122 / 1,110
逃れられぬ運命
第122話 思いもよらぬ再会
しおりを挟む
(よし、屋敷が見えてきた……あと少しだ)
人目に付かないようにナイは路地裏を利用して移動を行い、遂に屋敷が視界の範囲に捉えられる距離まで接近する事に成功した。だが、ここでナイは屋敷の門が破られている事に気付いて焦りを抱く。
(門が壊されている!?まさか魔物が中に入り込んだのか!?)
屋敷の門が破壊されている光景を見てナイは慌てて耳を澄ませると、屋敷の方から獣のような声が聞こえてきた。それを耳にしたナイは居ても立っても居られず、屋敷への中に入った。
(遅かったのか!?いや、きっと皆は地下の倉庫に避難しているはず!!)
手遅れだったのかと思いかけたナイだが、すぐにイーシャンの話を思い出してす。万が一の場合は屋敷の倉庫に立て籠もって救助を待つと言っていた。
皆が無事である事を祈りながらナイは屋敷の敷地内へと入り込むと、敷地内の地面に狼のような足跡が残っている事に気付く。それを見たナイは魔獣が入り込んだのかと思ったが、妙に見慣れた足跡だと気付く。
「えっ!?この足跡って……」
足跡を確認したナイは信じられない表情を浮かべるが、すぐに建物の裏手の方から狼の鳴き声が響く。その声を耳にしたナイは慌てて建物の裏手の方へ向けて駆け出す。
(まさか、有り得ない……けど、もしかしたら本当に!?)
ナイは全力疾走で建物の裏手に回ると、そこには武器を手にしたホブゴブリンと対峙する全身が白毛で覆われた狼の姿が存在した。それを確認したナイは驚愕のあまりに言葉を失う。
――ウォオオオンッ!!
ナイの相棒のビャクは咆哮を放つと、ホブゴブリンに対して突っ込み、鋭い牙でホブゴブリンの頭に噛みつく。ホブゴブリンは必死に逃れようとしたが、ビャクは容赦せずにホブゴブリンの頭を咥えた状態で振り回し、地面に叩きつける。
「アガァッ!!」
「グゲェッ……!?」
地面に叩きつけられた際にホブゴブリンは鈍い音を立て、どうやら叩きつけられた際に首の骨が折れて絶命していた。
既に屋敷内に侵入していた魔物はビャクだけで対処したらしく、彼の傍にはホブゴブリンだけではなく、ファングやコボルトの死骸も横たわっていた。ビャクは倒れた魔物の死骸に視線を向け、勝利の雄叫びを行う。
「ウォオオンッ!!」
「……ビャク」
たくましく育った自分の相棒の姿にナイは感動を覚え、無意識にビャクの元へ向けて歩む。すると、ビャクも臭いで気づいたのか鼻を引くつかせて振り返ると、そこには待ちわびた自分の主人の姿が存在し、嬉しそうな声を上げてナイの元へ向かう。
「ウォンッ!!」
「うわっ!?」
興奮して飛び込んできたビャクは勢いあまってナイを押し倒し、そのまま彼の顔を舐め尽くす。そんなビャクに大してナイは苦笑いを浮かべながら彼の好きにさせ、再会を喜ぶ。
「ビャク、元気だったんだね……ごめんね、迎えに来れなくて」
「クゥ~ンッ……」
「でも、これからはずっと一緒だよ」
「ウォンッ!!」
ナイの言葉を聞いてビャクは嬉しそうに彼の胸元に鼻先を擦りつけ、それに対してナイはくすぐったく思いながらもビャクの頭を撫でる。すると、屋敷の窓が開いて何故か頭に鍋を被ったイーシャンが姿を現す。
「お、おい!!そこにいるのはナイか!?」
「あ、イーシャンさん……無事だったんですね!!」
「ナイ?今、ナイと言ったか!?」
「ドルトンさん!?」
窓から出てきたのはイーシャンだけではなく、全身に包帯を巻いたドルトンも現れてナイは驚愕の声を上げた――
――その後、ナイはドルトンの部屋に移動して自分がいなくなった後の出来事を二人から詳しく聞く。イーシャンとドルトンの話によるとナイがいなくなった後、すぐにこの屋敷は魔物に襲われたという。
「お前が行った後、ここにまた魔物の群れが乗り込んできてな。結局は門を壊されて中に侵入を許してしまった」
「そんな……」
「全員が倉庫に避難する暇もなく、もう駄目かと思った時、ここにビャクの奴が急に現れて魔物を蹴散らしてくれたんじゃ」
「ウォンッ!!」
ナイが去った後、屋敷の中に魔物の群れが乗り込んだ際、唐突にビャクが現れて屋敷内に侵入した魔物の群れを蹴散らしたという。いったいどうしてビャクが駆けつけてくれたのかは不明だが、ビャクのお陰で屋敷にいた全員が命拾いしたという。
屋敷内に残っていた者達は既に大半が地下の倉庫に避難済みらしく、イーシャンとドルトンも立て籠もるつもりだったが、ビャクの事が気になって二人は最後までここへ残っていたという。
「この馬鹿でかい狼のお陰で俺達は助かったんだ。それにしてもこいつ、いったい何処から現れたんだ?」
「クゥン?」
「うむ、恐らくは魔物が乗り込んできた時に乗じて一緒に入ってきたのだろう……どうやら南門の城門は破られたそうだからな」
「えっ……そうなの?ビャク?」
「ウォンッ!!」
窓の外に待機するビャクはナイの言葉を聞いて頷き、どうやら彼は下水道を通過して侵入してきたわけではなく、街の南門から入ってきたらしい。
北側の兵士の話によると城壁は破られていないと言っていたが、既に南門の城門は魔物達に破壊され、そこからビャクは街の中に入ってきた。
人目に付かないようにナイは路地裏を利用して移動を行い、遂に屋敷が視界の範囲に捉えられる距離まで接近する事に成功した。だが、ここでナイは屋敷の門が破られている事に気付いて焦りを抱く。
(門が壊されている!?まさか魔物が中に入り込んだのか!?)
