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蛇足編
紛い物の拳
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「うおおおっ!!」
「ほう……それが噂に聞く鬼人化かい」
ゴンゾウの全身の血管が浮きあがり、彼の身体が赤く染まる光景を見てミヤは笑みを浮かべた。ダインと行動を共にするゴンゾウの情報も彼女は事前に掴んでおり、呪術人形と化したオウガに命じる。
「無駄だよ。そんな力を使っても私の人形には敵わない」
「何だと……うおっ!?」
「ゴンゾウ!?」
「そんな馬鹿なっ!?」
最初はオウガを押し込んでいたゴンゾウだったが、急にオウガの力が強くなったのか逆に押し返されてしまう。鬼人化を発動させたゴンゾウが力負けする姿にダインとミイネは信じられないが、この時にダインはいち早くオウガの異変に気が付く。
「まさか……闇属性の魔力か!?」
「魔力!?何の話ですか!?」
「こいつの身体から滲み出ている闇属性の魔力のせいでゴンゾウの力が乱されているんだ!!」
「ふふっ……気付くのが遅かったね」
オウガは全身から闇属性の魔力を滲みだしており、それに直に触れたゴンゾウは体内の魔力が乱されて力が発揮できない。発動させた鬼人化も強制的に解除されてしまい、ゴンゾウは苦し気な表情を浮かべた。
ゴンゾウは闇属性の魔法耐性がないので抗うことはできず、徐々にオウガに押し込まれていく。彼が魔鎧術の使い手ならば自分の肉体を魔力で覆うことで闇属性の魔力を防ぐことはできたが、生憎とゴンゾウにそんな器用な真似はできない。
「ダインさん!!どうすればいいんですか!?何か手はないんですか!?」
「くっ……そうだ!!これならどうだ!!」
「ぬおっ!?」
ダインは杖を構えると自分の影をゴンゾウへと伸ばし、彼の身体に纏わりつかせた。本来は敵を拘束するために利用する影魔法を逆に利用し、ゴンゾウの身体に纏わせて彼の身体を無理やり動かす。
「ゴンゾウ!!僕を信じろ!!」
「……おうっ!!」
「ウオオッ!?」
影魔法でゴンゾウは全身に「影の鎧」を纏い、ダインの影魔法は触れていても体調を崩すことはない。オウガの肉体に直接触れなければ体調を乱すことはなく、影の鎧をまとったゴンゾウはオウガを殴りつける。
「金剛撃!!」
「ガハァッ!?」
「ちっ、こざかしい真似を……あんたも行きな!!」
「させませんよ!!」
ミヤはアルドラを操作してオウガの援護に向かわせようとしたが、ミイネが前に出て彼女と対峙する。本物のアルドラはシズネと渡り合える強者だが、現在の彼女はあくまでも死体を操られている存在なので吸血鬼の能力は一切扱えない。
アルドラに対してミイネは鞄からある道具を取り出す。こちらは監獄都市を離れる際に母親のミレイから受け取った代物であり、道具の正体は特別な液体が入った小瓶だった。
「喰らえっ!!」
「っ!?」
「……回復薬?そんな物で止められると思うのかい?」
ミイネが取り出した小瓶は回復薬を詰め込むのに利用されることが多い薬瓶であり、それを見たミヤは回復薬など振りかけても意味はないことを伝えた。聖水の類ならば効果はあるが、生憎と回復薬では死者を蘇らせた存在には何の効果もない。
しかし、ミイネが取り出したのはただの回復薬などではなく、実はサキュバスである母親が造った特殊な回復薬だった。ミレイはダインとの仲が発展した時のために娘に特殊な回復薬を渡し、その効果は蘇生効果がある特殊な薬である。
「グゥウッ……アアアアアッ!?」
「なっ!?馬鹿な、まさかこんなことが……」
「な、何だ!?」
「……吸血鬼とサキュバスの生命力を舐めないでください。死体が五体満足なら蘇生薬を与えるだけで生き返ることもあるんですよ」
母親がサキュバスなのでミイネは生態に詳しく、完全に死んだと思われたアルドラだったが彼女が与えた蘇生薬に反応した。肉体は腐りかけて他の死体と繋ぎ合わされた状態でも蘇生薬を与えた途端にアルドラは死の淵から蘇ろうとしていた。
「馬鹿な!!完全に死んでいたはずだ!!生き返るはずがない!?」
「貴方は吸血鬼の癖にこんなことも知らないんですか?何百年も前に封印されてミイラ同然の姿になろうと復活する吸血鬼だっているんです」
「その話、マジか!?」
「ダイン!!今の内に決めるぞ!!」
ミイネの話にダインは驚かされるが、ゴンゾウがダインに合図を出す。ダインはゴンゾウの意図を察して彼に纏わせていた影の鎧を解除させ、オウガに目掛けて影の一部を切り離して作り出した狼の頭を仕掛ける。
「シャドウバイト!!」
「グオッ!?」
ダインが黒狼を作り出してオウガに噛みつかせると、それを見てゴンゾウは鬼人化を発動させて渾身の力を右手に込める。オウガに直接触れれば彼の肉体は乱されるが、一瞬だけ触るならば問題はなく、ダインの黒狼がオウガに噛みついて時間を稼いでいる間にゴンゾウは止めの一撃を繰り出す。
「金剛狼撃!!」
「ガアアアアッ!?」
黒狼越しにゴンゾウは強烈な一撃を叩き込み、攻撃を受けたオウガの肉体は吹き飛ぶ。この時に苦しんでいたアルドラは吹き飛ばされたオウガを見て咄嗟に彼の身体を受け止めようとした。だが、オウガの巨体をアルドラが受け止め切れるはずがなく、二人は壁に押し潰された。
