不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,390 / 2,091
真・最終章 七魔将編

アルドラとの対面……?

しおりを挟む
「……それで中に通ってもいいの?こんな所であんた達と世間話している暇はないのよ」
「ふん、元大将軍だか何だか知らないが態度には気を付けろ」
「アルドラ様への報告は私達が行う。さあ、知っている事を話せ」
「それは駄目よ。報告は私自身が直接行う、それが条件よ」
「生憎だが、昨晩に街中に侵入者が現れた。だから今までよりも警備は強化されている。お前の様に素性が怪しい人間をここへ通すわけには行かない。そもそもこっちの娘は誰だ?始めて見る顔だぞ、冒険者ではないな?」
「あ、えっと……」
「この子は私の傭兵仲間よ」


女性冒険者達はミレトを指摘すると、その問いかけに対してレナは咄嗟に傭兵仲間である事を伝える。しかし、それでも彼女達は初めて見る顔でしかもが連れてきた事に対して怪しむように覗き込む。


「傭兵仲間だろうがなんだろうが部外者をここへ通すわけには行かない。第一にこの娘も洗礼を受けていないだろう」
「洗礼?」
「もう忘れたのか?あの方の血が入った水を飲む事だ。いや、そうだ……この場でお前達のどちらかが洗礼を受けるのであれば中に通る事を許してやろう」
「えっ!?」


女性冒険者達は良い事を思いついたとばかりに水筒を取り出すと、それをレナたちの前に差し出す。それを確認したミレトは戸惑うようにレナに視線を向けるが、この時にレナは水筒をすると、自分が飲む事を宣言する。


「いいわよ、私が飲むわ」
「えっ……!?」
「ほう、いい度胸だな。なら、さっさと飲め」


水筒を差しだした女性冒険者達はレナが本当に水筒の中身を飲むのか注視すると、彼女は特に緊張した面持ちも浮かべずに水筒を受け取り、そのまま一気に飲み干す。

何の躊躇もなく水筒を飲み込んだレナに他の者達は驚愕するが、レナは水筒を全て飲み干すと冒険者達に投げ返す。空になった水筒を受け取った女性冒険者達は呆気にとられるが、そんな彼女達にレナは堂々と言い渡す。


「通らせてもらうわよ、これ以上にごちゃごちゃいうようなら……ここで全員死ぬ事になわるわね」
「うっ……!?」
「わ、分かった……通ってもいい」
「……腐っても大将軍か」


レナの言葉を聞いた女性冒険者達は彼の放つ威圧を浴びて怖気づき、建物の中にレナとミレトを通した。この時にミレトはレナの身を案じて話しかけようとするが、レナは先に小声で話しかける。


「大丈夫、平気だよ。俺は操られていない」
「えっ……でも、どうして?」
「あの中身、ただの水だよ。アルドラの血なんて入ってなかった……俺の鑑定眼は誤魔化せない」


マリアと同様にレナは「鑑定眼」と呼ばれる固有スキルを習得しており、この能力のお陰で水筒を確認した時にレナは中身がただの水だと一瞬で見抜いた。アルドラの血が入っていたならば鑑定眼に何らかの反応があるはずだが、最初に見た時からレナは水筒の中身がただの水だと気付き、女性冒険者達の行動は脅しに過ぎないと気付いていた。

水筒を躊躇なく飲んだ以上は女性冒険者達も追及はできず、無事にレナとミレトは建物の中に入り込む。建物の中には人の姿はなく、恐らく大半の冒険者は街中に見回りを行っているはずだった。しかし、中に入った途端に感じられる二つの気配が強まり、この中にはゴウライとオウガなる存在が居る事は間違いない。


(ゴウライとオウガを止めるのは一苦労しそうだな……よし、ここでいいか)


レナは周囲を確認し、この時に建物の出入口の扉に手を伸ばしてドアノブの部分を形状高速変化の技能を利用して金属を捻じ曲げ、ドアノブ同士を繋ぎ合わせる。これならば外部の人間が簡単には入り込めず、その間にレナは他の人間を呼び出す準備を行う。

建物内に侵入したレナは普段はマリアが使用している部屋へ向けて急ぎ足で移動を行い、この時にレナは途中で空き部屋を見つけ出すと、その場所に細工を施した。その後は二人でアルドラの部屋の前に辿り着き、緊張しながらもノックを行う。


『どうぞ、入りなさい』


ノックした直後に部屋の中に女性の声が響き、二人は扉を開くとそこには冒険都市を支配した吸血鬼アルドラがいた。アルドラを前にしたレナとミレトは緊張感を抱き、彼女は入ってきた二人に対して笑みを浮かべる。

アルドラの容姿は絶世の美女と言っても過言ではないが、容姿だけではなく凄みもあり、最初に出会った時と雰囲気が大分異なっていた。最初はレナも別人かと思ったが、鑑定眼を発動させて「アルドラ」が本人である事を確かめた。


(間違いない、こいつがアルドラだ)


鑑定眼を通して表示されたステータスを確認すると、レナは目の前に存在するアルドラが本人だと見抜き、変装の類で化けた偽物ではない事を悟る。幸いな事にアルドラの傍にはオウガやゴウライの姿は存在せず、部屋の中にはレナとミレトしか存在しない。これならば彼女を討つ絶好の好機だった。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。