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蛇足編
油断大敵ですよ
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「――知らない天井だ」
「テンプレな台詞ですね」
大迷宮から脱出した後、毒の影響で意識を失ったレナは次に目が覚めると見知らぬ部屋のベッドに横たわっていた。どうやら気絶した後にホネミンが運んでくれたらしく、今現在は何処かの宿屋に泊まっているらしい。
レナの傍にはホネミンの姿もあり、机の上には薬瓶がいくつか並んでいた。それを見たレナは身体を起き上げると、意識を失う前は毒の影響で身体に上手く力が入らなかったが、今は平気だった。
「あれ?もしかして寝ている間に治療してくれた?」
「もう解毒剤は投与しましたよ。その様子だとちゃんと効いたようですね」
「ありがとう」
寝ている間に治療を済ませてくれたホネミンにレナは感謝すると、彼女は疲れた様子でベッドに座り込む。レナが倒れた後の出来事を説明してくれた。
「レナさんが倒れた後、色々と大変だったんですよ。一緒に脱出した人たちと一緒に兵士から事情聴取を受けました」
「そうだったのか……」
「まあ、私達はあくまでも巻き込まれた側だと言い張っておきました。キラウの事は何も情報を与えていません」
「それ、いいの?」
「しょうがないじゃないですか。私達はあくまでも通りすがりの一般人ですよ?どうして犯罪者の詳細を知っているのか問い詰められたら面倒な事になるじゃないですか」
事情聴取の際はホネミンは自分達はあくまでも無関係と言い張り、キラウの正体は一切話さなかった。キラウの正体は未来の世界で知っているが、この時代ではキラウはまだ正体不明の死霊使いとして名が通っており、ぺらぺらと話すわけにはいかない。
ちなみに捕まえたエルフの男を連れて脱出したはずの冒険者達に話を聞くと、彼等は男を連れて転移したつもりだったが、転移の直前に男は転移台から逃げたらしい。転移台が作動した時に男は巧妙に気配を殺して身を隠したらしく、ずっと隠れて様子を伺っていたと思われた。
「あの男、見た目に寄らず相当に腕利きの暗殺者のようですね。まさか私達が気付かないなんて……」
「くそっ……油断してた」
レナが早くに男の存在に気付いていればキラウの毒針を受ける事もなく、窮地に追い込まれる事もなかった。今回は運良く助かったが、今後は油断しないように常に気を配る事にした。
「ここから先はもう少し慎重に進みましょう。いくらレナさんが強いと言っても弱点はあるんですから」
「分かってる。今回はやばかった……毒耐性がなければ死んでたな」
「その毒耐性も過信しては駄目ですよ。毒耐性の技能はあくまでも毒に対する耐性が得られるだけで完全に無効化するわけじゃないんですから」
「ああ、反省するよ」
毒耐性の技能はある程度の毒ならば自然治癒できるが、猛毒などは完全に毒の効果を消す事ができるわけではない。今回のキラウが使用した猛毒は即効性の毒だったが、レナの場合は毒耐性の技能があったお陰で何とか耐えられる事ができた。しかし、もしもホネミンが解毒剤を作らなければ今頃も意識を失っていた。下手をすれば死んでいたかもしれない。
多数の技能を覚え、レベルを限界まで上げたと言ってもレナは人間である事に変わりはない。いくら強くなろうと全ての弱点を克服できるわけではなく、毒を受ければ死ぬ可能性もあるし、病気で死んでしまう事もある。
(気を抜きすぎたな……これからはしっかりしないと)
七魔将を倒した辺りからレナは知らず知らずに気が緩みがちになっていたと判断し、気を引き締めて行動する事にした。この時代にも厄介な敵は多く、決して油断はしないように注意する。
「さてと、次は私も休ませてもらいますよ。ほら、端に寄って下さい」
「うわっ……なんでベッドに潜り込もうとするんだ」
「仕方ないでしょう、お金に余裕はないんですからベッドが一つある部屋しか借りれなかったんです」
「だからって人のベッドに潜り込むなよ……」
ホネミンはレナの横に潜り込み、疲れた身体を休ませる。何の躊躇もなく自分のベッドに入り込んできた彼女にレナは呆れるが、助けてくれた恩もあるので追い出す事はできない。
「5時間ぐらいは眠るのでその間は好きにしてください。あ、好きにすると言っても別に私の身体を好きにしろというわけじゃ……」
「分かっとるわい!!」
危ない事を言いそうになったホネミンにレナは怒鳴りつけ、彼女がベッドに横になるとレナはベッドから出て行く。軽く身体を動かして調子を取り戻した事を確認すると、窓の外の様子を伺う。
既に時刻は夕方を迎えており、間もなく夜が訪れようとしていた。目的の物は手に入ったので後は深淵の森の古代遺跡へ戻り、ヨツバ王国の遺跡に転移してタイムマシンを起動させれば未来へ帰る事はできる。間もなく今回の旅も終わりを迎えようとしているが、どうしてもレナは不安を隠しきれない。
