不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

世界一の闇魔導士

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「馬鹿が……お前程度に私の魔力を吸い込めると思ってるのかい!?」
「うぐぅっ!?」
「ダインさん!!」
「駄目だ!!近付くな!!」


ミヤの魔力を吸い上げようとしたダインだったが、ミヤは影の鎧を変形させて無数の黒腕へと変貌させてダインを取り抑えた。拘束されたダインを見てミイネは助けに向かおうとしたが、それをゴンゾウが引き留めた。自分達の力を借りずともダインはミヤに負けないことを信じていた。


「舐めんなぁっ!!」
「ぐぅうっ!?そんな馬鹿な……がああっ!?」


身体を拘束されていようと構わずにダインはミヤの魔力を吸い上げ、黒腕を形成できないほどにミヤは魔力を奪われていく。徐々に彼女の身体が元の老婆の姿に戻っていき、ミヤは苦し気な表情を浮かべた。


「あ、あり得ない……私は呪術師だぞ!!闇魔導士如きに……!?」
「よく覚えておけ!!僕は世界一の闇魔導士だぁあああっ!!」


闇の聖痕を完全開放したダインはミヤの魔力を吸収し尽くすと、彼女はミイラのように身体が萎んでいく。肉体は既に限界を迎えており、シャドウ家の怨念を取り込んだことで保っていた命も限界を迎える。


「あがぁあああっ!?」
「うおおおおおっ!!」


ミヤは大口を開くと黒霧を吐き出し、それに気づいたダインは掌を離す。彼女が吐き出したのは自分の魂であり、自ら怨霊と化したミヤは肉体から逃れた。ダインはミヤの肉体から離れると、怨霊と化した彼女と向き合う。


『おのれぇっ……殺してやるぅっ!!』
「……くたばれ!!」


影魔法を発動させて右手を影で覆い込んだダインは怨霊と化したミヤに手を伸ばし、自分に取り付こうとしてきた彼女を掴み取る。聖属性の魔法でなければ怨霊は完全に浄化はできないが、ここまでの戦闘で魔力を大部分消耗しているので粉々に砕けばミヤは二度と復活できない。

自分の掌に収まった怨霊のミヤを求めてダインは何とも言えない表情を浮かべた。彼女をここで始末すればダインは自分と同じ血筋の人間を完全に失う。今まで散々痛めつけられてきた相手とはいえ、ミヤが肉親であることに変わりはない。だからダインはせめて最後に別れの言葉を告げた。


「これでさよならだ婆さん……あんたの執念深さだけは尊敬するよ」
『ダィイインッ!!』
「終わりだ!!」


ダインは右手を壁に叩きつけてミヤの魂を粉々に打ち砕く。いくら怨霊だろうと二度と復活できないほどに粉砕され、影魔法を解除するとダインはミヤの肉体を見下ろす。もう彼女の身体は抜け殻その物であり、呪術の反動で肉体は崩壊を始めていた。


「ど、どうなってるんですかこれ!?」
「……まるでミイラだな」
「これが呪術師の最期なんだよ」


死んだ途端にミヤの肉体はまるで何百年も時が経過したかのようにしなびれ、原型を留めていなかった。呪術師は命を終えると例外なく肉体は干からびてしまい、生前の姿を留めることはない。ダインはそれを見て自分も呪術師として生まれていたら彼女のように死んでいたのかと考える。

闇魔導士として生まれてきたせいでダインは幼い頃から迫害されてきた。だが、闇魔導士でなければダインはシャドウ家から逃げ出さず、レナ達にも出会えなかった。レナ達と出会えたお陰でダインはたくさんの宝物を得られたと思う。


「ふうっ……二人ともありがとう」
「え?急にどうしたんですか?」
「ダイン?」
「う、うるさいな……ほら、早く帰るぞ。こんな汚い場所にいられるか!!」


二人に礼を告げるとダインは気恥ずかしさを覚えて下水道を後にした。ミヤの死体に関しては後で始末することを決め、今は一刻も早く帰って身体を休ませたかった。最後に去り際にダインはミヤへ振り返り、自分の闇の聖痕に手を伸ばす


(婆さん、あんたは聖痕には選ばれなかったんだよ)


ブラクと対峙した時はダインは聖痕を奪われそうになったが、ミヤとの戦闘では結局一度も聖痕は彼女に反応しなかった。聖痕をここまで使用してきたからこそダインは理解していた。聖痕は所有者よりも聖痕の力に適した人間を見つけると反応する。しかし、ミヤとの戦闘では聖痕は一度も彼女に反応しなかった。

闇の聖痕はミヤよりもダインを所有者として相応しいと判断したらしく、真の意味でダインは聖痕に選ばれた存在となった。先ほどは冗談交じりで告げた世界一の闇魔導士という称号もあながち嘘ではなく、世界で闇の聖痕を使いこなせるのはダインだけだった。ここまでダインが成長できたのは仲間のお陰であり、この場にはいない親友にも感謝の言葉を告げる。


「ありがとな、レナ……」
「ダインさん?レナさんがどうかしました?」
「な、何も言ってないよ!!ほら、帰るぞ!!」


自分がここまで強くなれたのはレナのお陰だとダインは考えており、面と向かって彼に感謝の言葉を告げられないのでダインはこっそりと呟くことしかできなかった。




※なんかダインがツンデレヒロインみたいになりました(笑)
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