不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

聖剣がなくとも……

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「炎龍と戦う場合、重要なのは高火力の攻撃です。マリアが扱う最上級魔法と同程度の攻撃をできる人間を少なくとも5、6人は集めないと話にもなりません」
「叔母様の最上級魔法……具体的にはどれくらいの威力なの?」
「聖痕の所有者が聖剣の力を限界まで引き出した時と同じぐらいの威力です。もっと分かりやすく言えばレナさんの合成魔術の10倍以上の威力です」
「つまり、俺が10人いても叔母様には敵わないわけか……」
「まあ、支援魔術師と錬金術師ですからね」


レナの主職の「支援魔術師」は支援系魔法に特化した魔法職であり、副職の「錬金術師」も攻撃系の魔法は一切覚えられない。仮にレナが普通の魔術師前として生まれていればマリアのように攻撃魔法なども覚えられたかもしれないが、最上級魔法となると世界で扱える人間は10人もいない。

攻撃系魔法で一番扱われるのは「砲撃魔法」名前の通りに砲撃の如く魔力を放射する。攻撃威力は優れてはいるが魔力消費が大きく、使い方を誤るとすぐに魔力切れを引き起こす。砲撃魔法よりも難易度が高く、その代わりに広範囲に攻撃を行えるのが「広域魔法」と呼ばれ、こちらは砲撃魔法を極めた時に自然と覚えられる。

ちなみに最上級魔法は各属性の魔法を完全に極めなければ覚えられず、マリアの場合は風属性と火属性と聖属性の最上級魔法を扱える。ちなみに森人族であるために火属性とは相性が悪いのだが、彼女は20年足らずで3つの最上級魔法を極めた天才である。


「森人族は精霊魔法が扱えますから他の種族と比べても魔法を極めやすい体質です。それでもマリアのように20年ぐらいで複数の最上級魔法を身に付けた森人族は歴史上でも数えるほどしかいませんね」
「叔母様のプロト・アイギスや転移魔法陣も最上級魔法なんだよね」
「そうですね、その二つの魔法は聖属性の系統です」


今までにレナが水晶札で使用していた「転移魔法陣」も実は最上級魔法の一種であり、マリアの魔力を以てしても1日に2度程度しか扱えない。プロト・アイギスは腐敗龍の攻撃を耐え凌ぎ、正に世界最強の防御魔法ともいえる。


「俺も魔法職だったら叔母様みたいに最上級魔法は使えたかな?」
「私の指導を受ければレナさんも扱えましたよ。まあ、30年ぐらいは掛かりますけど……」
「30年か……」


仮にレナが普通の魔法職として生まれていた場合、アイリスの指導を受けていれば30年で最上級魔法を習得できたかもしれない。マリアが20年で覚えたのに対して自分は30年も掛かるという点にレナはマリアとの魔法の才能の差を思い知らされた。


「やっぱり、俺は魔術師としての才能がないのかな」
「いやいや、普通の人間だったら一生を費やしても最上級魔法を覚えられませんよ。実際に歴史上で最上級魔法を扱えた人間なんて異世界から召喚された勇者ぐらいですから」
「そうなの?」
「だいたい人間と森人族では魔法の適性に大きな差があります。むしろ、人間でありながら最上級魔法を扱える素質を持って生まれた事は幸運なんですよ」


マリアは20年で最上級魔法を極める事ができたのは彼女が森人族という理由が大きく、森人族は全種族の中でも魔法の適性が高い。それに比べて人間は魔法の適性は低いというわけでもないが高いとは言えず、巨人族や獣人族よりは適性が高い程度である。

人間でありながら30年の鍛錬で最上級魔法を覚えられる可能性を持つレナは魔法の才能があったと言えなくもないが、そもそも本人が攻撃魔法を覚えない職業で生まれたのは不運としか言いようがない。


「レナさんが支援魔術師や錬金術師の魔法や能力を比較的に早い段階で覚えられたのは魔法の才能があったからですよ。まあ、八割は私の指導のお陰ですが」
「それ褒めてるの?それとも自慢しているの?」
「それはともかく、できもしない魔法の事で悩むのは止めましょう。最上級魔法が使えなくても、今のレナさんにできる方法で炎龍と戦いましょう」
「できる事か……美味しいおにぎりを作って皆の腹を満たすか」
「何時から料理人になったんですか」


アイリスの言葉を聞いてレナは聖剣や聖痕も持っていない自分が炎龍と戦う方法を考えるが、簡単には思いつかない。今までに竜種と戦った事は何度かあるが、今回の相手はレナが退治した敵の中でも最大級の大きさと強さを誇る相手なのは確かだった。


(炎龍の大きさは多分、冒険都市に現れた地竜よりもでかいんだろうな……俺の剣が通じるかどうか)


無難に考えれば剣鬼の力を覚醒させて炎龍に挑むしかないが、生憎とレナの退魔刀や鏡刀は聖剣のように攻撃に特化したしているわけではない。地竜よりも強大な炎龍を相手に彼の剣が通じるのかは分からない。

シズネのように七大魔剣でも所有していれば戦えたかもしれないが、聖剣と同様に簡単に手に入る代物ではない。第一に魔剣の類は扱う人間に命の危機を及ぼすため、無暗に使用してはならない。


(竜種にも対抗できる武器か必殺技を用意しないとな……)


自分に何ができるのかをレナは今一度考える必要があると判断し、その後はアイリスとこれからの事を話し合いを行う――





※レナが10人いた場合、叔母様と会うとこうなります

レナ(×10)『叔母様~』===ノ(´Д`)ノ×10
マリア「あらあら、甘えん坊さんね~」(´ω`)ノナデナデ

10人いようとマリアは甘やかします
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