不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

監視衛星

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――全ての準備を整えたレナ達は転移魔法で目的地に移動する前にリーリスが衛星から炎龍の様子を伺う。そして炎龍が封じられていたはずの火山が完全に消えてなくなっている事が判明した。


「見てください、これが炎龍の現在地です」
「うわっ……何処から取り出したのこのデカいモニター」
「な、何だこれは!?水晶壁か?」
「この世界でも水晶玉で遠方の景色を移す道具があるでしょう?あれと同じ感じです」
「ああ、そういえば闘技祭でもそんなのがあったな……」


リーリスが用意したモニターを見てレナ以外の者達は驚くが、水晶玉を利用して遠方の景色を映し出す技術はこの世界にも存在し、実際に闘技祭などでは戦闘の様子を水晶玉に送って世界中で配信されていた。そう説明すると全員が納得し、そしてモニターに映し出される炎龍の姿を確認する。

現在の炎龍は焦土と化した場所に存在し、そこはかつて炎龍が封じられていたはずの鉱山が存在するはずだった。しかし、復活した炎龍によって鉱山は跡形もなく消し飛ばされていた。


「こ、これが炎龍……なんとおぞましい姿だ」
「火竜と似ている部分もありますけど……完全に別物じゃないですか!!」
「火竜の10倍以上の力を持つ存在です。決して油断しないでください、もう完全に復活を果たしているようです」
「火竜の10倍か……」


竜種の中でも火竜は最も人的被害を与えている存在なので有名だが、その火竜の上位種である炎龍は比べ物にならない力を秘める。真正面から戦いを挑んでも勝ち目はなく、やはり作戦通りに戦うしかない。


「むむっ……これは困りましたね」
「どうした?」
「炎龍の放つ火属性の魔力の波動の影響のせいか、炎龍が滞在する付近の温度が異様に上昇しています。50度は超えてますね」
「50度!?砂漠より暑いのか!?」
「とても人間が生きていける環境ではありませんね」
「そ、そういえば……生き物の姿が全く見当たらない」


炎龍が存在するだけで周囲に熱が発生し、その影響で炎龍の佇む地域には1匹たりとも魔物の存在が確認できなかった。炎龍と戦う以上は熱対策を行わなければならず、事前に全員が火属性の耐性を持つマントを身に付ける。


「こちらのマントは常に装備しておいてください。それとこのカプセルも渡しておきます」
「何だこれは……」
「私が特製で作った薬です。これを噛み砕くだけで体力も回復しますよ」
「おお、拙者の国の兵糧丸みたいでござるな」


リーリスは全員に特別な薬が入ったカプセルを手渡し、これを飲むだけで肉体の回復効果と体力を強化する事ができるらしい。炎龍との戦闘では回復薬を飲む暇もない事を考えられ、戦闘前にカプセルは口に含んでおけばいざという時に飲み込んで回復もできる。

モニターに表示されている炎龍は眠っているのか動く様子がなく、その傍には七魔将のラストが佇んでいた。彼は炎龍の傍で目を閉じた状態で座り込み、眠っているというよりは精神を集中させるために座禅を行っている様子だった。


「どうやら敵も私達を待ち構えているようですね」
「リーリス、衛星からレーザーとか撃てないの?」
「SFじゃあるまいし撃てませんよそんなの」
「いや、リーリスの存在自体がSFなんだけど……」
「僕としてはお前等が何の話をしているのかさっぱり分からないんだけど……」


SF映画のように流石に衛星からレーザーを撃ち込むような技術は存在せず、あくまでも衛星は監視用にしか扱えない。しかし、レナの話を聞いてリーリスは面白い考えを思いつく。


「いや、待てよ……レーザーは無理かもしれませんけど、空から援護はできるかもしれません」
「えっ!?戦闘機でもあるの?」
「いや、さすがにそこまではありませんけど、ともかく私も後で合流しますよ。事前に連絡を送るのでその時は皆さん退避してください」
「退避って……何をするつもり?」
「それは後のお楽しみという事で……では私はここで失礼しますね」


何かを思いついたリーリスはレナ達の元を立ち去り、彼女の残したモニターに映し出される映像を確認してマリアは考え込む。山に炎龍が潜むのであればいくらでも隠れ場所はあったが、炎龍は事前に山を焼き払い、更には周囲を焦土と化した事で隠れ場所が殆どない。


「ここに転移するとなると隠れる場所が問題ね。全員で同時攻撃を行うのは色々と不利だわ」
「姿を消す魔道具とかないかな?隠密や気配遮断みたいな技能で存在感を消すとか……」
「こそこそ隠れて不意打ちなんてあたしは性に合わないぞ」
『うむ、吾輩もそんな技能は覚えておらんな!!』
「貴方達はそうでしょうね……」


レナは技能で存在感を消す事は得意としているが、ハルナやゴウライはその手の技能は一切身に付けておらず、そもそも本人達が覚えるつもりがない。しかし、姿を隠蔽せずに炎龍に近付くとなると作戦が失敗してしまう可能性も高い。
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