1,506 / 2,091
真・最終章 七魔将編
諦めも肝心
しおりを挟む
「そ、そんな!!聖剣が通じないなんて……くっ!?」
「レミア様!?大丈夫ですか!?」
聖剣の力を無理に引き出しすぎた影響か、レミアは膝を着いて顔色を青くさせる。慌ててジャンヌは彼女の肩を掴んで安否を確認するが、そんな彼女の手を振り払ってレミアは聖剣を構えた。
「まだです!!まだ、私は……」
「駄目です!!これ以上にその聖剣を使えば危険です!!」
「止めないでください!!例え、この命が尽きようと……!!」
「止めんかっ!!」
無理やりにでも聖剣の力を引き出そうとするレミアに対して何者かが彼女の頭を小突き、頭に大きなたんこぶができたレミアは声にならない悲鳴を上げて座り込む。驚いたジャンヌは振り返ると、そこには冒険都市に残ったゴウライの姿が存在した。
「ゴウライ様!?どうしてここに!?」
「うむ、嫌な魔力を感じて来てみればそこの娘が騒いでいたからな」
「じゃ、邪魔をしないでください!!あの雲を何とかできるのは私だけなんです!!」
「いいから落ち着け」
レミアは涙目を浮かべながらも聖剣を使おうとしたが、そんな彼女の頭を掴んでゴウライは無理やりに振替させる。彼女の圧倒的な腕力で強制的に振り返らされたレミアは驚いた表情を浮かべるが、自分の邪魔をする彼女に怒鳴りつける。
「は、離してください!!何故、邪魔をするのですか!?」
「なら逆に聞くが、お前一人であの雲を何とかできると思っているのか?」
「できるできないの話ではありません!!何とかしなければいけないんです!!」
「話にならんな……ジャンヌ、この小娘を連れていくぞ」
「え、あ、あの……」
ゴウライは聞く耳持たずにレミアを抱きかかえ、そのまま城壁から降りようとした。そんな彼女の行動を見てジャンヌは戸惑い、他の兵士達もどうすればいいのか分からずに混乱する。
必死にレミアはゴウライから逃げようとするが、ゴウライと彼女では力の差が大き過ぎて離れる事ができない。それでもレミアはここで自分が黒雲を何とかしなければ大勢の人間に被害が出る事を訴えた。
「離してください!!あの黒雲を何とかしないと大勢の人間が被害を受けます!!それは貴方も御存じなのでしょう!?」
「分かっている。だが、今のお前ではあの雲を何とかできるとは思えん。無駄死にさせるぐらいならばこのまま連れていくぞ」
「無駄死になんて……!!」
「レミア様、落ち着いて下さい。私もゴウライ様の言う通りだと思います」
ジャンヌもレミアを説得するように語り掛けると、彼女さえも自分の力を信じられないのかとレミアは衝撃を受けた表情を浮かべる。しかし、いくら言われようとレミアは諦めるつもりはなかった。
「離しなさい!!私はもう逃げるわけにはいかないんです!!」
「駄目だ、お前をここで死なせるわけにはいかない」
「何を勝手な……私が死んでも貴女には何も関係ないはず!!」
「吾輩は、な……だが、周りの兵士達はどう思う?」
「それは……!?」
ゴウライの言葉を聞いてレミアは周囲に存在する兵士に視線を向けると、彼等は悲痛な表情を浮かべて跪いていた。この場に存在する兵士達はレミアが王都から連れ出した兵士達であり、彼女に忠誠を誓っている。兵士達はレミアがこれ以上に無理をしないように懇願する。
「レミア様、もうお辞め下さい!!」
「これ以上無理をすれば死んでしまいます!!」
「貴女が死ねばこの国はどうなるとお思いですか!?無暗に命を捨てるような真似は止めてください!!」
「あ、貴方達……」
「これを見てもまだ死にたいという気か?」
兵士達の言葉を受けてレミアは正気を取り戻し、確かに黒雲を止めなければ大勢の被害者が生まれるかもしれない。しかし、大した効果を見込めないのに聖剣の力を無暗に引き出して攻撃する行為は愚かでしかない。
一番最悪なのはレミアがここで死亡すれば誰も黒雲を止める事ができず、結局は大勢の人間に被害が被る。しかし、ここで引けばレミアは死なずに黒雲を打ち消す方法も見つかるかもしれない。冷静になったレミアはゴウライに下ろして貰うと、自分が取り乱していた事を謝罪する。
「申し訳ありません……少し、頭に血が上り過ぎていたようです」
「うむ!!分かればいいのだ!!」
「あの黒雲が冒険都市にまで到達するのにまだ幾ばくかの猶予はあります。それまでに別の方法を考えましょう」
レミアが落ち着きを取り戻すとゴウライは頷き、ジャンヌは冷静に雲の動きを観測して冒険都市に黒雲が迫るまでの時間を把握する。本物の雲と違って闇属性の魔力で構成された黒雲は進行速度が遅く、まだ僅かではあるが時間は残されていた。
「こんな状況に備えて冒険都市の市民には黒雲が迫った時、建物内に避難するように言いつけています。しかし、雨が降り続ければ建物内も安全とは言い切れません」
「ならばいっその事、地下の下水道に逃げるのはどうだ?」
「いいえ、それは駄目です。下水道は逃げ場がなく、闇属性の魔力が充満すると助かる見込みはありません。実際に前の時に下水道に生息していた鼠が大量死しています」
前回の黒雨が降った際、地面に染み込んだ闇属性の魔力が下水道内にも広まり、その影響で下水道に生息していた大量の鼠が死亡していた。そのために地下に逃げる事は得策ではなく、やはり大きな建物に隠れるのが一番だった。
