不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

閑話 《ゴールドスライムその1》

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「レナ殿!!大変でござる!!」
「うわっ!?何だ何だ!?」


宿屋のベッドに眠っていたレナはハンゾウに起こされ、彼女は何故かベッドの中に潜り込んでいた。ハンゾウはレナを押し倒す形で彼を起こし、焦った表情を浮かべた。


「なにしてんだお前は!?」
「そんな事よりも大変でござる!!なんと、今度は大迷宮にゴールドスライムが現れたそうでござる!!」
「ゴールド……スライム?」
「ゴールドスライム!?あの伝説のスライムですか!?」
「うわっ!?お前も居たのか!!」


何故かレナの隣にはエリナが眠っており、ハンゾウの話を聞いて驚いた表情を浮かべた。騒ぎ声がうるさかったのか、部屋の隅に置かれている壺の中からスラミンを抱えたコトミンが顔を出す。


「3人ともうるさい……はっ、これが浮気現場!?」
「違うわい!!」


ハンゾウに押し倒され、エリナを横に眠らせているレナを見てコトミンは珍しく衝撃を受けた表情を浮かべるが、とりあえずはレナは全員を落ち着かせて話を伺う――





――ハンゾウが掴んだ情報によると彼女は大迷宮にゴールドスライムなる存在が発見されたっ事を語り、ゴールドスライムはシルバースライムと同様に絶滅されたと言われている伝説のスライムだと語る。


「ゴールドスライムは体内に金を蓄えたスライムだと言われているでござる。ゴールドスライムは金を生み出す存在として誰もが追い求める存在だと語られているでござる」
「金を生み出す?そんなスライムがいるの?」
「実際に金を生成する能力があるのかどうかは不明でござるが、過去にゴールドスライムが金を吐き出したという記述は残されているでござる。しかもゴールドスライムの吐き出す金はただの金塊ではなく、魔法金属に近い性質を持ち合わせた世界で一番価値のある黄金でござる」
「それは凄そう」
「兄貴!!シルバースライムを捕まえた兄貴ならゴールドスライムも捕まえられますよ!!」
「ぷぎんっ?」


レナの傍にはに小さな檻の中に閉じ込められたシルバースライムが存在し、依頼人に届けるまではレナが面倒を見る事になった。檻の中に入れているのは外に出すと逃げ出してしまうため、仕方なくレナが錬金術師の能力で造り出した檻の中に閉じ込めた。

ちなみにシルバースライムは普通のスライムと違って水は飲まず、水銀などしか食べない。小食なので月に一度餌を与えれば十分であり、今の所は大人しくしていた。スラミンは捕まっている彼を不憫に思ったのか、時折話しかける素振りを行う。


「ぷるぷるっ」
「ぷぎぎんっ」
「レナ、スラミンがシルミンが可哀想だと言ってる」
「シルバースライムだからシルミンか……いや、勝手に名付けたら駄目だよ」
「仕方ないっすよ。檻から出すと逃げ出そうとするんですから」


何度かシルバースライムは脱走を計ったため、レナは檻を作り出してシルバースライムを閉じ込めるしかなかった。しかし、同族としてスラミンはシルバースライムを拘束する事に同情し、お願いする様にレナの膝の上に移動する。


「ぷるぷるっ」
「うっ……そんな潤んだ瞳で見るなよ。しょうがないな、逃げないと約束するなら出してあげるよ」
「ぷぎんっ」


レナの言葉にシルバースライム改めシルミンは檻から解放され、嬉しそうに部屋の中をあちこち飛び跳ねる。シルミンはスラミンの後に続き、2匹は仲良さそうに身体をすり合わせる。


「ぷるぷるっ♪」
「ぷぎんっ♪」
「スラミンが嬉しそう……お嫁さん、いやお婿さんができたかも」
「え……スライムに性別とかあるんですかね」
「分裂して増えるから番は必要ないのでは……」
「まあ、仲が良いのは良い事だよ」


仲睦まじいスラミンとシルミンの姿にレナ達は和む中、改めてハンゾウは自分が集めた情報を報告した。


「それはそうとレナ殿、実は拙者が発見したゴールドスライムはどうやら大迷宮の第三階層で発見されたそうでござる」
「第三階層!?砂漠が広がる階層じゃないですか!!」
「あそこはスライムにとっては最悪の環境じゃないの?」
「それは普通のスライムにとっての話でござる。ゴールドスライムは水がなくても生きていける特殊なスライムでござる。なんでも噂によれば砂金が好物らしく、第三階層の何処かに砂金で構成された砂漠があるそうでござる」
「砂金の砂漠!?」
「す、凄そうっすね……」


第三階層には砂金で形成された砂漠地帯があると噂され、その場所にゴールドスライムがいる可能性があるらしい。



※閑話ですが、あと1話だけ続きます。
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