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真・最終章 七魔将編
ミレトの能力変化
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『アイリ……!?』
アイリスと交信してこの状況を打破しようとした時、不意にレナは違和感を覚える。いつもならばアイリスの名前を心の中で呟くだけで時間が停止されるのだが、何故か今回は彼女の名前を口にしようした瞬間に肉体の動きが遅くなる。
まるでビデオのスローモーションのように身体がゆっくりとしか動かず、最初は剣鬼の能力を発動させた時のように思考が加速化したのかと思ったが、今回はレナの身体も思うように動かせなかった。いつもならば全身に紅色の魔力を纏わせて肉体を加速させる事ができるのだが、何故か上手く身体を動かせない。
(何が起きてる……!?)
レナだけではなく、周囲の人間も身体がゆっくりと動いている事から時間の流れが遅くなっている事は間違いない。しかし、ただ一人だけ何事もなかったように行動する人物が存在した。
「やあああっ!!」
「ガハァッ!?」
「ミレトッ……!?」
ロンギヌスを振りかざしたミレトが狼男の背後に周り、その背中に目掛けてロンギヌスを突き刺す。彼だけは他の人間と違って動きは遅くなっておらず、この時に彼の額に時計を想像させる紋様が浮かび上がっていた。
――ミレトは「時の聖痕」の所有者であり、偶然にもレナがアイリスと交信して時間を停止させようとした際、彼の聖痕の力が覚醒した。時間が完全に停止される前にミレトは自分の身体と周囲の時を加速させ、狼男の背後を取った。
本人はまだ自覚していないが、聖痕の力が徐々に覚醒し始めていた。しかし、まだ完全には使いこなせていないためにミレトもやがて動きが遅くなると、遂に時間が完全に停止してレナはアイリスと交信を行う。
『これは……驚きですね、ミレトはどうやら時の聖痕を使いこなし始めています』
『時の聖痕……』
『ですが、今はそれよりも止めを刺す好機ですよ。いくらロンギヌスでも狼男を一撃では仕留めきれません、ここで確実に倒してください!!』
アイリスは交信を打ち切ると停止されていた時が戻ってレナ達は普通に動けるようになった。まだ先ほどの咆哮の影響で身体の感覚は完全には戻っていなかったが、レナは根性で自分を覆いかぶさるウルを押し退けて立ち上がる。
「ごめん、ウル!!」
「キャインッ!?」
ウルを押し退けるとレナは退魔刀を握りしめ、狼男に向き合う。狼男は先ほどのミレトの攻撃で背中にロンギヌスが突き刺さり、更にロンギヌスの能力で狼男の生命力が奪われていく。
「ガアアアッ!?」
「くっ……うわっ!?」
「下がってろ、ミレト!!」
ミレトはロンギヌスを手放さないようにと握りしめていたが、狼男は力任せにロンギヌスを引き抜いて彼を吹き飛ばす。しかし、背中の傷は深いのか血が噴き出して止まらず、その様子を見てレナは狼男に止めを刺すために近付く。
完全には感覚は取り戻していないので全身の筋肉を使用する「剛剣」の剣技は不可能だったが、魔法の力ならば問題なく扱えたため、レナは重力で加速させた一撃を繰り出す。
「疾風撃!!」
「ウギャアアッ!?」
疾風剣の戦技と重力の魔力を組み合わせた一撃が狼男の胴体に叩き付けられ、胸元に切り傷が生まれて血飛沫が舞い上がる。だが、頑丈な毛皮に邪魔されて完全に肉体を切断するには至らず、深手を負いながらも狼男はレナに目掛けて蹴りを繰り出す。
「ガアアッ!!」
「ぐふぅっ!?」
「ウォンッ!!」
蹴り飛ばされたレナだったがウルが咄嗟に受け止め、彼の柔らかな毛皮のお陰でレナは怪我を負わずに済んだ。それでも相当な衝撃を受けたに変わりはなく、地面に倒れてしばらくは動けそうにない。一方で狼男の方は胸元を抑えながらもレナに止めを刺すために近付こうとした。
「ガアアッ……!!」
「レナさん!!」
「そうはさせないよ~」
狼男がレナに近付こうとした瞬間、身体の感覚を取り戻したミイネが立ち上がって自分の鞄に手を伸ばし、小さな袋を取り出す。その隣には樹精霊が地面に手を押し当てると、再び地面から蔓を伸ばして狼男の足元を拘束した。
「ウガァッ……!?」
「捕まえた~」
「そのまま抑えて下さい!!」
狼男の足元に蔓が絡みつくと、相手が動けない間にミイネは小袋を開いて中身を放つ。小袋に入っていたのは火属性の魔石の粉末であり、彼女は狼男の身体に振りかけるとリボンが駆け出す。
リボンは一見は普通の鼠のにしか見えないが、正式名称は「灰鼠」と呼ばれる魔獣である。身体は小さいが動きは素早く、何よりも牙は鋼鉄をも抉り取る程の硬度を誇る。
「リボン!!発火!!」
「チュイイイッ!!」
「ガアッ……!?」
ミイネが命令を与えるとリボンは弾丸の如く狼男に突っ込み、凄まじい勢いで牙を繰り出す。この時にリボンは牙同士を擦り合わせて火花を起こし、その火花が狼男の身体に張り付いた火属性の魔石の粉末と反応して火炎を生み出す。
※この鼠、こんなに強かったのか……!!
