貧弱の英雄

カタナヅキ

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ゴブリンキングの脅威

第476話 戦闘開始

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「見つけた……奴等が!!」
「ウォオオンッ!!」
『グギィッ……!?』


ホブゴブリンの軍勢を視界に捉えたナイは怒りのあまりに凄まじい気迫を放ち、ビャクは咆哮を放つ。ホブゴブリンの大群は唐突に現れた白狼種と人間の少年に戸惑う。

どうしてこんな場所に白狼種が存在するのか、何故人間の子供なんかを背中に乗せているのか、色々と疑問はあったがホブゴブリンの軍勢は二人の気迫を感じ取ると本能で危険を察知する。


「グギィッ!!」
「グギギッ!!」
「グギャッ!!」


即座にホブゴブリンの軍勢の中で弓矢を構える者達が現れると、ナイ達へ目掛けて躊躇なく矢を放つ。数十の矢がナイ達の元へ放たれるが、それに対してナイは冷静に魔法剣を発動させてした。


「邪魔をするなぁっ!!」
『グギィイイイッ!?』


ビャクの背中からナイは旋斧を発火させると、それを振り払う事で広範囲に火炎を放射して矢を焼き払う。あまりの火力に矢は一瞬にして焼け焦げるどころか灰と化してしまい、更に大多数のホブゴブリンが焼き尽くされる。

風属性の魔力を流し込んだだけで旋斧の内部のの魔力と組み合わさり、広範囲に火炎を放射する。その結果、数十匹のホブゴブリンが炎に襲われ、地面に倒れ込む。


『ギィアアアッ……!?』


旋斧が放った火炎は魔法で作り出した炎であるため、消し去るためには水属性の魔法で打ち消すか、あるいは魔法の効果が切れるまで待つしかない。当然だが都合よく水属性の魔法を扱えるゴブリンがこの場にいるはずもなく、炎を受けたホブゴブリン達は為す術もなく焼かれてしまう。


「そのまま突っ込め、ビャク!!」
「ウォオオンッ!!」


主人の命令通りにビャクは突っ込むと、火炎から逃れた他のホブゴブリンを薙ぎ払って突破する。遅れて辿り着いた王国騎士団はこの好機を逃さず、攻勢を仕掛けた。


「よし、敵は怯んだぞ!!我々もナイに続け!!」
「爆槍!!」
「火炎剣!!」
「てりゃっ」


王国騎士達はナイの攻撃によって怯んだホブゴブリン達に攻撃を行い、瞬く間に敵を蹴散らす。その様子を見ながらナイは旋斧を振り回し、ホブゴブリンを次々と蹴散らしながら先へ進む。

街の中心部に近付く程に敵の数は増えており、ナイ達は敵を蹴散らしながら教会へ着実に接近する。


(前の時よりも敵の数が多い……けど、この程度なら問題ない!!)


前回にイチノを襲撃した時よりも魔物の数は何倍も増えていたが、半年前よりも力を身に付けたナイの敵ではなく、いくら武装しようとただのホブゴブリンではもうナイを止める事はできない。


「このまま進むぞ、ビャク!!」
「ウォオオンッ!!」
「グギャアッ!?」


ビャクもホブゴブリンを蹴散らしながら先へと進み、遂に陽光教会の建物を視界に捉える。幸いと言うべきか、陽光教会の建物はまだ健在であり、ホブゴブリンに囲まれてはいるが攻撃を受けている様子はない。


(あった、教会だ!!きっと皆もあそこに……!!)


ホブゴブリンの大群は建物から一定の距離を開いた状態で近付く様子がなく、やはり魔物の類は陽光教会へは近づけない。そしてビャクもある程度の距離まで近寄ると、足を止めてしまう。


「クゥンッ……」
「ビャク!?どうした……そうか、お前も近づけないのか?」


白狼種であるビャクも陽光教会へは近づけないらしく、嫌がるように教会と一定の距離を保つ。その様子を見てここから先はビャクに乗った状態では近づけないと判断したナイは地上へと降りたつ。


「無理をしなくていい、ここから俺一人で行く。お前はここで他の皆の援護をするんだ」
「ウォンッ!!」
『グギィイイイッ……!!』


地上へ降り立ったナイの前には百を軽く超えるホブゴブリンの大群が存在し、それらに対してナイは恐れもせず、旋斧を両手で構えた。

まだ村に居た頃のナイならばこの場に存在するホブゴブリンを一匹倒すだけでも命を賭けなければならなかっただろう。しかし、数々の強敵との戦闘を経て成長したナイにとってはホブゴブリンなどいくら数を為そうと敵ではない。


「お前等……絶対に許さないからな!!」
「「「ッ……!?」」」


人間の少年が放つとは思えない程の威圧感をナイは放ち、そのあまりの迫力にホブゴブリンの軍勢は恐怖を抱く。彼の凄まじい気迫に味方であるビャクも怯むほどであった。

百を超えるホブゴブリンの軍勢を目にしてナイは旋斧を構え、背中の岩砕剣を掴んで引き抜く。大剣の二刀流となったナイはホブゴブリンの軍勢と向き合い、剛力を解放させて突っ込む。


「行くぞぉおおおっ!!」
『グギィイイイッ!!』


正面から突っ込んできたナイに対してホブゴブリンの軍勢は恐怖を抱きながらも武器を構え、迎え撃つ態勢を整える。この際にナイは二つの大剣を振りかざし、渾身の一撃を放つ。
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