「レミア様!?大丈夫ですか!?」
聖剣の力を無理に引き出しすぎた影響か、レミアは膝を着いて顔色を青くさせる。慌ててジャンヌは彼女の肩を掴んで安否を確認するが、そんな彼女の手を振り払ってレミアは聖剣を構えた。
「まだです!!まだ、私は……」
「駄目です!!これ以上にその聖剣を使えば危険です!!」
「止めないでください!!例え、この命が尽きようと……!!」
「止めんかっ!!」
無理やりにでも聖剣の力を引き出そうとするレミアに対して何者かが彼女の頭を小突き、頭に大きなたんこぶができたレミアは声にならない悲鳴を上げて座り込む。驚いたジャンヌは振り返ると、そこには冒険都市に残ったゴウライの姿が存在した。
「ゴウライ様!?どうしてここに!?」
「うむ、嫌な魔力を感じて来てみればそこの娘が騒いでいたからな」
「じゃ、邪魔をしないでください!!あの雲を何とかできるのは私だけなんです!!」
「いいから落ち着け」
レミアは涙目を浮かべながらも聖剣を使おうとしたが、そんな彼女の頭を掴んでゴウライは無理やりに振替させる。彼女の圧倒的な腕力で強制的に振り返らされたレミアは驚いた表情を浮かべるが、自分の邪魔をする彼女に怒鳴りつける。
「は、離してください!!何故、邪魔をするのですか!?」
「なら逆に聞くが、お前一人であの雲を何とかできると思っているのか?」
「できるできないの話ではありません!!何とかしなければいけないんです!!」
「話にならんな……ジャンヌ、この小娘を連れていくぞ」
「え、あ、あの……」
ゴウライは聞く耳持たずにレミアを抱きかかえ、そのまま城壁から降りようとした。そんな彼女の行動を見てジャンヌは戸惑い、他の兵士達もどうすればいいのか分からずに混乱する。
必死にレミアはゴウライから逃げようとするが、ゴウライと彼女では力の差が大き過ぎて離れる事ができない。それでもレミアはここで自分が黒雲を何とかしなければ大勢の人間に被害が出る事を訴えた。
「離してください!!あの黒雲を何とかしないと大勢の人間が被害を受けます!!それは貴方も御存じなのでしょう!?」
「分かっている。だが、今のお前ではあの雲を何とかできるとは思えん。無駄死にさせるぐらいならばこのまま連れていくぞ」
「無駄死になんて……!!」
「レミア様、落ち着いて下さい。私もゴウライ様の言う通りだと思います」
ジャンヌもレミアを説得するように語り掛けると、彼女さえも自分の力を信じられないのかとレミアは衝撃を受けた表情を浮かべる。しかし、いくら言われようとレミアは諦めるつもりはなかった。
「離しなさい!!私はもう逃げるわけにはいかないんです!!」
「駄目だ、お前をここで死なせるわけにはいかない」
「何を勝手な……私が死んでも貴女には何も関係ないはず!!」
「吾輩は、な……だが、周りの兵士達はどう思う?」
「それは……!?」
ゴウライの言葉を聞いてレミアは周囲に存在する兵士に視線を向けると、彼等は悲痛な表情を浮かべて跪いていた。この場に存在する兵士達はレミアが王都から連れ出した兵士達であり、彼女に忠誠を誓っている。兵士達はレミアがこれ以上に無理をしないように懇願する。
「レミア様、もうお辞め下さい!!」
「これ以上無理をすれば死んでしまいます!!」
「貴女が死ねばこの国はどうなるとお思いですか!?無暗に命を捨てるような真似は止めてください!!」
「あ、貴方達……」
「これを見てもまだ死にたいという気か?」
兵士達の言葉を受けてレミアは正気を取り戻し、確かに黒雲を止めなければ大勢の被害者が生まれるかもしれない。しかし、大した効果を見込めないのに聖剣の力を無暗に引き出して攻撃する行為は愚かでしかない。
一番最悪なのはレミアがここで死亡すれば誰も黒雲を止める事ができず、結局は大勢の人間に被害が被る。しかし、ここで引けばレミアは死なずに黒雲を打ち消す方法も見つかるかもしれない。冷静になったレミアはゴウライに下ろして貰うと、自分が取り乱していた事を謝罪する。
「申し訳ありません……少し、頭に血が上り過ぎていたようです」
「うむ!!分かればいいのだ!!」
「あの黒雲が冒険都市にまで到達するのにまだ幾ばくかの猶予はあります。それまでに別の方法を考えましょう」
レミアが落ち着きを取り戻すとゴウライは頷き、ジャンヌは冷静に雲の動きを観測して冒険都市に黒雲が迫るまでの時間を把握する。本物の雲と違って闇属性の魔力で構成された黒雲は進行速度が遅く、まだ僅かではあるが時間は残されていた。
「こんな状況に備えて冒険都市の市民には黒雲が迫った時、建物内に避難するように言いつけています。しかし、雨が降り続ければ建物内も安全とは言い切れません」
「ならばいっその事、地下の下水道に逃げるのはどうだ?」
「いいえ、それは駄目です。下水道は逃げ場がなく、闇属性の魔力が充満すると助かる見込みはありません。実際に前の時に下水道に生息していた鼠が大量死しています」
前回の黒雨が降った際、地面に染み込んだ闇属性の魔力が下水道内にも広まり、その影響で下水道に生息していた大量の鼠が死亡していた。そのために地下に逃げる事は得策ではなく、やはり大きな建物に隠れるのが一番だった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。