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ゴブリンキングの脅威
第457話 有効活用
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『ああ、そういえばそこにいる御二人が最初の侵入者二人を捕まえた方でしたよね。いや、本当に助かりましたよ。お陰でこんな良い素材をたくさんてにはいりましたから』
「そ、素材?」
「あの、その前にその顔に付けているの外してくれませんか?なんか、怖くて……」
「ああ、はい。これは失礼しましたね」
ヒナの指摘にイリアは仮面を外すと、改めてナイ達は彼女が運び出したと思われる小包を確認する。これらは船の爆破のために用意された代物であり、侵入者たちはこれを利用して船の破壊を試みようとした事は既に知れ渡っている。
火属性の魔石の粉末は高熱を受けると爆発を引き起こすため、取り扱いには注意しなければならない。しかも用意された小包の数は合計で十個は存在し、これらを船内で爆発させれば巨大な飛行船でも跡形も残らず吹き飛ぶ。
「闇ギルドもどうやら必死ですね。これだけの魔石の粉末を集めるのには苦労したでしょうね……まあ、勿体ないので私の武器として有効活用させて貰います」
「ぶ、武器?こんなのを武器にするんですか?」
「それはそうですよ。これだけの素材があれば色々と使えますからね、ゴブリンの軍勢と戦う時に利用させてもらいましょう」
「ど、どうやって?」
「この樽を使うんですよ」
イリアは薬品器具の他に床に置かれていた樽を取り出す。大きさはバケツ程度の小さな木造製の樽だが、板の隙間の間に何か透明な粘液のような物が詰め込まれており、中身が出てこない細工が施されていた。
「これは急遽ハマーンさんに作ってもらった小樽型爆弾です」
「小樽……爆弾?」
「小樽型爆弾です。小樽爆弾ではありません」
「あ、はい」
異様な雰囲気で名前を正すイリアにナイは追及できず、ともかく彼女は用意した小樽に小包の中に入っていた粉末を流し込む。
「この粉末を小樽に流し込んで導火線付きの蓋をした後、この粘液で隙間を塞いで中身が零れ落ちない様にします。後は敵に投げつける際に導火線に火を灯して落とせば爆発する仕掛けです」
「粘液って……これ、何の粘液?」
「別に怪しい代物じゃありませんよ。スライムの死骸から採取した粘液です」
「十分に怪しい代物ですよね!?」
スライムの粘液を利用して樽の隙間を塞いで中身の流出を防ぐイリアにヒナは引いてしまうが、当のイリア本人は気にせずに爆弾の製作を行う。
「これだけの素材が手に入ったんですから使わないのも勿体ないでしょ?それに魔石の粉末は長持ちしないから早めに使用した方が得なんですよ」
「え、そうなの?」
「細かく砕かれた魔石は魔力が少しずつ外部に流れていずれ効力を失うんです。粉末の場合だとせいぜい一週間程度で効力を失いますね。だから使わずに放置するなんて馬鹿馬鹿しいでしょう?」
「なるほど……」
「クゥ~ンッ」
火属性の魔石の粉末はいずれ効力を失い、仮に効力を完全に失った場合は只の水晶の粉末と化す。この状態だと何の役にも立たず、価値は失われてしまう。それならば魔力が切れないうちにイリアは爆弾の素材として再利用する事を提案し、アッシュもそれを承諾した。
彼女は慣れた手つきで粉末をハマーンに頼んで用意させた小樽の中に詰め込み、導火線が取り付けられた蓋でしっかりと密封し、合計で五つの爆弾を作り出す。粉末の量からこれ以上の爆弾は作り出す事は出来ず、彼女はこれをアッシュの本まで運び込むのを手伝うようにナイ達に告げる。
「これで良し、後はこいつを運びましょう。皆さんも手伝ってください」
「え、でも僕達は見張りが……」
「私、こう見えても魔導士ですよ。マホさんと同じぐらい偉い立場の人間ですけど」
「ええっ……」
「クゥ~ンッ……」
イリアの言葉にナイ達は何も言い返せず、立場的にはイリアが上の人間である。そもそも甲板の見張りは他の人間も存在するため、少しの間だけ彼等に任せてナイたちは小樽型爆弾を運ぶのを手伝う。
「くっ……これ、結構重いのね」
「え?そうかな?」
「大丈夫?持ってあげようか?」
小樽型爆弾を運び出す際にヒナは持ち上げようとすると思いのほかの重量が存在し、足を振るえさせる。その一方でモモの方は軽々と持ち上げ、ナイに至っては両手で二つも持ち上げる。その様子を見てヒナは呆れ、つくづく目の前の二人が一般人離れした腕力を持っている事を思い知らされた。
「ふぎぎぎっ……ちょ、これ重すぎでしょっ!!こんなの持てるわけないでしょっ!!誰ですかこんなもんを作ったのは!?」
「ウォンッ!?(自分で作っておいて!?)」
何故か製作者のイリアに至っては小樽型爆弾を持ち上げる事すらできず、苛立ちを隠そうとせずに小樽型爆弾を蹴りつける。仮にも爆発物を蹴りつけるなど命知らずな行為を行う彼女にビャクは驚愕する。
「そ、素材?」
「あの、その前にその顔に付けているの外してくれませんか?なんか、怖くて……」
「ああ、はい。これは失礼しましたね」
ヒナの指摘にイリアは仮面を外すと、改めてナイ達は彼女が運び出したと思われる小包を確認する。これらは船の爆破のために用意された代物であり、侵入者たちはこれを利用して船の破壊を試みようとした事は既に知れ渡っている。
火属性の魔石の粉末は高熱を受けると爆発を引き起こすため、取り扱いには注意しなければならない。しかも用意された小包の数は合計で十個は存在し、これらを船内で爆発させれば巨大な飛行船でも跡形も残らず吹き飛ぶ。
「闇ギルドもどうやら必死ですね。これだけの魔石の粉末を集めるのには苦労したでしょうね……まあ、勿体ないので私の武器として有効活用させて貰います」
「ぶ、武器?こんなのを武器にするんですか?」
「それはそうですよ。これだけの素材があれば色々と使えますからね、ゴブリンの軍勢と戦う時に利用させてもらいましょう」
「ど、どうやって?」
「この樽を使うんですよ」
イリアは薬品器具の他に床に置かれていた樽を取り出す。大きさはバケツ程度の小さな木造製の樽だが、板の隙間の間に何か透明な粘液のような物が詰め込まれており、中身が出てこない細工が施されていた。
「これは急遽ハマーンさんに作ってもらった小樽型爆弾です」
「小樽……爆弾?」
「小樽型爆弾です。小樽爆弾ではありません」
「あ、はい」
異様な雰囲気で名前を正すイリアにナイは追及できず、ともかく彼女は用意した小樽に小包の中に入っていた粉末を流し込む。
「この粉末を小樽に流し込んで導火線付きの蓋をした後、この粘液で隙間を塞いで中身が零れ落ちない様にします。後は敵に投げつける際に導火線に火を灯して落とせば爆発する仕掛けです」
「粘液って……これ、何の粘液?」
「別に怪しい代物じゃありませんよ。スライムの死骸から採取した粘液です」
「十分に怪しい代物ですよね!?」
スライムの粘液を利用して樽の隙間を塞いで中身の流出を防ぐイリアにヒナは引いてしまうが、当のイリア本人は気にせずに爆弾の製作を行う。
「これだけの素材が手に入ったんですから使わないのも勿体ないでしょ?それに魔石の粉末は長持ちしないから早めに使用した方が得なんですよ」
「え、そうなの?」
「細かく砕かれた魔石は魔力が少しずつ外部に流れていずれ効力を失うんです。粉末の場合だとせいぜい一週間程度で効力を失いますね。だから使わずに放置するなんて馬鹿馬鹿しいでしょう?」
「なるほど……」
「クゥ~ンッ」
火属性の魔石の粉末はいずれ効力を失い、仮に効力を完全に失った場合は只の水晶の粉末と化す。この状態だと何の役にも立たず、価値は失われてしまう。それならば魔力が切れないうちにイリアは爆弾の素材として再利用する事を提案し、アッシュもそれを承諾した。
彼女は慣れた手つきで粉末をハマーンに頼んで用意させた小樽の中に詰め込み、導火線が取り付けられた蓋でしっかりと密封し、合計で五つの爆弾を作り出す。粉末の量からこれ以上の爆弾は作り出す事は出来ず、彼女はこれをアッシュの本まで運び込むのを手伝うようにナイ達に告げる。
「これで良し、後はこいつを運びましょう。皆さんも手伝ってください」
「え、でも僕達は見張りが……」
「私、こう見えても魔導士ですよ。マホさんと同じぐらい偉い立場の人間ですけど」
「ええっ……」
「クゥ~ンッ……」
イリアの言葉にナイ達は何も言い返せず、立場的にはイリアが上の人間である。そもそも甲板の見張りは他の人間も存在するため、少しの間だけ彼等に任せてナイたちは小樽型爆弾を運ぶのを手伝う。
「くっ……これ、結構重いのね」
「え?そうかな?」
「大丈夫?持ってあげようか?」
小樽型爆弾を運び出す際にヒナは持ち上げようとすると思いのほかの重量が存在し、足を振るえさせる。その一方でモモの方は軽々と持ち上げ、ナイに至っては両手で二つも持ち上げる。その様子を見てヒナは呆れ、つくづく目の前の二人が一般人離れした腕力を持っている事を思い知らされた。
「ふぎぎぎっ……ちょ、これ重すぎでしょっ!!こんなの持てるわけないでしょっ!!誰ですかこんなもんを作ったのは!?」
「ウォンッ!?(自分で作っておいて!?)」
何故か製作者のイリアに至っては小樽型爆弾を持ち上げる事すらできず、苛立ちを隠そうとせずに小樽型爆弾を蹴りつける。仮にも爆発物を蹴りつけるなど命知らずな行為を行う彼女にビャクは驚愕する。
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