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真・最終章 七魔将編
意識不明
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――氷雨のギルドの一室ではレナが横たわり、彼の傍にはレミトが立っていた。彼はオウガに救われる形で生き延び、そして自分が眠っている間に都市が大変な状況になった事を知る。気絶しているレナの顔を見てレミトは黙り込み、自分がアルドラに不覚を取ったせいでレナに余計な負担をかけてしまったのかと思い込む。
レナの傍にはティナとコトミンが付き添い、二人とも夜通しで看病していたのでどちらもレナの横たわっているベッドに身体を預けて眠っていた。二人の他にもレナを守るためにアンジュとサーシャも待機しており、二人とも壁に背中を預けた状態で眠っていた。
「うう~んっ……レナたん」
「レナ……」
「ぐぅっ……ぐぅっ……」
「すぴぃっ……」
「…………」
眠っている4人の姿を確認してミレトはレナに顔を向けると、黙って頭を下げて部屋を出ていく。彼にとってレナという存在は父親の仇であり、母親が死んだのもレナが関わっている。それでもミレトはレナに対して復讐心は抱かない。
彼の父親であるミドルは正々堂々とレナと戦った末に敗れて死亡し、武人であるならば一騎打ちで戦って死ぬ事は誉であり、きっとミドル自身も死ぬときは後悔はなかっただろう。母親に関してはそもそもミレトは自分の母親から愛情を抱かれてはおらず、彼女が死んだと知った時さえもどのように反応すればいいのか分からなかった。
(何も出来なかった……違う、ただの足手まといだった)
ミレトはアルドラとの戦闘を思い返し、彼はアルドラとの戦いではレナの足を引っ張っただけで自分は何の役にも立たなかった事を思い出す。その事に彼は悔しく思い、背中のロンギヌスもミレトの感情に反応するかのように振るえる。
(あんなみっともない恰好を見られたなんて……悔しい)
よりにもよってレナの前でミレトは無様な姿を見せた事に悔しく思い、彼は氷雨のギルドの中庭に赴くとそこには鍛錬を行うゴンゾウの姿が存在した。いったいどれほど前から鍛錬しているのかゴンゾウは汗だくの状態で無心に拳を突き、彼の足元には汗の水たまりが出来上がっていた。
「ふんっ!!ふんっ!!」
「ゴンゾウさん……」
「ん?ああ、ミレトか……レナの様子を見てきたのか」
「はい……でも、ゴンゾウさんがレナさんの事を心配じゃないんですか?」
「……俺にはやるべき事がある」
レナの親友であるはずのゴンゾウはレナの顔を一度見た後からは一度も見舞いには訪れず、同じ建物にいるのだからレナの顔を見る事は容易いはずなのだが、彼は戻ってからはずっと鍛錬に励んでいた。
ゴンゾウはオウガとの戦闘を思い返し、自分が子供扱いされた事を思い出すだけで悔しさのあまりに表情が歪む。オウガの力は彼の師であるギガンさえも上回り、恐らくは腕力の強さはオウガに敵う存在は一人としていない。仮に鬼人化した状態のゴンゾウでもオウガには劣るだろう。
(このままだと駄目だ……俺はもっと強くならないといけない)
打倒オウガのためにゴンゾウはレナの事を案じながらも鍛錬に集中し、自分が強くなるために身体を鍛える。もしもオウガと遭遇した際、勝てなくとも一矢報いるためにゴンゾウは身体を鍛え上げる。そんな鬼気迫る様子で鍛錬を繰り返すオウガを見てミレトは自分も鍛錬に参加する事にした。
「あの……邪魔はしないので僕も鍛錬していいですか」
「……ああ、構わないぞ」
ゴンゾウはミレトの言葉に少し驚いたが、彼の表情を見て承諾した。今の二人は更に強くなるために一時の時間を無駄にすることはできず、鍛錬を行って自分の力を磨く――
――その頃、監獄から解放された剣聖のロウガとシュンを加えて他の者達は作戦会議を行う。司会はバルが行い、牙竜のギルドマスターのギガンも参加する。本来ならば氷雨のギルドマスターのマリアがいれば彼女がまとめ役なのだが、マリアが不在の時は氷雨と提携して周囲の人間の信頼も厚いバルがまとめ役を務める。
「あんた等、今の状況は理解しているね?はっきりと言って今の都市は瀕死状態だよ。この状況でもしもまた七魔将とやらが攻め込んできた場合、あたし達だけではどうしようもできない」
『…………』
バルの言葉に誰もが言い返す事ができず、実際に冒険都市の状況は散々だった。例のブラクが引き起こした「黒雨」によって大勢の人間が被害を受け、既に死亡した人間も大勢いる。不幸中の幸いなのは普通の人間よりもレベルが高い冒険者や傭兵は雨に打たれても生き残った人間も多いが、一般人の場合は雨に少しでも打たれた人間は危篤状態に陥っていた。
例の雨のせいで大勢の人間が治療を受けているが、教会が生産している聖水を利用した治療法しか今の所は雨に打たれた人間の治療はできていない。例の雨に打たれた人間に回復魔法は効果が薄く、黒色化した皮膚から生命力が抜け落ちて回復魔法の類が殆ど効果がないのは最悪だった。
