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王国の闇
第757話 名演技
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(いや、あれは只の脅しだ!!あの仮面、ただの白面ではないが……大方、アルト王子の側近の騎士が化けているんだろう)
警備隊長はアルトを抑えつける人物が彼の仲間だと判断し、事前に宰相からアルトが戻ってこようと王都に入れる事はならないと厳重に注意を受けていた。
しかし、もしも本当に王子を人質に取られていたら無視することはできず、警備兵の中には宰相と繋がりを持たない兵士も多い。彼等はすぐにアルトを助けようと動き出す。
「警備隊長、ここは奴の要求を呑んで入れましょう!!隙を突いてあの盗賊からアルト王子を救い出すしかありません!!」
「おい、早く橋を下ろせ!!王子が殺されてしまうぞ!?」
「ま、待て!!勝手に動くな!!」
兵士達はアルトを救い出そうと動くが、この時に警備隊長は彼等を引き留めてアルトの様子を伺う。万が一にもアルトが本物の盗賊に捕まっていた場合、ここで見逃せば大変な事態に陥る。
(アルト王子もこの国の継承権を持つ人間……死なせでもしたら宰相に何をされるか分からん。だが、あれが演技だったら……)
アルトが本物の盗賊に捕まり、殺されたとなればシンは決して許しはしないだろう。リノが王女と宣言してからはアルトも正式に王位継承権を与えられ、バッシュの身に何かあれば彼が国を引き継ぐ立場である。
警備隊長は判断に悩んでいると、ここで黒仮面はしびれを切らしたのかアルトの腹部に目掛けて短剣を突き刺す。
『状況を理解していないようだな……ならばこいつの命を貰うぞ!!』
「うぐぅっ!?」
「アルト王子様!!」
「そ、そんな……本当に刺しやがったぞ!?」
「何てことをっ……!!」
アルトの腹部に短剣が突き刺さり、服に血が滲む。その光景を見て兵士達は悲鳴を上げ、ここで警備隊長も血を流すアルトを見て本当に演技ではないのかと思い込む。
(し、しまった!?あいつ、本当に刺しやがった……まさか、あれは演技じゃないのか!?本当に盗賊なのか!?)
黒仮面に腹部を突き刺されたアルトは苦悶の表情を浮かべ、その場に膝を着く。腹部から血が滲み、徐々に服が赤く染まっていく。その様子を見て警備隊長は顔色を青ざめ、兵士達に指示を出す。
「何をしている、早く橋を下ろせ!!アルト王子を救うんだ!!」
「は、はい!!おい、橋を早く下ろせっ!!」
「了解しました!!」
城壁の兵士達は慌てて橋を下ろすと、城門が開かれた。その様子を見て黒仮面の男は笑みを浮かべ、負傷したアルトを抱き上げて狼車へと乗り込む。
『よし、下手な真似はするなよ……もしも何か仕掛けようとしたらこいつの命は無い者と思えっ!!』
「ぐぐっ……」
「おのれ、外道がっ!!」
「よくもアルト王子をっ!!」
狼車は橋を通り過ぎると、城門の前に移動を行う。この時に橋を完全に渡り切った瞬間、車の中からマントで全身を覆い隠したナイ達が降り立つ。
ナイは狼車とビャクを切り離すと、自由になったビャクとはここで一旦別れる事になり、大量の仙薬が入った瓶を持ったモモとリーナだけがビャクに乗り込む。
「よし、二人の事は任せたぞ」
「ウォンッ!!」
「ナイ君、気を付けてね……」
「他の皆も油断しないでね!!」
ビャクに二人は乗り込むと、そのまま街中に向けて駆け出す。その様子を見て兵士達は驚き、慌てて追跡しようとしたが、その前に黒仮面を纏ったクノがアルトを抑えた状態で怒鳴りつける。
『動くな、動けばこいつの命はないぞ!!』
「ぐぅっ……!?」
「く、くそっ!!王子を離せっ!!」
「王子、大丈夫ですか!?」
「おのれ、悪党がっ……!!」
腹部から血を流すアルトを変装したクノが抑えつけ、その様子を残されたナイ、ミイナ、ヒイロが若干呆れた様子を浮かべる。アルトは苦し気な表情を浮かべながらも、三人に対して親指を立てた。
「僕の演技も中々だろう?」
「う、うん……」
「意外な才能」
「もう、心臓に悪いですよ……」
――実を言えばアルトの腹部の血はイーシャンから受け取った血のりを利用しており、実際の所は彼は腹部に短剣を突き刺されて血を流したわけではなく、クノが突き刺すをふりをして血のりで本当に出血しているように見せかけただけである。
しかし、兵士達を騙す事には成功し、彼等の注目はアルトとクノに向いていた。そして残された三人のうち、ミイナとヒイロはクノが口笛を吹くと駆けつけてきたクロとコクに乗り込む。
「「ウォンッ!!」」
「それでは私達は闘技場へ向かいます!!御二人とも、お気をつけて!!」
「ナイ、すぐに追いついてね」
「ああ、分かった……じゃあ、二人ともここは任せるよ」
「承知したでござる!!」
「任せてくれ……君達も気を付けるんだよ」
クロとコクに乗り込んだヒイロとミイナは闘技場へ向けて駆け出し、その様子を見たナイは急いで追いかけようとしたが、最後に二人と別れを告げた。そして自分は瞬動術を利用して一気に建物の屋根の上に跳躍を行う。
警備隊長はアルトを抑えつける人物が彼の仲間だと判断し、事前に宰相からアルトが戻ってこようと王都に入れる事はならないと厳重に注意を受けていた。
しかし、もしも本当に王子を人質に取られていたら無視することはできず、警備兵の中には宰相と繋がりを持たない兵士も多い。彼等はすぐにアルトを助けようと動き出す。
「警備隊長、ここは奴の要求を呑んで入れましょう!!隙を突いてあの盗賊からアルト王子を救い出すしかありません!!」
「おい、早く橋を下ろせ!!王子が殺されてしまうぞ!?」
「ま、待て!!勝手に動くな!!」
兵士達はアルトを救い出そうと動くが、この時に警備隊長は彼等を引き留めてアルトの様子を伺う。万が一にもアルトが本物の盗賊に捕まっていた場合、ここで見逃せば大変な事態に陥る。
(アルト王子もこの国の継承権を持つ人間……死なせでもしたら宰相に何をされるか分からん。だが、あれが演技だったら……)
アルトが本物の盗賊に捕まり、殺されたとなればシンは決して許しはしないだろう。リノが王女と宣言してからはアルトも正式に王位継承権を与えられ、バッシュの身に何かあれば彼が国を引き継ぐ立場である。
警備隊長は判断に悩んでいると、ここで黒仮面はしびれを切らしたのかアルトの腹部に目掛けて短剣を突き刺す。
『状況を理解していないようだな……ならばこいつの命を貰うぞ!!』
「うぐぅっ!?」
「アルト王子様!!」
「そ、そんな……本当に刺しやがったぞ!?」
「何てことをっ……!!」
アルトの腹部に短剣が突き刺さり、服に血が滲む。その光景を見て兵士達は悲鳴を上げ、ここで警備隊長も血を流すアルトを見て本当に演技ではないのかと思い込む。
(し、しまった!?あいつ、本当に刺しやがった……まさか、あれは演技じゃないのか!?本当に盗賊なのか!?)
黒仮面に腹部を突き刺されたアルトは苦悶の表情を浮かべ、その場に膝を着く。腹部から血が滲み、徐々に服が赤く染まっていく。その様子を見て警備隊長は顔色を青ざめ、兵士達に指示を出す。
「何をしている、早く橋を下ろせ!!アルト王子を救うんだ!!」
「は、はい!!おい、橋を早く下ろせっ!!」
「了解しました!!」
城壁の兵士達は慌てて橋を下ろすと、城門が開かれた。その様子を見て黒仮面の男は笑みを浮かべ、負傷したアルトを抱き上げて狼車へと乗り込む。
『よし、下手な真似はするなよ……もしも何か仕掛けようとしたらこいつの命は無い者と思えっ!!』
「ぐぐっ……」
「おのれ、外道がっ!!」
「よくもアルト王子をっ!!」
狼車は橋を通り過ぎると、城門の前に移動を行う。この時に橋を完全に渡り切った瞬間、車の中からマントで全身を覆い隠したナイ達が降り立つ。
ナイは狼車とビャクを切り離すと、自由になったビャクとはここで一旦別れる事になり、大量の仙薬が入った瓶を持ったモモとリーナだけがビャクに乗り込む。
「よし、二人の事は任せたぞ」
「ウォンッ!!」
「ナイ君、気を付けてね……」
「他の皆も油断しないでね!!」
ビャクに二人は乗り込むと、そのまま街中に向けて駆け出す。その様子を見て兵士達は驚き、慌てて追跡しようとしたが、その前に黒仮面を纏ったクノがアルトを抑えた状態で怒鳴りつける。
『動くな、動けばこいつの命はないぞ!!』
「ぐぅっ……!?」
「く、くそっ!!王子を離せっ!!」
「王子、大丈夫ですか!?」
「おのれ、悪党がっ……!!」
腹部から血を流すアルトを変装したクノが抑えつけ、その様子を残されたナイ、ミイナ、ヒイロが若干呆れた様子を浮かべる。アルトは苦し気な表情を浮かべながらも、三人に対して親指を立てた。
「僕の演技も中々だろう?」
「う、うん……」
「意外な才能」
「もう、心臓に悪いですよ……」
――実を言えばアルトの腹部の血はイーシャンから受け取った血のりを利用しており、実際の所は彼は腹部に短剣を突き刺されて血を流したわけではなく、クノが突き刺すをふりをして血のりで本当に出血しているように見せかけただけである。
しかし、兵士達を騙す事には成功し、彼等の注目はアルトとクノに向いていた。そして残された三人のうち、ミイナとヒイロはクノが口笛を吹くと駆けつけてきたクロとコクに乗り込む。
「「ウォンッ!!」」
「それでは私達は闘技場へ向かいます!!御二人とも、お気をつけて!!」
「ナイ、すぐに追いついてね」
「ああ、分かった……じゃあ、二人ともここは任せるよ」
「承知したでござる!!」
「任せてくれ……君達も気を付けるんだよ」
クロとコクに乗り込んだヒイロとミイナは闘技場へ向けて駆け出し、その様子を見たナイは急いで追いかけようとしたが、最後に二人と別れを告げた。そして自分は瞬動術を利用して一気に建物の屋根の上に跳躍を行う。
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