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真・最終章 七魔将編
魔術師の本質《精神力》
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(気付いたようね……やっぱり、この子は天才だわ)
マリアはレナの様子が変わった事に気付き、もう既に彼が自分の与えた問題の答えに辿り着いた事を嬉しく思う。実は今回の修行はかつてマリアも母親のハヅキから受けた修行であり、彼女の場合はレナと違ってこんなにも早く答えには辿り着けなかった。
『よく考えなさい。マリア……魔術師の本質を理解しなさい』
『う、くぅっ……』
ハヅキはマリアに魔力を送り込んだ時、魔術師の本質が何なのかを考えるように語り掛けた。当時のマリアはまだ若かったが母親以上の魔術師の素質があったが、それでも答えが分からずに苦しみ続けた。
娘であるマリアに対してアイラは容赦せずに魔力を与え続け、自分だけで答えを見つけるのを待ち続ける。傍から見れば拷問のような修行法だが、それでもハヅキは娘の傍から離れずに彼女を見守り続けた。この時にマリアはハヅキが語る「魔術師の本質」を知る。
(魔法を扱う時に一番重要なのは魔力ではなく、精神力よ。どんなに強い魔力の持ち主だろうと、精神が未熟な人間には強力な魔法を生み出す事はできない)
魔法を発現させるときに重要なのは精神力で有り、もしも魔法を生み出す際に集中力を簡単に切らす様な未熟な精神の人間には強力な魔法を使う事はできない。真に強い魔術師とは如何なる状況でも取り乱さず、冷静に対応できる魔術師であるとマリアは考えていた。
マリアが常日頃から余裕のある人間の態度を取るのはアイラの指導であり、母親のハヅキも非常に強い精神力を持っていた。だが、彼女の場合は娘のキラウの一件で精神力を取り乱してしまい、その結果彼女は死んでしまった。もしもハヅキが冷静に行動していたのならば簡単に殺される事はなかっただろう。
しかし、ハヅキの授けた理論をマリアは完全に納得して受け入れたわけではなく、確かに彼女の言う通りに精神力が強い人間こそ魔法の力を引きだせるという考え方は否定しない。しかし、魔術師の中には心が冷静でなくても力を引きだせる人間はいくらでもいる。
一番良い例は闇魔導士の「ダイン」であり、彼は感情が高ぶる程に大きな力を生み出す。普段は気弱で強者を前にすると怖気づく彼だが、戦う覚悟を決めた時のダインは普段の実力以上の力を引きだせる。実際にダインは格上の敵である「オウネン」や「ブラク」を倒している。
ハヅキにとっての思考の魔術師とは「常に心は冷静で取り乱さない精神力を持つ人物」であり、マリアもそれに当てはまる人物である。しかし、彼女は魔術師の中にはダインやレナのように「感情が高ぶる事で真の力を引きだせる人物」もいると考えていた。
「くぅっ……うおおおおっ!!」
「そう、それでいいの……貴方はそれでいいのよ」
気合を込めた声を上げて自分の体内の二つの魔力を統合しようとするレナを見て、マリアは笑みを浮かべた。魔術師としての才能という点ではレナはマリアには劣るかもしれないが、その代わりに彼はマリアとは違って感情が高ぶる事で本来以上の力を引きだす事ができる。
彼の母親のアイラはレナが砲撃魔法が扱えない不遇職の「支援魔術師」や「錬金術師」として生まれなければ魔術師として大成できたと嘆いていたが、マリアは彼女の考えが間違っていると思った。何故ならばかつてレナのように砲撃魔法が扱えないにも関わらず、かつてこの世界には「英雄」と称される程の魔術師が存在した。
英雄の名前は「ルノ」彼は異界から召喚された人間であり、レナと同じように彼は砲撃魔法が扱えない「初級魔術師」だった。彼は本来ならば攻撃には不向きなはずの「初級魔法」を極め、様々な功績を上げて人々の間では「英雄」として崇められる。
自分の甥であるという贔屓目を抜きにしてもマリアはレナが帝国の時代に実在した「ルノ」にも負けず劣らずの力を持つ魔術師だと信じており、その証拠に伝承によればルノも感情が高ぶった時ほど凄まじい魔法を生み出したと伝わっている。そして彼女の期待に応えるように遂にレナの身に異変が起きた。
「っ……!!」
「あと少しよ、頑張りなさい」
自分自身の魔力とマリアの魔力を感じ取り、二つの魔力を組み合わせる。最初はレナは合成魔術の要領で魔力を組み合わせようとしたが、上手くいかずに失敗してしまう。理由としては合成魔術の場合は二つの属性の魔力を組み合わせる技術だが、本を辿ればどちらの属性の魔力はレナが生み出した物である。
合成魔術の原理はレナが自分の魔力で造り出した二つの属性の魔力を組み合わせる事で効果を発揮するが、今回の場合はレナ自身の魔力とマリアの魔力を融合させなければならない。自分の魔力ならば自由に操作できるが、マリアの魔力の場合は違う。彼女の魔力を扱うには自分の魔力としてマリアの魔力を取り込まなければならない。
(大丈夫、できる……さっき叔母様も俺に魔力を明け渡した時、自分の魔力に変換できたじゃないか)
マリアがレナの魔力の乱れを直した時、彼女は自分の魔力をレナの体内に流し込んだ。その時の魔力はレナの体内に残っていたが、いつの間にかレナは自分の魔力に変換していた。送り込まれた魔力が少量の場合、すぐに自分の魔力に統合できるのは証明されている。
