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旋斧の秘密
第279話 光の刃
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「これを見てくれ。こちらの赤い石は火属性の魔石、もう一つは聖属性の魔石だ」
「わあっ、綺麗だね~」
「本当に綺麗……でも、どうして王子様が魔石を?」
「魔道具を製作する時によく魔石を使うからね、だから僕は普段から魔石を常備しているんだ。それにお金に困った時は魔石を売る事も出来るからね」
アルトの言葉にナイは以前に改造して貰ったフックショットも風属性の魔石を取り付けてくれた事を思い出し、彼は普段から複数の魔石を所持しているらしい。魔石は魔道具の製作に必要不可欠な道具であり、魔道具の動力といっても過言ではない。
魔石には基本的に魔術師が魔法を扱うのに利用するが、魔道具の燃料としても使用される事がある。例えば火を作り出す魔道具は火属性の魔石を利用するため、魔法が使えない人間も魔道具を利用するために魔石を購入する事がある。但し、魔石は宝石にも遜色しない美しさ誇るため、美術品としての価値も高い。
「魔石は魔力を宿した鉱石を加工した物、即ち魔力を宿した物体と言える。僕の仮説が正しければこの旋斧に魔石を触れても魔力を奪われる事はないはずだ」
机の上に再び置かれた旋斧にアルトは火属性の魔石を近づけると、試しに刃の上に置いてみる。しばらくの間は全員が旋斧に置かれた魔石を見つめるが、何も反応は起きない。念のためにナイは「観察眼」を発動させるが、変化は見当たらない。
「……魔石の魔力を吸収している様子はありませんね」
「刃も変化がない」
「ふむ、ナイ君。試しに柄を握ってくれるかい?君の意志に反応して魔力を奪う事ができるのか試してみたい」
「え?こ、こう?」
ガーゴイル亜種の時はナイが旋斧を所持していた状態で魔力を奪ったため、もしかしたら魔力を奪う条件として所有者の手元に存在しなければならない可能性もある。ナイは試しに魔石を乗せた状態の旋斧に手を触れてみた。
とりあえずはガーゴイル亜種との戦闘を思い返し、心の中で旋斧に魔石の魔力を吸収するように祈るが、特に変化はない。そもそもガーゴイル亜種との戦闘の時も別にナイは意識してガーゴイル亜種から魔力を奪ったつもりはない。
「変化はなしか……という事はやはり、物体に宿った魔力は旋斧は吸収する事ができないようだ」
「何だ、期待したのに……」
「でも、それならどうして私はこの斧を使う事ができたんでしょうか?王子の仮説なら私の魔力を吸い上げられたせいで力が上手く出せなかったんですよね?だけど、物体に宿った魔力を吸収する事が出来ないなら私が触れた時に魔力を吸い上げられる事もできないんじゃ……」
「いや、実験はまだ終わっていないよ」
アルトは火属性の魔石を取り上げると、今度はもう一つの魔石を取り出す。もう一つは治癒魔導士や修道女が回復魔法など使用する際に利用する「聖属性の魔石」を置く。
こちらの聖属性の魔石はナイも陽光教会の元で世話になっていた時に見かけており、初歩の回復魔法しか扱えないナイには渡してくれなかったが、修道女は回復魔法の補助のために必ず魔石のペンダントを所持している。ヨウもインもペンダントを身に付けており、回復魔法の補助に利用していた。
「さあ、どうなる……!?」
聖属性の魔石を刃の上に置いたアルトは緊張した面持ちで旋斧の刃に置くと、最初の内は特に変化はなかった。先ほどは火属性の魔石を置いた時は何も起きなかったので聖属性の魔石でも同様の結果になると思われたが、ここで思いもよらぬ出来事が起きた。
「あれ?」
「え?これって……」
「なんだか……色が薄くなった?」
「光が……弱まっている?」
刃に置いた聖属性の魔石が徐々に色合いが薄くなり、光が失われていく。その光景を確認してナイ達は驚く中、アルトは興奮した様子でその様子を見守る。やがて魔石は色を完全に失うと、無色の水晶玉のように変化してしまう。
「これは……どういう事だい?」
「見ての通りさ……魔石は輝きを失う事は魔力を失った事を意味する。つまり、この魔石はもう魔力が残っていないんだ」
「あ、見て見て!!刃が光ってるよ!?」
「えっ!?」
聖属性の魔石が色を失った途端、旋斧の刃が唐突に光り輝き、その変化に気付いたナイ達は愚か、食堂の中にいた使用人たちも驚愕した。
旋斧の刃全体が光り輝き、それを手にしていたナイは戸惑いながらも持ち上げる。心なしかナイが持ち上げた途端に輝きが増したように見えた。
「凄い……これ、聖属性の魔力が宿ったのかな?」
「ああ、そうとしか考えられない!!やはり、そういう事だったのか!!」
「どういう事だい?その剣は物体に宿った魔力は吸収できないんじゃなかったのかい!?」
