1,873 / 2,091
蛇足編
これからの事
しおりを挟む
――シズネの想いを受け入れたレナはすぐにコトミンとティナに報告を行うと、二人は驚愕の表情を浮かべた。
「え~!?今更!?」
「……もうキスぐらいはしてたと思ってた」
「あ、貴女達ね……」
仮にも自分達と結婚しているレナがシズネも受け入れたいと言い出したにも関わらず、ティナとコトミンは全く怒っていなかった。むしろ既にシズネはレナと深い関係になっていると思っていたが、報告を聞いて呆れてしまう。レナとしては後ろめたさはあったのだが、怒っていない二人に安堵する。
「コトミン、ティナ……怒ってないの?」
「う~ん……ちょっともやもやするけど、仕方ないかな」
「嫉妬はしてる。でも、シズネも好きだから許す。でも正妻の座は譲らない」
「……分かっているわよ」
シズネは正妻の座に就くつもりはなく、そもそも彼女の場合は色々と複雑な家庭だった。シズネは元は大将軍ギランの娘だが、現在は家を追放されている。一方でティナはヨツバ王国の王女であり、コトミンも人魚族の間では重要な立場の人間である。
一般人である自分がレナの正妻に就くなどおこがましいとシズネは考えていたが、そんな彼女の考えを見通したようにコトミンはある提案を行う。
「気が変わった、これからは一日交代でレナの正妻になる」
「えっ……」
「あっ、それならいいよ!!正妻になった日がレナたんに一番甘えてもいい日にしよう!!」
「ええっ!?」
こうしてレナの正妻問題は解決し、晴れてシズネは三人目の嫁として迎え入れられた――
――その後、他の仲間達にシズネがレナと結婚する事はすぐに報告された。だが、大半の仲間達の反応はむしろまだ結婚していなかった事に驚く。ナオとマリアは結婚に関しては一時反対したが、アイラの説得もあって最終的には納得してくれた。
シズネの立場が複雑なのもあって結婚式は壮大に行われる事はなかったが、それでも身内同士が集まってにぎやかに過ごせた。ちなみにダイン達も結婚式に参加し、彼等はわざわざマリアが転移魔法で迎えに来てくれた。
「はあっ……あと少しで監獄都市に辿り着いたのに」
「ごめんね、急に呼び出して……」
「別に怒ってはいないよ。だけどさ、僕達があんなに苦労して監獄都市に向かっていたのに……転移魔法で迎えに来られると何だか」
「あの魔法、本当に便利すぎますね。監獄都市に戻る時も使ってもらいましょうよ」
「二人とも気持ちは分かるが今日は結婚式だぞ。今はレナ達を祝おう」
ダインは転移魔法で迎えに来られた事で複雑な表情を浮かべ、彼としては目的地に辿り着く寸前でマリアに連れ戻された。もうここまで来たら今度は監獄都市に向かう際はマリアの転移魔法で送ってもらう方が楽である。また辛い旅をして監獄都市に向かうのは懲り懲りだった。
『ふははははっ!!美味い、美味いぞ!!』
「うわっ!?あそこにいるのはゴウライか!?誰が呼んだんだよ!?」
「それがシズネが呼んだらしいよ」
「嘘!?」
結婚式のパーティー会場にはゴウライも参加しており、シズネはこれまで彼女の事を憎んでいた。しかし、彼女なりにゴウライにけじめをつけた事で恨みは晴らしたらしく、シズネはゴウライを親の仇としてではなく、自分の好敵手として結婚式に招いた。
「おい、ゴウライ!!こんな時まで鎧を着て来るんじゃねえよ!!」
「おお、そうだったな。いつもの調子で来てしまった」
「ば、馬鹿野郎!?ここで脱ぐんじゃねえ、というか何で全裸なんだ!?」
「全裸だって!?」
「ダインさん反応しないで!!」
ゴウライは何故か鎧の下は何も着込んでおらず、彼女が鎧を脱ごうとした事で余計に騒ぎが起きようとしていた――
――しばらくした後、レナはシズネと共にテラスに出向いた。シズネは月を見上げており、やはり吸血鬼だから月が気になるのかとレナは不思議に思う。
「月を見てるの?それとも吸血鬼だから月に反応してる?」
「いえ、私が見ているのは星よ」
「星?」
「……子供の頃から星空が好きだったの」
シズネは自分が見ていたのは月ではなく、その周りにある小さな星々だった。彼女は大きな月と比べて小さな星々の輝きが好きらしく、その理由を語り始めた。
「私にとってはあの月は父や母のような存在だと思っていた。父は誰よりも強くてたくましく、そして母親は誰よりも優しい人だったわ……今の私でも敵わないぐらい、立派な人たちよ」
「そうかな……シズネだって強いし優しいよ」
「ありがとう……でも、私はまだ月にはなれていない。今の私なんて月の周りに浮いている小さな星の一つに過ぎない」
「……それでも綺麗な輝きを放っているよ」
月と比べれば他の星は確かに小さいかもしれないが、美しい輝きを放つ点に関しては月も星も変わりはない。レナはシズネを抱き寄せて夜空を眺めた。
