貧弱の英雄

カタナヅキ

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グマグ火山決戦編

第373話 撃竜槍の威力

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各々が戦闘を繰り広げる中、ここでバッシュの元に小型のレッドゴーレムが接近する。小さいだけに他のレッドゴーレムよりも動きは素早いが、その力は小さくとも強く、他の騎士を蹴散らしながらバッシュに近付く。


「ゴオオッ!!」
「王子、危ない!?」
「御下がりください!!」
「いや、お前達が離れろ」


バッシュを守ろうと騎士達は立ちふさがるが、そんな彼等を押し退けてバッシュは防魔の盾と槍を構えた。彼が所有する槍はナイとの対戦でも使用した代物であり、バッシュは迫りくるレッドゴーレムに対して盾を構えた。


「ゴオオッ!!」
「ふんっ!!」


レッドゴーレムが繰り出した拳をバッシュは防魔の盾で防ぐと、地面に衝撃が走る。防魔の盾は外部からの衝撃を受け流す機能が存在し、ナイの全力の一撃でも破壊する事はできない。

防魔の盾は魔法金属製で構成されているのでレッドゴーレムの高熱にも耐え切るが、この盾の弱点は衝撃に強いが直接触れて力を加えられると受け流す事はできず、レッドゴーレムの力に押し込まれる。


「ゴオオッ!!」
「ぐうっ……!?」
「王子、危険です!!」
「援護を……」
「いいから下がっていろ!!」


レッドゴーレムに盾を掴まれて追い込まれるバッシュを見て他の王国騎士が助けようとしたが、彼は右手に掴んでいたを握りしめる。バッシュが装備している槍は王家に伝わる家宝の一つであり、バッシュは遂に力を解放した。


「はああっ!!」
「ゴアッ!?」


バッシュは槍を繰り出すと、この際に槍の刃先が高速回転してレッドゴーレムの肉を抉り取る。そして胸元に秘められた経験石を破壊した。その光景を見たナイは驚き、もしも自分との対戦であの槍を使用されていたら確実に負けていた。


(す、凄い!!やっぱり王子様はあの時は手加減してくれていたのか……)


反魔の盾を賭けてナイがバッシュと戦った時に撃竜槍の能力を使われていた場合、ナイは負けていた可能性が高い。最もそれは当時のナイの話であり、今のナイならば魔法剣も岩砕剣もあるため、バッシュが相手でも対抗できる。


(よし、こっちも負けてられないな……)


ナイは旋斧の魔法剣を解除させると、今度は岩砕剣を両手で構える。レッドゴーレムを相手に水属性の魔法剣ばかりを使用するとすぐに水属性の魔石の魔力を消耗するため、ここから先は岩砕剣を頼りに戦う事にした。


「行くぞぉっ!!」
「ゴオオオッ!!」


岩砕剣を手にしたナイはレッドゴーレムに対して大剣を振りかざし、剛力の技能を使わずに全身の筋力を使用する。


「だああっ!!」
「ッ――!?」


頭部から岩砕剣を叩き込まれたレッドゴーレムはあまりの破壊力に肉体が崩壊し、身体が真っ二つに切り裂かれる。その光景を目撃した者達は呆気に取られ、仮に巨人族であってもレッドゴーレムの肉体を一刀両断する事など簡単にはできない。

強烈な一撃によってレッドゴーレムの肉体は崩壊し、左右に分断されて倒れ込む。その様子を確認したナイは驚いた様に岩砕剣に視線を向け、以前よりも岩砕剣を使いこなせている事に気付く。


(あれ?この剣、こんなに使いやすかったっけ……まあ、いいや)


テンとの指導によってナイは大剣の基礎を学び、更にリーナとの戦闘を繰り広げた事で岩砕剣をより使いこなせるように成長していた。それにレッドゴーレムの経験石を破壊する度に経験値を得ており、ナイ自身のレベルも上昇して身体能力もわずかながら上昇していた。


「どりゃあっ!!」
「ゴガァッ!?」
「せいやぁっ!!」
「アガァッ……!?」


岩砕剣を振り抜く度にレッドゴーレムが砕け散り、経験石ごと粉々に砕く。やがてレッドゴーレムの数も大分減り、残されたのは一匹だけとなった。


「後はこいつだけです!!」
「よし、下がっていろ……私が止めを刺してやる」
「いいえ、ここは私がやりますわ!!」


リンが居合の体勢から攻撃を繰り出そうとすると、ドリスが間に割って入って爆槍で仕留めようとした。そんな彼女にリンは眉をしかめ、引き留める。


「待て、ここは私がやる。邪魔をするな」
「いいえ、私の爆槍ならば一撃ですわ」
「これこれ、喧嘩している場合か!!」
「なら俺が……」


ドリスとリンが最後の一匹をどちらか倒すのか揉め始め、その様子を見ていたハマーンは仲裁に入り、ガオウはこっそりと自分が倒そうと近づく。だが、ここでレッドゴーレムは予想外の行動を引き起こす。
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