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蛇足編
閑話 《大魔導士VS白竜》
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「ぷるぷるっ(この崖の上にあの女のハウスがあるのね)」
「プルミンちゃん?何か変なことを考えていない?」
「嬢ちゃん、気を抜くなよ……さっきから嫌な予感が止まらねえ」
「マリア様、気を付けてください」
「ええ、分かってるわ」
崖の前に移動したマリア達は異様な気迫を感じ取っていた。頂上に強大な力を持つ存在が待ち構えていることは間違いなく、崖を登るのであれば覚悟を決めなければならない。
「おい、嬢ちゃん。本当にこの上にゴールドスライムがいるのか?」
「ええ、それは間違いないわ。風の精霊が教えてくれたもの」
「やっぱり冒険都市で現れた白竜がこの上にいるのか?でも前にリーリスとかいう嬢ちゃんが乗ってきた奴じゃないのか?」
「レナ……様がいればリーリスとやらと連絡が取れたのでは?」
「いない人間に頼るわけにはいかないでしょう。それに仮にあの白竜がレナの知り合いのペットだとしても、ゴールドスライムを奪った以上は敵よ」
「そういえばマリアはどうしてゴールドスライムに拘っているの?貴方はお金持ちなんだからゴールドスライムの黄金にも興味はないと思ってたけど……」
「そ、そんなことはないわ!!ゴールドスライムの生み出す黄金は特別なのだから私も前々から興味があったのよ!!」
アイラの疑問にマリアは慌てて誤魔化し、これ以上に彼女に追及される前にゴールドスライムの回収を急ぐ。崖を前にしてシュンはどうやって登るのかを尋ねる。
「これぐらいの崖なら俺と嬢ちゃんとカゲマルはどうにでもなるが、嬢ちゃんはどうするつもりだ?飛翔魔法で空を飛ぶのか?」
「何を言っているの?そんな物は必要ないわ、貴方達も危ないから下がっていなさい」
「必要ないって……どうするつもりだ?」
「こうすればいいのよ」
マリアは杖を取り出すと大地に突き刺して魔法陣を展開した。それを見たアイラは慌てふためき、シュンとカゲマルに急いで離れるように指示する。
「二人とも急いで離れて!!」
「嬢ちゃん?」
「急にどうされたのですか?」
「いいから走りなさい!!」
「「あいたぁっ!?」」
アイラはマリアが魔法を発動させる前にシュンとカゲマルの尻を引っ叩き、二人を無理やりに走らせた。アイラ達が離れるまでマリアは待つと、彼女は無詠唱で最初に大地を盛り上げる魔法を繰り出す。マリアの立っている場所の地面が盛り上がり、土砂が練り固まって巨大な岩石のように変化した。
規模は違うがマリアが使用したのはレナも扱う「土塊」の魔法の上位互換であり、レナの場合は両手を地面に押し当てながら魔力で土砂を操作するが、マリアの場合は杖を通してより広範囲に魔力を送り込む。盛り上げた土砂を一点に集中させることで強度を固め、岩石並に硬さを誇る土の塊を生み出す。
「ブラスト!!」
「うわっ!?」
「な、なんだ!?」
「二人ともこの岩に隠れて!!」
地面から浮き上げた土塊にマリアは火属性の上級魔法を繰り出し、爆炎が土塊を包み込む。本来は爆破系の攻撃魔法だが、魔力を調整することで土塊に火炎を纏わせる。さらにマリアは広域魔法を発動させて上空へと飛翔させた。
「サイクロン!!」
「おわわっ!?」
「ぷるるるっ!?」
「ああ、プルミンちゃんがまた大変な姿に!?」
「アイラ殿、手を離さないで!!」
竜巻が発生して再びアイラ達は吹き飛ばされそうになるのを耐え、その間にマリアは竜巻を調整して作り上げた土塊と火炎の塊を遥か上空へと上昇させた。土属性、火属性、風属性の三つの魔法を組み合わせた合成魔術であり、その威力は最上級魔法にも匹敵する。
「さあ、落ちてきなさい……天の炎よ」
マリアが杖を振り下ろすと上空に浮き上がった物体は崖の頂上に目掛けて落ちていく。さながら隕石を思わせる物体は凄まじい勢いで落下し、もしも地上に衝突したら辺り一面が衝撃波で吹き飛ぶ威力はあった。それを見たシュンは愕然とした。
「じょ、嬢ちゃん!!やり過ぎだぞ!?俺達まで死ぬだろうが!!」
「マリア様!!この後はどうするのですか!?」
「だ、大丈夫よ!!マリアだって考え無しで有んな魔法を使う子じゃないわ!!そうでしょう?」
「……落ち着きなさい、問題ないわ。この程度の魔法ならね」
「ぷるっくりんっ(この程度ってどの程度!?)」
崖に目掛けて落下する隕石にマリアは特に表情も変えずに見上げたまま動かず、彼女ならば結界魔法やあるいは防御魔法を発動させて隕石の衝撃波を防ぐこともできる。だが、それをしないのは崖の頂上にいる存在が隕石如きでは倒せない存在だと気が付いているからだった。
――隕石が崖の上に落ちる前に一筋の光が天空に目掛けて放たれ、マリアが造り上げた隕石を貫く。空中で崩壊した隕石は粉々になって砕け散り、それを見届けたマリアは笑みを浮かべた。直後に崖の上から咆哮が響き渡り、竜族の王が姿を現わす。