「ほう……それが噂に聞く鬼人化かい」
ゴンゾウの全身の血管が浮きあがり、彼の身体が赤く染まる光景を見てミヤは笑みを浮かべた。ダインと行動を共にするゴンゾウの情報も彼女は事前に掴んでおり、呪術人形と化したオウガに命じる。
「無駄だよ。そんな力を使っても私の人形には敵わない」
「何だと……うおっ!?」
「ゴンゾウ!?」
「そんな馬鹿なっ!?」
最初はオウガを押し込んでいたゴンゾウだったが、急にオウガの力が強くなったのか逆に押し返されてしまう。鬼人化を発動させたゴンゾウが力負けする姿にダインとミイネは信じられないが、この時にダインはいち早くオウガの異変に気が付く。
「まさか……闇属性の魔力か!?」
「魔力!?何の話ですか!?」
「こいつの身体から滲み出ている闇属性の魔力のせいでゴンゾウの力が乱されているんだ!!」
「ふふっ……気付くのが遅かったね」
オウガは全身から闇属性の魔力を滲みだしており、それに直に触れたゴンゾウは体内の魔力が乱されて力が発揮できない。発動させた鬼人化も強制的に解除されてしまい、ゴンゾウは苦し気な表情を浮かべた。
ゴンゾウは闇属性の魔法耐性がないので抗うことはできず、徐々にオウガに押し込まれていく。彼が魔鎧術の使い手ならば自分の肉体を魔力で覆うことで闇属性の魔力を防ぐことはできたが、生憎とゴンゾウにそんな器用な真似はできない。
「ダインさん!!どうすればいいんですか!?何か手はないんですか!?」
「くっ……そうだ!!これならどうだ!!」
「ぬおっ!?」
ダインは杖を構えると自分の影をゴンゾウへと伸ばし、彼の身体に纏わりつかせた。本来は敵を拘束するために利用する影魔法を逆に利用し、ゴンゾウの身体に纏わせて彼の身体を無理やり動かす。
「ゴンゾウ!!僕を信じろ!!」
「……おうっ!!」
「ウオオッ!?」
影魔法でゴンゾウは全身に「影の鎧」を纏い、ダインの影魔法は触れていても体調を崩すことはない。オウガの肉体に直接触れなければ体調を乱すことはなく、影の鎧をまとったゴンゾウはオウガを殴りつける。
「金剛撃!!」
「ガハァッ!?」
「ちっ、こざかしい真似を……あんたも行きな!!」
「させませんよ!!」
ミヤはアルドラを操作してオウガの援護に向かわせようとしたが、ミイネが前に出て彼女と対峙する。本物のアルドラはシズネと渡り合える強者だが、現在の彼女はあくまでも死体を操られている存在なので吸血鬼の能力は一切扱えない。
アルドラに対してミイネは鞄からある道具を取り出す。こちらは監獄都市を離れる際に母親のミレイから受け取った代物であり、道具の正体は特別な液体が入った小瓶だった。
「喰らえっ!!」
「っ!?」
「……回復薬?そんな物で止められると思うのかい?」
ミイネが取り出した小瓶は回復薬を詰め込むのに利用されることが多い薬瓶であり、それを見たミヤは回復薬など振りかけても意味はないことを伝えた。聖水の類ならば効果はあるが、生憎と回復薬では死者を蘇らせた存在には何の効果もない。
しかし、ミイネが取り出したのはただの回復薬などではなく、実はサキュバスである母親が造った特殊な回復薬だった。ミレイはダインとの仲が発展した時のために娘に特殊な回復薬を渡し、その効果は蘇生効果がある特殊な薬である。
「グゥウッ……アアアアアッ!?」
「なっ!?馬鹿な、まさかこんなことが……」
「な、何だ!?」
「……吸血鬼とサキュバスの生命力を舐めないでください。死体が五体満足なら蘇生薬を与えるだけで生き返ることもあるんですよ」
母親がサキュバスなのでミイネは生態に詳しく、完全に死んだと思われたアルドラだったが彼女が与えた蘇生薬に反応した。肉体は腐りかけて他の死体と繋ぎ合わされた状態でも蘇生薬を与えた途端にアルドラは死の淵から蘇ろうとしていた。
「馬鹿な!!完全に死んでいたはずだ!!生き返るはずがない!?」
「貴方は吸血鬼の癖にこんなことも知らないんですか?何百年も前に封印されてミイラ同然の姿になろうと復活する吸血鬼だっているんです」
「その話、マジか!?」
「ダイン!!今の内に決めるぞ!!」
ミイネの話にダインは驚かされるが、ゴンゾウがダインに合図を出す。ダインはゴンゾウの意図を察して彼に纏わせていた影の鎧を解除させ、オウガに目掛けて影の一部を切り離して作り出した狼の頭を仕掛ける。
「シャドウバイト!!」
「グオッ!?」
ダインが黒狼を作り出してオウガに噛みつかせると、それを見てゴンゾウは鬼人化を発動させて渾身の力を右手に込める。オウガに直接触れれば彼の肉体は乱されるが、一瞬だけ触るならば問題はなく、ダインの黒狼がオウガに噛みついて時間を稼いでいる間にゴンゾウは止めの一撃を繰り出す。
「金剛狼撃!!」
「ガアアアアッ!?」
黒狼越しにゴンゾウは強烈な一撃を叩き込み、攻撃を受けたオウガの肉体は吹き飛ぶ。この時に苦しんでいたアルドラは吹き飛ばされたオウガを見て咄嗟に彼の身体を受け止めようとした。だが、オウガの巨体をアルドラが受け止め切れるはずがなく、二人は壁に押し潰された。
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