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蛇足編
緑の怪物
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「どうかしました?」
「いや、あそこにゴブリンが……」
「え?何処ですか?」
「あれ……逃げたか?」
ホネミンが見た時はレナが見つけたゴブリンらしき生き物は消えており、彼は不思議に思ったが今は離れる事を優先した。この現場を他の人間に見られたら色々と面倒臭くなり、早々に塔の大迷宮へ向けて出発する事にした――
――レナ達が去った後、馬車の元に先ほど彼が見かけたゴブリンのような生き物が訪れた。そのゴブリンに酷似した生き物は馬車に倒れた人間達を見下ろし、酷く怒った様子で見下ろす。
「フゥッ……フゥッ……!!」
その生き物は馬車が転倒した際に散らばった荷物に視線を向け、その中から自分の身体を覆い隠せそうなマントを回収する。他には巨人族が扱う大きさの鉈を見つけ、それを手にするとその場を立ち去る。
去り際に生き物は馬車を振り返り、鼻を鳴らす。実を言えば馬車を転倒させたのはこの生き物であり、自分を捕まえて売り物にしようとした者達に復讐を果たす。
「俺は……魔物じゃない」
生き物は人語を話してその場を離れ、この時に彼は脳裏にレナ達の姿を思い浮かべる。馬車を転倒させた後、生き物は腹を空かせて獲物を求めて一時的に馬車を離れた。だが、戻ってきた彼は馬車の元に人間がいる事に気が付く。
最初にレナを見た時、生き物は異様な恐怖を覚えた。レナは一見は人間の少年にしか見えないが、実際はそこいらの魔物よりも恐ろしい存在だと生き物は見抜いた。彼は今までにない恐怖を覚え、即座に逃げ去ろうとした。その判断は正しく、もしも生き物がレナに襲い掛かっていたら返り討ちにされていただろう。
もう二度とあのような存在と出くわしたくはないと思いながら生き物は立ち去るが、彼は後の時代にレナと再会する事になる。しかも最悪な形の出会いで無惨な死を遂げる事は今の彼には知る由もない――
――冒険都市を離れると、レナは都市を出る前に購入した道具でキャンプを行う。本当なら冒険都市で一泊したい所だが、知り合いと顔を合わせる事を考慮して外で一晩過ごす事になった。
「レナさんは料理が美味いですね」
「調理の技能も持ってるから」
「ウォンッ!!」
「ぷるぷるっ(うまうま)」
昼間の間に遭遇した食用の魔物の肉を利用し、今夜は豚汁を作った。運がいい事にオークを発見したお陰で今日の晩御飯は何とかなったが、問題なのはここから先だった。
「塔の大迷宮に向かうとなると地竜の巣を進む事になるのか……地竜に見つかったら面倒だな」
「大丈夫でしょう。地竜なんて滅多に遭遇しませんし、余程派手に騒がなければ平気ですって」
「ぷるぷるっ(←怯える)」
プルミンは地竜と聞いただけで震え上がり、彼(?)は元々はただのスライムだったがサンドワームに丸飲みにされ、胃液を吸収した事で今の姿になった。その後は彼を食べたサンドワームが地竜に食べられた際に偶然にも脱出し、ホネミンと出会う。
「プルミン、怯える必要はないよ。地竜に見つかってもウルが逃げ切ってくれるから」
「ウォンッ!!」
「さてと、そろそろ寝ましょうか。今日は色々あって疲れましたし……あ、私が可愛い殻って襲わないでくださいね」
「大丈夫、俺もウルも人肉は食べないから」
「餌として見られている!?」
レナとホネミンは就寝し、見張りに関してはウルとプルミンがいるので大丈夫だと判断した。ウルの嗅覚とプルミンの感知能力ならば誰かが近付いたら必ず気付く事ができるため、ゆっくりと休む事にした。
しばらくの間は静寂の時が訪れるが、不意にレナは目を覚まして身体を起き上げる。どうにも寝付けない彼は空間魔法を発動させてオリハルコン製の大剣と長剣を取り出す。こちらは遺跡を守護していた戦人形の武器を改造して作り上げた代物だが、やはり退魔刀や鏡刀と比べると性能はかなり落ちる。
(この二つの武器、もうちょっと何とかできないかな……)
アダマンタイトで作り上げた退魔刀とあらゆる魔法を跳ね返す鏡刀と比べると、オリハルコン製の武器はどうにもレナの性には合わない。アダマンタイトで作り上げた大剣は重量が重いがその分に破壊力も高く、非常に頑強で滅多に壊れる事はない。
オリハルコンの場合はアダマンタイトと比べると軽く、硬度もかなり劣る。それでも普通の魔法金属と比べて頑丈でしかも軽い。魔法耐性に関してもアダマンタイトを上回るため、魔法攻撃には強い一面を持つ。鏡刀のように魔法を跳ね返す事はできなくても防御するには最適だった。
「よし……こいつをこうするか」
悩んだ末にレナは長剣の方を別の形に変形させ、今後は武器ではなく防具として扱う事に決めた。彼は形状高速変化の能力を利用して長剣を円盤型の盾に変形させる。盾を扱った戦闘はレナは殆どした事ないが、この機会に盾を利用する戦法も覚えて置く事に決めた。
