636 / 1,110
王都の異変
第625話 オークとの戦闘
しおりを挟む
「ウォオオンッ!!」
「プギィッ!?」
「プギャッ!?」
ビャクが咆哮を放つとオークの群れは敵の中に白狼種が混じっている事に気付き、半数近くが怯えた表情を浮かべた。力の弱いゴブリンや野生本能が優れるボアなどの魔物は白狼種の咆哮を耳にしただけで怯えて逃げ出す。
オークはゴブリンよりも危険度は高いとはいえ、それでも白狼種と比べると力が弱い魔物である。しかし、通常ならば白狼種の咆哮を耳にすれば逃げ出すはずのオークたちだが、森から現れたオークの群れは一瞬だけ怯んだが、腹が鳴る音を出して襲い掛かってきた。
『プギィイイイッ!!』
「ウォンッ!?」
「えっ!?どうして!?」
「来るぞ!!」
「私が足止めします!!その間に二人は準備を整えてください!!」
ビャクの咆哮を受けても逃げ出そうとしないオークの群れにナイは驚くが、即座にエルマは弓を構えると彼女の得意とする魔弓術を発揮させる。
彼女が撃ち込む矢には風属性の魔力が付与され、物体に衝突すると鏃に宿した魔力が拡散し、衝撃波を発生させる。エルマの矢でオークを吹き飛ばされ、更に地面に打ちこめば土煙を舞い上げて視界を封じる。
「プギャアッ!?」
「プギィッ……!?」
「怯んだ、仕掛けるなら今だ!!」
「ウォオンッ!!」
「やああっ!!」
ゴンザレス、ビャク、ナイの3人はエルマの攻撃で怯んだオークの群れに突っ込み、一斉に攻撃を仕掛ける。ビャクは前脚でオークを突き飛ばし、鋭い牙で倒れたオークの頭部に容赦なく食らいつく。
「ガアアッ!!」
「プギャアアッ!?」
「プギィッ!?」
ビャクに噛みつかれた仲間を見て他のオークは混乱する中、ゴンザレスは闘拳を装備した拳を振りかざし、オークの顔面を殴りつける。
「ふんっ!!」
「ブホォッ……!?」
「ぬんっ!!」
「ブフゥッ!?」
顔面を殴りつけられたオークは地面に倒れ込み、頭から血を流して立ち上がる事はできず、続けてゴンゾウは他のオークの腹部を殴りつける。オークは頑丈な毛皮と分厚い脂肪に覆われているので打撃系の攻撃には強いはずだが、巨人族のゴンザレスの攻撃を受けたオークは衝撃に耐え切れずに倒れ込む。
ビャクとゴンザレスの活躍を見ながらナイは旋斧と岩砕剣を両手に構え、今回は魔物が相手なので躊躇する必要はなく、剛力を発動させて二つの大剣を振りかざす。
「だりゃあああっ!!」
「プギィイイッ!?」
「プギャアッ!?」
「プギィッ……!?」
次々とナイはオークを切り裂き、今のナイの腕力ならば素の状態でも相手がトロールだろうと切り裂ける威力の攻撃を与える事が出来た。その様子を見てエルマは援護は必要ないかと思った時、ここで馬の悲鳴が響く。
「ヒヒンッ!?」
「ヒヒィンッ!?」
「プギィイッ……!!」
「なっ……馬をっ!?」
エルマとゴンザレスがここまでの移動に利用していた馬車の馬たちが狙われ、数体のオークが馬たちに嚙り付き、生きたまま貪り喰らう。その光景を見てエルマはもう馬たちは助ける事はできないと判断し、一方でオークの行動の異常性に戸惑う。
(戦闘中に馬に嚙り付くなんて……あの涎の量、まるで何日も餌を食べて否様な飢餓状態に陥っている!?)
オークは雑食性なので相手が動物であろうと関係なく襲い掛かる生き物だが、戦闘の際中だというのに馬を喰らうなど明らかに普通ではない。
エルマは襲い掛かってきたオークの様子を伺うと、通常のオークと比べて僅かに身体が痩せているように感じられた。エルマはマホと旅をしていた時に何度かオークと交戦したが、今回現れたオークたちは何故か普通のオークよりも痩せており、まるで何日も餌にありつけていないかのように食料を目の当たりにして喰らいつく。
「プギィッ……ブフゥッ!!」
「プギィイッ!!」
「なっ!?仲間割れまで……!?」
馬に喰らいついていたオークの一匹が他のオークに突き飛ばされ、その間に馬に別のオークが嚙り付く。食料の奪い合いまで始めたオークの群れを見てエルマはナイ達に注意した。
「気を付けてください、こいつらは普通ではありません!!」
「ぐぅっ……!?」
「何だ、こいつら……いくら切られても向かってくる!!」
「ウォンッ!?」
『プギイイイッ!!』
ナイ達が対峙するオークの群れは彼等にいくら傷つけられようと襲い掛かり、特にこの場で最も大きいビャクに対しては数体のオークが喰らいつこうと顎を開き、ゴンザレスの腕にも噛みつく個体も存在した。
「アガァッ!!」
「ぐおっ!?こ、こいつ……俺を喰うつもりか!?」
「ギャインッ!?」
「ビャク!?くそっ、離れろっ!!ビャクはお前等の餌じゃないぞ!!」
「「「プギィイイイッ……!!」」」
致命傷を負っても飢餓状態のオークは躊躇なく目の前に現れた相手を餌と認識し、容赦なく襲い掛かる。そんなオークの群れにナイ達は焦りを抱き、いつも通りに動く事ができなかった。
