそれは!?」


役職を聞かれて咄嗟にレナは冒険者と答えると、ギュウカクは興味を抱いた様に鼻を鳴らす。そんな彼を見てレナは気が抜け、意外と話が通じる相手なのかと思ってしまう。

だが、ここでギュウカクによって地面に倒れていたダークエルフの女戦士達が起き上がり、自分達を追い詰めたギュウカクに対して怒りを抱いた様に睨みつける。彼女達は武器を握りしめてギュウカクに襲い掛かろうとした。


「こいつ!!」
「殺してやる!!」
「今日の晩飯だ!!」
「ちっ、邪魔をするな!!」


女戦士達が近付こうとするとギュウカクは戦斧を握りしめ、再び身体を回転させて刃を振り回す。その様子を見たレナは女戦士達に離れる様に注意した。


「馬鹿、近づくな!!巻き込まれるぞ!?」
「くぅっ……うわぁっ!?」
「あぐぅっ!?」
「きゃいんっ!?」
「うおらぁあああっ!!」


ギュウカクの振り回した戦斧によって女戦士達は再び吹き飛び、その様子を見兼ねてレナも動き出す。だが、ここでレナはギュウカクの動作を見て違和感を覚え、すぐに違和感の正体に気付く。


(こいつの技、まさか……!?)


回転する事にギュウカクの攻撃速度が増している事に気付き、この動きを見たレナは旋斧と呼ばれる武器を得意とする剣聖のジャンヌの動きと重なる。ギュウカクも彼女と同様に武器を振り回す事に加速し、攻撃速度と威力を上昇させていた。

ジャンヌの剣技と比べると粗削りではあるが、彼女にも勝るとも劣らず繰り出される攻撃は今のレナでは防御する事は出来ず、回避に専念する。しかし、攻撃を避けても次の攻撃が瞬時に繰り出され、しかも時間が経過するにつれて速度が上がっていく。


「おらおらおらおらぁっ!!」
「くそっ、このっ……うわっ!?」


退魔刀を片手にレナは遺跡のあちこちへ移動するが、建物を障害物に利用しようとしてもミノタウロスの振り回す戦斧は建物ごと破壊する。武器の硬度も凄まじいが、それを駆使するミノタウロスの膂力も侮れない。


(こいつ、強い……魔法無しで勝てるか!?)


魔法さえ扱えればいくらでも対抗手段はあるが、今のレナに頼れるのは技能だけであり、魔法の力は当てには出来ない。徐々にレナの身体にも攻撃が掠り始め、血が滲む。


「これで終わりだぁああああっ!!」
「ぐうっ!?」


十分に加速するとギュウカクは跳躍を行い、身体を回転させたまま上段から戦斧を振り落とす。その攻撃を見てレナは退魔刀を構え、防御や回避ではどうしようもないと判断すると、反撃に出た。、
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。