不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,431 / 2,091
真・最終章 七魔将編

ホネミン登場!!

しおりを挟む
「治療の方はどうなっているだい?」
「数が多すぎて全員の治療が間に合っていません。今の所は症状が酷い人間を優先して聖水を与えていますが、この調子では治療が間に合わずに死亡する人間も現れる可能性が高いかと……」
「くそっ……回復魔法が効かないなんて最悪だね」


ただの怪我の類ならば回復魔法でどうにかできるが、今回の場合は怪我というよりも呪詛の類のために普通の回復魔法は通用しない。浄化系の魔法ならば効果はあると思われるが、浄化魔法の使い手など滅多にいない。

教会の人間ならば浄化魔法を扱える者もいるが、被害者の数が多すぎる事と聖水の制作のために忙しく、彼等だけではどうしようもできないのが現状だった。精霊薬の類ならば呪詛でも打ち消す事はできるだろうが、生憎と手持ちの精霊薬は残っていない。


「王都に救援を求めましょう。大将軍のジャンヌ様ならば呪詛を打ち払えるかもしれません」
「確かにそれしか方法はないか……」
「だけどね、ここから王都まで馬でも三日はかかる距離にあるんだよ?レナなら空間魔法で一瞬で転移できるかもしれないけど、あたし達にはそんな真似はできないよ」
「だが、報告しない事には何も始まらないだろう」


リンダの言葉にギガンが賛同するが、バルは王都まで往復する間も時間が掛かり過ぎる事を指摘する。しかし、今回の事態の報告だけでもしなければならないのは事実のため、冒険都市の現状を伝える役目を誰かに任せる必要があった。


「王都への連絡を取るなら誰が行くんだい?万が一にも七魔将の奴等が待ち伏せしていたらどうする?」
「私に任せて下さい」
「そういう事なら俺も行くぜ、ずっと閉じ込められていて身体が鈍っていたんだ」


王都への連絡役はリンダとシュンが立候補し、この二人はヨツバ王国の中でもそれなりの地位に就いているため、王都に辿り着ければすぐに女王であるナオと面会はできる。七魔将が襲ってきたとしても剣聖であるシュンと彼に並ぶ実力を持つリンダならば不覚は取らない。


「リンダ、お前は姫様の護衛役だろ。勝手に離れていいのかよ?連絡ぐらい俺一人でもできるからお前はおてんば姫様の面倒でも見てろ」
「……貴方一人に任せるより、私も同行した方が確実です。肝心な時に捕まって何も出来なかった貴方に任せる方が不安ですから」
「ああん!?」
「こんな時に喧嘩するんじゃないよ!!たくっ……ん?誰だい?」
「失礼します!!ギルドマスターのお知り合いという方が訪ねてきたのですが……」


会議の際中に部屋の中に受付嬢が入ってくると、彼女はバルの知り合いが訪れた事を伝える。こんな状況で知り合いが訪れたと言われてもバルは心当たりはなく、どんな人物なのかを受付嬢に問おうとすると許可もなく彼女の後ろから見知った顔の人物が現れる。


「どもども~皆さんお久しぶりですね」
「あ、ちょっと!?勝手に入ったら駄目ですよ!!」
「待ちな……あんたは確か、ホネミン……だったかい?」
「ホネミン殿!?」
「だ、誰だ?」


会議室に勝手に入ってきたのは元骸骨のホネミンであり、彼女を知っている者達は驚きの声を上げる。ちなみにロウガとシュンは直接的な面識はなく、急に現れたホネミンを見て彼等は驚く。

ホネミンは部屋の中にいる者達を確認し、この中にレナの顔が見えない事を知ると彼女は不思議そうに首を傾げる。その一方でバルの方は急に現れたホネミンに驚いた様子で話しかける。


「あんた、こんな時に何しに来たんだい?悪いけど今は真面目な会議中だから世間話する暇なんてないよ」
「分かってますよ、私もさっきここへ辿り着いたばかりですけど状況はここまで来るのにだいたいは把握しています。腕の良い薬師や治癒魔導士を探しているんでしょう?」
「それはそうですが……」
「ふふふ……こういう時こそ私の出番ですね」


現在の街の状況はホネミンも把握しており、彼女は会議室の机の上に大きな鞄を置く。何をするつもりなのかと全員がホネミンの鞄に視線を向けると、彼女は鞄の中身を見せつけた。


「これを見てください」
「何だい急に……」
「これは……調合器具ですか?」
「薬師の奴等が薬を調合するのに使う奴か?」
「あれ?でも、見た事がない形の器具もありますね……」


ホネミンが取り出した鞄の中身は薬師が薬の調合に利用する調合器具が並べられており、その中には現在の時代の薬師が使用しない特殊な調合器具も含まれていた。この調合器具はホネミンがかつて骸骨姿になる前に利用していた調合器具を再現して作り出した代物だと説明する。


「これは遥か昔、まだ私が英雄と呼ばれていた時代に使用していた調合器具です」
「え、英雄……?」
「まあ、その辺の話は長くなるので割愛しますが要はこれを使えばどんな薬でも作り出せますよ」
「薬と言うと……まさか、呪詛に侵された人間を治す薬も作れるのですか?」
「その通りです。材料さえ揃えてくれればいくらでも作ってあげますよ」


自信満々な表情でホネミンは呪詛に侵された者達の治療薬を造り出す事を宣言するが、そんな彼女の言葉に会議室にいる人間達は半信半疑な表情を浮かべ、ホネミンの事を知らない者からすればいきなり現れてとんでもない事を言い出す彼女に胡散臭い表情を浮かべる。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。