「え~!?今更!?」
「……もうキスぐらいはしてたと思ってた」
「あ、貴女達ね……」
仮にも自分達と結婚しているレナがシズネも受け入れたいと言い出したにも関わらず、ティナとコトミンは全く怒っていなかった。むしろ既にシズネはレナと深い関係になっていると思っていたが、報告を聞いて呆れてしまう。レナとしては後ろめたさはあったのだが、怒っていない二人に安堵する。
「コトミン、ティナ……怒ってないの?」
「う~ん……ちょっともやもやするけど、仕方ないかな」
「嫉妬はしてる。でも、シズネも好きだから許す。でも正妻の座は譲らない」
「……分かっているわよ」
シズネは正妻の座に就くつもりはなく、そもそも彼女の場合は色々と複雑な家庭だった。シズネは元は大将軍ギランの娘だが、現在は家を追放されている。一方でティナはヨツバ王国の王女であり、コトミンも人魚族の間では重要な立場の人間である。
一般人である自分がレナの正妻に就くなどおこがましいとシズネは考えていたが、そんな彼女の考えを見通したようにコトミンはある提案を行う。
「気が変わった、これからは一日交代でレナの正妻になる」
「えっ……」
「あっ、それならいいよ!!正妻になった日がレナたんに一番甘えてもいい日にしよう!!」
「ええっ!?」
こうしてレナの正妻問題は解決し、晴れてシズネは三人目の嫁として迎え入れられた――
――その後、他の仲間達にシズネがレナと結婚する事はすぐに報告された。だが、大半の仲間達の反応はむしろまだ結婚していなかった事に驚く。ナオとマリアは結婚に関しては一時反対したが、アイラの説得もあって最終的には納得してくれた。
シズネの立場が複雑なのもあって結婚式は壮大に行われる事はなかったが、それでも身内同士が集まってにぎやかに過ごせた。ちなみにダイン達も結婚式に参加し、彼等はわざわざマリアが転移魔法で迎えに来てくれた。
「はあっ……あと少しで監獄都市に辿り着いたのに」
「ごめんね、急に呼び出して……」
「別に怒ってはいないよ。だけどさ、僕達があんなに苦労して監獄都市に向かっていたのに……転移魔法で迎えに来られると何だか」
「あの魔法、本当に便利すぎますね。監獄都市に戻る時も使ってもらいましょうよ」
「二人とも気持ちは分かるが今日は結婚式だぞ。今はレナ達を祝おう」
ダインは転移魔法で迎えに来られた事で複雑な表情を浮かべ、彼としては目的地に辿り着く寸前でマリアに連れ戻された。もうここまで来たら今度は監獄都市に向かう際はマリアの転移魔法で送ってもらう方が楽である。また辛い旅をして監獄都市に向かうのは懲り懲りだった。
『ふははははっ!!美味い、美味いぞ!!』
「うわっ!?あそこにいるのはゴウライか!?誰が呼んだんだよ!?」
「それがシズネが呼んだらしいよ」
「嘘!?」
結婚式のパーティー会場にはゴウライも参加しており、シズネはこれまで彼女の事を憎んでいた。しかし、彼女なりにゴウライにけじめをつけた事で恨みは晴らしたらしく、シズネはゴウライを親の仇としてではなく、自分の好敵手として結婚式に招いた。
「おい、ゴウライ!!こんな時まで鎧を着て来るんじゃねえよ!!」
「おお、そうだったな。いつもの調子で来てしまった」
「ば、馬鹿野郎!?ここで脱ぐんじゃねえ、というか何で全裸なんだ!?」
「全裸だって!?」
「ダインさん反応しないで!!」
ゴウライは何故か鎧の下は何も着込んでおらず、彼女が鎧を脱ごうとした事で余計に騒ぎが起きようとしていた――
――しばらくした後、レナはシズネと共にテラスに出向いた。シズネは月を見上げており、やはり吸血鬼だから月が気になるのかとレナは不思議に思う。
「月を見てるの?それとも吸血鬼だから月に反応してる?」
「いえ、私が見ているのは星よ」
「星?」
「……子供の頃から星空が好きだったの」
シズネは自分が見ていたのは月ではなく、その周りにある小さな星々だった。彼女は大きな月と比べて小さな星々の輝きが好きらしく、その理由を語り始めた。
「私にとってはあの月は父や母のような存在だと思っていた。父は誰よりも強くてたくましく、そして母親は誰よりも優しい人だったわ……今の私でも敵わないぐらい、立派な人たちよ」
「そうかな……シズネだって強いし優しいよ」
「ありがとう……でも、私はまだ月にはなれていない。今の私なんて月の周りに浮いている小さな星の一つに過ぎない」
「……それでも綺麗な輝きを放っているよ」
月と比べれば他の星は確かに小さいかもしれないが、美しい輝きを放つ点に関しては月も星も変わりはない。レナはシズネを抱き寄せて夜空を眺めた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。