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弱肉強食の島編
取引には応じない
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「信じられないって表情だな……だが、俺は嘘は言わねえ。お前が俺を逃がしてくれるのならこの島からの脱出方法を教えてやる。竜人族の事は知っているか?あいつらなら島の外に抜け出す術を知っているはずだ」
「竜人族?」
「ああ、やつらはとある魔物を使役している。そいつを使えば島の外に抜け出す事も夢じゃねえ……どうだ?もしも俺を逃がしてくれるのなら牛人族の将としてお前を歓迎してやる」
竜人族ならば島の外へ抜け出す方法を知っているというギュウカクは、ダークエルフを裏切って自分達に付くようにレナに説き伏せる。捕虜となったのに取引を持ち掛けてきたギュウカクに対してレナは呆れた表情を浮かべた。
「お前、この状況で良く言えるな」
「この状況だからこそ言ってんだよ。どうせ命乞い慕って血も涙もないダークエルフ共は聞き入れやしない。だが、お前は見た所はダークエルフじゃないな?」
「4分の1は森人族だよ。種族的には人間だけど……」
「ニンゲン?聞いた事もないな……まあいい、お前はダークエルフの仲間じゃないんだろ?だったら俺を逃がしてくれたら牛人族はお前を歓迎する。強い奴は嫌いじゃないからな、きっと長もお前の事を気に入るだろうよ」
牛人族は人間の存在を知らないらしく、レナの言葉を聞いて不思議そうな表情を浮かべたが、ギュウカクは笑みを浮かべた。そんな彼の態度を見てどうにも嘘くさい気はするが、気になるのは竜人族の事だった。
「その竜人族が島の外に出られる方法を知っているのなら、俺が牛人族に付いても意味がないだろ」
「いや、あるね。俺達の部族はいずれこの島を支配するつもりだ……非力なダークエルフ共や保身主義の竜人族に味方しても未来はないぞ。牛人族に味方するというのであればお前を俺の右腕にしてやってもいいぞ。そうすれば捕まえたダークエルフの女はお前の好きにしてもいい」
「本当に下衆だなお前……」
ダークエルフを裏切り、牛人族に味方するように申し込んできたギュウカクに対してレナは呆れた表情を浮かべるが、竜人族が島の外に脱出する術を持っているという話は興味深い。レナは先ほどの勇者の遺跡の転移装置を作動すれば帰れると思っていたが、他に島の外に抜け出す方法があるのであれば知っておいても損はない。
但し、ギュウカクの取引を受けるつもりはなく、必要な情報はアイリスと交信して聞き出せばよい。レナはギュウカクに対してきっぱりと取引に応じない事を告げた。
「お前みたいな奴の部下に誰がなるか……だいたい、嘘くさいんだよ」
「ちっ……後で後悔しても遅いぞ」
「いいから行くぞ」
レナが取引を断るとギュウカクは不機嫌そうに鼻を鳴らすが、ここで取引に応じてもそもそも逃げ切れるとも限らない。レナに促されるままにギュウカクは歩いていると、不意に彼は何かに気付いた様に笑みを浮かべた。
「へっ……どうやら来たようだな」
「来た?何を言って……何だ!?」
ギュウカクの言葉にレナは疑問を抱くと、不意に森のあちこちから叫び声が響き、それがダークエルフの声だと気付く。周囲の茂みが急に動き出すと、レナとギュウカクの前に武装したミノタウロスの集団が現れる。
「黒牛将!!無事か!?」
「助けに来たぞ!!」
「おおっ!!遅かったな、お前等!!」
「こいつら……!?」
唐突に現れたミノタウロスの集団にレナは驚愕し、ギュウカクは笑みを浮かべた。どうやら牛人族の追手が追いついたようだが、ここまでの道中でレナ達は追跡者から逃れるために慎重に行動をしてきた。
移動の際中は痕跡を残さない様に注意していたにも関わらず、どうしてこんなにも早くに追いつかれたのかとレナは思ったが、ここでレナはある事を思い出す。それは道中、ギュウカクが定期的に用を足していた事を思い出し、まさかと思いながら彼に振り返ると、そこには両腕を拘束する蔓を引きちぎろうとするギュウカクの姿があった。
「ふんっ!!よし、千切れた……へへへっ、俺が何の考えも無しに黙って従っていたと思うか?」
「お前……まさか、手がかりを残していたのか?」
「へへへっ……小便だよ、俺が定期的に小便してたのはこいつらに知らせるためさ」
「……マーキングか!!」
ギュウカクの言葉にレナは意表を突かれた表情を浮かべ、どうやら犬がマーキングを行うようにギュウカクは小便を行い、手がかりを残していたらしい。牛人族は嗅覚も優れているらしく、彼の仲間はギュウカクの小便の臭いを辿って追いついてきたらしい。
「たくっ、黒牛将の小便の臭いを辿りながら追うなんて最悪だったぜ」
「黒牛将よ、俺達が助けた事をちゃんと長にも報告してくれよ」
「ちっ、うるさい奴等だ……おい、武器を寄越せ。こいつは俺の獲物だ」
「……面倒だな」
