不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

魔術師の弱点は……

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矢が地上に突き刺さる寸前、ハルナは全身に雷属性の魔力を迸らせながらマリアの元へ向かう。彼女は矢が完全に落ちる前に動き、矢が落ちた時にはマリアの眼前にまで迫っていた。


「この一発で終わりだ!!」
「無駄よ」
「なっ!?」


しかし、ハルナの繰り出した拳はマリアの顔面に当たる事はなく、突如としてマリアとハルナの間に緑色の障壁が展開される。ハルナの拳は障壁によって弾かれてしまい、驚いた彼女は後退して距離を取った。


「な、何だ!?」
「ただの結界よ。別に珍しい物ではないわ」


マリアは何時の間にか自分の周囲に円形状の結界を作り出し、いつの間にかマリアの指には結界石の指輪が取り付けられていた。結界石を利用した防護魔法を発動させて彼女はハルナの攻撃を無効化する。

ハルナが初手から接近して自分を殴りつけてくる事を予測していたマリアは、事前に結界石の指輪を用意していた。予想通りにハルナはマリアが動く前に攻撃を仕掛けようとしてきたが、マリアは彼女の攻撃よりも早くに結界を展開して攻撃を防ぐ。


「魔術師を相手にする時は魔法を使う前に倒す……魔術師との戦闘をするときの常套手段ね。だけど、考えが甘すぎるわ」
「うっ……」
「警告しておくわ。これ以上に戦闘を続けるのであれば私は手加減をしない。それを承知でかかってきなさい」
「このっ……上等だ!!」


自分の攻撃をよりにもよって魔術師のマリアに防がれた事にハルナは悔しく思い、彼女は更に電流を迸らせながら動き回る。今度はマリアの周囲を円で描くように動き続け、彼女が結界を解除するのを待つ。

結界石の弱点は長時間の意地が出来ない事であり、マリアの用意した代物も30秒もすれば自動的に解除されてしまう。しかし、逆に言えば30秒の間はマリアは結界の中で攻撃の準備を行う事ができる。


「貴女の素早さだけは認めてあげるわ。だけど、こうすればどうなるかしら?」
「なっ!?」


自分を取り囲む結界の上部分だけをマリアは解除すると、彼女は掌を構えた途端に七色に光り輝く魔法陣が展開される。彼女が発動させたのは「マジックアロー」と呼ばれる砲撃魔法であり、複数の属性の魔力の光弾が天に向けて撃ち込まれた。


「これだけの数の光弾……貴女に避け切れるかしら?」
「ちょっ……!?」
「やべえっ!!全員、もっと離れろ!!」
「巻き添えを喰らうぞ!?」


マリアは魔法陣から軽く100を超える光弾を生み出し、上空からハルナに目掛けて降り注ぐ。それを見た見物人は避難し、審判役のハシラも慌てて距離を取った。そして天から光弾が降り注ぎ、ハルナは慌てて逃げ回る。


「うわわっ!?」
「流石に素早いわね。だけど、いくらでも撃てるわよ」
「このっ……うわぁっ!?」


魔法陣から次々と光弾が撃ち込まれ、マリアの周囲に降り注ぐせいでハルナも近づく事ができない。弾幕のせいでマリアに近付けないハルナは距離を取るしかなく、しかもマリアの狙いはハルナを近づけさせないだけではなく、足場を荒す事が彼女の目的だった。


「さあ、これで貴女は全力で走る事はできないはずよ。どうやって私に近付くのかしら?」
「なっ!?こ、このっ……卑怯者!!」
「卑怯者とは心外ね、これが魔術師の戦い方よ」


マリアの周囲には魔法陣から放たれた光弾によって無数の大きな穴が誕生し、これではマリアに近付く事も困難だった。ハルナの強みである高速移動を封じ込み、如何にハルナでも穴だらけの地面では本来の移動速度を発揮はできない。

魔術師だと侮っていた相手に自分が追いつめられている事にハルナは焦りを抱き、このままでは自分が負けてしまう事に彼女は薄々気付いていた。それでもハルナは認められず、彼女はマリアを倒す手段を考える。


(あの穴に引っかからないようにするには……あれしかない!!)


ハルナは目つきを鋭くさせて獣の様に前かがみの体勢になると、彼女は全身に纏っていた電流の色合いが黄色から紫色へと変化させる。それを見たレナはハルナが闘技祭の時に使用した「紫電」という技を使おうとしている事に気付く。

紫電は必殺技で相当な魔力を消費するので彼女も滅多に扱わないが、発動すれば目にも止まらぬ速度で相手に突っ込む。その移動速度は本物の雷にも匹敵し、この技は剣鬼状態のレナでさえも反応できない程の攻撃速度を誇る。


「これで終わりだ!!」


この技ならば結界でマリアが守られていようとハルナは障壁を破壊して彼女に攻撃する自信はあった。そんなハルナに対してマリアは動く様子はなく、に向かい合う。


「紫電……雷撃!!」
『っ……!?』


ハルナが動いた瞬間に彼女は一筋の雷と化してマリアの元へ向かう。マリアを覆い込む結界に彼女は突っ込み、力ずくで障壁を破壊して遂にマリアの身体に拳が触れた――はずだった。
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