アイリスと交信してこの状況を打破しようとした時、不意にレナは違和感を覚える。いつもならばアイリスの名前を心の中で呟くだけで時間が停止されるのだが、何故か今回は彼女の名前を口にしようした瞬間に肉体の動きが遅くなる。
まるでビデオのスローモーションのように身体がゆっくりとしか動かず、最初は剣鬼の能力を発動させた時のように思考が加速化したのかと思ったが、今回はレナの身体も思うように動かせなかった。いつもならば全身に紅色の魔力を纏わせて肉体を加速させる事ができるのだが、何故か上手く身体を動かせない。
(何が起きてる……!?)
レナだけではなく、周囲の人間も身体がゆっくりと動いている事から時間の流れが遅くなっている事は間違いない。しかし、ただ一人だけ何事もなかったように行動する人物が存在した。
「やあああっ!!」
「ガハァッ!?」
「ミレトッ……!?」
ロンギヌスを振りかざしたミレトが狼男の背後に周り、その背中に目掛けてロンギヌスを突き刺す。彼だけは他の人間と違って動きは遅くなっておらず、この時に彼の額に時計を想像させる紋様が浮かび上がっていた。
――ミレトは「時の聖痕」の所有者であり、偶然にもレナがアイリスと交信して時間を停止させようとした際、彼の聖痕の力が覚醒した。時間が完全に停止される前にミレトは自分の身体と周囲の時を加速させ、狼男の背後を取った。
本人はまだ自覚していないが、聖痕の力が徐々に覚醒し始めていた。しかし、まだ完全には使いこなせていないためにミレトもやがて動きが遅くなると、遂に時間が完全に停止してレナはアイリスと交信を行う。
『これは……驚きですね、ミレトはどうやら時の聖痕を使いこなし始めています』
『時の聖痕……』
『ですが、今はそれよりも止めを刺す好機ですよ。いくらロンギヌスでも狼男を一撃では仕留めきれません、ここで確実に倒してください!!』
アイリスは交信を打ち切ると停止されていた時が戻ってレナ達は普通に動けるようになった。まだ先ほどの咆哮の影響で身体の感覚は完全には戻っていなかったが、レナは根性で自分を覆いかぶさるウルを押し退けて立ち上がる。
「ごめん、ウル!!」
「キャインッ!?」
ウルを押し退けるとレナは退魔刀を握りしめ、狼男に向き合う。狼男は先ほどのミレトの攻撃で背中にロンギヌスが突き刺さり、更にロンギヌスの能力で狼男の生命力が奪われていく。
「ガアアアッ!?」
「くっ……うわっ!?」
「下がってろ、ミレト!!」
ミレトはロンギヌスを手放さないようにと握りしめていたが、狼男は力任せにロンギヌスを引き抜いて彼を吹き飛ばす。しかし、背中の傷は深いのか血が噴き出して止まらず、その様子を見てレナは狼男に止めを刺すために近付く。
完全には感覚は取り戻していないので全身の筋肉を使用する「剛剣」の剣技は不可能だったが、魔法の力ならば問題なく扱えたため、レナは重力で加速させた一撃を繰り出す。
「疾風撃!!」
「ウギャアアッ!?」
疾風剣の戦技と重力の魔力を組み合わせた一撃が狼男の胴体に叩き付けられ、胸元に切り傷が生まれて血飛沫が舞い上がる。だが、頑丈な毛皮に邪魔されて完全に肉体を切断するには至らず、深手を負いながらも狼男はレナに目掛けて蹴りを繰り出す。
「ガアアッ!!」
「ぐふぅっ!?」
「ウォンッ!!」
蹴り飛ばされたレナだったがウルが咄嗟に受け止め、彼の柔らかな毛皮のお陰でレナは怪我を負わずに済んだ。それでも相当な衝撃を受けたに変わりはなく、地面に倒れてしばらくは動けそうにない。一方で狼男の方は胸元を抑えながらもレナに止めを刺すために近付こうとした。
「ガアアッ……!!」
「レナさん!!」
「そうはさせないよ~」
狼男がレナに近付こうとした瞬間、身体の感覚を取り戻したミイネが立ち上がって自分の鞄に手を伸ばし、小さな袋を取り出す。その隣には樹精霊が地面に手を押し当てると、再び地面から蔓を伸ばして狼男の足元を拘束した。
「ウガァッ……!?」
「捕まえた~」
「そのまま抑えて下さい!!」
狼男の足元に蔓が絡みつくと、相手が動けない間にミイネは小袋を開いて中身を放つ。小袋に入っていたのは火属性の魔石の粉末であり、彼女は狼男の身体に振りかけるとリボンが駆け出す。
リボンは一見は普通の鼠のにしか見えないが、正式名称は「灰鼠」と呼ばれる魔獣である。身体は小さいが動きは素早く、何よりも牙は鋼鉄をも抉り取る程の硬度を誇る。
「リボン!!発火!!」
「チュイイイッ!!」
「ガアッ……!?」
ミイネが命令を与えるとリボンは弾丸の如く狼男に突っ込み、凄まじい勢いで牙を繰り出す。この時にリボンは牙同士を擦り合わせて火花を起こし、その火花が狼男の身体に張り付いた火属性の魔石の粉末と反応して火炎を生み出す。
※この鼠、こんなに強かったのか……!!
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