アルトはこれまでになく興奮した様子で旋斧を見上げ、彼の言葉を聞いたテンはどういう意味なのかを尋ねると、彼は旋斧の隠されていたもう一つの能力を告げた。
「わあっ、綺麗だね~」
「本当に綺麗……でも、どうして王子様が魔石を?」
「魔道具を製作する時によく魔石を使うからね、だから僕は普段から魔石を常備しているんだ。それにお金に困った時は魔石を売る事も出来るからね」
アルトの言葉にナイは以前に改造して貰ったフックショットも風属性の魔石を取り付けてくれた事を思い出し、彼は普段から複数の魔石を所持しているらしい。魔石は魔道具の製作に必要不可欠な道具であり、魔道具の動力といっても過言ではない。
魔石には基本的に魔術師が魔法を扱うのに利用するが、魔道具の燃料としても使用される事がある。例えば火を作り出す魔道具は火属性の魔石を利用するため、魔法が使えない人間も魔道具を利用するために魔石を購入する事がある。但し、魔石は宝石にも遜色しない美しさ誇るため、美術品としての価値も高い。
「魔石は魔力を宿した鉱石を加工した物、即ち魔力を宿した物体と言える。僕の仮説が正しければこの旋斧に魔石を触れても魔力を奪われる事はないはずだ」
机の上に再び置かれた旋斧にアルトは火属性の魔石を近づけると、試しに刃の上に置いてみる。しばらくの間は全員が旋斧に置かれた魔石を見つめるが、何も反応は起きない。念のためにナイは「観察眼」を発動させるが、変化は見当たらない。
「……魔石の魔力を吸収している様子はありませんね」
「刃も変化がない」
「ふむ、ナイ君。試しに柄を握ってくれるかい?君の意志に反応して魔力を奪う事ができるのか試してみたい」
「え?こ、こう?」
ガーゴイル亜種の時はナイが旋斧を所持していた状態で魔力を奪ったため、もしかしたら魔力を奪う条件として所有者の手元に存在しなければならない可能性もある。ナイは試しに魔石を乗せた状態の旋斧に手を触れてみた。
とりあえずはガーゴイル亜種との戦闘を思い返し、心の中で旋斧に魔石の魔力を吸収するように祈るが、特に変化はない。そもそもガーゴイル亜種との戦闘の時も別にナイは意識してガーゴイル亜種から魔力を奪ったつもりはない。
「変化はなしか……という事はやはり、物体に宿った魔力は旋斧は吸収する事ができないようだ」
「何だ、期待したのに……」
「でも、それならどうして私はこの斧を使う事ができたんでしょうか?王子の仮説なら私の魔力を吸い上げられたせいで力が上手く出せなかったんですよね?だけど、物体に宿った魔力を吸収する事が出来ないなら私が触れた時に魔力を吸い上げられる事もできないんじゃ……」
「いや、実験はまだ終わっていないよ」
アルトは火属性の魔石を取り上げると、今度はもう一つの魔石を取り出す。もう一つは治癒魔導士や修道女が回復魔法など使用する際に利用する「聖属性の魔石」を置く。
こちらの聖属性の魔石はナイも陽光教会の元で世話になっていた時に見かけており、初歩の回復魔法しか扱えないナイには渡してくれなかったが、修道女は回復魔法の補助のために必ず魔石のペンダントを所持している。ヨウもインもペンダントを身に付けており、回復魔法の補助に利用していた。
「さあ、どうなる……!?」
聖属性の魔石を刃の上に置いたアルトは緊張した面持ちで旋斧の刃に置くと、最初の内は特に変化はなかった。先ほどは火属性の魔石を置いた時は何も起きなかったので聖属性の魔石でも同様の結果になると思われたが、ここで思いもよらぬ出来事が起きた。
「あれ?」
「え?これって……」
「なんだか……色が薄くなった?」
「光が……弱まっている?」
刃に置いた聖属性の魔石が徐々に色合いが薄くなり、光が失われていく。その光景を確認してナイ達は驚く中、アルトは興奮した様子でその様子を見守る。やがて魔石は色を完全に失うと、無色の水晶玉のように変化してしまう。
「これは……どういう事だい?」
「見ての通りさ……魔石は輝きを失う事は魔力を失った事を意味する。つまり、この魔石はもう魔力が残っていないんだ」
「あ、見て見て!!刃が光ってるよ!?」
「えっ!?」
聖属性の魔石が色を失った途端、旋斧の刃が唐突に光り輝き、その変化に気付いたナイ達は愚か、食堂の中にいた使用人たちも驚愕した。
旋斧の刃全体が光り輝き、それを手にしていたナイは戸惑いながらも持ち上げる。心なしかナイが持ち上げた途端に輝きが増したように見えた。
「凄い……これ、聖属性の魔力が宿ったのかな?」
「ああ、そうとしか考えられない!!やはり、そういう事だったのか!!」
「どういう事だい?その剣は物体に宿った魔力は吸収できないんじゃなかったのかい!?」
アルトはこれまでになく興奮した様子で旋斧を見上げ、彼の言葉を聞いたテンはどういう意味なのかを尋ねると、彼は旋斧の隠されていたもう一つの能力を告げた。
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