1,404 / 2,091
真・最終章 七魔将編
ジャンヌの意地
しおりを挟む
「回転!!」
「受けなが……きゃあっ!?」
シズネは咄嗟に防御型の戦技を発動させようとしたが、意識が乱れていたせいで上手く発動する事ができず、ジャンヌの攻撃を受けて吹き飛ぶ。咄嗟に両手の刀で防ぐ事には成功したが、衝撃は殺しきれずに吹き飛ぶ。
意地の一撃でジャンヌはシズネを吹き飛ばす事に成功したが、彼女自身は汗を流して膝を着く。彼女は魔鎧術の特訓を行っていたが、魔力容量の問題で全身に魔力を形成すると瞬く間に魔力を失ってしまう。魔鎧術を習得する訓練の時も彼女が一番苦戦していた。
「はあ、はあっ……」
「ジャンヌ殿、大丈夫でござるか!?」
「わ、私の事より……シズネさんは?」
ハンゾウがジャンヌの元に駆けつけるが、彼女はシズネがどうなったのかを確かめると、先ほどのジャンヌの一撃でシズネは倒れていた。意識が乱れていた時に剣聖であるジャンヌの一撃を受けて無事では済まず、意識を失っている様子だった。
「ジャンヌ殿、やったでござる!!まさかあのシズネ殿を倒すとは……」
「た、倒してなどいません……運が良かっただけです」
「それでも十分な成果でござるよ」
シズネの意識が乱れていたからこそジャンヌの攻撃が通じたが、もしもシズネが万全な状態ならばジャンヌでは勝てなかった。だが、どんな理由にせよジャンヌの一撃で彼女が気絶した事は間違いなく、勝利を誇るようにハンゾウは促す。
しかし、状況は好転したわけではなく、一番厄介なシズネは気絶に追い込めたがまだミナを筆頭に他の冒険者達も残っていた。彼女達は頭を抑え、氷雨の冒険者ギルドがある方向に視線を向けていた。その様子にハンゾウは違和感を抱き、ジャンヌに肩を貸して場所の移動を行う。
(今のうちに逃げるでござるよ。何やら雰囲気がおかしいでござる)
(レナ様たちの身に何かあったのでしょうか……)
(それは分からぬでござるが……ともかく、一旦退くでござる)
気付かれないように小声で話しかけながら二人はその場を離れると、残されたミナ達はやがて立ち上がると氷雨のギルドに向けて動き出す――
――時は少し前に遡り、氷雨のギルド長室ではレナとミレトがアルドラの前で四つん這いになっていた。二人はアルドラの血が体内に入った事で意識を奪われかけており、その様子をアルドラは楽しそうに見つめる。
「二人とも可愛らしい格好ね。本当に女の子かと思ったわ……でも、いくら外見を偽装しようと私には匂いで分かるのよ」
「くぅっ……」
「この胸も詰め物ね。いったい何を積めたのかしら、気になるわね」
勝利を確信したアルドラは女装しているレナの胸元のふくらみに視線を向け、彼が男だと最初から見抜いていたアルドラはレナが胸に何を仕込んでいるのかを調べる。もしも武器の類ならば先に回収する必要があると思ったが、彼女は服越しに胸を掴むと異様な弾力感を感じとる。
「えっ……何、この感触?貴方、まさか本当に女の子……いや、そんなはずはないわ!!」
「うっ……!?」
妙にレナの胸元が生暖かい事に気付いたアルドラは一瞬だが、レナが本当に女かと思った。しかし、吸血鬼であるアルドラは人間の身体から放たれる匂いで性別を見抜く事ができた。だからこそレナが女ではない事は間違いなく、それなのに胸元の感触に疑問を抱いた彼女はレナを突き飛ばす。
床に仰向けの状態で倒れたレナの胸元にアルドラは鋭い爪で服を切り裂き、その下から予想外の存在が現れた。それは服の中から緑色の丸い身体とつぶらな瞳が出現し、それを見たアルドラは唖然とした。
「ス、スライム!?」
「ぷるしゃあああっ!!」
実はレナの胸の詰物代わりにずっとスラミンが服の中に隠れており、彼は事前にレナから飲まされた精霊薬を吐き出す。精霊薬は四つん這いのミレトとレナの顔面に向けて放たれ、ついでにアルドラも目に精霊薬が入ってしまう。
「きゃあああっ!?」
「うぷっ!?」
「ぶはっ!?」
「ぷるるんっ!!」
精霊薬を吐き出したスラミンは身体の体色が元に戻ると、水分を吐き出したせいで体型が一回り程小さくなってしまう。その後は戦闘に巻き込まれないようにレナの服の中に潜り込み、そのスラミンをレナは服越しに撫でながらアルドラに向き合う。
「ふうっ……助かったよ、スラミン」
「こ、このっ……スライムを服の中に仕込んでいたのね!?」
「これで形勢逆転だ……アルドラ!!」
レナはアルドラの視界が完全に戻る前に踏み込み、彼女に目掛けて退魔刀を振りかざす。しかし、アルドラは視界が封じられているにも関わらずにレナの攻撃を読んだかのように身体を反らして回避した。
彼女もレナと同様に心眼の技能を習得していたらしく、視界を封じられていようと彼女も「剣鬼」であり、即座に冷静さを取り戻して距離を取る。だが、レナもアルドラをここで逃すつもりはなく、剣が駄目ならば魔法で追撃を行う。
