不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

主役は遅れてやってくる

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『ジネエエエエエッ!!』
「その台詞は聞き飽きたぞ!!」
「師匠、合わせろ!!」
『お前が私に合わせろ!!』


黒雲に浮き上がった人面が再び黒霧を吐き出そうとした瞬間、ハヤテとシュンが「居合」の体勢から風の斬撃を放つ。二つの斬撃が合わさってより大きな斬撃へと変化すると、黒雲の人面を切り裂く。

しかし、風属性の魔法攻撃では有効打にはならず、黒雲を切り裂いた所ですぐに再生してしまう。ブラクには聖属性の魔法攻撃しか通じず、如何に七大魔剣「青嵐」や「雪月花」でも有効的な攻撃手段にはならない。


『やはり駄目か……私達の攻撃が通じない』
「そもそもこの程度の攻撃が通じるなら苦労はしないがな……」
「くっ……私も聖剣を使えれば」


シズネは悔し気な表情を浮かべて自分の身体に宿った水属性の聖痕に触れ、仮にこの場に水属性の聖剣があればシズネならば使いこなせる可能性もあった。しかし、雪月花ではブラクに大して有効的な攻撃を与えられず、先ほどの攻撃もゴンゾウの協力がなければ彼女だけではどうしようもできなかった。


「畜生、本当に何か手はないのか!?この中に奥の手を隠している奴はいないのかよ!?」
「奥の手と言われても……」


シュンの言葉に全員がお互いの顔を見渡すが、そんな都合のいい話はない。話し込んでいる間にも再生したブラクは黒霧の規模を縮小化させ、魔力を一点に集中させていく。闇属性の魔力を凝縮させる事でより強力な攻撃を繰り出そうとする。


『オアアアアッ!!』
「おいっ!?今度はやばそうだぞ!!」
「いかん、なんとしても止めろ!!」
『くっ!?』


人面の口元から圧縮された闇属性の魔力が放出され、それは最早「黒霧」という表現では生ぬるく、漆黒の「球体」と化す。それを見たレミアとツバサは同時に動き、二人は聖剣を振りかざして迫りくる攻撃を防ぐ。


「私が斬ります!!」
「では、私は吹き飛ばします!!」


迫りくる漆黒の塊に対してレミアはエクスカリバーを振りかざし、一際巨大な光の斬撃を放つ。その一撃で球体は切り裂かれたが、切断された瞬間に内部に蓄積されていた闇属性の魔力が拡散する。

レミアが攻撃を繰り出した後にツバサはクサナギを振り払い、竜巻を発生させて拡散しようとした黒霧を巻き込んで上空へ浮上させる。だが、それを予想していたように黒雲が竜巻に吹き飛ばされた闇属性の魔力を人面が吸い上げて回収し、竜巻が消えたのを見計らって同じ攻撃を繰り出す。


『ムダダ……クタバレエッ!!』
「また来ますよ!?」
「くっ!?」
「しつこい……やああっ!!」


再び同じ攻撃を繰り出したブラクに大してツバサとレミアは聖剣を使用し、迫りくる漆黒の塊を対処する。しかし、いくら切り裂こうと吹き飛ばそうとブラクは何度も魔力を回収し、同じように攻撃を繰り返す。


「くそっ!?あいつ、何の真似だ!!馬鹿みたいに同じ攻撃を繰り返しやがって……」
「まさか……こっちの魔力を削り切るつもり!?」
「いかん、止めろ二人とも!!」
「はあっ、はあっ……」
「ぜえっ、ぜえっ……」


何度も聖剣を使用した影響でツバサもレミアも体力を消耗し、特にツバサの方が消耗が激しかった。レミアと違って彼女は聖痕を所持しておらず、純粋な自分の魔力で対応しているだけに彼女の方が消耗が大きい。


「おい、あいつまた吐き出すつもりだぞ!?」
「だが、これ以上に聖剣を無暗に使えば二人が死ぬぞ!!」
「だ、大丈夫です……それに私達以外に対処できません」
『姉さ……ツバサ!!もう止めろ!!』


ツバサの辛そうな表情に妹であるハヤテは止めようとしたが、それに対してツバサは口元に笑みを浮かべる。彼女は久々に自分の事を「姉さん」と呼ぼうとした彼女に嬉しく思うが、それでもここで彼女は辞めるつもりはなかった。


「大丈夫、あと少しです……もうすぐ、来るはずです」
「来る?」
「風の精霊が教えてくれてるんです……もうじき、ここにがやってくると」
「彼等だと?」
「まさか……」


ツバサの言葉を聞いてシズネ以外の者達は何かに気付いた表情を浮かべ、彼等は全員が森人族で風の精霊を感じ取る事ができた。そして城壁に向けて近付いてくる人物を知り、全員が城下町に振り返る。

しかし、全員が城下町に気を取られている間にブラクは人面の口元から今まで一番の大きさの闇属性の魔力の塊を生み出し、城壁に向けて放つ。それに気づいたレミアとツバサは聖剣を構えるが、この時に限界を迎えたツバサは膝を崩してしまう。


「うっ!?」
「ツバサさん!?」
『シネエエエエエッ!!』


冒険都市に向けて漆黒の塊が接近し、それを見たレミアは聖剣で切り裂こうとしたが、仮に彼女が一人で対処しても攻撃を防ぐ事はできない。エクスカリバーの力を以てしても漆黒の塊を浄化する事はできず、下手に攻撃を加えて黒霧が拡散すれば今度こそ城壁の人間は巻き込まれてしまう。

レミアが攻撃を躊躇している間にも漆黒の塊は接近し、それを見たシュンとハヤテとシズネは剣を抜こうとした。しかし、3人が動く前に城壁に新たな人影が現れた。
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