1,641 / 2,091
真・最終章 七魔将編
刃物嫌い
しおりを挟む
「この下に何かがあるみたいね……でも、魔法で掘り起こそうにも地中にも水晶が埋まっているのなら下手な魔法は使えないわね」
「掘り起こす?地中に何かが存在するのですか?」
「断言はできないわ。だけど、ここで魔法を使用すると魔力は水晶に吸収されて下の方に移動するのは確かよ」
「下、ですか……」
「それを貸しなさい」
マリアの言葉にツバサは訝し気な表情を浮かべるが、そんな彼女に対してマリアはクサナギに視線を向けた。彼女はクサナギを渡すように促し、慌ててツバサはクサナギを差し出すとマリアは剣を抜く。
「剣……母と姉さんと違って私はどうもこの手の刃物は好きになれないわ」
「マリア様……」
「ごめんなさいね、別に貴女の武器を馬鹿にしているわけではないわ」
クサナギを抜いたマリアは風の聖痕を発動させ、真の力を引き出すために地面に刃を構えた。やがて刃の周囲に風の魔力が纏わり、竜巻のように渦巻く。それを見たツバサは自分が手にした時よりもクサナギの力が強まっている事を感じ取り、彼女はこれがクサナギの真の力だと驚く。
(なんという魔力……マリア様は既にハヅキ様を越えている!?)
ハヅキもヨツバ王国内では最強の魔術師だったが、マリアは聖痕を継承した時に既にハヅキを上回り、初めて手にしたクサナギの力を解放する。刃に竜巻を纏わせた状態のままマリアは地面へと突き立てた瞬間、強烈な風圧が発生して派手な土煙が舞い上がった。
地面にクサナギが突き刺さる寸前にツバサは危険を感じ取り、慌てて彼女は距離を取った。結果から言えばクサナギの刃に纏った竜巻は地面に突き刺さった瞬間に大量の土砂を吹き飛ばし、巨大な渦巻状のクレーターを作り上げた。その中心部にはマリアが存在し、彼女はクサナギの力で一気に掘り進める。
「マ、マリア様!?」
『貴女は離れていなさい、巻き込まれるわよ』
水晶の世界に竜巻が舞い上がり、大量の土砂を吹き飛ばす光景をツバサは地面に突き刺さった巨大な水晶に身を隠しながら確認した。竜巻の中心部に存在するはずのマリアにツバサは話しかけようとしたが、風の精霊を通してマリアの声が伝わり、彼女はクサナギを使用しながらも風の精霊を操って会話を行うマリアに戦慄した。
(これほどの聖剣の力を発揮しながら会話まで……!?)
マリアの母親のハヅキの事はツバサも良く知っており、まだ若い頃は彼女の指導を受けていた事もある。ツバサはマリアが生まれる前から彼女に世話になっているため、ハヅキの実力は良く知っていた。他人には厳しく当たる性格だったが一度認めた相手には身分など関係なく対等に接し、ツバサが六聖将になったときは彼女のために最高の素材で作り上げた戦闘用の衣装を渡してくれた。
ハヅキとは昔からの付き合いなのでツバサは誰よりも彼女が優れた魔術師である事は理解していた。しかし、その娘であるマリアはハヅキをも上回る魔力と才覚を持ち合わせ、初めて触れたクサナギの力を解放して地面を掘り進める。
(ハヅキ様、貴方の娘とお孫さんは天才です!!)
今は亡きハヅキの事を思い浮かべながらツバサは様子を伺うと、やがて竜巻が縮小化して完全に消えてしまう。残されたのは地面の底が見えない程の大穴であり、慌ててツバサは大穴に駆けつけて下の様子を伺う。
「マリア様、ご無事ですか!?」
「ええ、無事よ」
「わあっ!?」
穴の中からではなく、上空から聞こえてきた声にツバサは驚いて振り返ると、そこには光の翼を背中に生やしたマリアが浮かんでいた。彼女は神器ウィングを使用して空を飛び、身体に張り付いた泥を払いのけながらため息を吐き出す。
「服が汚れてしまったわね……だけど、目的は果たせたわ」
「い、いったい何を……」
「これは貴方に返すわ。それと、油断しない方がいいわよ」
「えっ!?」
マリアはクサナギをツバサに放り返すと彼女は慌てて受け取り、危うく大穴に落ちるところだった。どうにかクサナギを受け取ったツバサはマリアに振り返ると、彼女は杖を取り出して大穴を見下ろしていた。
「準備しなさい、どうやらお目覚めの様ね」
「目覚め?いったい何が……これは!?」
大穴から赤色の二つの光が灯った瞬間、地の底から鳴き声が響き渡る。その鳴き声は水晶を震わせ、あまりにも声量にマリアとツバサは両手で耳を塞ぐ。どちらも聴覚が人間よりも優れているエルフのため、二人とも大穴から離れて距離を取る。
何が起きたのかはツバサには理解できないが、少なくとも一つだけ言える事はマリアが探し求めていたのは血の底から聞こえる鳴き声の主という事だけだった。いったい彼女が地の底で何を見つけたのかをツバサが問う前に大穴から巨大な腕が飛び出す。
――ゴガァアアアアッ!!
