340 / 1,110
旋斧の秘密
第330話 レベル1です
しおりを挟む
「僕のレベルは……1です」
「ん?すまん、よく聞こえなかったが……」
「レベルは1です」
「……んんっ?すまん、もう少し大きな声で言ってくれるか?十の位が聞こえなかったのだが……」
「レベル1です!!」
ナイが大きな声ではっきりと伝えると、その彼の返答を聞いて国王を筆頭に他の者達は驚愕の表情を浮かべた。だが、すぐに宰相が口を挟む。
「これ!!国王様に対して虚言を告げるとは何事か!!その齢でレベル1の人間がいるはずがあるまい!!」
「嘘じゃありません!!僕は生まれた時から異能のせいで日付が変更する毎に強制的にレベル1に戻されるんです!!」
「なっ……!?」
「そ、そんな異能があるんですの!?」
自分がレベル1である事をナイは伝えると、もう隠し立てはできないと判断してナイは首にかけていたペンダントを取り出す。これは陽光教会のヨウから受け取った代物であり、彼は水晶を照らして自分のステータスを表示した。
玉座の間の床に光の文章が表示され、ナイのステータスが全員の前で露になる。その光景を確認した者達は驚き、そこには確かに「レベル1」と表示されていた。ステータス画面を見せつけられてはナイの話を信じるしかなく、玉座の間に存在する人間は信じられない表情を浮かべる。
「た、確かにレベル1と記されていますわ!!」
「そんな馬鹿な……あれほどの力を持つ人間がレベル1だと?」
「いや、ちょっと待て……何だ、この技能の数は!?」
「す、凄い!!ナイ君、君はどうやってこれほどの技能を置覚えたんだい!?」
「腕力強化、怪力、剛力だと……なるほど、あの馬鹿げた腕力の秘密はこれだったのかい」
ナイのステータス画面を確認した者達は彼のレベルだけではなく、身に着けている技能の数を見て動揺を隠せず、ナイはため息を吐きながら自分の技能の項目の中で一番上に表示されている「貧弱」を指差す。
「僕が赤ん坊の時、森の中で捨てられている所を養父に拾われたんです。養父によると両親から残した手紙があったそうですけど、内容は誰かが僕を見つけても見捨てる様にと記されていました」
「そんな、酷い!?あんまりですわ!!」
「ううっ……辛かっただろう」
「何て親だ……赤ん坊を森の中に置いていくだけではなく、そんな手紙まで残すなんて」
「おのれ!!子供を何だと思っている!!許せんな、テン!!」
「全くだね、そいつらに親の資格はないよ!!」
小さい頃に赤ん坊の自分が森の中で捨てられていたことを話すとドリスとリンは涙ぐみ、バッシュは嫌悪感を露にして、アッシュとテンに至っては憤慨する。しかし、実の両親が自分を捨てた理由に関してはナイも予想ができた。
「実の両親はきっと俺が忌み子と呼ばれる存在だから捨てたんだと思います」
「忌み子!?そうか、そういう事だったか……」
「何と不憫な……」
「忌み子?忌み子とはどういう意味ですの?」
「聞いた事もないな……」
忌み子という言葉に宰相は納得した表情を浮かべ、マジクはナイに同情を抱く。だが、この時にドリスとリンは初めて聞く単語に首を傾げる。
どうやら忌み子の存在はあまり知られていないらしく、バッシュも疑問を抱いた表情を浮かべる。博識なアルトは忌み子についても把握しており、簡単に説明した。
「どんな人間でも生まれた時に異能を身に着けている……しかし、必ずしもその異能が有益な才能とは限らない。忌み子とは生まれた時に身に付けた技能が不利益を引き起こす可能性がある子供達を指す言葉だ」
「不利益なんて……そんな考え方、人道的ではありませんわ!!」
「落ち着け、ドリス……アルト、話を続けろ」
アルトの言葉にドリスは激高するが、彼に怒鳴った所で仕方がないため、バッシュは彼女を止めてアルトに忌み子の説明を続けさせる。
「忌み子として生まれた子供は陽光教会に預ける慣わしだと本で読んだ事があります。彼等は普通に生きる事は許されず、他の人間と接触を控える様に陽光教会は彼等を隔離すると記されてましたね」
「隔離って……」
「もしも忌み子が他の人間と子を為した場合、その子供が忌み子の技能を受け継ぐ可能性がある以上、彼等を普通の人間から離して生活させなければならない。まあ、昔と比べて忌み子の数が減ったので現在は殆ど忘れ去られた習慣ですが……」
「僕も一時期は陽光教会の元に世話になっていました。でも、今は教会を離れています。このペンダントは教会の司祭様から受け取りました」
ナイはペンダントを見つめて陽光教会では世話になったヨウの事を思い出し、彼女はナイが旅立つ日にこれを渡してくれた。このペンダントの水晶のお陰でナイはここまで強くなれたと言っても過言ではない。
自分の正体が忌み子である事を明かしたナイに対して他の者達は黙り込み、国王も神妙な表情を浮かべてナイが今日までどれほど苦労してきたのかを察する。
