不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
2,068 / 2,091
蛇足編

格の違い

しおりを挟む
「なっ!?馬鹿な……あの七魔将を!?」
「七魔将じゃない……こいつらはもうただの死体だ」
「ダインの言う通りだ。生きていた頃のこの二人の実力はこの程度のはずがない!!」
「当然の話ですよね。他の人間の魂が肉体を完璧に操れるはずがないんですよ」


オウガとアルドラの肉体を完璧に操れるのは本人しかおらず、本物の二人ならばこの程度で倒せるはずがなかった。如何に七魔将が強靭な肉体の持ち主だろうと死体の状態では生前の力を発揮できるはずもなく、ましてや他の人間の怨霊を憑依させたところで二人の本当の力を発揮できるはずがない。

二人の死体は壁に押し潰されて見るも無残な姿になったが、それでもお互いに抱きしめ合う形で埋まっていた。ミヤはそれを見て忌々しい表情を浮かべ、肉体が崩壊した時に憑依させていた怨霊も解き放たれた。これでもう彼女を守る存在は居なくなった。


「ミヤ!!これでお終いだ……お前は僕一人で倒す!!」
「ガキが……調子に乗るんじゃないよ!!」


ミヤの前にダインが迫ると、自分に対して生意気な態度を取るダインにミヤは杖を振りかざす。それに対してダインも自分の杖を構えて受け止め、二人の杖が衝突した瞬間に闇属性の魔力を互いに纏う。


「ゴンゾウ、ミイネ!!下がってろ!!」
「ここはダインに任せるぞ!!」
「はい!!必ず勝って帰ってきてください!!」
「ガキ共、逃がすか!!」


ミヤは逃げ出そうとするゴンゾウとミイネを捕まえようと影魔法を繰り出し、巨大な黒腕を形成して二人に伸ばす。それに対してダインは影人形を作り出して二人を捕まえようとする黒腕を掴み取る。


「影魔法で僕に勝てると思うな!!」
「ちぃっ!?闇魔導士如きが……」
「うるさい!!呪術師の分際で偉そうにすんなっ!!」


自分の影を捕らえたダインにミヤは苛立つが、ダインは影を操作してミヤの作り出した黒腕を破壊する。本来であれば影魔法で造り出した影は物理攻撃は通じないが、同じく影魔法で構成された影の攻撃は通じる。影同士の戦いとなれば影を構成する魔力の密度で勝敗が決まり、ダインとミヤは全魔力を解放して影人形を作り出す。


「くたばれっ!!」
「お前がなっ!!」


全身に影をまとったダインとミヤはお互いに影の巨人へと変貌し、下水道内で戦闘を繰り広げた。ミヤは複数の黒腕を至る所に作り出してダインを殴りつける。


「死ね死ね死ね死ねっ!!」
「ぐぐっ……喰らうかっ!!」


無数の黒腕の連続攻撃に対してダインは両手を交差して攻撃を防ぎ、拳の部分を狼の頭に変形させた。繰り出させる黒腕の何本かに噛みつき、力ずくでミヤを引き寄せて肘を顔面部分に喰らわせた。


「おらぁっ!!」
「ぐふぅっ!?」


バル仕込みの喧嘩殺法でミヤに攻撃を当てたダインは今度は両腕を左右に伸ばし、腕の部分を伸ばしてミヤに抱きつく。そして彼女の身体を持ち上げて突っ込んだ。

通路内をミヤを持ち上げ乍らダインは駆け抜け、ミヤは必死に逃げようとするがびくともしない。シャドウ家の怨念を従えて膨大な闇属性の魔力を得たはずのミヤでさえも今のダインの魔力には及ばず、彼が自分を越える魔力を身に着けていたことに驚愕する。


「そんな馬鹿な……何故、闇魔導士如きがこれほどの魔力を!?」
「舐めんなっ!!僕だって成長してるんだよ!!」
「ふざけるな!!この力はまさかオウネンの……!?」


ミヤはダインが自分を越える魔力を持つことが信じられず、彼の中にオウネンが所有していたはずの闇の聖痕の力を感じ取る。ダインは闇の聖痕の力で魔力を増幅させていると判断したミヤは彼が聖痕の力を使いこなしていることに動揺する。


(有り得ない!!あのみっともなく泣き叫んでいたガキがオウネンの力を使いこなすなんて……違う、その力は本来は私の物だ!!)


ミヤはシャドウ家に居た時は次期当主と謳われており、もしもオウネンが何らかの理由で亡くなっていれば彼の力はミヤが引き継ぐはずだった。ミヤは自分が見下していたダインが闇の聖痕を宿していること自体が許せず、彼から聖痕の力を奪おうとする。


「その力を寄越せぇえええっ!!」
「取れるもんなら取ってみろぉおおっ!!」


ダインの聖痕の力を奪おうとミヤは足掻くが、そんな彼女の顔面を掴んだ状態でダインは下水道の壁に叩きつけた。影人形を纏っている限りはどんな物理攻撃も通じないが、ダインは何度も壁にミヤを叩きつけて影の鎧を引き剥がす。


「おらおらおらおらっ!!」
「ぐふっ!?がはっ!?このっ……ぐはぁっ!?」
「うおらぁっ!!」


影人形を全身に纏った状態ならばダインは格闘家の戦技も扱え、レナの得意とする弾撃を繰り出す。強烈な一撃にミヤの纏っていた影の鎧の一部が剥がれ、それを逃さずにダインは右手を狼の頭に変化させて繰り出す。


「シャドウバイト!!」
「がぁあああっ!?」


ミヤの腹部に黒狼の牙が食い込み、彼女の体内に満たされた闇属性の魔力をダインは奪い取る。闇の聖痕の力を利用してダインはミヤの魔力を吸収する。しかし、ミヤは魔力を奪われながら笑みを浮かべた。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。