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真・最終章 七魔将編
血を受け入れる
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「……この力を使えば私は人間でいられなくなるかもしれないわね」
自分の掌を見つめながらシズネは体内に流れる吸血鬼の血を感じ取る。彼女は一時期に吸血鬼化した影響で身体が吸血鬼に近付いており、その力を発動すれば普段以上の能力を手に入れられる。それはまるで剣鬼の力を使いこなすレナと似ていた。
だが、レナと違う点は彼の場合は剣鬼の力を完全に制御できるがシズネの場合は吸血鬼化すれば徐々に肉体は人間から吸血鬼へと近づく。完全な吸血鬼になった時は彼女はどうなるのかは分からない。それでもシズネは炎龍との戦闘ではこの能力が必要になると確信していた。
「私が吸血鬼になればレナは……皆はどう思うかしら?」
仲間達が自分の身体の異変に気付いた時の反応が気にかかるが、シズネは皆に心配を掛けないために敢えて黙っていた。しかし、炎龍との戦闘で能力を使用すれば必ず気付かれるだろう。それでもシズネは能力を使う事を決めた。
「……弱くなったわね、私は」
昔の彼女ならば強くなるためならばどんな手段も使った。実際にレナと接触したのは王妃の命令があったからだが、彼女自身がレナと関わる事で彼の強さの秘密を知って自分も強くなれると思ったからである。しかし、彼とその仲間達に関わり続けるうちに何時の間にかシズネは本当に彼等の事を仲間だと思っていた。
昔のシズネは一人で生きてきた。だから吸血鬼となる事に躊躇などせず、目的のためならば簡単に吸血鬼となっていただろう。しかし、今の彼女には大切な人々が傍に居る。そんな彼等に嫌われる事や恐れられる事に怯え、吸血鬼と化す事に躊躇してしまう。それは人として当たり前の事であり、決して責められる事ではない。
「昔の私ならあっさりと受け入れたでしょうね。だけど私は……」
吸血鬼となる事にシズネは恐れを抱き、強くなれる事は分かってはいても人間である事を辞める事に思い悩む。それでも彼女は大切な人々を守るために決意した。
「例え皆から嫌われたとしても、私は皆を守ってみせるわ」
覚悟を決めたシズネは自分の腕に短剣を伸ばし、手首を切って血を流す。死に追い込まれなければ吸血鬼化の能力は発動しないと判断し、彼女は力を使いこなすために励む――
――その頃、デブリ国王は遥か昔にバルトロス帝国の王城が存在した場所に辿り着く。冒険都市は元々は帝国時代の帝都であったが、帝国が滅びた後に城も街も崩れて現在はバルトロス王国の都市の一つとして造り替えられた。
「おお、ここにあったか……」
デブリは王城が存在した場所の墓地に辿り着き、ここには歴代の帝国の王族の墓が建てられていた。帝国が滅びた後もこの墓地だけは放置され、その中の墓の一つにかつてこの世界を救った英雄の墓があった。
「師匠、お久しぶりです」
墓の前でデブリは正座すると、深々と頭を下げて亡き師を思いやる。彼はまだ子供の頃に帝国の英雄と呼ばれた少年を師として崇め、彼には色々と世話になった。何度も国の危機を救って貰った事もあり、この恩は一生をかけて返すと誓った。
当時のデブリは末弟で優秀な兄と姉が存在した。彼は子供の頃に母親と死別し、他の兄姉と違って甘やかされて育たれた。そのせいで何の苦労も知らずに生きてきたため、常識知らずな面があった。そのせいで彼は他国であるはずのバルトロス帝国でとんでもない問題を犯してしまう。
デブリが起こした問題のせいでバルトロス帝国とエルフ王国(ヨツバ王国の基となった国)は危うく戦争間近になり、どうにか交渉で問題を解決できたがあと一歩のところでとんでもない事態が起きていた。その事に関してはデブリは今でも忘れられず、帝国の英雄がいなければデブリは今頃は死んでいたかもしれない。
「師匠、貴方のお陰で私は王へとなれました」
末弟であるデブリが国王になるためには相当な努力と苦労と時間が掛かった。それでも彼は死んだ母親との約束を果たすため、歴代の誰よりも立派な国王になる事を誓い、そして夢を叶えた。この夢が叶えられたのは死んだ彼の師匠のお陰でもあり、現在でもヨツバ王国は帝国の英雄「ルノ」を敬愛して彼の銅像を建てたほどである。
「どうか我々の事を見守って下さい」
デブリは帝国の英雄の墓の前で一人で祈り、昔の事を思い出す。デブリは不意に帝国の英雄と自分の可愛い愛娘と結婚したレナが何処となく雰囲気が似ている事を思い出す。
「まさかあの男は……いや、そんなわけはないか」
レナとルノは性格も容姿も違うのに何故か似ているように感じた。まさかルノの生まれ変わりがレナではないのかとデブリは思いかけたが、すぐに頭を振って否定する。
「では師匠、失礼いたします。貴方の国を守る事はできませんでしたが、貴方の子孫だけは守り通してみせます」
師との別れを告げてデブリはルノの子孫でもあるバルトロス王国の王族を守る事を誓い、その場を立ち去った――