「いや、あそこにゴブリンが……」
「え?何処ですか?」
「あれ……逃げたか?」
ホネミンが見た時はレナが見つけたゴブリンらしき生き物は消えており、彼は不思議に思ったが今は離れる事を優先した。この現場を他の人間に見られたら色々と面倒臭くなり、早々に塔の大迷宮へ向けて出発する事にした――
――レナ達が去った後、馬車の元に先ほど彼が見かけたゴブリンのような生き物が訪れた。そのゴブリンに酷似した生き物は馬車に倒れた人間達を見下ろし、酷く怒った様子で見下ろす。
「フゥッ……フゥッ……!!」
その生き物は馬車が転倒した際に散らばった荷物に視線を向け、その中から自分の身体を覆い隠せそうなマントを回収する。他には巨人族が扱う大きさの鉈を見つけ、それを手にするとその場を立ち去る。
去り際に生き物は馬車を振り返り、鼻を鳴らす。実を言えば馬車を転倒させたのはこの生き物であり、自分を捕まえて売り物にしようとした者達に復讐を果たす。
「俺は……魔物じゃない」
生き物は人語を話してその場を離れ、この時に彼は脳裏にレナ達の姿を思い浮かべる。馬車を転倒させた後、生き物は腹を空かせて獲物を求めて一時的に馬車を離れた。だが、戻ってきた彼は馬車の元に人間がいる事に気が付く。
最初にレナを見た時、生き物は異様な恐怖を覚えた。レナは一見は人間の少年にしか見えないが、実際はそこいらの魔物よりも恐ろしい存在だと生き物は見抜いた。彼は今までにない恐怖を覚え、即座に逃げ去ろうとした。その判断は正しく、もしも生き物がレナに襲い掛かっていたら返り討ちにされていただろう。
もう二度とあのような存在と出くわしたくはないと思いながら生き物は立ち去るが、彼は後の時代にレナと再会する事になる。しかも最悪な形の出会いで無惨な死を遂げる事は今の彼には知る由もない――
――冒険都市を離れると、レナは都市を出る前に購入した道具でキャンプを行う。本当なら冒険都市で一泊したい所だが、知り合いと顔を合わせる事を考慮して外で一晩過ごす事になった。
「レナさんは料理が美味いですね」
「調理の技能も持ってるから」
「ウォンッ!!」
「ぷるぷるっ(うまうま)」
昼間の間に遭遇した食用の魔物の肉を利用し、今夜は豚汁を作った。運がいい事にオークを発見したお陰で今日の晩御飯は何とかなったが、問題なのはここから先だった。
「塔の大迷宮に向かうとなると地竜の巣を進む事になるのか……地竜に見つかったら面倒だな」
「大丈夫でしょう。地竜なんて滅多に遭遇しませんし、余程派手に騒がなければ平気ですって」
「ぷるぷるっ(←怯える)」
プルミンは地竜と聞いただけで震え上がり、彼(?)は元々はただのスライムだったがサンドワームに丸飲みにされ、胃液を吸収した事で今の姿になった。その後は彼を食べたサンドワームが地竜に食べられた際に偶然にも脱出し、ホネミンと出会う。
「プルミン、怯える必要はないよ。地竜に見つかってもウルが逃げ切ってくれるから」
「ウォンッ!!」
「さてと、そろそろ寝ましょうか。今日は色々あって疲れましたし……あ、私が可愛い殻って襲わないでくださいね」
「大丈夫、俺もウルも人肉は食べないから」
「餌として見られている!?」
レナとホネミンは就寝し、見張りに関してはウルとプルミンがいるので大丈夫だと判断した。ウルの嗅覚とプルミンの感知能力ならば誰かが近付いたら必ず気付く事ができるため、ゆっくりと休む事にした。
しばらくの間は静寂の時が訪れるが、不意にレナは目を覚まして身体を起き上げる。どうにも寝付けない彼は空間魔法を発動させてオリハルコン製の大剣と長剣を取り出す。こちらは遺跡を守護していた戦人形の武器を改造して作り上げた代物だが、やはり退魔刀や鏡刀と比べると性能はかなり落ちる。
(この二つの武器、もうちょっと何とかできないかな……)
アダマンタイトで作り上げた退魔刀とあらゆる魔法を跳ね返す鏡刀と比べると、オリハルコン製の武器はどうにもレナの性には合わない。アダマンタイトで作り上げた大剣は重量が重いがその分に破壊力も高く、非常に頑強で滅多に壊れる事はない。
オリハルコンの場合はアダマンタイトと比べると軽く、硬度もかなり劣る。それでも普通の魔法金属と比べて頑丈でしかも軽い。魔法耐性に関してもアダマンタイトを上回るため、魔法攻撃には強い一面を持つ。鏡刀のように魔法を跳ね返す事はできなくても防御するには最適だった。
「よし……こいつをこうするか」
悩んだ末にレナは長剣の方を別の形に変形させ、今後は武器ではなく防具として扱う事に決めた。彼は形状高速変化の能力を利用して長剣を円盤型の盾に変形させる。盾を扱った戦闘はレナは殆どした事ないが、この機会に盾を利用する戦法も覚えて置く事に決めた。
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