「プルミンちゃん?何か変なことを考えていない?」
「嬢ちゃん、気を抜くなよ……さっきから嫌な予感が止まらねえ」
「マリア様、気を付けてください」
「ええ、分かってるわ」
崖の前に移動したマリア達は異様な気迫を感じ取っていた。頂上に強大な力を持つ存在が待ち構えていることは間違いなく、崖を登るのであれば覚悟を決めなければならない。
「おい、嬢ちゃん。本当にこの上にゴールドスライムがいるのか?」
「ええ、それは間違いないわ。風の精霊が教えてくれたもの」
「やっぱり冒険都市で現れた白竜がこの上にいるのか?でも前にリーリスとかいう嬢ちゃんが乗ってきた奴じゃないのか?」
「レナ……様がいればリーリスとやらと連絡が取れたのでは?」
「いない人間に頼るわけにはいかないでしょう。それに仮にあの白竜がレナの知り合いのペットだとしても、ゴールドスライムを奪った以上は敵よ」
「そういえばマリアはどうしてゴールドスライムに拘っているの?貴方はお金持ちなんだからゴールドスライムの黄金にも興味はないと思ってたけど……」
「そ、そんなことはないわ!!ゴールドスライムの生み出す黄金は特別なのだから私も前々から興味があったのよ!!」
アイラの疑問にマリアは慌てて誤魔化し、これ以上に彼女に追及される前にゴールドスライムの回収を急ぐ。崖を前にしてシュンはどうやって登るのかを尋ねる。
「これぐらいの崖なら俺と嬢ちゃんとカゲマルはどうにでもなるが、嬢ちゃんはどうするつもりだ?飛翔魔法で空を飛ぶのか?」
「何を言っているの?そんな物は必要ないわ、貴方達も危ないから下がっていなさい」
「必要ないって……どうするつもりだ?」
「こうすればいいのよ」
マリアは杖を取り出すと大地に突き刺して魔法陣を展開した。それを見たアイラは慌てふためき、シュンとカゲマルに急いで離れるように指示する。
「二人とも急いで離れて!!」
「嬢ちゃん?」
「急にどうされたのですか?」
「いいから走りなさい!!」
「「あいたぁっ!?」」
アイラはマリアが魔法を発動させる前にシュンとカゲマルの尻を引っ叩き、二人を無理やりに走らせた。アイラ達が離れるまでマリアは待つと、彼女は無詠唱で最初に大地を盛り上げる魔法を繰り出す。マリアの立っている場所の地面が盛り上がり、土砂が練り固まって巨大な岩石のように変化した。
規模は違うがマリアが使用したのはレナも扱う「土塊」の魔法の上位互換であり、レナの場合は両手を地面に押し当てながら魔力で土砂を操作するが、マリアの場合は杖を通してより広範囲に魔力を送り込む。盛り上げた土砂を一点に集中させることで強度を固め、岩石並に硬さを誇る土の塊を生み出す。
「ブラスト!!」
「うわっ!?」
「な、なんだ!?」
「二人ともこの岩に隠れて!!」
地面から浮き上げた土塊にマリアは火属性の上級魔法を繰り出し、爆炎が土塊を包み込む。本来は爆破系の攻撃魔法だが、魔力を調整することで土塊に火炎を纏わせる。さらにマリアは広域魔法を発動させて上空へと飛翔させた。
「サイクロン!!」
「おわわっ!?」
「ぷるるるっ!?」
「ああ、プルミンちゃんがまた大変な姿に!?」
「アイラ殿、手を離さないで!!」
竜巻が発生して再びアイラ達は吹き飛ばされそうになるのを耐え、その間にマリアは竜巻を調整して作り上げた土塊と火炎の塊を遥か上空へと上昇させた。土属性、火属性、風属性の三つの魔法を組み合わせた合成魔術であり、その威力は最上級魔法にも匹敵する。
「さあ、落ちてきなさい……天の炎よ」
マリアが杖を振り下ろすと上空に浮き上がった物体は崖の頂上に目掛けて落ちていく。さながら隕石を思わせる物体は凄まじい勢いで落下し、もしも地上に衝突したら辺り一面が衝撃波で吹き飛ぶ威力はあった。それを見たシュンは愕然とした。
「じょ、嬢ちゃん!!やり過ぎだぞ!?俺達まで死ぬだろうが!!」
「マリア様!!この後はどうするのですか!?」
「だ、大丈夫よ!!マリアだって考え無しで有んな魔法を使う子じゃないわ!!そうでしょう?」
「……落ち着きなさい、問題ないわ。この程度の魔法ならね」
「ぷるっくりんっ(この程度ってどの程度!?)」
崖に目掛けて落下する隕石にマリアは特に表情も変えずに見上げたまま動かず、彼女ならば結界魔法やあるいは防御魔法を発動させて隕石の衝撃波を防ぐこともできる。だが、それをしないのは崖の頂上にいる存在が隕石如きでは倒せない存在だと気が付いているからだった。
――隕石が崖の上に落ちる前に一筋の光が天空に目掛けて放たれ、マリアが造り上げた隕石を貫く。空中で崩壊した隕石は粉々になって砕け散り、それを見届けたマリアは笑みを浮かべた。直後に崖の上から咆哮が響き渡り、竜族の王が姿を現わす。
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