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真・最終章 七魔将編
最終決戦に備えて
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――勇者が残した訓練場を突破したレナは遂に八番目の聖剣を作り出し、全員で脱出に成功した。途中で何度も大変な目に遭ったが、今回の一件でそれぞれが成長を遂げた事を実感する。
『ふはははっ!!中々に楽しめたぞ!!』
「あら、珍しく気が合うわね。私もここへ来て良かったわ」
「シズネ……何か雰囲気変わった?」
訓練場を脱出した際にゴウライは久々に全力で戦えた事に満足し、その一方でシズネも上機嫌だった。いつもの彼女ならばゴウライに突っかかるところだが、何故かシズネは自信に満ちた表情を浮かべる。
「シズネ、何だか嬉しそう」
「そうかしら?そう見えるかもしれないわね」
「その余裕がちょっと気になるけど……でも、皆は無事でよかったよ」
「一人だけ様子がおかしい方がいますけどね」
シズネの余裕の態度に不思議に思いながらもレナは仲間達が全員無事である事を知って安心したが、ただ一人だけ不機嫌そうな表情を浮かべる者がいた。
「…………」
「ちょっと、まだ拗ねてるんですか?仕方ないじゃないですか、あの訓練場は誰かがクリアすると他の方も外の世界に転移するんです」
「黙れ」
訓練場に残るつもりだったホムラもレナ達と行動を共にしており、彼女も皆と共に訓練場から抜け出していた。本人は自分一人でも残るつもりだったが、生憎と訓練場の方は閉ざされた。
後に知った事だが勇者専用の訓練場に繋がる転移台は十分な魔力がなければ作動せず、次に転移台を使えるのは一週間後だと判明した。そのためにホムラは一週間の間は訓練場を使用できず、炎龍討伐のためには彼女の力も必要なので連れ帰るしかなかった。
「まあ、そうむくれないでください。炎龍を倒すまでの間は仲よくしましょう」
「……お前達と仲良くするつもりはない」
「そうは言っても何だかんだで一緒に付いて来てるじゃないですか」
「……消し炭にされたいのか」
「おっと、それは勘弁して下さい。また肉体を再生するのは面倒ですから」
ホネミンの軽口にホムラは苛立つが、その間にレナはアイリスと交信を行って次の指示を伺う。
『アイリス、これから俺達はどうしたらいい?』
『一先ずは戦力を集結させる必要があります。冒険都市に戻りましょう、あちらの方も既に準備はできているはずです』
『準備?分かった、とりあえず戻るよ』
アイリスの反応に不思議に思いながらもレナは冒険都市に戻るために水晶札を取り出す。水晶札には転移魔法が封じ込められており、これを利用して一足先にレナは冒険都市に帰還し、その後に空間魔法で全員を連れ出す――
――冒険都市に帰還して早々、レナ達は城壁にてヨツバ王国から派遣された軍隊と合流した。ヨツバ王国の軍隊は城壁の上で集まり、彼等はレナ達が帰還すると即座にデブリ国王が迎えに来てくれた。
「おおっ!!ティナ、無事でよかった!!」
「わわっ!?お、お父さん苦しいよ~」
デブリ国王は涙目でティナを力強く抱きしめ、彼の対応に困りながらもレナは迎えに来てくれた人間の中で見知った顔がある事を知る。
「あれ?貴方達は……」
「はっはっはっ!!久しぶりだなレナ君!!」
「ようやく戻ってきたか」
「西聖将、お前も一緒だったとはな」
「……貴様等、何故ここにいる?」
六聖将の面々もレナ達を迎え入れ、彼等がここにいる事に西聖将のホムラは眉をしかめた。立場的にはホムラも六聖将の一角だが、別に他の六聖将と交流があるわけではない。彼女の本来の役目はヨツバ王国の西部に存在する古代龍の監視であり、本来であれば無暗にヨツバ王国の外に出る事は許されない。
「ホムラ、お前は自分の役目を放棄していつまで他国にいるつもりだ。早々に戻って自分の役目を果たせ」
