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忌み子と呼ばれた少年
第9話 一角兎の弱点
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「ぐはぁっ!?」
「じ、爺ちゃんっ!?」
「ギュイイッ!!」
外見は兎の様に小さくとも魔物である一角兎の突進力は強く、もしも鉈で防いでいなければアルの肉体は貫かれていた可能性もあった。どうにか鉈で角を防ぐ事には成功したが、アルは体当たりを受けた際に倒れてしまい、鉈を手放す。
一角兎は着地すると、今度はナイの方に視線を向ける。ナイは一角兎の姿を見て慌ててボーガンを構えようとしたが、先ほど矢を撃ったので新しい矢を装填しなければ使い物にならない。しかも矢筒はアルが持っているため、矢を装填する暇がない。
「ギュイイッ!!」
「ひぃっ!?」
「ナ、ナイ……ぐふっ!?」
今にも一角兎がナイを襲おうとする姿を見てアルは立ち上がろうとしたが、先ほどの体当たりの衝撃が思った以上に身体に負担を与え、口元から血を流す。その様子を見てナイは一角兎がアルに襲い掛かれば今度は命がないと思い、足元に落ちている石を拾い上げて一角兎に投げつける。
「こ、こっちだ!!」
「ナイ!?」
「ギュイイッ!?」
石を投げてナイは一角兎の注意を引くと、それを見たアルは慌てて引き留めようとした。だが、一角兎は完全にナイを狙いに定め、額の角を構えて突進する。
「ギュイッ!!」
「うわぁっ!?」
一角兎が飛び込む瞬間、ナイは咄嗟に頭を下げた。その行動は功を奏し、一角兎はナイの身体を飛び越えて彼の前に生えていた木に突っ込む。この際に額の角は樹皮へと突き刺さり、一角兎は角が木に突き刺さった状態でもがくように身体を動かす。
木に角が突き刺さっている間にナイは一角兎から距離を取り、できる限りアルから離れようとした。アルを守るためにナイは一角兎の注意を引きながら逃げる。
(走れ、走れ、走れ!!)
足を止めずにナイは森の中を駆け抜けるが、平地と違って障害物が多く、足元が転ばないように気を付けながら移動しなければならず、移動速度は遅い。
ナイがもたついている間に一角兎は樹皮からやっと角を引き抜くと、逃げ去ろうとするナイを追跡する。先ほどの突進で懲りたのか今度は無暗に飛びつくような真似はせず、少しずつ距離を詰めていく。
「ギュイイイイッ!!」
「はあっ、はあっ……くそっ、しつこいよっ!!」
先ほどまでは可愛らしいと思っていた一角兎ではあったが、自分を執拗につけ狙う姿にナイは段々と苛立ちを抱き、やがて川が流れている場所へと辿り着く。
(川!?そんな……これじゃあ、逃げられない!!)
森の中に流れている川を見てナイは顔を青ざめ、見た限りでは川はかなり深く、子供のナイでは川の底に足が届かない程の深さだった。ナイは今までに泳いだことはなく、向こう岸まで辿り着ける自信はない。
この時に川を無理に渡らなくても別の方向に逃げれば良かったのかもしれないが、考えている間にも一角兎は距離を詰め、この時にナイは振り返って一角兎と向き合うと、相手が身体を屈めて飛び込もうとしている事に気付く。
「ギュイイッ!!」
「うわぁっ!?」
屈んだ状態から一気に一角兎がナイに向けて飛び込むが、相手が跳躍する寸前にナイは身体を横にずらす。すると、一角兎は方向を変えられずにそのままナイの身体を素通りする。
(あれ……避けられた?)
あっさりと自分が一角兎の攻撃を回避した事にナイは戸惑うが、一角兎の方は着地すると慌てて身体を向け、もう一度狙いを定めてナイに飛び込もうとした。
「ギュイッ!!」
「わあっ!?」
一角兎の二度目の突進に対してもナイは事前に一角兎が飛び込む前に回避行動を取り、またもや攻撃を簡単に避けられた。一角兎は着地すると性懲りもなく突進を仕掛けようとした。
「ギュイッ!!」
「うわっ!!」
「ギュイイッ!!」
「おっと!?」
それから幾度も一角兎は突進を繰り返すが、その度にナイは相手の動きを予想し、簡単に攻撃を回避する。先ほどまでは障害物が多い場所だったので避けられる範囲も狭かったが、今は比較的に開けた場所に出たので簡単に避ける事が出来た。
確かに一角兎の突進力は凄まじいが、事前に一角兎は飛び込む際に身体を屈めて足に力を込める動作を取るため、その行動を先読みすれば子供のナイでも簡単に避ける事が出来た。いくら砲弾の様な速度で飛び込めると言っても、事前に攻撃される前に回避行動に移れば子供だろうと避ける事は容易い。
(こいつ……どんどん疲れてる)
しかも突進を繰り返す度に一角兎は体力を消耗し、徐々に身体の動きが鈍ってきた。その様子を見てナイはこれならば逃げ切れると判断し、何か一角兎の注意を引くものを探す。
(何かないか……これだ!!)