その鳴き声を耳にした途端、ツバサが最初に想像したのは「ゴーレム」だった。ゴーレムと酷似した鳴き声だと気付いたツバサは地の底に眠っていたのはゴーレムかと思ったが、姿を現わしたのは全身が水晶で構成された巨大ゴーレムだと判明した
「掘り起こす?地中に何かが存在するのですか?」
「断言はできないわ。だけど、ここで魔法を使用すると魔力は水晶に吸収されて下の方に移動するのは確かよ」
「下、ですか……」
「それを貸しなさい」
マリアの言葉にツバサは訝し気な表情を浮かべるが、そんな彼女に対してマリアはクサナギに視線を向けた。彼女はクサナギを渡すように促し、慌ててツバサはクサナギを差し出すとマリアは剣を抜く。
「剣……母と姉さんと違って私はどうもこの手の刃物は好きになれないわ」
「マリア様……」
「ごめんなさいね、別に貴女の武器を馬鹿にしているわけではないわ」
クサナギを抜いたマリアは風の聖痕を発動させ、真の力を引き出すために地面に刃を構えた。やがて刃の周囲に風の魔力が纏わり、竜巻のように渦巻く。それを見たツバサは自分が手にした時よりもクサナギの力が強まっている事を感じ取り、彼女はこれがクサナギの真の力だと驚く。
(なんという魔力……マリア様は既にハヅキ様を越えている!?)
ハヅキもヨツバ王国内では最強の魔術師だったが、マリアは聖痕を継承した時に既にハヅキを上回り、初めて手にしたクサナギの力を解放する。刃に竜巻を纏わせた状態のままマリアは地面へと突き立てた瞬間、強烈な風圧が発生して派手な土煙が舞い上がった。
地面にクサナギが突き刺さる寸前にツバサは危険を感じ取り、慌てて彼女は距離を取った。結果から言えばクサナギの刃に纏った竜巻は地面に突き刺さった瞬間に大量の土砂を吹き飛ばし、巨大な渦巻状のクレーターを作り上げた。その中心部にはマリアが存在し、彼女はクサナギの力で一気に掘り進める。
「マ、マリア様!?」
『貴女は離れていなさい、巻き込まれるわよ』
水晶の世界に竜巻が舞い上がり、大量の土砂を吹き飛ばす光景をツバサは地面に突き刺さった巨大な水晶に身を隠しながら確認した。竜巻の中心部に存在するはずのマリアにツバサは話しかけようとしたが、風の精霊を通してマリアの声が伝わり、彼女はクサナギを使用しながらも風の精霊を操って会話を行うマリアに戦慄した。
(これほどの聖剣の力を発揮しながら会話まで……!?)
マリアの母親のハヅキの事はツバサも良く知っており、まだ若い頃は彼女の指導を受けていた事もある。ツバサはマリアが生まれる前から彼女に世話になっているため、ハヅキの実力は良く知っていた。他人には厳しく当たる性格だったが一度認めた相手には身分など関係なく対等に接し、ツバサが六聖将になったときは彼女のために最高の素材で作り上げた戦闘用の衣装を渡してくれた。
ハヅキとは昔からの付き合いなのでツバサは誰よりも彼女が優れた魔術師である事は理解していた。しかし、その娘であるマリアはハヅキをも上回る魔力と才覚を持ち合わせ、初めて触れたクサナギの力を解放して地面を掘り進める。
(ハヅキ様、貴方の娘とお孫さんは天才です!!)
今は亡きハヅキの事を思い浮かべながらツバサは様子を伺うと、やがて竜巻が縮小化して完全に消えてしまう。残されたのは地面の底が見えない程の大穴であり、慌ててツバサは大穴に駆けつけて下の様子を伺う。
「マリア様、ご無事ですか!?」
「ええ、無事よ」
「わあっ!?」
穴の中からではなく、上空から聞こえてきた声にツバサは驚いて振り返ると、そこには光の翼を背中に生やしたマリアが浮かんでいた。彼女は神器ウィングを使用して空を飛び、身体に張り付いた泥を払いのけながらため息を吐き出す。
「服が汚れてしまったわね……だけど、目的は果たせたわ」
「い、いったい何を……」
「これは貴方に返すわ。それと、油断しない方がいいわよ」
「えっ!?」
マリアはクサナギをツバサに放り返すと彼女は慌てて受け取り、危うく大穴に落ちるところだった。どうにかクサナギを受け取ったツバサはマリアに振り返ると、彼女は杖を取り出して大穴を見下ろしていた。
「準備しなさい、どうやらお目覚めの様ね」
「目覚め?いったい何が……これは!?」
大穴から赤色の二つの光が灯った瞬間、地の底から鳴き声が響き渡る。その鳴き声は水晶を震わせ、あまりにも声量にマリアとツバサは両手で耳を塞ぐ。どちらも聴覚が人間よりも優れているエルフのため、二人とも大穴から離れて距離を取る。
何が起きたのかはツバサには理解できないが、少なくとも一つだけ言える事はマリアが探し求めていたのは血の底から聞こえる鳴き声の主という事だけだった。いったい彼女が地の底で何を見つけたのかをツバサが問う前に大穴から巨大な腕が飛び出す。
――ゴガァアアアアッ!!
その鳴き声を耳にした途端、ツバサが最初に想像したのは「ゴーレム」だった。ゴーレムと酷似した鳴き声だと気付いたツバサは地の底に眠っていたのはゴーレムかと思ったが、姿を現わしたのは全身が水晶で構成された巨大ゴーレムだと判明した
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。