(このまま何事もなく帰れるといいけど……)
無事に戻れる事をレナは祈るが、その反面にこのまま簡単に帰れるはずがないという予感も抱いていた――
「テンプレな台詞ですね」
大迷宮から脱出した後、毒の影響で意識を失ったレナは次に目が覚めると見知らぬ部屋のベッドに横たわっていた。どうやら気絶した後にホネミンが運んでくれたらしく、今現在は何処かの宿屋に泊まっているらしい。
レナの傍にはホネミンの姿もあり、机の上には薬瓶がいくつか並んでいた。それを見たレナは身体を起き上げると、意識を失う前は毒の影響で身体に上手く力が入らなかったが、今は平気だった。
「あれ?もしかして寝ている間に治療してくれた?」
「もう解毒剤は投与しましたよ。その様子だとちゃんと効いたようですね」
「ありがとう」
寝ている間に治療を済ませてくれたホネミンにレナは感謝すると、彼女は疲れた様子でベッドに座り込む。レナが倒れた後の出来事を説明してくれた。
「レナさんが倒れた後、色々と大変だったんですよ。一緒に脱出した人たちと一緒に兵士から事情聴取を受けました」
「そうだったのか……」
「まあ、私達はあくまでも巻き込まれた側だと言い張っておきました。キラウの事は何も情報を与えていません」
「それ、いいの?」
「しょうがないじゃないですか。私達はあくまでも通りすがりの一般人ですよ?どうして犯罪者の詳細を知っているのか問い詰められたら面倒な事になるじゃないですか」
事情聴取の際はホネミンは自分達はあくまでも無関係と言い張り、キラウの正体は一切話さなかった。キラウの正体は未来の世界で知っているが、この時代ではキラウはまだ正体不明の死霊使いとして名が通っており、ぺらぺらと話すわけにはいかない。
ちなみに捕まえたエルフの男を連れて脱出したはずの冒険者達に話を聞くと、彼等は男を連れて転移したつもりだったが、転移の直前に男は転移台から逃げたらしい。転移台が作動した時に男は巧妙に気配を殺して身を隠したらしく、ずっと隠れて様子を伺っていたと思われた。
「あの男、見た目に寄らず相当に腕利きの暗殺者のようですね。まさか私達が気付かないなんて……」
「くそっ……油断してた」
レナが早くに男の存在に気付いていればキラウの毒針を受ける事もなく、窮地に追い込まれる事もなかった。今回は運良く助かったが、今後は油断しないように常に気を配る事にした。
「ここから先はもう少し慎重に進みましょう。いくらレナさんが強いと言っても弱点はあるんですから」
「分かってる。今回はやばかった……毒耐性がなければ死んでたな」
「その毒耐性も過信しては駄目ですよ。毒耐性の技能はあくまでも毒に対する耐性が得られるだけで完全に無効化するわけじゃないんですから」
「ああ、反省するよ」
毒耐性の技能はある程度の毒ならば自然治癒できるが、猛毒などは完全に毒の効果を消す事ができるわけではない。今回のキラウが使用した猛毒は即効性の毒だったが、レナの場合は毒耐性の技能があったお陰で何とか耐えられる事ができた。しかし、もしもホネミンが解毒剤を作らなければ今頃も意識を失っていた。下手をすれば死んでいたかもしれない。
多数の技能を覚え、レベルを限界まで上げたと言ってもレナは人間である事に変わりはない。いくら強くなろうと全ての弱点を克服できるわけではなく、毒を受ければ死ぬ可能性もあるし、病気で死んでしまう事もある。
(気を抜きすぎたな……これからはしっかりしないと)
七魔将を倒した辺りからレナは知らず知らずに気が緩みがちになっていたと判断し、気を引き締めて行動する事にした。この時代にも厄介な敵は多く、決して油断はしないように注意する。
「さてと、次は私も休ませてもらいますよ。ほら、端に寄って下さい」
「うわっ……なんでベッドに潜り込もうとするんだ」
「仕方ないでしょう、お金に余裕はないんですからベッドが一つある部屋しか借りれなかったんです」
「だからって人のベッドに潜り込むなよ……」
ホネミンはレナの横に潜り込み、疲れた身体を休ませる。何の躊躇もなく自分のベッドに入り込んできた彼女にレナは呆れるが、助けてくれた恩もあるので追い出す事はできない。
「5時間ぐらいは眠るのでその間は好きにしてください。あ、好きにすると言っても別に私の身体を好きにしろというわけじゃ……」
「分かっとるわい!!」
危ない事を言いそうになったホネミンにレナは怒鳴りつけ、彼女がベッドに横になるとレナはベッドから出て行く。軽く身体を動かして調子を取り戻した事を確認すると、窓の外の様子を伺う。
既に時刻は夕方を迎えており、間もなく夜が訪れようとしていた。目的の物は手に入ったので後は深淵の森の古代遺跡へ戻り、ヨツバ王国の遺跡に転移してタイムマシンを起動させれば未来へ帰る事はできる。間もなく今回の旅も終わりを迎えようとしているが、どうしてもレナは不安を隠しきれない。
(このまま何事もなく帰れるといいけど……)
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