「受けなが……きゃあっ!?」
シズネは咄嗟に防御型の戦技を発動させようとしたが、意識が乱れていたせいで上手く発動する事ができず、ジャンヌの攻撃を受けて吹き飛ぶ。咄嗟に両手の刀で防ぐ事には成功したが、衝撃は殺しきれずに吹き飛ぶ。
意地の一撃でジャンヌはシズネを吹き飛ばす事に成功したが、彼女自身は汗を流して膝を着く。彼女は魔鎧術の特訓を行っていたが、魔力容量の問題で全身に魔力を形成すると瞬く間に魔力を失ってしまう。魔鎧術を習得する訓練の時も彼女が一番苦戦していた。
「はあ、はあっ……」
「ジャンヌ殿、大丈夫でござるか!?」
「わ、私の事より……シズネさんは?」
ハンゾウがジャンヌの元に駆けつけるが、彼女はシズネがどうなったのかを確かめると、先ほどのジャンヌの一撃でシズネは倒れていた。意識が乱れていた時に剣聖であるジャンヌの一撃を受けて無事では済まず、意識を失っている様子だった。
「ジャンヌ殿、やったでござる!!まさかあのシズネ殿を倒すとは……」
「た、倒してなどいません……運が良かっただけです」
「それでも十分な成果でござるよ」
シズネの意識が乱れていたからこそジャンヌの攻撃が通じたが、もしもシズネが万全な状態ならばジャンヌでは勝てなかった。だが、どんな理由にせよジャンヌの一撃で彼女が気絶した事は間違いなく、勝利を誇るようにハンゾウは促す。
しかし、状況は好転したわけではなく、一番厄介なシズネは気絶に追い込めたがまだミナを筆頭に他の冒険者達も残っていた。彼女達は頭を抑え、氷雨の冒険者ギルドがある方向に視線を向けていた。その様子にハンゾウは違和感を抱き、ジャンヌに肩を貸して場所の移動を行う。
(今のうちに逃げるでござるよ。何やら雰囲気がおかしいでござる)
(レナ様たちの身に何かあったのでしょうか……)
(それは分からぬでござるが……ともかく、一旦退くでござる)
気付かれないように小声で話しかけながら二人はその場を離れると、残されたミナ達はやがて立ち上がると氷雨のギルドに向けて動き出す――
――時は少し前に遡り、氷雨のギルド長室ではレナとミレトがアルドラの前で四つん這いになっていた。二人はアルドラの血が体内に入った事で意識を奪われかけており、その様子をアルドラは楽しそうに見つめる。
「二人とも可愛らしい格好ね。本当に女の子かと思ったわ……でも、いくら外見を偽装しようと私には匂いで分かるのよ」
「くぅっ……」
「この胸も詰め物ね。いったい何を積めたのかしら、気になるわね」
勝利を確信したアルドラは女装しているレナの胸元のふくらみに視線を向け、彼が男だと最初から見抜いていたアルドラはレナが胸に何を仕込んでいるのかを調べる。もしも武器の類ならば先に回収する必要があると思ったが、彼女は服越しに胸を掴むと異様な弾力感を感じとる。
「えっ……何、この感触?貴方、まさか本当に女の子……いや、そんなはずはないわ!!」
「うっ……!?」
妙にレナの胸元が生暖かい事に気付いたアルドラは一瞬だが、レナが本当に女かと思った。しかし、吸血鬼であるアルドラは人間の身体から放たれる匂いで性別を見抜く事ができた。だからこそレナが女ではない事は間違いなく、それなのに胸元の感触に疑問を抱いた彼女はレナを突き飛ばす。
床に仰向けの状態で倒れたレナの胸元にアルドラは鋭い爪で服を切り裂き、その下から予想外の存在が現れた。それは服の中から緑色の丸い身体とつぶらな瞳が出現し、それを見たアルドラは唖然とした。
「ス、スライム!?」
「ぷるしゃあああっ!!」
実はレナの胸の詰物代わりにずっとスラミンが服の中に隠れており、彼は事前にレナから飲まされた精霊薬を吐き出す。精霊薬は四つん這いのミレトとレナの顔面に向けて放たれ、ついでにアルドラも目に精霊薬が入ってしまう。
「きゃあああっ!?」
「うぷっ!?」
「ぶはっ!?」
「ぷるるんっ!!」
精霊薬を吐き出したスラミンは身体の体色が元に戻ると、水分を吐き出したせいで体型が一回り程小さくなってしまう。その後は戦闘に巻き込まれないようにレナの服の中に潜り込み、そのスラミンをレナは服越しに撫でながらアルドラに向き合う。
「ふうっ……助かったよ、スラミン」
「こ、このっ……スライムを服の中に仕込んでいたのね!?」
「これで形勢逆転だ……アルドラ!!」
レナはアルドラの視界が完全に戻る前に踏み込み、彼女に目掛けて退魔刀を振りかざす。しかし、アルドラは視界が封じられているにも関わらずにレナの攻撃を読んだかのように身体を反らして回避した。
彼女もレナと同様に心眼の技能を習得していたらしく、視界を封じられていようと彼女も「剣鬼」であり、即座に冷静さを取り戻して距離を取る。だが、レナもアルドラをここで逃すつもりはなく、剣が駄目ならば魔法で追撃を行う。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。