今の所は聖水を浸らせた包帯を黒色化した皮膚に覆い込めば時間は掛かるが皮膚は元に戻り、大量の聖水と時間さえあれば必ず助ける事はできる。しかし、聖水は回復薬よりも製造法が難しく、教会が貯蔵していた聖水だけでは数が足りなかった。
レナの傍にはティナとコトミンが付き添い、二人とも夜通しで看病していたのでどちらもレナの横たわっているベッドに身体を預けて眠っていた。二人の他にもレナを守るためにアンジュとサーシャも待機しており、二人とも壁に背中を預けた状態で眠っていた。
「うう~んっ……レナたん」
「レナ……」
「ぐぅっ……ぐぅっ……」
「すぴぃっ……」
「…………」
眠っている4人の姿を確認してミレトはレナに顔を向けると、黙って頭を下げて部屋を出ていく。彼にとってレナという存在は父親の仇であり、母親が死んだのもレナが関わっている。それでもミレトはレナに対して復讐心は抱かない。
彼の父親であるミドルは正々堂々とレナと戦った末に敗れて死亡し、武人であるならば一騎打ちで戦って死ぬ事は誉であり、きっとミドル自身も死ぬときは後悔はなかっただろう。母親に関してはそもそもミレトは自分の母親から愛情を抱かれてはおらず、彼女が死んだと知った時さえもどのように反応すればいいのか分からなかった。
(何も出来なかった……違う、ただの足手まといだった)
ミレトはアルドラとの戦闘を思い返し、彼はアルドラとの戦いではレナの足を引っ張っただけで自分は何の役にも立たなかった事を思い出す。その事に彼は悔しく思い、背中のロンギヌスもミレトの感情に反応するかのように振るえる。
(あんなみっともない恰好を見られたなんて……悔しい)
よりにもよってレナの前でミレトは無様な姿を見せた事に悔しく思い、彼は氷雨のギルドの中庭に赴くとそこには鍛錬を行うゴンゾウの姿が存在した。いったいどれほど前から鍛錬しているのかゴンゾウは汗だくの状態で無心に拳を突き、彼の足元には汗の水たまりが出来上がっていた。
「ふんっ!!ふんっ!!」
「ゴンゾウさん……」
「ん?ああ、ミレトか……レナの様子を見てきたのか」
「はい……でも、ゴンゾウさんがレナさんの事を心配じゃないんですか?」
「……俺にはやるべき事がある」
レナの親友であるはずのゴンゾウはレナの顔を一度見た後からは一度も見舞いには訪れず、同じ建物にいるのだからレナの顔を見る事は容易いはずなのだが、彼は戻ってからはずっと鍛錬に励んでいた。
ゴンゾウはオウガとの戦闘を思い返し、自分が子供扱いされた事を思い出すだけで悔しさのあまりに表情が歪む。オウガの力は彼の師であるギガンさえも上回り、恐らくは腕力の強さはオウガに敵う存在は一人としていない。仮に鬼人化した状態のゴンゾウでもオウガには劣るだろう。
(このままだと駄目だ……俺はもっと強くならないといけない)
打倒オウガのためにゴンゾウはレナの事を案じながらも鍛錬に集中し、自分が強くなるために身体を鍛える。もしもオウガと遭遇した際、勝てなくとも一矢報いるためにゴンゾウは身体を鍛え上げる。そんな鬼気迫る様子で鍛錬を繰り返すオウガを見てミレトは自分も鍛錬に参加する事にした。
「あの……邪魔はしないので僕も鍛錬していいですか」
「……ああ、構わないぞ」
ゴンゾウはミレトの言葉に少し驚いたが、彼の表情を見て承諾した。今の二人は更に強くなるために一時の時間を無駄にすることはできず、鍛錬を行って自分の力を磨く――
――その頃、監獄から解放された剣聖のロウガとシュンを加えて他の者達は作戦会議を行う。司会はバルが行い、牙竜のギルドマスターのギガンも参加する。本来ならば氷雨のギルドマスターのマリアがいれば彼女がまとめ役なのだが、マリアが不在の時は氷雨と提携して周囲の人間の信頼も厚いバルがまとめ役を務める。
「あんた等、今の状況は理解しているね?はっきりと言って今の都市は瀕死状態だよ。この状況でもしもまた七魔将とやらが攻め込んできた場合、あたし達だけではどうしようもできない」
『…………』
バルの言葉に誰もが言い返す事ができず、実際に冒険都市の状況は散々だった。例のブラクが引き起こした「黒雨」によって大勢の人間が被害を受け、既に死亡した人間も大勢いる。不幸中の幸いなのは普通の人間よりもレベルが高い冒険者や傭兵は雨に打たれても生き残った人間も多いが、一般人の場合は雨に少しでも打たれた人間は危篤状態に陥っていた。
例の雨のせいで大勢の人間が治療を受けているが、教会が生産している聖水を利用した治療法しか今の所は雨に打たれた人間の治療はできていない。例の雨に打たれた人間に回復魔法は効果が薄く、黒色化した皮膚から生命力が抜け落ちて回復魔法の類が殆ど効果がないのは最悪だった。
今の所は聖水を浸らせた包帯を黒色化した皮膚に覆い込めば時間は掛かるが皮膚は元に戻り、大量の聖水と時間さえあれば必ず助ける事はできる。しかし、聖水は回復薬よりも製造法が難しく、教会が貯蔵していた聖水だけでは数が足りなかった。
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