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旋斧の秘密
第307話 魔法剣
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「その様子だと、初心を思い出したようだね。あたし達のような重量のある武器を扱う時は筋力を磨く事も確かに重要な事だよ。だけどね、それは技術を蔑ろにしていいわけじゃないんだ。要するにどれだけの力を持っていようと技もちゃんと身に付けないと身に付けた力を生かす事は出来ないのさ」
「力と技……」
「いいかい、力は技を伴ってこそ真の力を発揮する。この言葉を忘れるんじゃないよ」
「……はい!!」
テンの言葉にナイは頷き、彼女のお陰でナイは剛剣の基礎を身に付ける事ができた。ここから先はナイが自分なりの方法で剛剣を極めなければならず、テンから教える事はもうなかった。
「あたしの指導はここまでだよ。練習相手が欲しい時はいつでもいいな、いくらでも相手になってやるからね」
「えっ……いいんですか?」
「とかいって、女将さんが戦いたいだけなんじゃないの?」
「まあ、それもあるね。身体が鈍っていた所だし、あたしも丁度いい練習相手がほしかったんだよ」
「え~……喧嘩は駄目だよ?」
「喧嘩じゃなくて指導だって言ってるだろ?」
「……ですが御二人とも、今後はここで組手をするのは控えてください。後始末するのが大変ですので」
ここで今まで黙っていた使用人たちが言葉を挟み、ナイとテンは周囲の光景を確認すると、二人のせいで裏庭は荒されてしまい、その後始末を行うのは使用人達である。
忘れがちだがここはアルトの所有する屋敷であり、派手に暴れれば彼に迷惑をかけるだけではなく、屋敷の使用人に面倒事を押し付けてしまう。二人は冷や汗を流し、使用人に謝罪を行う。
「す、すいませんでした……」
「いや、本当に悪かったね……今度からは場所を気を付けるよ」
「そうしてください、全く……」
二人の言葉を聞いて使用人達は裏庭の片づけを行い、当然ではあるがナイとテンもそれを手伝わされた――
――その日の昼、ナイは王城に赴くと今回は魔法腕輪を使用して旋斧に魔力を送り込む実験を行う。アルトから受け取った魔石を魔法腕輪に嵌め込み、その状態でナイは魔力を引き出して旋斧に送り込めないのかを確認する。
「どうだい?上手く行きそうかい?」
「……うん、多分だけど大丈夫だと思う」
ナイは魔法腕輪に各属性の魔石を嵌め込み、この状態で旋斧を握りしめながら意識を集中させる。魔操術で魔石の魔力を操る方法を身に付けたナイは魔法腕輪に装着した魔石の魔力を旋斧に直接流し込めないのかを試す。
結果から言えば各属性の魔力を旋斧に送り込む事は成功し、これまでは魔石を破壊する事でしか魔力を吸収できなかった旋斧だが、魔法腕輪を通して「魔法剣」を発動させる事に成功した。
「はああっ!!」
「おおっ!?これは凄い……本当に7つの属性の魔法剣を操れるなんて!!」
「し、信じられません……私なんて火属性だけで精一杯なのに」
「落ち込む必要はない、ヒイロの魔剣はそもそも火属性しか宿す事はできないんだから」
気合を込めた声を上げるとナイの旋斧に電流を纏わせる事に成功し、今回は雷属性の魔力を引き出して旋斧に宿す事に成功した。その光景を見てヒイロはナイが短期間で魔法剣の技術を身に付けた事に衝撃を受ける。
ヒイロの場合は魔法剣を身に付けるのに相当な年月を要したが、ナイの場合はほんの数日程で魔法剣の発動に成功させた。最もこれは旋斧があらゆる魔力を吸収する魔剣である事、魔操術を身に付けているナイだからこそ出来た芸当であり、普通ならば魔法剣を発動させるには魔力を操作する才能と相当な鍛錬を積まなければならない。
「ふうっ……魔法剣を維持するには魔石から魔力を引き出し続けてないと駄目みたいだ。少しでも気を緩めると魔法剣が解除されそうできついな……」
「なるほど、それに魔法剣を発動させている間は魔石から常に魔力を引き出し続けているから、魔力の消耗が激しいみたいだね。これは必要な時以外は魔法剣の使用は控えた方が良いかもしれない」
ナイの魔法剣は自分の魔力ではなく、魔石から魔力を引き出して直接に剣に送り込んでいるため、普通の人間以上に魔法剣の発動は精神力を消耗する。しかも魔法剣を維持している間は魔石から魔力を引き出し続けているため、魔力の消耗量も激しい。
この二つの条件は現段階ではどうする事もできず、戦闘の際にナイが魔法剣を扱う場合は精神力と魔力にも気を遣わなければならない。最も大抵の敵は魔法剣を使わずとも倒せるため、本当にいざという時にしか魔法剣を扱う機会はないと思われる。
「ちなみにナイ君、魔剣に同時に別々の魔力を送り込む事は出来るかい?」
「いや……試してみたけど、やっぱり無理みたい」
