不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

修行の成果は……

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「小娘が……礼儀を叩き込んでやろう」
「クレナイ殿、気をつけろ!!この者はただの娘じゃなさそうだぞ!!」
「さっさと来い!!そっちが来ないならこっちから行くぞ!!」


クレナイとギンタロウを前にしてハルナは臆せずに突っ込むと、そんな彼女に対してクレナイは大剣を振り払う。その攻撃に対してハルナは身を低くして躱すと、隙だらけのクレナイの顔面に蹴りを放つ。


「おらぁっ!!」
「ぬうっ!?」
「クレナイ殿!?」


まともに顔面に蹴りを受けたクレナイにギンタロウは驚きの声を上げるが、攻撃を仕掛けた方のハルナは違和感を抱く。確かに彼の顔面に蹴りを決めたはずなのだが、何故か見えない壁のような物に阻まれてしまう。

見えない壁の正体はクレナイの「嵐鎧」であり、彼は魔刀術の使い手にして魔鎧術の達人でもある。攻撃を受ける直前にクレナイは顔面に風の魔力を渦巻かせ、ハルナの攻撃を反らす事に成功した。


「阿呆が!!」
「うわっ!?」


顔面に蹴り込んだはずのハルナの方が逆に吹き飛ばされ、彼女は地面に倒れてしまう。それに対してクレナイは躊躇せずに大剣を上段に構えるとハルナに目掛けて叩きつけようとした。


「ぬんっ!!」
「うおっと!?」


自分に目掛けて振り下ろされた大剣の刃に対してハルナは咄嗟に横に転がって回避するが、クレナイの大剣には既に風の魔力が渦巻き、魔刀術を発動させたクレナイの一撃によって地面が吹き飛ぶ。


「ふんっ!!」
「うわわっ!?」
「くっ……クレナイ殿、少しやり過ぎだぞ!?」


クレナイの一撃によって地面の一部が抉り込み、その際にハルナも一緒に吹き飛ばされてしまう。大量の砂煙が舞い上がり、ギンタロウが苦言を申すがクレナイは一切手加減するつもりはない。吹き飛ばされたハルナは空中で体勢を整え直して地面に着地する。

四足歩行の獣のように地面に四つん這いになったハルナはクレナイを睨みつけ、予想以上の力を持つ彼に冷や汗を流す。一方でクレナイの方はハルナに対して本気で彼女を潰すために大剣に魔力を込める。


「次で終わらせてやろう」
「お、おいおい!!ちょっと待て!!クレナイの旦那、待ってくれ!!」
「お辞め下さい!!それほどの魔力を込めた一撃を放てばただでは済みません!!」


騒ぎを聞きつけて駆けつけたシュンとリンダがクレナイが本気を出そうとしている事に気付き、二人は慌てて彼を止めようとした。シュンもリンダもヨツバ王国に属しているため、クレナイの実力は良く知っていた。二人とも若い頃はクレナイに指導を受けていた時期もある。

ヨツバ王国の中でもクレナイは最強の剣士であり、その実力は聖剣所有者にも劣らない。彼は大剣に竜巻の如く風の魔力を纏わせ、ハルナに目掛けて止めの一撃を繰り出そうとした。


「はああっ!!」
「やべぇっ!?おい、全員伏せろ!!」
「皆さん、離れてください!!」
『うわぁあああっ!?』


中庭に集まっていた者達はクレナイの攻撃に巻き込まれる前に逃げ出そうとするが、ハルナだけはクレナイの正面に立つ。彼女はクレナイが攻撃を仕掛ける寸前まで動かない事に決め、しかも目を閉じてしまう。


「…………」
「ほう、覚悟はできたようだな……ならば受けてみよ!!」
「いかん!!避けるんだ!?」


ハルナが目を閉じて動かずに立ち尽くす姿を見てクレナイは大剣を構えると、ギンタロウが慌ててハルナに避けるように促す。しかし、クレナイが大剣を上段に構えた状態で振り下ろそうとした瞬間、ハルナは「心眼」を発動させた。



――心眼の技能は特殊な訓練をせねば習得はできず、剣聖の中でも心眼を扱える人間はそうはいない。しかし、厳しい野生の中で生きてきたハルナは自然と身に付けていた。彼女は心眼で視覚以外の感覚を研ぎ澄ませ、クレナイの行動を先読みする。



クレナイが大剣を振り下ろす寸前にハルナは彼が攻撃を仕掛ける事に気付き、この時に彼女は金色の電流を纏う。そしてクレナイが大剣を振り下ろす段階で彼よりも早くに動いて迫る。



「うおおおおっ!!」
「っ――!?」



金色の雷と化したハルナはクレナイが大剣を振り下ろす前に接近すると、彼の腹部に目掛けて強烈な拳の一撃を繰り出す。その威力はクレナイの巨体を吹き飛ばし、後方に存在したギンタロウを巻き込んで建物の壁に衝突させる威力だった。


「がはぁっ!?」
「ぬあっ!?」
「そ、そんな馬鹿な!?」
「クレナイ様!?ギンタロウ様!?」


クレナイとギンタロウが同時に吹き飛ぶ光景を見てシュンとリンダは信じられない表情を浮かべ、ヨツバ王国の六聖将である二人が同時に倒された事が信じられない。その一方でハルナの方は汗を流しながら自分の拳に視線を向け、力強く握りしめる。


「はっ……あたしの勝ちだな」
「お、お前……」
「何て事を……」
「ハルナちゃん、まずいよ……」


ハルナは勝ち誇るが、彼女の周りにいる人間はハルナに対して目つきを鋭くさせる。これほどの騒ぎを起こせば彼女を許すわけにはいかず、すぐに全員がかりで捕まえようとした時にある人物が姿を現わす。
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