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蛇足編
オアシスの異変
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『アイちゃ~ん』
『はいはい、なんですかレナちゃん』
『ちゃん付けするな!!』
『そっちが言い出した癖に!?』
いつものボケをかました後、レナはオアシスの異変の理由をアイリスに問う。彼女ならば水属性の魔石を盗み出した正体をすぐに見抜けるはずのため、犯人が誰なのかを率直に尋ねる。
『それで犯人の正体は?人魚族?それとも魚人族?』
『魔物です』
『なんだ魔物か……魔物!?湖に住んでるの!?』
『はい、元々の原因は人間の仕業なんですけどね』
魔石を盗み出している正体は魔物である事にレナは意外に思い、仮にも都市内に魔物が生息している事に驚く。アイリスによれば湖に潜む魔物を解き放ったのは人間の仕業だと明かす。
『一か月ほど前にとある人間が湖の中にゴーレムを送り込んだんですよ』
『ゴーレム?どうしてゴーレムが湖に入れるの?あいつらすぐに溶けるじゃん』
『ただのゴーレムじゃありません。魔術師が生み出したアイスゴーレムと呼ばれる存在です』
アイスゴーレムは魔術師が魔法で生み出した人工ゴーレムであり、通常種のゴーレムとは能力が異なる。名前の通りにアイスゴーレムは全身が氷で形成されているため、ゴーレム種の共通の弱点である水を浴びても溶けはしない。氷の中に魔石が秘められており、その魔石を破壊するかあるいは効力が切れれば自然と溶けて消えてしまう。
湖に沈んだアイスゴーレムは水属性の魔石を吸収し、体内に魔力を蓄積する事で自分が消えるのを阻止していた。魔術師の狙いは湖に沈んでいる大量の水属性の魔石から魔力を奪い、それを利用して強力な力を持つアイスゴーレムを生み出そうとしている。
『魔術師が生み出したアイスゴーレムは現在は湖の底に沈んでいます。ですので人魚族や魚人族でもなければ見つかる事はできません。普通の人間が潜ろうとすれ凍死するほどやばい水温ですからね』
『あの湖、そんなにやばいのか……』
『アイスゴーレムのせいで湖の環境が悪化してるんですよ。アイスゴーレムが現れる前ならここまで酷くはなかったんですけどね』
アイスゴーレムの存在が湖に悪影響を及ぼし、どうにかしなければいずれ湖に沈められた全ての水属性の魔石が奪われてしまう。兵士達が見張りをしていても魔石を盗む人間が見つからなかったのはアイスゴーレムが既に湖に入っていたからであり、犯人が見つかるはずがない。
レナはアイリスから事情を聞いて他の者に報告しようと考えたが、アイスゴーレムの話をしても信じてくれるか分からない。そもそもレナがどうやって湖の底にアイスゴーレムが潜んでいるのか見抜いたのかも説明しなければならず、流石にアイリスの存在を明かすわけにはいかなかった。
『どう説明したらいいもんかね……』
『簡単な話ですよ。アイスゴーレムを操っている魔術師をとっ捕まえて引き渡せばいいだけです』
『そりゃそうだ』
別に湖の底に潜って元凶であるアイスゴーレムを倒す必要はなく、アイスゴーレムの制作者を捕まえて兵士に引き渡せば問題は解決する。レナは早速アイスゴーレムを作り出した魔術師の居場所を尋ねる。
『アイスゴーレムを作った奴はどこにいる?そいつを捕まえてアイスゴーレムを湖から出せば問題解決だ』
『アイスゴーレムを生み出したのは砂漠都市に潜伏している盗賊団の団員です』
『盗賊団?そんなのがここにいるわけ?』
『ここの都市は治安はそんなに良くないんですよ』
砂漠都市に盗賊団が潜伏していると知ってレナは呆れてしまうが、冒険都市も昔は高額賞金首が潜んでいた事を思い出すと珍しい話ではないかもしれない。レナは冒険者に成ったばかりの頃を思い出し、あの時は高額賞金首を捕まえて路銀を稼いだ事を懐かしく思う。
『久々に盗賊狩りにでも行くかな』
『なんでしょうか、こういうやり取りも久しぶりな気がします』
『俺もだよ』
昔に戻ったようにレナはアイリスと相談し、高額賞金首の居場所を教えて貰って行動に移る――
――1時間後、レナは盗賊団がアジトにしていた酒場に赴き、数十名の盗賊を叩きのめした。盗賊団は最初はいきなり現れたレナに抵抗しようとしたが、圧倒的な実力差を思い知らされて降伏した。
「ひいいっ!?も、もう止めてくれ……俺達が悪かった!!」
「何でもするからもう殴らないでくれ!!」
「何だよ、こいつら腰抜けばっかりだな」
「ハルナ!!貴方はやり過ぎですよ!!」
「だから俺一人でいいって言ったのに……」
盗賊団のアジトにはハルナとリンダも同行し、彼女達以外にも兵士の姿があった。レナは盗賊団を捕まえに行く事を兵士に伝えると、彼等は快く協力してくれた。他国でもS級冒険者は信頼が厚く、事情を話すと数十名の兵士達も同行した。
「つ、強い……これだけの数の盗賊団をたった三人で倒すなんて」
「さ、流石はS級冒険者……」
「闘技祭を優勝したって話はマジだったのか……」
兵士達は長年自分達が捕まえられなかった盗賊団をあっという間に倒したレナ達に戦慄する。そんな彼等を無視してハルナは盗賊団の中で唯一の女性でフードを被っている女性に詰め寄る。
『はいはい、なんですかレナちゃん』
『ちゃん付けするな!!』
『そっちが言い出した癖に!?』
いつものボケをかました後、レナはオアシスの異変の理由をアイリスに問う。彼女ならば水属性の魔石を盗み出した正体をすぐに見抜けるはずのため、犯人が誰なのかを率直に尋ねる。
『それで犯人の正体は?人魚族?それとも魚人族?』
『魔物です』
『なんだ魔物か……魔物!?湖に住んでるの!?』
『はい、元々の原因は人間の仕業なんですけどね』
魔石を盗み出している正体は魔物である事にレナは意外に思い、仮にも都市内に魔物が生息している事に驚く。アイリスによれば湖に潜む魔物を解き放ったのは人間の仕業だと明かす。
『一か月ほど前にとある人間が湖の中にゴーレムを送り込んだんですよ』
『ゴーレム?どうしてゴーレムが湖に入れるの?あいつらすぐに溶けるじゃん』
『ただのゴーレムじゃありません。魔術師が生み出したアイスゴーレムと呼ばれる存在です』
アイスゴーレムは魔術師が魔法で生み出した人工ゴーレムであり、通常種のゴーレムとは能力が異なる。名前の通りにアイスゴーレムは全身が氷で形成されているため、ゴーレム種の共通の弱点である水を浴びても溶けはしない。氷の中に魔石が秘められており、その魔石を破壊するかあるいは効力が切れれば自然と溶けて消えてしまう。
湖に沈んだアイスゴーレムは水属性の魔石を吸収し、体内に魔力を蓄積する事で自分が消えるのを阻止していた。魔術師の狙いは湖に沈んでいる大量の水属性の魔石から魔力を奪い、それを利用して強力な力を持つアイスゴーレムを生み出そうとしている。
『魔術師が生み出したアイスゴーレムは現在は湖の底に沈んでいます。ですので人魚族や魚人族でもなければ見つかる事はできません。普通の人間が潜ろうとすれ凍死するほどやばい水温ですからね』
『あの湖、そんなにやばいのか……』
『アイスゴーレムのせいで湖の環境が悪化してるんですよ。アイスゴーレムが現れる前ならここまで酷くはなかったんですけどね』
アイスゴーレムの存在が湖に悪影響を及ぼし、どうにかしなければいずれ湖に沈められた全ての水属性の魔石が奪われてしまう。兵士達が見張りをしていても魔石を盗む人間が見つからなかったのはアイスゴーレムが既に湖に入っていたからであり、犯人が見つかるはずがない。
レナはアイリスから事情を聞いて他の者に報告しようと考えたが、アイスゴーレムの話をしても信じてくれるか分からない。そもそもレナがどうやって湖の底にアイスゴーレムが潜んでいるのか見抜いたのかも説明しなければならず、流石にアイリスの存在を明かすわけにはいかなかった。
『どう説明したらいいもんかね……』
『簡単な話ですよ。アイスゴーレムを操っている魔術師をとっ捕まえて引き渡せばいいだけです』
『そりゃそうだ』
別に湖の底に潜って元凶であるアイスゴーレムを倒す必要はなく、アイスゴーレムの制作者を捕まえて兵士に引き渡せば問題は解決する。レナは早速アイスゴーレムを作り出した魔術師の居場所を尋ねる。
『アイスゴーレムを作った奴はどこにいる?そいつを捕まえてアイスゴーレムを湖から出せば問題解決だ』
『アイスゴーレムを生み出したのは砂漠都市に潜伏している盗賊団の団員です』
『盗賊団?そんなのがここにいるわけ?』
『ここの都市は治安はそんなに良くないんですよ』
砂漠都市に盗賊団が潜伏していると知ってレナは呆れてしまうが、冒険都市も昔は高額賞金首が潜んでいた事を思い出すと珍しい話ではないかもしれない。レナは冒険者に成ったばかりの頃を思い出し、あの時は高額賞金首を捕まえて路銀を稼いだ事を懐かしく思う。
『久々に盗賊狩りにでも行くかな』
『なんでしょうか、こういうやり取りも久しぶりな気がします』
『俺もだよ』
昔に戻ったようにレナはアイリスと相談し、高額賞金首の居場所を教えて貰って行動に移る――
――1時間後、レナは盗賊団がアジトにしていた酒場に赴き、数十名の盗賊を叩きのめした。盗賊団は最初はいきなり現れたレナに抵抗しようとしたが、圧倒的な実力差を思い知らされて降伏した。
「ひいいっ!?も、もう止めてくれ……俺達が悪かった!!」
「何でもするからもう殴らないでくれ!!」
「何だよ、こいつら腰抜けばっかりだな」
「ハルナ!!貴方はやり過ぎですよ!!」
「だから俺一人でいいって言ったのに……」
盗賊団のアジトにはハルナとリンダも同行し、彼女達以外にも兵士の姿があった。レナは盗賊団を捕まえに行く事を兵士に伝えると、彼等は快く協力してくれた。他国でもS級冒険者は信頼が厚く、事情を話すと数十名の兵士達も同行した。
「つ、強い……これだけの数の盗賊団をたった三人で倒すなんて」
「さ、流石はS級冒険者……」
「闘技祭を優勝したって話はマジだったのか……」
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