マリアはレナの様子が変わった事に気付き、もう既に彼が自分の与えた問題の答えに辿り着いた事を嬉しく思う。実は今回の修行はかつてマリアも母親のハヅキから受けた修行であり、彼女の場合はレナと違ってこんなにも早く答えには辿り着けなかった。
『よく考えなさい。マリア……魔術師の本質を理解しなさい』
『う、くぅっ……』
ハヅキはマリアに魔力を送り込んだ時、魔術師の本質が何なのかを考えるように語り掛けた。当時のマリアはまだ若かったが母親以上の魔術師の素質があったが、それでも答えが分からずに苦しみ続けた。
娘であるマリアに対してアイラは容赦せずに魔力を与え続け、自分だけで答えを見つけるのを待ち続ける。傍から見れば拷問のような修行法だが、それでもハヅキは娘の傍から離れずに彼女を見守り続けた。この時にマリアはハヅキが語る「魔術師の本質」を知る。
(魔法を扱う時に一番重要なのは魔力ではなく、精神力よ。どんなに強い魔力の持ち主だろうと、精神が未熟な人間には強力な魔法を生み出す事はできない)
魔法を発現させるときに重要なのは精神力で有り、もしも魔法を生み出す際に集中力を簡単に切らす様な未熟な精神の人間には強力な魔法を使う事はできない。真に強い魔術師とは如何なる状況でも取り乱さず、冷静に対応できる魔術師であるとマリアは考えていた。
マリアが常日頃から余裕のある人間の態度を取るのはアイラの指導であり、母親のハヅキも非常に強い精神力を持っていた。だが、彼女の場合は娘のキラウの一件で精神力を取り乱してしまい、その結果彼女は死んでしまった。もしもハヅキが冷静に行動していたのならば簡単に殺される事はなかっただろう。
しかし、ハヅキの授けた理論をマリアは完全に納得して受け入れたわけではなく、確かに彼女の言う通りに精神力が強い人間こそ魔法の力を引きだせるという考え方は否定しない。しかし、魔術師の中には心が冷静でなくても力を引きだせる人間はいくらでもいる。
一番良い例は闇魔導士の「ダイン」であり、彼は感情が高ぶる程に大きな力を生み出す。普段は気弱で強者を前にすると怖気づく彼だが、戦う覚悟を決めた時のダインは普段の実力以上の力を引きだせる。実際にダインは格上の敵である「オウネン」や「ブラク」を倒している。
ハヅキにとっての思考の魔術師とは「常に心は冷静で取り乱さない精神力を持つ人物」であり、マリアもそれに当てはまる人物である。しかし、彼女は魔術師の中にはダインやレナのように「感情が高ぶる事で真の力を引きだせる人物」もいると考えていた。
「くぅっ……うおおおおっ!!」
「そう、それでいいの……貴方はそれでいいのよ」
気合を込めた声を上げて自分の体内の二つの魔力を統合しようとするレナを見て、マリアは笑みを浮かべた。魔術師としての才能という点ではレナはマリアには劣るかもしれないが、その代わりに彼はマリアとは違って感情が高ぶる事で本来以上の力を引きだす事ができる。
彼の母親のアイラはレナが砲撃魔法が扱えない不遇職の「支援魔術師」や「錬金術師」として生まれなければ魔術師として大成できたと嘆いていたが、マリアは彼女の考えが間違っていると思った。何故ならばかつてレナのように砲撃魔法が扱えないにも関わらず、かつてこの世界には「英雄」と称される程の魔術師が存在した。
英雄の名前は「ルノ」彼は異界から召喚された人間であり、レナと同じように彼は砲撃魔法が扱えない「初級魔術師」だった。彼は本来ならば攻撃には不向きなはずの「初級魔法」を極め、様々な功績を上げて人々の間では「英雄」として崇められる。
自分の甥であるという贔屓目を抜きにしてもマリアはレナが帝国の時代に実在した「ルノ」にも負けず劣らずの力を持つ魔術師だと信じており、その証拠に伝承によればルノも感情が高ぶった時ほど凄まじい魔法を生み出したと伝わっている。そして彼女の期待に応えるように遂にレナの身に異変が起きた。
「っ……!!」
「あと少しよ、頑張りなさい」
自分自身の魔力とマリアの魔力を感じ取り、二つの魔力を組み合わせる。最初はレナは合成魔術の要領で魔力を組み合わせようとしたが、上手くいかずに失敗してしまう。理由としては合成魔術の場合は二つの属性の魔力を組み合わせる技術だが、本を辿ればどちらの属性の魔力はレナが生み出した物である。
合成魔術の原理はレナが自分の魔力で造り出した二つの属性の魔力を組み合わせる事で効果を発揮するが、今回の場合はレナ自身の魔力とマリアの魔力を融合させなければならない。自分の魔力ならば自由に操作できるが、マリアの魔力の場合は違う。彼女の魔力を扱うには自分の魔力としてマリアの魔力を取り込まなければならない。
(大丈夫、できる……さっき叔母様も俺に魔力を明け渡した時、自分の魔力に変換できたじゃないか)
マリアがレナの魔力の乱れを直した時、彼女は自分の魔力をレナの体内に流し込んだ。その時の魔力はレナの体内に残っていたが、いつの間にかレナは自分の魔力に変換していた。送り込まれた魔力が少量の場合、すぐに自分の魔力に統合できるのは証明されている。
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