どうやら追いかけてきたミノタウロスの集団は黒牛将の直属の部下ではないらしく、彼に対して軽口を叩く。そんな彼らにギュウカクは苛立ちながらも武器を催促すると、レナは退魔刀を引き抜く。
「竜人族?」
「ああ、やつらはとある魔物を使役している。そいつを使えば島の外に抜け出す事も夢じゃねえ……どうだ?もしも俺を逃がしてくれるのなら牛人族の将としてお前を歓迎してやる」
竜人族ならば島の外へ抜け出す方法を知っているというギュウカクは、ダークエルフを裏切って自分達に付くようにレナに説き伏せる。捕虜となったのに取引を持ち掛けてきたギュウカクに対してレナは呆れた表情を浮かべた。
「お前、この状況で良く言えるな」
「この状況だからこそ言ってんだよ。どうせ命乞い慕って血も涙もないダークエルフ共は聞き入れやしない。だが、お前は見た所はダークエルフじゃないな?」
「4分の1は森人族だよ。種族的には人間だけど……」
「ニンゲン?聞いた事もないな……まあいい、お前はダークエルフの仲間じゃないんだろ?だったら俺を逃がしてくれたら牛人族はお前を歓迎する。強い奴は嫌いじゃないからな、きっと長もお前の事を気に入るだろうよ」
牛人族は人間の存在を知らないらしく、レナの言葉を聞いて不思議そうな表情を浮かべたが、ギュウカクは笑みを浮かべた。そんな彼の態度を見てどうにも嘘くさい気はするが、気になるのは竜人族の事だった。
「その竜人族が島の外に出られる方法を知っているのなら、俺が牛人族に付いても意味がないだろ」
「いや、あるね。俺達の部族はいずれこの島を支配するつもりだ……非力なダークエルフ共や保身主義の竜人族に味方しても未来はないぞ。牛人族に味方するというのであればお前を俺の右腕にしてやってもいいぞ。そうすれば捕まえたダークエルフの女はお前の好きにしてもいい」
「本当に下衆だなお前……」
ダークエルフを裏切り、牛人族に味方するように申し込んできたギュウカクに対してレナは呆れた表情を浮かべるが、竜人族が島の外に脱出する術を持っているという話は興味深い。レナは先ほどの勇者の遺跡の転移装置を作動すれば帰れると思っていたが、他に島の外に抜け出す方法があるのであれば知っておいても損はない。
但し、ギュウカクの取引を受けるつもりはなく、必要な情報はアイリスと交信して聞き出せばよい。レナはギュウカクに対してきっぱりと取引に応じない事を告げた。
「お前みたいな奴の部下に誰がなるか……だいたい、嘘くさいんだよ」
「ちっ……後で後悔しても遅いぞ」
「いいから行くぞ」
レナが取引を断るとギュウカクは不機嫌そうに鼻を鳴らすが、ここで取引に応じてもそもそも逃げ切れるとも限らない。レナに促されるままにギュウカクは歩いていると、不意に彼は何かに気付いた様に笑みを浮かべた。
「へっ……どうやら来たようだな」
「来た?何を言って……何だ!?」
ギュウカクの言葉にレナは疑問を抱くと、不意に森のあちこちから叫び声が響き、それがダークエルフの声だと気付く。周囲の茂みが急に動き出すと、レナとギュウカクの前に武装したミノタウロスの集団が現れる。
「黒牛将!!無事か!?」
「助けに来たぞ!!」
「おおっ!!遅かったな、お前等!!」
「こいつら……!?」
唐突に現れたミノタウロスの集団にレナは驚愕し、ギュウカクは笑みを浮かべた。どうやら牛人族の追手が追いついたようだが、ここまでの道中でレナ達は追跡者から逃れるために慎重に行動をしてきた。
移動の際中は痕跡を残さない様に注意していたにも関わらず、どうしてこんなにも早くに追いつかれたのかとレナは思ったが、ここでレナはある事を思い出す。それは道中、ギュウカクが定期的に用を足していた事を思い出し、まさかと思いながら彼に振り返ると、そこには両腕を拘束する蔓を引きちぎろうとするギュウカクの姿があった。
「ふんっ!!よし、千切れた……へへへっ、俺が何の考えも無しに黙って従っていたと思うか?」
「お前……まさか、手がかりを残していたのか?」
「へへへっ……小便だよ、俺が定期的に小便してたのはこいつらに知らせるためさ」
「……マーキングか!!」
ギュウカクの言葉にレナは意表を突かれた表情を浮かべ、どうやら犬がマーキングを行うようにギュウカクは小便を行い、手がかりを残していたらしい。牛人族は嗅覚も優れているらしく、彼の仲間はギュウカクの小便の臭いを辿って追いついてきたらしい。
「たくっ、黒牛将の小便の臭いを辿りながら追うなんて最悪だったぜ」
「黒牛将よ、俺達が助けた事をちゃんと長にも報告してくれよ」
「ちっ、うるさい奴等だ……おい、武器を寄越せ。こいつは俺の獲物だ」
「……面倒だな」
どうやら追いかけてきたミノタウロスの集団は黒牛将の直属の部下ではないらしく、彼に対して軽口を叩く。そんな彼らにギュウカクは苛立ちながらも武器を催促すると、レナは退魔刀を引き抜く。
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