「ん?すまん、よく聞こえなかったが……」
「レベルは1です」
「……んんっ?すまん、もう少し大きな声で言ってくれるか?十の位が聞こえなかったのだが……」
「レベル1です!!」
ナイが大きな声ではっきりと伝えると、その彼の返答を聞いて国王を筆頭に他の者達は驚愕の表情を浮かべた。だが、すぐに宰相が口を挟む。
「これ!!国王様に対して虚言を告げるとは何事か!!その齢でレベル1の人間がいるはずがあるまい!!」
「嘘じゃありません!!僕は生まれた時から異能のせいで日付が変更する毎に強制的にレベル1に戻されるんです!!」
「なっ……!?」
「そ、そんな異能があるんですの!?」
自分がレベル1である事をナイは伝えると、もう隠し立てはできないと判断してナイは首にかけていたペンダントを取り出す。これは陽光教会のヨウから受け取った代物であり、彼は水晶を照らして自分のステータスを表示した。
玉座の間の床に光の文章が表示され、ナイのステータスが全員の前で露になる。その光景を確認した者達は驚き、そこには確かに「レベル1」と表示されていた。ステータス画面を見せつけられてはナイの話を信じるしかなく、玉座の間に存在する人間は信じられない表情を浮かべる。
「た、確かにレベル1と記されていますわ!!」
「そんな馬鹿な……あれほどの力を持つ人間がレベル1だと?」
「いや、ちょっと待て……何だ、この技能の数は!?」
「す、凄い!!ナイ君、君はどうやってこれほどの技能を置覚えたんだい!?」
「腕力強化、怪力、剛力だと……なるほど、あの馬鹿げた腕力の秘密はこれだったのかい」
ナイのステータス画面を確認した者達は彼のレベルだけではなく、身に着けている技能の数を見て動揺を隠せず、ナイはため息を吐きながら自分の技能の項目の中で一番上に表示されている「貧弱」を指差す。
「僕が赤ん坊の時、森の中で捨てられている所を養父に拾われたんです。養父によると両親から残した手紙があったそうですけど、内容は誰かが僕を見つけても見捨てる様にと記されていました」
「そんな、酷い!?あんまりですわ!!」
「ううっ……辛かっただろう」
「何て親だ……赤ん坊を森の中に置いていくだけではなく、そんな手紙まで残すなんて」
「おのれ!!子供を何だと思っている!!許せんな、テン!!」
「全くだね、そいつらに親の資格はないよ!!」
小さい頃に赤ん坊の自分が森の中で捨てられていたことを話すとドリスとリンは涙ぐみ、バッシュは嫌悪感を露にして、アッシュとテンに至っては憤慨する。しかし、実の両親が自分を捨てた理由に関してはナイも予想ができた。
「実の両親はきっと俺が忌み子と呼ばれる存在だから捨てたんだと思います」
「忌み子!?そうか、そういう事だったか……」
「何と不憫な……」
「忌み子?忌み子とはどういう意味ですの?」
「聞いた事もないな……」
忌み子という言葉に宰相は納得した表情を浮かべ、マジクはナイに同情を抱く。だが、この時にドリスとリンは初めて聞く単語に首を傾げる。
どうやら忌み子の存在はあまり知られていないらしく、バッシュも疑問を抱いた表情を浮かべる。博識なアルトは忌み子についても把握しており、簡単に説明した。
「どんな人間でも生まれた時に異能を身に着けている……しかし、必ずしもその異能が有益な才能とは限らない。忌み子とは生まれた時に身に付けた技能が不利益を引き起こす可能性がある子供達を指す言葉だ」
「不利益なんて……そんな考え方、人道的ではありませんわ!!」
「落ち着け、ドリス……アルト、話を続けろ」
アルトの言葉にドリスは激高するが、彼に怒鳴った所で仕方がないため、バッシュは彼女を止めてアルトに忌み子の説明を続けさせる。
「忌み子として生まれた子供は陽光教会に預ける慣わしだと本で読んだ事があります。彼等は普通に生きる事は許されず、他の人間と接触を控える様に陽光教会は彼等を隔離すると記されてましたね」
「隔離って……」
「もしも忌み子が他の人間と子を為した場合、その子供が忌み子の技能を受け継ぐ可能性がある以上、彼等を普通の人間から離して生活させなければならない。まあ、昔と比べて忌み子の数が減ったので現在は殆ど忘れ去られた習慣ですが……」
「僕も一時期は陽光教会の元に世話になっていました。でも、今は教会を離れています。このペンダントは教会の司祭様から受け取りました」
ナイはペンダントを見つめて陽光教会では世話になったヨウの事を思い出し、彼女はナイが旅立つ日にこれを渡してくれた。このペンダントの水晶のお陰でナイはここまで強くなれたと言っても過言ではない。
自分の正体が忌み子である事を明かしたナイに対して他の者達は黙り込み、国王も神妙な表情を浮かべてナイが今日までどれほど苦労してきたのかを察する。
10
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる