不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

閑話 《他のキャラが夢の世界に来たら その2》

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※シズネの場合

「まさか本当にこんな世界があるだなんて……悪夢だわ」
「何でですかっ」
「どうどう」


シズネは夢の世界に訪れると頭を抑え、目の前の光景に理解が追いつかない様子だった。そんな彼女にアイリスは耳元で囁く。


「レナさんが一緒に寝ようと言い出した時、あんなことやこんなことをされると思い込んで念入りにお風呂で身体を洗ったり、香水を付けてきたことを知ってますよ」
「なっ!?何を言い出すのよあんた!?」
「ふふふ、私は万能な存在なんです。貴女達の世界の出来事なら全て把握できます」
「くっ……ばらしたら殺すわよ」


自分の心を見透かされたことにシズネは悔しい想いを抱くが、彼女は仕方なくここが現実ではなく夢の世界であることを受け入れた。一先ずは全員が座るとシズネはアイリスに問い質す。


「貴女、確かアリスと言ったわね」
「惜しいですけど違います。私はアイリスです、筋肉ムキムキの人妻メイドさんじゃありません」
「いきなり何を言い出すの?」
「ドルトン商会のアリスさん……大分会ってないけど元気かな?」
「……まあ、いいわ。それよりも貴女とレナの関係を教えなさい」


シズネはレナとアイリスの関係性を問い質すと、二人は難しい表情を浮かべた。自分達の関係と言われてもどのように表現すればいいのか分からずに思い悩む。


「う~ん……友達とか親友とか相談役とか、どれもしっくり来ませんね」
「強いて言うなら……悪友?」
「どういう意味よ……まあいいわ、とにかく男女の間柄というわけではないようね」


自分の知らぬところでレナが夢の世界で女性と会っていたことにシズネは警戒していたが、二人のやり取りを見て仲は良いが恋愛的な関係ではなく、むしろ姉弟のような間柄に見えた。それだけ知れればシズネは十分であり、彼女はアイリスに尋ねる。


「丁度いい機会だわ、レナのことを色々と助けているそうだけど具体的にどんな風に助けてきたのか教えてくれるかしら?できれば私と出会う前のレナの話を聞かせて欲しいわ」
「そうですか?ではレナさんの初恋の相手がメイドのお姉さんの話をしましょうか」
「ちょ、何を言い出して……」
「レナの初恋!?き、聞かせなさい!!」


レナの初恋の相手と聞いてシズネは俄然興味を抱き、彼がどんな人物を好んでいるのか朝まで問い質す――





※エリナの場合

「へえ、ここが夢の世界なんですか。まさか兄貴の言っていたことが本当だったなんて……てっきり、あたしは襲われると思ってドキドキしてました」
「なんでやねん」
「いや、いきなり一緒に寝てくれなんて言われたら誤解しますよ」


エリナを夢の世界に連れ込んだレナは他の者と比べてあっさりと夢の世界を受け入れた彼女に安堵する。コトミンも受け入れるのは早かったが、他の者はやはり夢の世界に連れ込まれても最初の内は戸惑ってここが現実ではないことを受け入れるまで時間が掛かった。


「何だか本当に不思議な場所ですね。ここでならどんな願いも叶うんですよね?」
「そうですね。大抵の願いは叶いますよ」
「それじゃあ……もしも兄貴が良かったら実はやりたいことがあったんですよ」
「やりたいこと?」


レナはエリナが自分に頼みごとをしてくるのを珍しいと思い、彼女がどんな願いを告げるのか尋ねると意外な答えが返ってきた。



「ひゃっは~!!楽しいですね兄貴!!」
「ヒヒンッ!!」
「ちょ、早い早い!?」
「大丈夫ですよ。ここは夢なんだから落ちても怪我なんかすぐに治せますから」


エリナの願いはレナと一緒にユニコーンに跨る事であり、男性を嫌うユニコーンは本来は女性以外を乗せることは有り得ない。しかし、夢の世界で生み出されたユニコーンならばレナも乗せて走ることができた。

レナと一緒にユニコーンで駆け回ることがエリナの望みであり、彼女は嬉しそうに駆け回る。レナはウル以外の生き物には乗り慣れていないので振り落とされないようにエリナにしがみつく。


「しっかりとあたしにしがみついてくださいね兄貴!!」
「わ、分かった……うわぁっ!?」
「ひゃんっ、そ、そこは胸っす……もう、兄貴のエッチ!!」
「定番のネタですね」
「ヒヒンッ!!(人の背中でいちゃつくな!!)」


夢の世界で想像されたはずなのにユニコーンは自我があるように抗議の鳴き声を上げた。





※ハルナが来た場合

「がつがつっ……おかわり!!」
「どんだけ食べるんだよ!?」
「食べてばっかりですねこの人……」


ハルナは夢の世界へ訪れた途端にどんな願い事も叶うと知ると、自分が知らない美味しい食べ物を食べたいと言い出した。そこでレナとアイリスは現実世界の料理を用意すると彼女は美味しそうに喰らいつく。


「美味い!!寿司、ラーメン、カレー!!こんな美味いの初めてだ!!」
「はあっ……でも、ここでの記憶は起きたら忘れるけどね」
「良いんだよ!!忘れるとしても美味しい物をたくさん食べられるだけで十分だ!!」
「全く、作る方の身にもなって欲しいですよ。はい、チャーハンお待ち!!」
「いや、自分で作るんかい!!」


その気になれば一瞬で料理をできるのにアイリスはわざわざ調理器具を調達して料理を作り出す。まるでプロの料理人並に手際よく料理を作り出すアイリスの姿にレナは突っ込む。


「ふふふ、私はこう見えても料理ができるんです。何時の日かレナさんに手料理を振舞う日が来ると思って修行してたんですよ」
「そんなことをしてたのか」
「このチャーハンも美味い!!おかわり!!」
「お前は少しは遠慮しろ!!」


いくらこの世界ではお腹を壊さないとはいえ、ハルナは遠慮なく次々と料理を頼む。結局は朝まで彼女は料理を堪能したが、朝起きると記憶を失っていたために妙な空腹感に襲われてその日の朝飯は全部独り占めにしたという――
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