「黙れ、貴様に指図される謂れはない」
「貴様の方こそ図に乗るな、自分の立場を忘れたか!!」
西聖将のホムラは六聖将の中でも別格であり、彼女は王族の命令でさえも拒否する権利を与えられている。しかし、その権利が許されているのは西聖将が重要な役割を担っているためであり、その役割とは古代龍の監視である。
強大な力を持つ古代龍の監視は西聖将の役目であり、もしも古代龍が何等かの行動を取るようであれば西聖将が真っ先にヨツバ王国に知らせなければならない。しかし、ホムラの場合はその役目を放棄して現在はバルトロス王国に滞在している。その事に六聖将の筆頭のクレナイは不満を抱く。
――六聖将の中でも最強と謳われるクレナイだが、実際の所は西聖将のホムラの方が勝るのではないかと噂されている。実際にこの二人が本気で戦った事はないためにどちらが上なのかは判明しておらず、他の六聖将ですらも二人の実力がどちらが上なのかは分からない。
「今すぐに自分の役目を果たしに国へ戻れ。従えないというのであれば……」
「何度も言わせるな。私に指図をするな……老害」
「ホムラ!!何て事を!!」
クレナイに対してホムラは挑発し、それを聞いていたツバサが彼女を叱りつけた。その様子を見ていた他の者達も慌てて間に割って入ろうとしたが、既にクレナイは剣に手を伸ばしていた。
「良い度胸だ……覚悟はできたか?」
「ふんっ……」
「止めよっ!!お前達、ここを何処だと思っている!?」
一触即発の雰囲気の中、彼等を止めたのはデブリ国王だった。国王は二人の元に割って入ると流石のクレナイも剣は抜けず、ホムラも不機嫌そうな表情を浮かべて下がった。仮にも主君であるデブリ国王に止められてはどうしようもできず、一応は引き下がるがクレナイもホムラも睨み合う。
「いずれ貴様とは決着をつけてやる」
「望むところだ」
「……次に会う時までに新しい武器を調達しておけ」
クレナイは去り際にホムラに告げると、彼の言葉にホムラは不満げな表情を浮かべる。彼女の薙刀は既に使い物にならない状態であり、刃は砕けていた。
『ふはははっ!!中々に楽しめたぞ!!』
「あら、珍しく気が合うわね。私もここへ来て良かったわ」
「シズネ……何か雰囲気変わった?」
訓練場を脱出した際にゴウライは久々に全力で戦えた事に満足し、その一方でシズネも上機嫌だった。いつもの彼女ならばゴウライに突っかかるところだが、何故かシズネは自信に満ちた表情を浮かべる。
「シズネ、何だか嬉しそう」
「そうかしら?そう見えるかもしれないわね」
「その余裕がちょっと気になるけど……でも、皆は無事でよかったよ」
「一人だけ様子がおかしい方がいますけどね」
シズネの余裕の態度に不思議に思いながらもレナは仲間達が全員無事である事を知って安心したが、ただ一人だけ不機嫌そうな表情を浮かべる者がいた。
「…………」
「ちょっと、まだ拗ねてるんですか?仕方ないじゃないですか、あの訓練場は誰かがクリアすると他の方も外の世界に転移するんです」
「黙れ」
訓練場に残るつもりだったホムラもレナ達と行動を共にしており、彼女も皆と共に訓練場から抜け出していた。本人は自分一人でも残るつもりだったが、生憎と訓練場の方は閉ざされた。
後に知った事だが勇者専用の訓練場に繋がる転移台は十分な魔力がなければ作動せず、次に転移台を使えるのは一週間後だと判明した。そのためにホムラは一週間の間は訓練場を使用できず、炎龍討伐のためには彼女の力も必要なので連れ帰るしかなかった。
「まあ、そうむくれないでください。炎龍を倒すまでの間は仲よくしましょう」
「……お前達と仲良くするつもりはない」
「そうは言っても何だかんだで一緒に付いて来てるじゃないですか」
「……消し炭にされたいのか」
「おっと、それは勘弁して下さい。また肉体を再生するのは面倒ですから」
ホネミンの軽口にホムラは苛立つが、その間にレナはアイリスと交信を行って次の指示を伺う。
『アイリス、これから俺達はどうしたらいい?』
『一先ずは戦力を集結させる必要があります。冒険都市に戻りましょう、あちらの方も既に準備はできているはずです』
『準備?分かった、とりあえず戻るよ』
アイリスの反応に不思議に思いながらもレナは冒険都市に戻るために水晶札を取り出す。水晶札には転移魔法が封じ込められており、これを利用して一足先にレナは冒険都市に帰還し、その後に空間魔法で全員を連れ出す――
――冒険都市に帰還して早々、レナ達は城壁にてヨツバ王国から派遣された軍隊と合流した。ヨツバ王国の軍隊は城壁の上で集まり、彼等はレナ達が帰還すると即座にデブリ国王が迎えに来てくれた。
「おおっ!!ティナ、無事でよかった!!」
「わわっ!?お、お父さん苦しいよ~」
デブリ国王は涙目でティナを力強く抱きしめ、彼の対応に困りながらもレナは迎えに来てくれた人間の中で見知った顔がある事を知る。
「あれ?貴方達は……」
「はっはっはっ!!久しぶりだなレナ君!!」
「ようやく戻ってきたか」
「西聖将、お前も一緒だったとはな」
「……貴様等、何故ここにいる?」
六聖将の面々もレナ達を迎え入れ、彼等がここにいる事に西聖将のホムラは眉をしかめた。立場的にはホムラも六聖将の一角だが、別に他の六聖将と交流があるわけではない。彼女の本来の役目はヨツバ王国の西部に存在する古代龍の監視であり、本来であれば無暗にヨツバ王国の外に出る事は許されない。
「ホムラ、お前は自分の役目を放棄していつまで他国にいるつもりだ。早々に戻って自分の役目を果たせ」
「黙れ、貴様に指図される謂れはない」
「貴様の方こそ図に乗るな、自分の立場を忘れたか!!」
西聖将のホムラは六聖将の中でも別格であり、彼女は王族の命令でさえも拒否する権利を与えられている。しかし、その権利が許されているのは西聖将が重要な役割を担っているためであり、その役割とは古代龍の監視である。
強大な力を持つ古代龍の監視は西聖将の役目であり、もしも古代龍が何等かの行動を取るようであれば西聖将が真っ先にヨツバ王国に知らせなければならない。しかし、ホムラの場合はその役目を放棄して現在はバルトロス王国に滞在している。その事に六聖将の筆頭のクレナイは不満を抱く。
――六聖将の中でも最強と謳われるクレナイだが、実際の所は西聖将のホムラの方が勝るのではないかと噂されている。実際にこの二人が本気で戦った事はないためにどちらが上なのかは判明しておらず、他の六聖将ですらも二人の実力がどちらが上なのかは分からない。
「今すぐに自分の役目を果たしに国へ戻れ。従えないというのであれば……」
「何度も言わせるな。私に指図をするな……老害」
「ホムラ!!何て事を!!」
クレナイに対してホムラは挑発し、それを聞いていたツバサが彼女を叱りつけた。その様子を見ていた他の者達も慌てて間に割って入ろうとしたが、既にクレナイは剣に手を伸ばしていた。
「良い度胸だ……覚悟はできたか?」
「ふんっ……」
「止めよっ!!お前達、ここを何処だと思っている!?」
一触即発の雰囲気の中、彼等を止めたのはデブリ国王だった。国王は二人の元に割って入ると流石のクレナイも剣は抜けず、ホムラも不機嫌そうな表情を浮かべて下がった。仮にも主君であるデブリ国王に止められてはどうしようもできず、一応は引き下がるがクレナイもホムラも睨み合う。
「いずれ貴様とは決着をつけてやる」
「望むところだ」
「……次に会う時までに新しい武器を調達しておけ」
クレナイは去り際にホムラに告げると、彼の言葉にホムラは不満げな表情を浮かべる。彼女の薙刀は既に使い物にならない状態であり、刃は砕けていた。
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