屋敷の門が破壊されている光景を見てナイは慌てて耳を澄ませると、屋敷の方から獣のような声が聞こえてきた。それを耳にしたナイは居ても立っても居られず、屋敷への中に入った。
(遅かったのか!?いや、きっと皆は地下の倉庫に避難しているはず!!)
手遅れだったのかと思いかけたナイだが、すぐにイーシャンの話を思い出してす。万が一の場合は屋敷の倉庫に立て籠もって救助を待つと言っていた。
皆が無事である事を祈りながらナイは屋敷の敷地内へと入り込むと、敷地内の地面に狼のような足跡が残っている事に気付く。それを見たナイは魔獣が入り込んだのかと思ったが、妙に見慣れた足跡だと気付く。
「えっ!?この足跡って……」
足跡を確認したナイは信じられない表情を浮かべるが、すぐに建物の裏手の方から狼の鳴き声が響く。その声を耳にしたナイは慌てて建物の裏手の方へ向けて駆け出す。
(まさか、有り得ない……けど、もしかしたら本当に!?)
ナイは全力疾走で建物の裏手に回ると、そこには武器を手にしたホブゴブリンと対峙する全身が白毛で覆われた狼の姿が存在した。それを確認したナイは驚愕のあまりに言葉を失う。
――ウォオオオンッ!!
ナイの相棒のビャクは咆哮を放つと、ホブゴブリンに対して突っ込み、鋭い牙でホブゴブリンの頭に噛みつく。ホブゴブリンは必死に逃れようとしたが、ビャクは容赦せずにホブゴブリンの頭を咥えた状態で振り回し、地面に叩きつける。
「アガァッ!!」
「グゲェッ……!?」
地面に叩きつけられた際にホブゴブリンは鈍い音を立て、どうやら叩きつけられた際に首の骨が折れて絶命していた。
既に屋敷内に侵入していた魔物はビャクだけで対処したらしく、彼の傍にはホブゴブリンだけではなく、ファングやコボルトの死骸も横たわっていた。ビャクは倒れた魔物の死骸に視線を向け、勝利の雄叫びを行う。
「ウォオオンッ!!」
「……ビャク」
たくましく育った自分の相棒の姿にナイは感動を覚え、無意識にビャクの元へ向けて歩む。すると、ビャクも臭いで気づいたのか鼻を引くつかせて振り返ると、そこには待ちわびた自分の主人の姿が存在し、嬉しそうな声を上げてナイの元へ向かう。
「ウォンッ!!」
「うわっ!?」
興奮して飛び込んできたビャクは勢いあまってナイを押し倒し、そのまま彼の顔を舐め尽くす。そんなビャクに大してナイは苦笑いを浮かべながら彼の好きにさせ、再会を喜ぶ。
「ビャク、元気だったんだね……ごめんね、迎えに来れなくて」
「クゥ~ンッ……」
「でも、これからはずっと一緒だよ」
「ウォンッ!!」
ナイの言葉を聞いてビャクは嬉しそうに彼の胸元に鼻先を擦りつけ、それに対してナイはくすぐったく思いながらもビャクの頭を撫でる。すると、屋敷の窓が開いて何故か頭に鍋を被ったイーシャンが姿を現す。
「お、おい!!そこにいるのはナイか!?」
「あ、イーシャンさん……無事だったんですね!!」
「ナイ?今、ナイと言ったか!?」
「ドルトンさん!?」
窓から出てきたのはイーシャンだけではなく、全身に包帯を巻いたドルトンも現れてナイは驚愕の声を上げた――
――その後、ナイはドルトンの部屋に移動して自分がいなくなった後の出来事を二人から詳しく聞く。イーシャンとドルトンの話によるとナイがいなくなった後、すぐにこの屋敷は魔物に襲われたという。
「お前が行った後、ここにまた魔物の群れが乗り込んできてな。結局は門を壊されて中に侵入を許してしまった」
「そんな……」
「全員が倉庫に避難する暇もなく、もう駄目かと思った時、ここにビャクの奴が急に現れて魔物を蹴散らしてくれたんじゃ」
「ウォンッ!!」
ナイが去った後、屋敷の中に魔物の群れが乗り込んだ際、唐突にビャクが現れて屋敷内に侵入した魔物の群れを蹴散らしたという。いったいどうしてビャクが駆けつけてくれたのかは不明だが、ビャクのお陰で屋敷にいた全員が命拾いしたという。
屋敷内に残っていた者達は既に大半が地下の倉庫に避難済みらしく、イーシャンとドルトンも立て籠もるつもりだったが、ビャクの事が気になって二人は最後までここへ残っていたという。
「この馬鹿でかい狼のお陰で俺達は助かったんだ。それにしてもこいつ、いったい何処から現れたんだ?」
「クゥン?」
「うむ、恐らくは魔物が乗り込んできた時に乗じて一緒に入ってきたのだろう……どうやら南門の城門は破られたそうだからな」
「えっ……そうなの?ビャク?」
「ウォンッ!!」
窓の外に待機するビャクはナイの言葉を聞いて頷き、どうやら彼は下水道を通過して侵入してきたわけではなく、街の南門から入ってきたらしい。
北側の兵士の話によると城壁は破られていないと言っていたが、既に南門の城門は魔物達に破壊され、そこからビャクは街の中に入ってきた。
21
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる