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ゴブリンキングの脅威
第453話 力比べ
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「ん?変わった味の回復薬じゃのう……」
「あのイリアとかいう魔導士の嬢ちゃんから貰った回復薬だ。効果は保証するぜ」
「え?イリアの?知り合いだったんですか?」
「前にあの嬢ちゃんに依頼を受けた時にちょっとな……」
意外な事にイリアとガオウは顔見知りだったらしく、彼が持っている回復薬はイリアから受け取った物だという。ハマーンは回復薬を飲み終えると肩を鳴らす。
「ふうっ、それにしても老体には応えるわい。しかし、明日にはイチノへ辿り着けるはずじゃ。お主等も覚悟を決めろ……明日には儂等は戦を行うという事をな」
「戦……」
「たかがゴブリン相手に随分と警戒しているな」
ハマーンの言葉にナイは表情を引き締め、一方でガオウの方はゴブリンの軍勢に対してあまり危機感を抱いていない。そんな彼に今回の相手は只のゴブリンではない事をハマーンは注意した。
「これ、ゴブリンを侮るでない。奴等は狡猾でしかも他の仲間と協力して戦う。ましてや相手はホブゴブリンやゴブリンキングなる存在もおるのだぞ」
「はっ、ホブゴブリンだろうがゴブリンキングだろうが所詮はゴブリンに変わりないだろ」
「ガオウ、お主は確かに強い。しかし、強すぎるが故に他者を見下し、油断しやすい……それでは一流の武人とは言えんぞ」
「……余計なお世話だ。俺から言わせれば爺さん、あんたこそ鍛冶師と冒険者の両立なんてできると思っているのか?中途半端なのはあんたの方だろう」
「あ、あの……」
ガオウはハマーンの言葉に反発し、二人の間に剣呑な雰囲気が漂う。それを察したナイは二人を止めようとした時、ここでガオウはナイに視線を向けて告げる。
「それに坊主、俺としてはお前の事もまだ認めていないぞ」
「え?」
「この船に乗っている奴等は優秀な王国騎士や兵士、それに魔導士の弟子や黄金級冒険者だけだ。まあ、船の整備のために技師や兵士が何人か混じっているが……その中で冒険者でもなければ騎士でもないお前は何なんだ?」
「それは……」
「何を言っておる。ナイの実力は誰もが認めておるぞ、実際にゴーレムキングを倒したのはこのナイというではないか」
ガオウの指摘に対してすぐにハマーンが言い返し、実際に身体能力だけを基準にすればナイは飛行船に乗り合わせた者達の中でも上位に食い込む。しかし、ガオウとしてはまだナイの実力を完全に認めたわけではない。
ナイの強さはガオウも先日の闘技場の試合で確認しているが、ナイは強い事は認めても冒険者でもなければ傭兵でもない人間を討伐隊に参加させる事には納得していない。冒険者でも黄金級の位を持つ自分達だけが声を掛けられたというのに、一般人であるナイが自分達に同等の扱いを受けている事にガオウは気に入らなかった。
「坊主の強さは知っている、それでも敢えて言わせてもらうぞ。お前はこの船に乗るのに相応しい資格を持っているのか?」
「資格?」
「ガオウ、お主の魂胆は見えたぞ……さっきから色々と言っておるが、お主は坊主の実力を確かめたいだけじゃろう」
ガオウの考えを読み取ったハマーンは笑みを浮かべ、そんな彼を放っておいてガオウはナイを指差す。
「お前の力を俺に見せてみろ!!ゴーレムキングとやらを倒した実力を!!」
「ええっ!?」
「すまんな、ナイ……この若造は意外と血の気が多くてな。こうなったら戦わないと納得せんぞ」
自分に実力を見せろというガオウに大してナイは困り果てるが、ハマーンによるとこうなったガオウは止める事はできず、勝負を受ける様に促す――
――急遽ナイはガオウに実力を見せるために戦う事になり、船から離れた場所でお互いに向かい合う。勝負の立会人はハマーンが執り行い、他の者も呼び集めて見学させる。
「まさかナイ君とガオウさんが戦うなんて……」
「ナイ君、頑張って!!」
「応援する」
「負けないでください!!」
「皆……そこは応援しないで止めてよ」
見学者の中にはナイの知り合いも多く、リーナ、モモ、ミイナ、ヒイロの姿もあった。そして他には王国騎士団副団長のリンの姿も存在し、彼女は武装した状態で赴いていた。
「話は聞かせてもらった。共に戦う以上は互いの実力を見極めるのは大切な事だろう。但し、お互いに殺し合う事だけは許さん。もしも命の危機だと判断したら私が止める……その条件で戦ってもらうぞ」
「ああ、問題ない」
「わ、分かりました」
リンの言葉にガオウは承諾し、ナイとしてもこれ以上に文句を言っても聞き入れてくれない様子のため、渋々と承諾する。
改めて二人は向かい合い、互いの武器を構えた。ガオウが身に付けた武器は鉤爪であり、正式名称は「虎王」という。これはハマーンが制作した魔爪であり、魔法金属製なので普通の金属よりも硬度も耐久力も高く、切れ味も鋭い。
「あのイリアとかいう魔導士の嬢ちゃんから貰った回復薬だ。効果は保証するぜ」
「え?イリアの?知り合いだったんですか?」
「前にあの嬢ちゃんに依頼を受けた時にちょっとな……」
意外な事にイリアとガオウは顔見知りだったらしく、彼が持っている回復薬はイリアから受け取った物だという。ハマーンは回復薬を飲み終えると肩を鳴らす。
「ふうっ、それにしても老体には応えるわい。しかし、明日にはイチノへ辿り着けるはずじゃ。お主等も覚悟を決めろ……明日には儂等は戦を行うという事をな」
「戦……」
「たかがゴブリン相手に随分と警戒しているな」
ハマーンの言葉にナイは表情を引き締め、一方でガオウの方はゴブリンの軍勢に対してあまり危機感を抱いていない。そんな彼に今回の相手は只のゴブリンではない事をハマーンは注意した。
「これ、ゴブリンを侮るでない。奴等は狡猾でしかも他の仲間と協力して戦う。ましてや相手はホブゴブリンやゴブリンキングなる存在もおるのだぞ」
「はっ、ホブゴブリンだろうがゴブリンキングだろうが所詮はゴブリンに変わりないだろ」
「ガオウ、お主は確かに強い。しかし、強すぎるが故に他者を見下し、油断しやすい……それでは一流の武人とは言えんぞ」
「……余計なお世話だ。俺から言わせれば爺さん、あんたこそ鍛冶師と冒険者の両立なんてできると思っているのか?中途半端なのはあんたの方だろう」
「あ、あの……」
ガオウはハマーンの言葉に反発し、二人の間に剣呑な雰囲気が漂う。それを察したナイは二人を止めようとした時、ここでガオウはナイに視線を向けて告げる。
「それに坊主、俺としてはお前の事もまだ認めていないぞ」
「え?」
「この船に乗っている奴等は優秀な王国騎士や兵士、それに魔導士の弟子や黄金級冒険者だけだ。まあ、船の整備のために技師や兵士が何人か混じっているが……その中で冒険者でもなければ騎士でもないお前は何なんだ?」
「それは……」
「何を言っておる。ナイの実力は誰もが認めておるぞ、実際にゴーレムキングを倒したのはこのナイというではないか」
ガオウの指摘に対してすぐにハマーンが言い返し、実際に身体能力だけを基準にすればナイは飛行船に乗り合わせた者達の中でも上位に食い込む。しかし、ガオウとしてはまだナイの実力を完全に認めたわけではない。
ナイの強さはガオウも先日の闘技場の試合で確認しているが、ナイは強い事は認めても冒険者でもなければ傭兵でもない人間を討伐隊に参加させる事には納得していない。冒険者でも黄金級の位を持つ自分達だけが声を掛けられたというのに、一般人であるナイが自分達に同等の扱いを受けている事にガオウは気に入らなかった。
「坊主の強さは知っている、それでも敢えて言わせてもらうぞ。お前はこの船に乗るのに相応しい資格を持っているのか?」
「資格?」
「ガオウ、お主の魂胆は見えたぞ……さっきから色々と言っておるが、お主は坊主の実力を確かめたいだけじゃろう」
ガオウの考えを読み取ったハマーンは笑みを浮かべ、そんな彼を放っておいてガオウはナイを指差す。
「お前の力を俺に見せてみろ!!ゴーレムキングとやらを倒した実力を!!」
「ええっ!?」
「すまんな、ナイ……この若造は意外と血の気が多くてな。こうなったら戦わないと納得せんぞ」
自分に実力を見せろというガオウに大してナイは困り果てるが、ハマーンによるとこうなったガオウは止める事はできず、勝負を受ける様に促す――
――急遽ナイはガオウに実力を見せるために戦う事になり、船から離れた場所でお互いに向かい合う。勝負の立会人はハマーンが執り行い、他の者も呼び集めて見学させる。
「まさかナイ君とガオウさんが戦うなんて……」
「ナイ君、頑張って!!」
「応援する」
「負けないでください!!」
「皆……そこは応援しないで止めてよ」
見学者の中にはナイの知り合いも多く、リーナ、モモ、ミイナ、ヒイロの姿もあった。そして他には王国騎士団副団長のリンの姿も存在し、彼女は武装した状態で赴いていた。
「話は聞かせてもらった。共に戦う以上は互いの実力を見極めるのは大切な事だろう。但し、お互いに殺し合う事だけは許さん。もしも命の危機だと判断したら私が止める……その条件で戦ってもらうぞ」
「ああ、問題ない」
「わ、分かりました」
リンの言葉にガオウは承諾し、ナイとしてもこれ以上に文句を言っても聞き入れてくれない様子のため、渋々と承諾する。
改めて二人は向かい合い、互いの武器を構えた。ガオウが身に付けた武器は鉤爪であり、正式名称は「虎王」という。これはハマーンが制作した魔爪であり、魔法金属製なので普通の金属よりも硬度も耐久力も高く、切れ味も鋭い。
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