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弱肉強食の島編
最後の隠れ家
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「サン、大丈夫か!?」
「怪我はしていない?」
「う、うん……怖かったよう」
「情けない事を言うな!!お前は女戦士になりたいんだろう?なら、こんな奴等に怯えるな!!」
起き上がったサンをアンジュは抱きかかえると、涙ぐむ彼女を叱りつける。厳しいように思えるかもしれないがアンジュなりにサンを励ましているらしく、意外と子供の面倒見が良い。
その一方でサーシャの方はサンを連れ去ろうとしたミノタウロスに視線を向け、彼女は短剣を引き抜くとミノタウロスの頭部に向けて振り翳す。その様子を見ていたレナは慌てて彼女を止めた。
「止めろ!!」
「……なんで止める?こいつは子供を連れ去ろうとしたクズ、生かしておく価値はない」
「そうだ。いくら旦那様でも邪魔をするなら許さないぞ」
「お、落ち着けよ……」
レナがミノタウロスを殺す事を辞めさせると、アンジュとサーシャは不満を抱いた表情を浮かべ、嫌な雰囲気を感じてハルナも慌てて間に割って入った。その様子を見ていた族長は倒れ込んだミノタウロス達に視線を向け、彼女は頭を振る。
「まさかもう追手がここまで来ていたとは……やはり、黒牛将は置いてくるべきだったか」
「族長、こいつらは殺すべきだ!!こいつらを連れていたら隠れ家に逃げても見つかってしまうぞ!!」
「もう牛人族との全面抗争は避けられない。なら、今のうちに敵の数を減らしておくべき」
アンジュとサーシャは牛人族と戦う事を決めたらしく、今すぐにこの場に存在するミノタウロスを殺す様に促す。族長も最初は反対しようとしたが、連れ去られそうになったサンを見て強く言い出す事が出来ない。
「……駄目じゃ、まずは隠れ家へ向かう。こいつらはこのまま置いていくぞ」
「族長は甘すぎる!!牛人族如きに私達が負けると思ってるのか!?」
「敵は牛人族ではない!!竜人族もいる事を忘れたか!?下手に抗争を仕掛ければ滅びるのは我々の方だと何度言えば分かる!?」
「なら、仲間を連れ去られても我慢しろというのか!?こいつらのせいでまた怪我人が増えた!!もう私達は我慢できないぞ!!」
「落ち着け!!」
言い争いを始めたアンジュと族長に対してレナは大声で怒鳴り上げ、その彼の迫力に二人は気圧される。この時にレナは無意識に「威圧」を発動させて周囲の者達を黙らせる。
まるで大型の猛獣を前にした小動物のようにレナの周囲に立っていた者達は震え上がり、その様子を見てレナは心を落ち着かせると、こんな場所で話し合うよりも隠れ家へ向かう事を伝えた。
「ここで喧嘩しても仕方ないだろ。族長、隠れ家までどれくらいある?」
「あ、ああ……もう間もなく辿り着くだろう」
「よし、こいつらは今度こそ逃げ出させない様に縛り上げて隠れ家へ向かおう。他の皆も言いな?」
「待て、こいつらを始末しないのか?」
「殺さない、まだ情報を聞き出していないうちに殺す必要もないだろう。でも、次に逃げようとすれば……俺が始末する。それで文句はないな?」
ナイは剣鬼の瞳を向けるとアンジュとサーシャは身体が震え、その瞳で睨まれるだけで彼女達は逆らえない。レナの言葉に反対する者はおらず、結局は現れたミノタウロス達を全員拘束してレナ達は隠れ家へと向かう――
――族長の言う通りにレナ達は森の中に存在する滝に辿り着くと、滝の裏側には確かに洞窟が存在し、奥を進むと別の出入口に辿り着けた。その場所は周囲が岩壁に覆われており、外側からはただの岩山のようにしか見えないが、内部の方は凹んでいて大昔に建てられたと思われる住居が幾つも残っていた。
この隠れ家は族長がまだ子供の頃に利用していた隠れ家らしく、現在は誰も住んでいない。だが、周囲を岩山で取り囲まれているので魔物が入り込む事も出来ず、それに内部には生えている樹木には様々な果物が実っていた。ここならば滝の裏の出入口の存在を知られなければ安全に暮らす事が出来る。
「ここが隠れ家か……凄いな、これだけの広さなら村が作れそうだ」
「だが、ここが我々の最後の砦だ……もうここ以外に皆が隠れ住める隠れ家は存在しない。もしもこの場所が見つかればもう逃げ場はない」
「ふん、逃げる必要なんかない。この場所で体勢を整えて反撃の準備をする」
「けど、こいつらも本当に連れてきてよかったのか?」
「ちっ……」
隠れ家の中には拘束したミノタウロス達も同行しており、彼等はこんな場所に隠れ家がある事を知らなかったのか悔しそうな表情を浮かべる。ここまで連れてくる道中、今度は手がかりを残さない様に注意して連れてきたため、ミノタウロス達が脱走でもしない限りはこの場所がバレる可能性はない。
「皆、今日はもう疲れたであろう。ゆっくりと身体を休ませて明日から牛人族の対策を考えようではないか」
「それなら私はこいつらを拷問してくる。情報を吐き出させて牛人族の弱みを握ってやる」
「ふん、やれるものならやってみやがれ!!」
「ちょっと待って……そう言う事なら俺がやるよ」
「……旦那様が?」
「えっ!?マジで言ってるのか!?」
ギュウカクと他のミノタウロスを連れて拷問しようとしたアンジュに対してレナが引き留め、自分が彼等から情報を引き出す事を告げる。そのレナの行動に他の者は戸惑うが、レナにも考えがあった。
「怪我はしていない?」
「う、うん……怖かったよう」
「情けない事を言うな!!お前は女戦士になりたいんだろう?なら、こんな奴等に怯えるな!!」
起き上がったサンをアンジュは抱きかかえると、涙ぐむ彼女を叱りつける。厳しいように思えるかもしれないがアンジュなりにサンを励ましているらしく、意外と子供の面倒見が良い。
その一方でサーシャの方はサンを連れ去ろうとしたミノタウロスに視線を向け、彼女は短剣を引き抜くとミノタウロスの頭部に向けて振り翳す。その様子を見ていたレナは慌てて彼女を止めた。
「止めろ!!」
「……なんで止める?こいつは子供を連れ去ろうとしたクズ、生かしておく価値はない」
「そうだ。いくら旦那様でも邪魔をするなら許さないぞ」
「お、落ち着けよ……」
レナがミノタウロスを殺す事を辞めさせると、アンジュとサーシャは不満を抱いた表情を浮かべ、嫌な雰囲気を感じてハルナも慌てて間に割って入った。その様子を見ていた族長は倒れ込んだミノタウロス達に視線を向け、彼女は頭を振る。
「まさかもう追手がここまで来ていたとは……やはり、黒牛将は置いてくるべきだったか」
「族長、こいつらは殺すべきだ!!こいつらを連れていたら隠れ家に逃げても見つかってしまうぞ!!」
「もう牛人族との全面抗争は避けられない。なら、今のうちに敵の数を減らしておくべき」
アンジュとサーシャは牛人族と戦う事を決めたらしく、今すぐにこの場に存在するミノタウロスを殺す様に促す。族長も最初は反対しようとしたが、連れ去られそうになったサンを見て強く言い出す事が出来ない。
「……駄目じゃ、まずは隠れ家へ向かう。こいつらはこのまま置いていくぞ」
「族長は甘すぎる!!牛人族如きに私達が負けると思ってるのか!?」
「敵は牛人族ではない!!竜人族もいる事を忘れたか!?下手に抗争を仕掛ければ滅びるのは我々の方だと何度言えば分かる!?」
「なら、仲間を連れ去られても我慢しろというのか!?こいつらのせいでまた怪我人が増えた!!もう私達は我慢できないぞ!!」
「落ち着け!!」
言い争いを始めたアンジュと族長に対してレナは大声で怒鳴り上げ、その彼の迫力に二人は気圧される。この時にレナは無意識に「威圧」を発動させて周囲の者達を黙らせる。
まるで大型の猛獣を前にした小動物のようにレナの周囲に立っていた者達は震え上がり、その様子を見てレナは心を落ち着かせると、こんな場所で話し合うよりも隠れ家へ向かう事を伝えた。
「ここで喧嘩しても仕方ないだろ。族長、隠れ家までどれくらいある?」
「あ、ああ……もう間もなく辿り着くだろう」
「よし、こいつらは今度こそ逃げ出させない様に縛り上げて隠れ家へ向かおう。他の皆も言いな?」
「待て、こいつらを始末しないのか?」
「殺さない、まだ情報を聞き出していないうちに殺す必要もないだろう。でも、次に逃げようとすれば……俺が始末する。それで文句はないな?」
ナイは剣鬼の瞳を向けるとアンジュとサーシャは身体が震え、その瞳で睨まれるだけで彼女達は逆らえない。レナの言葉に反対する者はおらず、結局は現れたミノタウロス達を全員拘束してレナ達は隠れ家へと向かう――
――族長の言う通りにレナ達は森の中に存在する滝に辿り着くと、滝の裏側には確かに洞窟が存在し、奥を進むと別の出入口に辿り着けた。その場所は周囲が岩壁に覆われており、外側からはただの岩山のようにしか見えないが、内部の方は凹んでいて大昔に建てられたと思われる住居が幾つも残っていた。
この隠れ家は族長がまだ子供の頃に利用していた隠れ家らしく、現在は誰も住んでいない。だが、周囲を岩山で取り囲まれているので魔物が入り込む事も出来ず、それに内部には生えている樹木には様々な果物が実っていた。ここならば滝の裏の出入口の存在を知られなければ安全に暮らす事が出来る。
「ここが隠れ家か……凄いな、これだけの広さなら村が作れそうだ」
「だが、ここが我々の最後の砦だ……もうここ以外に皆が隠れ住める隠れ家は存在しない。もしもこの場所が見つかればもう逃げ場はない」
「ふん、逃げる必要なんかない。この場所で体勢を整えて反撃の準備をする」
「けど、こいつらも本当に連れてきてよかったのか?」
「ちっ……」
隠れ家の中には拘束したミノタウロス達も同行しており、彼等はこんな場所に隠れ家がある事を知らなかったのか悔しそうな表情を浮かべる。ここまで連れてくる道中、今度は手がかりを残さない様に注意して連れてきたため、ミノタウロス達が脱走でもしない限りはこの場所がバレる可能性はない。
「皆、今日はもう疲れたであろう。ゆっくりと身体を休ませて明日から牛人族の対策を考えようではないか」
「それなら私はこいつらを拷問してくる。情報を吐き出させて牛人族の弱みを握ってやる」
「ふん、やれるものならやってみやがれ!!」
「ちょっと待って……そう言う事なら俺がやるよ」
「……旦那様が?」
「えっ!?マジで言ってるのか!?」
ギュウカクと他のミノタウロスを連れて拷問しようとしたアンジュに対してレナが引き留め、自分が彼等から情報を引き出す事を告げる。そのレナの行動に他の者は戸惑うが、レナにも考えがあった。
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