※最弱職の魔術師のルノの血はバルトロス帝国の帝族に流れています。そのためにレナはルノの子孫という事でもあります。
自分の掌を見つめながらシズネは体内に流れる吸血鬼の血を感じ取る。彼女は一時期に吸血鬼化した影響で身体が吸血鬼に近付いており、その力を発動すれば普段以上の能力を手に入れられる。それはまるで剣鬼の力を使いこなすレナと似ていた。
だが、レナと違う点は彼の場合は剣鬼の力を完全に制御できるがシズネの場合は吸血鬼化すれば徐々に肉体は人間から吸血鬼へと近づく。完全な吸血鬼になった時は彼女はどうなるのかは分からない。それでもシズネは炎龍との戦闘ではこの能力が必要になると確信していた。
「私が吸血鬼になればレナは……皆はどう思うかしら?」
仲間達が自分の身体の異変に気付いた時の反応が気にかかるが、シズネは皆に心配を掛けないために敢えて黙っていた。しかし、炎龍との戦闘で能力を使用すれば必ず気付かれるだろう。それでもシズネは能力を使う事を決めた。
「……弱くなったわね、私は」
昔の彼女ならば強くなるためならばどんな手段も使った。実際にレナと接触したのは王妃の命令があったからだが、彼女自身がレナと関わる事で彼の強さの秘密を知って自分も強くなれると思ったからである。しかし、彼とその仲間達に関わり続けるうちに何時の間にかシズネは本当に彼等の事を仲間だと思っていた。
昔のシズネは一人で生きてきた。だから吸血鬼となる事に躊躇などせず、目的のためならば簡単に吸血鬼となっていただろう。しかし、今の彼女には大切な人々が傍に居る。そんな彼等に嫌われる事や恐れられる事に怯え、吸血鬼と化す事に躊躇してしまう。それは人として当たり前の事であり、決して責められる事ではない。
「昔の私ならあっさりと受け入れたでしょうね。だけど私は……」
吸血鬼となる事にシズネは恐れを抱き、強くなれる事は分かってはいても人間である事を辞める事に思い悩む。それでも彼女は大切な人々を守るために決意した。
「例え皆から嫌われたとしても、私は皆を守ってみせるわ」
覚悟を決めたシズネは自分の腕に短剣を伸ばし、手首を切って血を流す。死に追い込まれなければ吸血鬼化の能力は発動しないと判断し、彼女は力を使いこなすために励む――
――その頃、デブリ国王は遥か昔にバルトロス帝国の王城が存在した場所に辿り着く。冒険都市は元々は帝国時代の帝都であったが、帝国が滅びた後に城も街も崩れて現在はバルトロス王国の都市の一つとして造り替えられた。
「おお、ここにあったか……」
デブリは王城が存在した場所の墓地に辿り着き、ここには歴代の帝国の王族の墓が建てられていた。帝国が滅びた後もこの墓地だけは放置され、その中の墓の一つにかつてこの世界を救った英雄の墓があった。
「師匠、お久しぶりです」
墓の前でデブリは正座すると、深々と頭を下げて亡き師を思いやる。彼はまだ子供の頃に帝国の英雄と呼ばれた少年を師として崇め、彼には色々と世話になった。何度も国の危機を救って貰った事もあり、この恩は一生をかけて返すと誓った。
当時のデブリは末弟で優秀な兄と姉が存在した。彼は子供の頃に母親と死別し、他の兄姉と違って甘やかされて育たれた。そのせいで何の苦労も知らずに生きてきたため、常識知らずな面があった。そのせいで彼は他国であるはずのバルトロス帝国でとんでもない問題を犯してしまう。
デブリが起こした問題のせいでバルトロス帝国とエルフ王国(ヨツバ王国の基となった国)は危うく戦争間近になり、どうにか交渉で問題を解決できたがあと一歩のところでとんでもない事態が起きていた。その事に関してはデブリは今でも忘れられず、帝国の英雄がいなければデブリは今頃は死んでいたかもしれない。
「師匠、貴方のお陰で私は王へとなれました」
末弟であるデブリが国王になるためには相当な努力と苦労と時間が掛かった。それでも彼は死んだ母親との約束を果たすため、歴代の誰よりも立派な国王になる事を誓い、そして夢を叶えた。この夢が叶えられたのは死んだ彼の師匠のお陰でもあり、現在でもヨツバ王国は帝国の英雄「ルノ」を敬愛して彼の銅像を建てたほどである。
「どうか我々の事を見守って下さい」
デブリは帝国の英雄の墓の前で一人で祈り、昔の事を思い出す。デブリは不意に帝国の英雄と自分の可愛い愛娘と結婚したレナが何処となく雰囲気が似ている事を思い出す。
「まさかあの男は……いや、そんなわけはないか」
レナとルノは性格も容姿も違うのに何故か似ているように感じた。まさかルノの生まれ変わりがレナではないのかとデブリは思いかけたが、すぐに頭を振って否定する。
「では師匠、失礼いたします。貴方の国を守る事はできませんでしたが、貴方の子孫だけは守り通してみせます」
師との別れを告げてデブリはルノの子孫でもあるバルトロス王国の王族を守る事を誓い、その場を立ち去った――
※最弱職の魔術師のルノの血はバルトロス帝国の帝族に流れています。そのためにレナはルノの子孫という事でもあります。
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