「そうか……火属性と風属性の魔力を同時に送り込めれば火力も高まるかと思ったが、そんなには上手く行かないか」
「そこまで出来たら私の立つ瀬がありません……」
旋斧は魔力を吸収できるといっても二つの属性の魔力を同時に送り込む事は出来ず、生憎と一つの属性の魔法剣しか発動しない事が判明した。
「力と技……」
「いいかい、力は技を伴ってこそ真の力を発揮する。この言葉を忘れるんじゃないよ」
「……はい!!」
テンの言葉にナイは頷き、彼女のお陰でナイは剛剣の基礎を身に付ける事ができた。ここから先はナイが自分なりの方法で剛剣を極めなければならず、テンから教える事はもうなかった。
「あたしの指導はここまでだよ。練習相手が欲しい時はいつでもいいな、いくらでも相手になってやるからね」
「えっ……いいんですか?」
「とかいって、女将さんが戦いたいだけなんじゃないの?」
「まあ、それもあるね。身体が鈍っていた所だし、あたしも丁度いい練習相手がほしかったんだよ」
「え~……喧嘩は駄目だよ?」
「喧嘩じゃなくて指導だって言ってるだろ?」
「……ですが御二人とも、今後はここで組手をするのは控えてください。後始末するのが大変ですので」
ここで今まで黙っていた使用人たちが言葉を挟み、ナイとテンは周囲の光景を確認すると、二人のせいで裏庭は荒されてしまい、その後始末を行うのは使用人達である。
忘れがちだがここはアルトの所有する屋敷であり、派手に暴れれば彼に迷惑をかけるだけではなく、屋敷の使用人に面倒事を押し付けてしまう。二人は冷や汗を流し、使用人に謝罪を行う。
「す、すいませんでした……」
「いや、本当に悪かったね……今度からは場所を気を付けるよ」
「そうしてください、全く……」
二人の言葉を聞いて使用人達は裏庭の片づけを行い、当然ではあるがナイとテンもそれを手伝わされた――
――その日の昼、ナイは王城に赴くと今回は魔法腕輪を使用して旋斧に魔力を送り込む実験を行う。アルトから受け取った魔石を魔法腕輪に嵌め込み、その状態でナイは魔力を引き出して旋斧に送り込めないのかを確認する。
「どうだい?上手く行きそうかい?」
「……うん、多分だけど大丈夫だと思う」
ナイは魔法腕輪に各属性の魔石を嵌め込み、この状態で旋斧を握りしめながら意識を集中させる。魔操術で魔石の魔力を操る方法を身に付けたナイは魔法腕輪に装着した魔石の魔力を旋斧に直接流し込めないのかを試す。
結果から言えば各属性の魔力を旋斧に送り込む事は成功し、これまでは魔石を破壊する事でしか魔力を吸収できなかった旋斧だが、魔法腕輪を通して「魔法剣」を発動させる事に成功した。
「はああっ!!」
「おおっ!?これは凄い……本当に7つの属性の魔法剣を操れるなんて!!」
「し、信じられません……私なんて火属性だけで精一杯なのに」
「落ち込む必要はない、ヒイロの魔剣はそもそも火属性しか宿す事はできないんだから」
気合を込めた声を上げるとナイの旋斧に電流を纏わせる事に成功し、今回は雷属性の魔力を引き出して旋斧に宿す事に成功した。その光景を見てヒイロはナイが短期間で魔法剣の技術を身に付けた事に衝撃を受ける。
ヒイロの場合は魔法剣を身に付けるのに相当な年月を要したが、ナイの場合はほんの数日程で魔法剣の発動に成功させた。最もこれは旋斧があらゆる魔力を吸収する魔剣である事、魔操術を身に付けているナイだからこそ出来た芸当であり、普通ならば魔法剣を発動させるには魔力を操作する才能と相当な鍛錬を積まなければならない。
「ふうっ……魔法剣を維持するには魔石から魔力を引き出し続けてないと駄目みたいだ。少しでも気を緩めると魔法剣が解除されそうできついな……」
「なるほど、それに魔法剣を発動させている間は魔石から常に魔力を引き出し続けているから、魔力の消耗が激しいみたいだね。これは必要な時以外は魔法剣の使用は控えた方が良いかもしれない」
ナイの魔法剣は自分の魔力ではなく、魔石から魔力を引き出して直接に剣に送り込んでいるため、普通の人間以上に魔法剣の発動は精神力を消耗する。しかも魔法剣を維持している間は魔石から魔力を引き出し続けているため、魔力の消耗量も激しい。
この二つの条件は現段階ではどうする事もできず、戦闘の際にナイが魔法剣を扱う場合は精神力と魔力にも気を遣わなければならない。最も大抵の敵は魔法剣を使わずとも倒せるため、本当にいざという時にしか魔法剣を扱う機会はないと思われる。
「ちなみにナイ君、魔剣に同時に別々の魔力を送り込む事は出来るかい?」
「いや……試してみたけど、やっぱり無理みたい」
「そうか……火属性と風属性の魔力を同時に送り込めれば火力も高まるかと思ったが、そんなには上手く行かないか」
「そこまで出来たら私の立つ瀬がありません……」
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