「プギィッ!?」
「プギャッ!?」
ビャクが咆哮を放つとオークの群れは敵の中に白狼種が混じっている事に気付き、半数近くが怯えた表情を浮かべた。力の弱いゴブリンや野生本能が優れるボアなどの魔物は白狼種の咆哮を耳にしただけで怯えて逃げ出す。
オークはゴブリンよりも危険度は高いとはいえ、それでも白狼種と比べると力が弱い魔物である。しかし、通常ならば白狼種の咆哮を耳にすれば逃げ出すはずのオークたちだが、森から現れたオークの群れは一瞬だけ怯んだが、腹が鳴る音を出して襲い掛かってきた。
『プギィイイイッ!!』
「ウォンッ!?」
「えっ!?どうして!?」
「来るぞ!!」
「私が足止めします!!その間に二人は準備を整えてください!!」
ビャクの咆哮を受けても逃げ出そうとしないオークの群れにナイは驚くが、即座にエルマは弓を構えると彼女の得意とする魔弓術を発揮させる。
彼女が撃ち込む矢には風属性の魔力が付与され、物体に衝突すると鏃に宿した魔力が拡散し、衝撃波を発生させる。エルマの矢でオークを吹き飛ばされ、更に地面に打ちこめば土煙を舞い上げて視界を封じる。
「プギャアッ!?」
「プギィッ……!?」
「怯んだ、仕掛けるなら今だ!!」
「ウォオンッ!!」
「やああっ!!」
ゴンザレス、ビャク、ナイの3人はエルマの攻撃で怯んだオークの群れに突っ込み、一斉に攻撃を仕掛ける。ビャクは前脚でオークを突き飛ばし、鋭い牙で倒れたオークの頭部に容赦なく食らいつく。
「ガアアッ!!」
「プギャアアッ!?」
「プギィッ!?」
ビャクに噛みつかれた仲間を見て他のオークは混乱する中、ゴンザレスは闘拳を装備した拳を振りかざし、オークの顔面を殴りつける。
「ふんっ!!」
「ブホォッ……!?」
「ぬんっ!!」
「ブフゥッ!?」
顔面を殴りつけられたオークは地面に倒れ込み、頭から血を流して立ち上がる事はできず、続けてゴンゾウは他のオークの腹部を殴りつける。オークは頑丈な毛皮と分厚い脂肪に覆われているので打撃系の攻撃には強いはずだが、巨人族のゴンザレスの攻撃を受けたオークは衝撃に耐え切れずに倒れ込む。
ビャクとゴンザレスの活躍を見ながらナイは旋斧と岩砕剣を両手に構え、今回は魔物が相手なので躊躇する必要はなく、剛力を発動させて二つの大剣を振りかざす。
「だりゃあああっ!!」
「プギィイイッ!?」
「プギャアッ!?」
「プギィッ……!?」
次々とナイはオークを切り裂き、今のナイの腕力ならば素の状態でも相手がトロールだろうと切り裂ける威力の攻撃を与える事が出来た。その様子を見てエルマは援護は必要ないかと思った時、ここで馬の悲鳴が響く。
「ヒヒンッ!?」
「ヒヒィンッ!?」
「プギィイッ……!!」
「なっ……馬をっ!?」
エルマとゴンザレスがここまでの移動に利用していた馬車の馬たちが狙われ、数体のオークが馬たちに嚙り付き、生きたまま貪り喰らう。その光景を見てエルマはもう馬たちは助ける事はできないと判断し、一方でオークの行動の異常性に戸惑う。
(戦闘中に馬に嚙り付くなんて……あの涎の量、まるで何日も餌を食べて否様な飢餓状態に陥っている!?)
オークは雑食性なので相手が動物であろうと関係なく襲い掛かる生き物だが、戦闘の際中だというのに馬を喰らうなど明らかに普通ではない。
エルマは襲い掛かってきたオークの様子を伺うと、通常のオークと比べて僅かに身体が痩せているように感じられた。エルマはマホと旅をしていた時に何度かオークと交戦したが、今回現れたオークたちは何故か普通のオークよりも痩せており、まるで何日も餌にありつけていないかのように食料を目の当たりにして喰らいつく。
「プギィッ……ブフゥッ!!」
「プギィイッ!!」
「なっ!?仲間割れまで……!?」
馬に喰らいついていたオークの一匹が他のオークに突き飛ばされ、その間に馬に別のオークが嚙り付く。食料の奪い合いまで始めたオークの群れを見てエルマはナイ達に注意した。
「気を付けてください、こいつらは普通ではありません!!」
「ぐぅっ……!?」
「何だ、こいつら……いくら切られても向かってくる!!」
「ウォンッ!?」
『プギイイイッ!!』
ナイ達が対峙するオークの群れは彼等にいくら傷つけられようと襲い掛かり、特にこの場で最も大きいビャクに対しては数体のオークが喰らいつこうと顎を開き、ゴンザレスの腕にも噛みつく個体も存在した。
「アガァッ!!」
「ぐおっ!?こ、こいつ……俺を喰うつもりか!?」
「ギャインッ!?」
「ビャク!?くそっ、離れろっ!!ビャクはお前等の餌じゃないぞ!!」
「「「プギィイイイッ……!!」」」
致命傷を負っても飢餓状態のオークは躊躇なく目の前に現れた相手を餌と認識し、容赦なく襲い掛かる。そんなオークの群れにナイ達は焦りを抱き、いつも通りに動く事ができなかった。
10
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる