不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,781 / 2,091
蛇足編

巨人族の戦士、レベル99の不遇職と出会う

しおりを挟む
「まさか……ゴンちゃん!?」
「ゴンちゃん?俺の事を言っているのか?」
「レナさん!!この人は違いますよ!!」


金剛撃という技名に地竜を倒す程の一撃を繰り出した巨人族の青年を見てレナはゴンゾウかと思ったが、アイリスに言われて良く見るとゴンゾウとは別人だった。雰囲気は似ているが顔は全く別であり、彼は地竜から降り立つとレナ達の前に立つ。


「俺の獲物と戦っていたのはあんた達だったのか」
「獲物?」
「貴方……もしかしてですけどギガンさんですか?」
「そうだ、俺の名前を知っているのか?」


レナ達の前に現れたのは若かりし頃のギガンだと発覚し、彼はゴンゾウの師匠でこの時代ではまだ10代後半の青年だった。ゴンゾウと見間違えたのは彼がゴンゾウの師匠で戦い方が良く似ているためであり、彼等以外に「金剛撃」なる技を使う巨人族はいない。

ギガンは倒した地竜を振り返り、改めてレナ達に振り返った。自分が戦う前から地竜が傷ついている事を察し、この場所でレナ達が地竜と交戦していた事を悟った彼はその場で土下座を行う。


「すまなかった!!」
「えっ!?」
「いきなりなんですか!?」
「俺が地竜を取り逃した事で君達に迷惑をかけた!!本当にすまない!!」
「ウォンッ?」
「ぷるんっ?」


地竜が縄張りを離れてレナ達に襲い掛かってきたのはギガンのせいらしく、彼によるとある理由でギガンは地竜を倒すために縄張りに訪れた。この時に彼は地竜を追い詰めて縄張りから引き離す事に成功したが、縄張りから離れた地竜はプルミンの存在を感知する。

サンドワームと似た気配を放つプルミンを負って地竜はギガンの元から離れ、それを追いかけたギガンは瀕死状態の地竜とレナ達を発見した。彼は地竜がレナ達が弱らせた状態なのに自分が止めを刺した事を謝罪した。


「君達が倒そうとしていた地竜を俺が始末してしまい、本当にすまない!!地竜に襲われたのも俺のせいだ!!どうか煮るなり焼くなり好きにしてくれ!!」
「いや、別に俺達は気にしてないけど……」
「待ってください、レナさん」


別に地竜が襲い掛かってきたのはギガンだけのせいではなく、プルミンを連れて歩いていた自分達が不用心だった事もあるのでレナは責める気はなかった。だが、ここでホネミンが口を挟む。


「そうですね、地竜を倒したのは貴方ですから経験値とかも独り占めされたかもしれません」
「……すまない、何とお詫びすればいいか」
「お詫びの前にどうして地竜を追い詰めていたのか説明してくれませんか?こちらとしても話を聞かない限りは怒れませんよ」
「そ、そうか……」


ホネミンはギガンが地竜を追っていた理由を尋ねると、彼は素直に話してくれた――





――ギガンは武者修行の旅をしており、彼は巨人国からこの地に訪れた。目的は他国の強者と戦うため、強者が多い冒険都市へ向けて旅をする。そして彼は冒険都市に向かう途中で地竜の縄張りの話を聞く。竜種とは一度戦ってみたかったギガンは自ら地竜の縄張りへ訪れた。

地竜の縄張りに辿り着いたギガンは腕試しとばかりに偶々発見した地竜に襲い掛かる。他の地竜に気付かれない内にギガンは決着をつけようとしたが、勝負の際中に地竜が急に逃げ出してしまう。その後を追いかけた所、ギガンは地竜と交戦するレナ達と遭遇した。

話を全て聞き終えたレナ達はギガンが腕試しのために竜種に勝負を挑んだと知り、呆れを通り越して感心してしまう。レナもアイリスの指導で様々な魔物と戦って鍛えてきたが、流石の彼女も竜種と戦わせはしなかった。竜種との戦闘は非常に危険で生半可な実力では返り討ちにされる。

アイリスもレナに竜種との戦闘は控えるように指導をしていたが、ギガンの場合は誰からの指図も受けず一人で自分の力を磨き上げ、ここまで旅をしてきたらしい。その点ではゴウライと似ているが、彼の場合は人に迷惑を掛けないように心掛けてきた。だからこそ自分のせいで他の人間に危険が及んだ事に謝罪した。


「本当にすまなかった……俺にできる事があれば何でも言ってくれ」
「ホネミン、もう許してやれば?それに地竜は核を破壊しない限りは経験値は得られないし……第一、俺はもう経験値必要ないよ」
「私もそうですね」
「ん?必要ない?それはどういう意味だ?」


レナとホネミンの言葉にギガンは不思議に思い、仮にも竜種である地竜の経験値ならば相当な量となる。しかし、生憎とレナとホネミンの場合はこれ以上の経験値は得られない。


「あ、俺達はもう経験値を貰ってもレベルは上がらないので」
「私達、もうレベル99なんですよ」
「……何!?」


二人の発言にギガンは衝撃の表情を浮かべるが、実を言えばレナ達は既にレベル99に到達していた。レナの場合は大分前にレベル99に到達し、ホネミンに至っては数百年前に彼女が英雄と呼ばれていた時代からレベル99に到達していた。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。