不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

七大魔剣「夜叉」と古の吸血鬼

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(こいつが本物のアルドラだとしたら……随分と不用心だな。ここまであっさりと通すなんて余裕のつもりか?)


レナは事前にアルドラの情報は伺っているが、まさかこうも簡単に彼女の元に辿り着けるとは思わなかった。アルドラさえ倒せば洗脳された人間は戻るはずであり、そうなれば形成は逆転する。既に作戦は始まっており、レナはミレトを伺うと彼は頷く。

アルドラは椅子に座った状態でカノンとルナに化けた二人を見て笑みを浮かべ、その態度にレナ達は警戒しながらも彼女の前に立つ。ゴウライやオウガが彼女の傍にいればレナが二人を足止めしてミレトがアルドラを倒す手はずだが、その必要もなくなった。


(この距離なら確実に倒す事ができる……相手を人だと思うな)


七魔将を相手に手加減する余裕はなく、レナは本気で倒すつもりで挑む予定だった。しかし、身に付けている魔獣の類はレナでは扱えず、どこかで武器を取り出す必要がある。その前にミレトが先に止めを刺すかもしれないが、まずは彼女に気付かれないように演技を続ける。


「報告に来たわ」
「そう、何の報告かしら?」
「それは……」
「貴方達の正体は気付いているわよ……剣鬼さん」


アルドラの言葉を聞いた瞬間、迷わずにレナは空間魔法を発動させて退を取り出し、アルドラに目掛けて振り下ろす。異空間から退魔刀を引き抜くまでに殆ど時間を掛けず、レナは渾身の一撃を放つがそれに対してアルドラは指輪を構えて緑色の障壁で身を守る。


「シルド!!」
「ちぃっ!?」
「結界!?」


緑色の宝石の正体は「結界石」であり、かつてレナも使用した事がある魔道具だった。指輪から展開した緑色の障壁がレナの攻撃を受けるが、退魔刀は極めて高い魔法耐性を誇り、結界を一撃で崩壊させた。普通の金属製の武器ならば跳ね返されていたかもしれないが、剣鬼であるレナの攻撃に耐え切れずに結界石は一撃で砕け散った。

しかし、初撃を受け止める事に成功したアルドラは即座に別の指輪を構えると、彼女に対して今度はミレトがロンギヌスを構える。先ほどのように結界石で障壁を張ってもミレトのロンギヌスならば魔力を吸収して無効化する事ができる。


「はああっ!!」
「ちっ!!」


レナだけではなく、ミレトの攻撃に対してアルドラは舌打ちを行いながらも顔を反らして攻撃を躱す。吸血鬼である彼女は並の冒険者よりも身体能力は高く、二人の攻撃をどうにか対処した彼女は机の上に乗っていたグラスの中身を放つ。


「喰らいなさいっ!!」
「ミレト!!」
「うわっ!?」


ワインだと思っていたグラスの中身を見てレナは瞬時に嫌な予感を浮かべ、ミレトの身体を抱いて後方へ跳躍する。その判断は間違っておらず、アルドラが手にしていたグラスの中身は彼女の「血液」であり、絨毯に血が染み込む。

もしもアルドラの血が間違っても目や鼻や口の中に入っていた場合、レナ達は彼女の操り人形と化していた。彼女の攻撃をどうにか避ける事に成功したレナは安堵したが、その間にもアルドラは次の行動を移す。


「良い反応ね……なら、私もこのを使わせてもらうわ」
「魔剣!?」
「ミレト、下がれ!!」


アルドラは机の上に隠していた日本刀のような武器を取り出すと、それを見たレナとミレトは血相を変える。アルドラが手にしたのは七大魔剣の一振りであり、その名前は「夜叉」である。



――シズネの所持する「雪月花」ハヤテの「青嵐」と同様にアルドラは七大魔剣を所持しており、その名前は「夜叉」七大聖剣のクリムゾンがまだ「羅刹」と呼ばれていた時代、夜叉は羅刹の後に作り出された魔剣だった。



七大魔剣の夜叉はクリムゾンが生命を奪う魔剣に対し、夜叉の場合は生命力を消耗させる恐るべき魔剣であり、七大魔剣の中で最も恐れられた魔剣だった。その外見は日本刀に似ているが、刃は全体が漆黒に染まり、引き抜いた瞬間に闇属性の魔力を生み出す。

夜叉を手にしたアルドラはレナとミレトに対して刃を構えると、彼女の表情は一変した。夜叉を手にした途端に彼女は獰猛な笑みを浮かべ、そして目元が赤色に光り輝く。それを見たレナは自分と同じ状態に陥った事に気付き、彼女の正体は「剣鬼」だった。


「さあ……殺し合いましょうか!!」
「くっ……!!」


先ほどまでの態度と一変したアルドラは夜叉を振りかざし、一瞬にしてレナの間合いに入り込むと彼に刃を放つ。その攻撃に対してレナも退魔刀で受け止めると、激しい金属音が部屋の中に鳴り響く――
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