ナイは足元に落ちている石を拾い上げ、大きさは掌に収まるぐらいだった。石を手にしたナイは一角兎の行動を先読みし、跳躍の寸前に投げつける。
「このっ!!」
「ギャインッ!?」
飛び込もうとした寸前、隙だらけの一角兎の眉間に石が当たると、一角兎は悲鳴を上げて倒れ込む。その姿を見てナイは慌てて逃げ出した。
「じ、爺ちゃんっ!?」
「ギュイイッ!!」
外見は兎の様に小さくとも魔物である一角兎の突進力は強く、もしも鉈で防いでいなければアルの肉体は貫かれていた可能性もあった。どうにか鉈で角を防ぐ事には成功したが、アルは体当たりを受けた際に倒れてしまい、鉈を手放す。
一角兎は着地すると、今度はナイの方に視線を向ける。ナイは一角兎の姿を見て慌ててボーガンを構えようとしたが、先ほど矢を撃ったので新しい矢を装填しなければ使い物にならない。しかも矢筒はアルが持っているため、矢を装填する暇がない。
「ギュイイッ!!」
「ひぃっ!?」
「ナ、ナイ……ぐふっ!?」
今にも一角兎がナイを襲おうとする姿を見てアルは立ち上がろうとしたが、先ほどの体当たりの衝撃が思った以上に身体に負担を与え、口元から血を流す。その様子を見てナイは一角兎がアルに襲い掛かれば今度は命がないと思い、足元に落ちている石を拾い上げて一角兎に投げつける。
「こ、こっちだ!!」
「ナイ!?」
「ギュイイッ!?」
石を投げてナイは一角兎の注意を引くと、それを見たアルは慌てて引き留めようとした。だが、一角兎は完全にナイを狙いに定め、額の角を構えて突進する。
「ギュイッ!!」
「うわぁっ!?」
一角兎が飛び込む瞬間、ナイは咄嗟に頭を下げた。その行動は功を奏し、一角兎はナイの身体を飛び越えて彼の前に生えていた木に突っ込む。この際に額の角は樹皮へと突き刺さり、一角兎は角が木に突き刺さった状態でもがくように身体を動かす。
木に角が突き刺さっている間にナイは一角兎から距離を取り、できる限りアルから離れようとした。アルを守るためにナイは一角兎の注意を引きながら逃げる。
(走れ、走れ、走れ!!)
足を止めずにナイは森の中を駆け抜けるが、平地と違って障害物が多く、足元が転ばないように気を付けながら移動しなければならず、移動速度は遅い。
ナイがもたついている間に一角兎は樹皮からやっと角を引き抜くと、逃げ去ろうとするナイを追跡する。先ほどの突進で懲りたのか今度は無暗に飛びつくような真似はせず、少しずつ距離を詰めていく。
「ギュイイイイッ!!」
「はあっ、はあっ……くそっ、しつこいよっ!!」
先ほどまでは可愛らしいと思っていた一角兎ではあったが、自分を執拗につけ狙う姿にナイは段々と苛立ちを抱き、やがて川が流れている場所へと辿り着く。
(川!?そんな……これじゃあ、逃げられない!!)
森の中に流れている川を見てナイは顔を青ざめ、見た限りでは川はかなり深く、子供のナイでは川の底に足が届かない程の深さだった。ナイは今までに泳いだことはなく、向こう岸まで辿り着ける自信はない。
この時に川を無理に渡らなくても別の方向に逃げれば良かったのかもしれないが、考えている間にも一角兎は距離を詰め、この時にナイは振り返って一角兎と向き合うと、相手が身体を屈めて飛び込もうとしている事に気付く。
「ギュイイッ!!」
「うわぁっ!?」
屈んだ状態から一気に一角兎がナイに向けて飛び込むが、相手が跳躍する寸前にナイは身体を横にずらす。すると、一角兎は方向を変えられずにそのままナイの身体を素通りする。
(あれ……避けられた?)
あっさりと自分が一角兎の攻撃を回避した事にナイは戸惑うが、一角兎の方は着地すると慌てて身体を向け、もう一度狙いを定めてナイに飛び込もうとした。
「ギュイッ!!」
「わあっ!?」
一角兎の二度目の突進に対してもナイは事前に一角兎が飛び込む前に回避行動を取り、またもや攻撃を簡単に避けられた。一角兎は着地すると性懲りもなく突進を仕掛けようとした。
「ギュイッ!!」
「うわっ!!」
「ギュイイッ!!」
「おっと!?」
それから幾度も一角兎は突進を繰り返すが、その度にナイは相手の動きを予想し、簡単に攻撃を回避する。先ほどまでは障害物が多い場所だったので避けられる範囲も狭かったが、今は比較的に開けた場所に出たので簡単に避ける事が出来た。
確かに一角兎の突進力は凄まじいが、事前に一角兎は飛び込む際に身体を屈めて足に力を込める動作を取るため、その行動を先読みすれば子供のナイでも簡単に避ける事が出来た。いくら砲弾の様な速度で飛び込めると言っても、事前に攻撃される前に回避行動に移れば子供だろうと避ける事は容易い。
(こいつ……どんどん疲れてる)
しかも突進を繰り返す度に一角兎は体力を消耗し、徐々に身体の動きが鈍ってきた。その様子を見てナイはこれならば逃げ切れると判断し、何か一角兎の注意を引くものを探す。
(何かないか……これだ!!)
ナイは足元に落ちている石を拾い上げ、大きさは掌に収まるぐらいだった。石を手にしたナイは一角兎の行動を先読みし、跳躍の寸前に投げつける。
「このっ!!」
「ギャインッ!?」
飛び込もうとした寸前、隙だらけの一角兎の眉間に石が当たると、一角兎は悲鳴を上げて倒れ込む。その姿を見てナイは慌てて逃げ出した。
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